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365 photo diary

写真って、その瞬間の想いを伝えるもの。
見返したときに撮った瞬間が蘇るような、そんな写真を撮っていきたい

結果から考える大切さを感じさせる「ハゲタカ」シリーズ

2017-02-18 17:08:51 | 読書感想文

「ビジネスで失敗する最大の原因は、人だ。味方には、その人がこの戦いの主役だと思わせ、敵には、こんな相手と戦って自分は何て不幸なんだと思わせることだ。そして、牙や爪は絶対に見せない。そこまで細心の注意を払っても、時として人の気まぐれや変心、あるいはハプニングのせいで、不測の事態が起きるんだ。だから結果を焦るな。そして馴れ合うな」

真山仁 『ハゲタカ(上)』 第二部 プレパッケージ 第一章 岐路 3





最近感じさせられるのは、人が何かを身に付けて行く過程において
どのように人を引っ張っていくのが良いのか、ということです。

そういう時に結構重要な要素って、性格的なことも含まれるかもしれませんし
一概には言えないことは承知の上ではありますが、例えば
  • 素直であること
  • 色々なことに興味を持つこと
  • とりあえずやってみること

なんかが考えられる気がします。

そのうえで、

  • きちんと考えられる人
  • きちんと準備ができる人
  • 当事者意識が持てる人
  • プライド(責任感、コミットメント)が高い人

であればすぐにそれなりにお金が取れるレベルまではイケるのではないでしょうか。
もちろん「突き抜ける」となるとまた違った努力が必要になるんでしょうが…

そんな中、「ハゲタカ」シリーズ全8巻が面白すぎ、
1週間ちょいですべて読み切ってしまうという暴挙を久しぶりに(^^;

映画でもおなじみ、世界最強のオリジネーター、鷲津さんが大活躍する
お話となりますが、彼が凄いのは、きちんと「ゴール」が設定されていて、
途中何度もそのアプローチの方法を変えながらでも
深慮遠謀にその「ゴール」を達成してしまうという点です。

ただしそのゴールとは「結果」の事ではないことに注意が必要です。
結果を出すことだけではなく、その結果をどのように出したのか、
が今後のビジネスや立場にも大きく関わってくるからです。

だから「ゴール」というのはいわば「真実」と言い換えた方がむしろ適切かもしれません。
「真実に向かおうとする意志」といえばジョジョの5部、アバッキオですね!

「そうだな・・・ わたしは『結果』だけを求めてはいない。
『結果』だけを求めていると、人は近道をしたがるものだ・・・
近道した時『真実』を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていく。
大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている。
向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても、
いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな・・・違うかい?」


もう少しイメージしやすく書くと、「山の頂」が「真実」だとすれば、
その真実に辿り着くための道程はもちろん沢山のルートがあります。
最初に見えていたルートが実は全部ブラフで、
もしかしたら途中から正しいルートが見つけられるかもしれません。

そしてそのルートは待っていれば見えてくるものでは決してなく、
自ら切り開いていかなければならないルートでもあります。

でも単純化して考えればそう難しい話ではなく、
最初に「真実」という名の「ゴール」を設定することができれば
あとはそのゴールを因数分解し、そのために必要な要素を
調べたり人に聞いたりしながら埋めていけばいいだけなんです。

その際、自分のこだわりは一旦捨てましょう。

言葉は悪いですが、単なる趣味レベルの能力に「こだわり」なんて邪魔なだけです。
「王道」を身に付けてからいくらでも拘ればいいんですから。
まずは徹底的にパクること。
「王道」は歴史が証明した真実の1つですから、裏切りません。

そこからだんだんと自分の色が出てくるんです。
日本の「道」の世界でいうところの「守・破・離」ですね!

結果から考えていけば「もう少し場数を踏めば…」という言葉は決して出てこなくなります。
基礎の段階では重要なのは場数ではなく、意識ですから。
場数は「普通のプロ」から「一流のプロ」になる道程で必要なものです。

