「ビジネスで失敗する最大の原因は、人だ。味方には、その人がこの戦いの主役だと思わせ、敵には、こんな相手と戦って自分は何て不幸なんだと思わせることだ。そして、牙や爪は絶対に見せない。そこまで細心の注意を払っても、時として人の気まぐれや変心、あるいはハプニングのせいで、不測の事態が起きるんだ。だから結果を焦るな。そして馴れ合うな」
真山仁 『ハゲタカ(上)』 第二部 プレパッケージ 第一章 岐路 3

最近感じさせられるのは、人が何かを身に付けて行く過程において
どのように人を引っ張っていくのが良いのか、ということです。
そういう時に結構重要な要素って、性格的なことも含まれるかもしれませんし
一概には言えないことは承知の上ではありますが、例えば
- 素直であること
- 色々なことに興味を持つこと
- とりあえずやってみること
なんかが考えられる気がします。
そのうえで、
- きちんと考えられる人
- きちんと準備ができる人
- 当事者意識が持てる人
- プライド(責任感、コミットメント)が高い人
であればすぐにそれなりにお金が取れるレベルまではイケるのではないでしょうか。
もちろん「突き抜ける」となるとまた違った努力が必要になるんでしょうが…
そんな中、「ハゲタカ」シリーズ全8巻が面白すぎ、
1週間ちょいですべて読み切ってしまうという暴挙を久しぶりに(^^;
映画でもおなじみ、世界最強のオリジネーター、鷲津さんが大活躍する
お話となりますが、彼が凄いのは、きちんと「ゴール」が設定されていて、
途中何度もそのアプローチの方法を変えながらでも
深慮遠謀にその「ゴール」を達成してしまうという点です。
ただしそのゴールとは「結果」の事ではないことに注意が必要です。
結果を出すことだけではなく、その結果をどのように出したのか、
が今後のビジネスや立場にも大きく関わってくるからです。
だから「ゴール」というのはいわば「真実」と言い換えた方がむしろ適切かもしれません。
「真実に向かおうとする意志」といえばジョジョの5部、アバッキオですね!
「そうだな・・・ わたしは『結果』だけを求めてはいない。
『結果』だけを求めていると、人は近道をしたがるものだ・・・
近道した時『真実』を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていく。
大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている。
向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても、
いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな・・・違うかい?」
もう少しイメージしやすく書くと、「山の頂」が「真実」だとすれば、
その真実に辿り着くための道程はもちろん沢山のルートがあります。
最初に見えていたルートが実は全部ブラフで、
もしかしたら途中から正しいルートが見つけられるかもしれません。
そしてそのルートは待っていれば見えてくるものでは決してなく、
自ら切り開いていかなければならないルートでもあります。
でも単純化して考えればそう難しい話ではなく、
最初に「真実」という名の「ゴール」を設定することができれば
あとはそのゴールを因数分解し、そのために必要な要素を
調べたり人に聞いたりしながら埋めていけばいいだけなんです。
その際、自分のこだわりは一旦捨てましょう。
言葉は悪いですが、単なる趣味レベルの能力に「こだわり」なんて邪魔なだけです。
「王道」を身に付けてからいくらでも拘ればいいんですから。
まずは徹底的にパクること。
「王道」は歴史が証明した真実の1つですから、裏切りません。
そこからだんだんと自分の色が出てくるんです。
日本の「道」の世界でいうところの「守・破・離」ですね!
結果から考えていけば「もう少し場数を踏めば…」という言葉は決して出てこなくなります。
基礎の段階では重要なのは場数ではなく、意識ですから。
場数は「普通のプロ」から「一流のプロ」になる道程で必要なものです。
すこし「ハゲタカ」から話が逸れてしまいましたが、
印象的だった言葉を最後に2つ引用して締めたいと思います。
幸福とは、その人の能力が発揮できる場を常に持ち続けることかもしれないと鷲津は感じた。
真山仁 『レッドゾーン(下)』 第三部 宣戦布告 第三章 電光石火 9
誰にも負けないという驕りと訣別し、誰とも争わずにビジネスに成功する投資家になる。それが俺の考えるサムライスピリッツだ――。
真山仁 『グリード(下)』 第三部 術数 第十章 ジョーカー 9
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