とんとんからしのあるがまま

ゆっくりと、のんびりと、ゆる〜いシニアの日々を綴ります。

“あなた”から始まる三十一文字の歌

2022-07-23 | 俳句

 

肉じゃがの材料用意したままに眠るあなたに母性そそらる

 

探し物失くしてないとさり気なく返信くれるあなたのセンス

 

きらきらと人のうめきを輝ける都会の夜のひかり切なき

 

蝉鳴いて生の限りを滾らせるロックのやうな蝉の最後よ

 

さらばえた翼に血潮赤ければ明日も飛ぼう明後日もまた

 

 

産直の野菜送れば料理して写真をよこす娘は元気

 

ぽっかりと心に穴のあいた夜は月の光が優しくそそぐ

 

夕暮れの塀の長きを水の音そばを流るる小川淋しき

 

風鈴の色々あれど鉄製のものの響きは魂揺らす

 

桃を剥く吾が手の皺の憐れなるぴんと張たる時は帰らず

 


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