すこし「ハゲタカ」から話が逸れてしまいましたが、
印象的だった言葉を最後に2つ引用して締めたいと思います。

幸福とは、その人の能力が発揮できる場を常に持ち続けることかもしれないと鷲津は感じた。

真山仁 『レッドゾーン(下)』 第三部 宣戦布告 第三章 電光石火 9

 誰にも負けないという驕りと訣別し、誰とも争わずにビジネスに成功する投資家になる。それが俺の考えるサムライスピリッツだ――。

真山仁 『グリード(下)』 第三部 術数 第十章 ジョーカー 9

 
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「荒木飛呂彦の漫画術」から見る”黄金の道”とは

2016-09-25 00:54:17 | 読書感想文

 漫画というものは、書く人の心から湧き上がる情熱が描かせるもので、何が正しい、などと証明できるものではありません。普遍的な「描き方」が存在する、というのは勝手な思いあがりであり、自戒すべきことでしょう。しかも、ひとつの方法だけが正しい、とも限らないのです。
 しかしながら漫画には、時々『すべての物事がしっくりいく』ということが起こります。
~中略~
 それは、物理学の理論が示す宇宙の法則みたいな完璧さをも感じさせる、あるいは、最初の一音から最後の一音まで、すべてが正しく決定された音の集まりみたいに流れる素晴らしい音楽のようでもあります。
 この状態へと続く道を、「黄金の道」と呼びたいと思います。

荒木飛呂彦 『荒木飛呂彦の漫画術』 おわりに

 

「ジョジョの奇妙な冒険」で有名な荒木飛呂彦先生が、
その長年にわたる漫画家人生の全てを掛けたといっても過言ではないほど
真剣勝負で漫画の描き方についての「黄金の道」を解説してくれている本です。

 

 

なぜ漫画どころか、まともな絵すらかけない私が漫画術の本を…?
と思われる方も多いかと思いますし、実際、荒木先生も
本の中で『この本はたった一人のために書いています』というほど
読者を限定した超ニッチな本です。

 

しかし一方で、すべての分野について言えることでしょうが、
ある分野を極めた人の言葉は分野を超えて
私たちの胸に響いてくることもまた事実であり、
ここに書いてあることや荒木先生の仕事に対する姿勢など
私たち普通のビジネスマンが学ぶべきエッセンスが多様に詰まっています。

 

 しかしはっきりとここで言っておきたいのは、「黄金の道」とは、「漫画の描き方」のマニュアルではありません
「黄金の道」とは、さらに発展して行くための道。今いるところから、先へ行くための道です。「自分はどこへ行くのか?」を探すための道とも言えます。
 ですから、変なことを言うようですが、この『漫画術』に書いてある通りに漫画を描いてはいけないのです。僕が「黄金の道」として書いたことをそのまま実践しても、そこに発展はありません。
~中略~
 この本を、漫画を描くための様々な道が記された「地図」にしたいと思いました。
 知らない山に登るための「地図」。誰も行ったことのない、未開の地に行くための「地図」。
 先へ進んだのはよいが、迷ったり、悩んだり、道を見失ったり、壁や崖にぶつかったりしたときに、生きて戻ってくるための「地図」。いったんこの「黄金の道」へ戻ってきて、休んで、落ち着いた気持ちで考え、それからまた先へ進めばよいのです。

荒木飛呂彦 『荒木飛呂彦の漫画術』 おわりに

 

なぜ荒木先生はこんなにも惜しげもなくノウハウを出してしまうのか。
それはきっと、ここまで世界的に突き抜けてしまった方にとって、ノウハウを真似されたところで、実は全然痛くも痒くもないってことが分かってるんですね、きっと。
ノウハウをどんなに真似しても、どんなにその先生に教えてもらって忠実に再現しようとしたとしても、その先生になれることはありません。ただの二番煎じ、と世の中から言われて終わりでしょう。
だから、良いと思ったことを全部教えてくれるし、それが業界の発展につながるということをきっとわかってやってくれているのではないでしょうか。

 

日本の武道の世界でも「守・破・離」なんて言葉がありますが、
これは先代の教えを忠実に守るフェーズの「守」、
その教えを自分流に改良を加えてみるフェーズの「破」、
そして改良の中から自分独自の道を確立する「離」、
の段階を経て発展していくと言われています。

 

これが、日本の「~~道」と呼ばれる分野で、
様々な「派」がある一つの理由ではないでしょうか。

 

その意味で日本の子弟制度というのは意外と合理的だったりするんでしょうし、
それを究極の高みに昇華させたのがきっと室町から江戸にかけての「狩野派」なんでしょう。

 

いやはや、素敵な本でした。
漫画本と言わず、是非皆さん読んでみてくださいね!
ジョジョ好きな人には、ジョジョの漫画の解説まで見られる
ファン必見の内容にもなってますよ☆

 

 




「必要なもの」ではなく「好きなもの」にお金を使おう

2016-09-14 23:02:42 | 読書感想文

先日「ユニバースの力を味方に付ける「ザ・シークレット」」という本を読みましたが、
たまたま手にした「一生お金に困らない生き方」という
心屋仁之助さんの本を読んでいたら、全く同じことが書いてあって
びっくりしたので思わずここにも書いてしまいます!!

 

 

 お金がないからできない、のではなくて、「ある」と思ってやってみる。「ある」前提の行動をとってみる。
 「お金基準」で選んでいたものを、好き嫌いで選んでみる。
(中略)
 「お金、全然ないです。好きなものを買ってしまうと、今月の携帯代も払えません」と言った人がいますが、携帯代は「ある」わけです。
 ちゃんとご飯を食べるお金はあるし、電車に乗ったり、携帯料金を払ったり、友達と会ったり、雑誌を買うお金はあるわけです。
 優先順位を「必要なもの」から「好きなもの」に変えるのです。「好きなもの」とは「テンションの上がるもの」です。

心屋仁之助 『一生お金に困らない生き方』 第5章お金が入るようになる習慣

 

 

言ってることは結構単純で、
(1)お金に色はない。汚いものでもないし、綺麗なお金なんてものもない。
(2)お金は労働の対価ではない。空気のような、あって当たり前のもの。
(3)お金が入って来ないのは、自分が拒否しているから
(4)豊かさ(なりたい自分、欲しいもの)は想像を超えたところからやってくるから、どう実現すればいいか、なんてことは考える必要ない
(5)「すでに実現したもの」として行動すれば、結果として実現する
みたいな感じです。

 

何言ってんの?という方、多いと思います。
みんながそう思うからこそ世の中の大多数はお金持ちじゃない。
でも心を変えれば、人生が変わるんですね~。
お金持ちの人は最初から無意識にそれを実践している人が多いです。
が、途中から気付いても挽回可能!
人生、まだまだ長いですよ~♪

 

 顧客が求めるものよりも、自分がやりたいこと、自分が伝えたいことを一方的に伝え、自分の都合を最優先して、自分がやりたいことだけをやってみたのです。
(中略)
 それなのに、顧客のニーズにこたえようとしてきたときより、ずっと多くの人から感謝の言葉をいただけるようになりました。
 そして、そんな僕でもいいと言ってくれる人たちが、たくさん集まってくれるようになりました。

心屋仁之助 『一生お金に困らない生き方』 第5章お金が入るようになる習慣

 

こういうのも、文章にすると、「けしからん」なんてこと言われそうな気がしますが、
こういうことって、色んな捉え方ができるってことが重要です。
10円玉って丸いだけじゃないんですよ。横から見ると、長方形ですよね?

 

「がんばる」っていっても、どういう方向に頑張ってるか、が重要なんですよね♪

 

「ない」からやらないのではなく、「やらない」から「ないことにしている」のです。「ない」から無理なのではなく、「無理」だと決めているから「ない」ようにしているのです。
(中略)
 お金が入ったから、やるのではなく、やると「決めた」ら「なんか知らんところから」お金が入ります。
 先に決めてください。
「やれたらいいなぁ~」と願うのではなく、先に「決める」。お金がなくても、やると「決める」のです。

心屋仁之助 『一生お金に困らない生き方』 第5章お金が入るようになる習慣

 

最初この本を受け取った時、タイトルを見て正直、
”こういう系”の本か…
なんて思ってしまい全く興味が持てませんでしたが、
読んでみたら意外や意外、なかなか楽しく読めました。

 

中身自体は読みやすく分量も少ないので、すぐに読めちゃいます。
お金云々というのはあまり気にせず、
自分が自分らしく生きるためにはどうしたらよいか、
というヒントが書かれた本だと思うので、お勧めです^^

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

 




吉川英治氏による「三国志」を読破!

2016-09-10 00:00:00 | 読書感想文

前々から読みたいな~っと思いながらその圧倒的大長編っぷりにより
なかなかその一歩を踏み出せずにいましたが、
中国古典研究の第一人者、守屋洋先生にお会いする機会があったので、
「どの三国志を読むのが良いでしょうか?」
と聞いてみたところ
「吉川英治さんの本が良いのではないか」
というお勧めをいただいたこともあって、一気に読破いたしました!

 

 

三国志は、話自体が長いのも大変な理由の一つですが、
(なんと、結構集めの文庫本が合計10冊分!!)
同じ三国志でも、多くの作者から、また同じ作者であっても
複数の三国志が出ている、ということも難点の一つです。

 

そこで私のお勧めは、守屋先生からお勧めされたということもありますが、
その吉川英治作品の中でももっとも最近発売されたものが
上記の画像でも載せた、新潮文庫から出ている全10巻です。

 

この本が現代にまで未だ名著として読み継がれているのには
やはりそれなりに理由があり、これは単なる小説好きの人が読む本というよりは
ビジネスに関わる人も必携の一緒と言えそうです。

 

全10巻もあるのでなかなかその感想を一言でまとめるのは難しいですが、
読んでいて特に心に残った個所を引用して
その感想に代えたいと思います。

人と人との応接は、要するに鏡のようなものである。驕慢は驕慢を映し、謙遜は謙遜を映す。人の無礼に怒るのは、自分の反映へ怒っているようなものといえよう。

「三国志」 七.望蜀の巻 西蜀四十一州図 二

 

吉川英治さん繋がりということで、次は同じ吉川英治作品である
これまた全8巻の大長編である「宮本武蔵」を読んでいきたいと思います♪

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

 




『とける、とろける』に見る、人生を変えてしまうほどの恋愛とは

2016-07-15 00:00:00 | 読書感想文

そういえばこのブログを読み返していてふと思った。

全体的に、真面目で、難しそうで、そして字が多い!

こと、読書という意味では私は乱読者なので、有害無害の区別なく

色々と読んでいるわけですが、普段なかなか紹介しないような

ちょっとインモラルな作品を紹介したいと思います。

 

 

 

9つの短編小説から成る「とける、とろける」ですが、

全ての作品は、主人公が究極レベルの性愛を体験して人生が変わってしまう

という内容です。

 

私は男なので女性の性愛に対する考え方はもちろんわかりませんが、

人生を変えてしまうほどの体験ができるということは、

幸せなのか、不幸なのか、考えてみると難しいなぁ…と思います。

恋愛って凶器(≒狂気)なのか!?なんて読みながら感じますし(笑)

 

でもやっぱり幸福なんだろうなぁ…なんて考えてしまいます。

 

「あなたは、かつて、ある男性と深く契りを交わしています。けれども、その時には結ばれなかった。現世でその約束を果たすことになるでしょう。ふたりでやり残したことを遂げるのです。そうすればもう二度と離れることはありません」
「あの、その男性というのは今の彼じゃないんですか」
「残念ですが、違うようです」
「じゃあ、いったいその人とはいつ出会えるんでしょう」
「それは、今のところ何とも言えません」
「出会ったら、すぐこの人だってわかるのかしら」
「たぶん。相手もきっと、あなたに何かしらの記憶を持っているはずです。はっきりとはわからなくても、どこかで会ったというような感覚を抱くでしょう。けれども、本当のところは男と女の営みの中でしかわかりません。あなたは今まで知らなかった自分を、その人を通じて知るでしょう。その時、はっきりこの人だとわかるのです」

唯川恵 「とける、とろける」 契り (会話部分のみ抜粋)

 

 

最近の若い人は恋愛にあんまり興味を持たない人も増えてきた?とかなんとか

メディアに色々と書かれていますが、実際どうなんでしょう?

話を聞くところによると、自分の生活リズムが乱れるとか、

恋愛の進行が思うようにならない、からめんどくさい、とか?

 

でも、リズムが崩れるほどの相手、思うがままにならない相手、

それが恋愛だという気もするけど、でも振り回されてばかりの恋愛というのも

またそれはそれで違うんだろうなぁと思うから、

どこかで安定した恋というよりも愛の方向に舵を切るべきなんだろうなぁ

とも思ったり。

 

なんだかまとまりのないブログになってしまいましたが、恋愛は十人十色。

せっかくの人生なんだから、多少のリスクは恐れずに、

ガッツリのめり込んでみた方が、きっと何か新しい境地を

見付けられる気がします♪

全部が全部、予定調和の人生なんて、つまらないじゃない^^

 

「僕はたくさんの女は知らないけど、自分にぴたりとはまる子がいたら、絶対に見過ごさない。その自信はある」
(中略)
「僕は、千寿ちゃんの一部だよ」
「どういうこと?」
「ベッドの上で、僕と千寿ちゃんは別々の人間じゃない。僕たちは、互いの身体で自慰をしているんだ。僕の指は千寿ちゃんの指で、千寿ちゃんの舌は僕の舌だ。ふたつの身体ですべてになる」
(中略)
またいつかスイッチを入れる男と巡り合う時が来るだろうか。
来ても来なくても、それで自分は幸福にも不幸にもならない。
私は私であり続ける。
そのことに、千寿は深く安堵する。

唯川恵 「とける、とろける」 スイッチ

 

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました^^