星ぼしを隠す島 について（再 宮古島）

能ある鷹が爪を隠す、みたいな姑息で周到なやつではなくて
気付いた時だけあったのねとわかる
島の星ぼしとはそういったことである

地面、海、と夜空の境まで星があった事にゆかりが気付いて、あ本当だと
後から納得。
一緒に見ていたのに、上や斜め上ばかりに気をとられていた私はしばらく気が付かなかった。
東京ではビル、長野では山や森、に囲まれているので
自分と同じ目線まで星があった事が美しい発見。
そういう目をもったゆかりが羨ましい。


夜空全部星まみれ、鉄道は静かに動き出して花巻のイーハトーヴォに
空のめぐりのめあての小熊のひたい、を探して空中の旅に出る。
あかい目玉のさそりから光の蛇のとぐろまで、全く辿り着けないででも、楽しい迷子。
詳しくはよく知らないので白鳥とひしゃく、ぐらいしか言い当てられないが何でも良いなら
何でも良いなら、ロウニンアジとカエルウオとハナミノサゴ、ゴーヤと麩ーとバナナ、
サックスやトランペットの楽器もあるし、かみひこうき、ペン、キャンプファイヤーの炎、ラジオ、
牛乳瓶、スプレー、ランプシェード、可愛いちょいな、いびつな傘、御所車、

波の音に混じって（んじゃおちかれさまでしたー！またー！）ぶーんと東平安名崎を遠ざかる車がいて
ちっと寒いです、うったえるまでずっと、ゆかりがぐるり囲んだ星をほうっと見回している。
空ごとレンタカーに積んで連れて帰れたらいいのに、と思うが本当はあるのだ。
頭の上や肩の向こう、足の下にも
あって気付かないのは結構よくあることで、腹の力を抜いた時こそ。
そういう豊かな日々がこれからもたまにあれば良い。

ゆかりから届いたはがきにはお手製風景印がたくさん。どれも一緒にみた風景。
友よ今年もありがとう。

 

　
パッ。　・・・パッ。

 

　
ふむふむ。　パッ！！

あなたもさあどうぞ。

あのですね、すみませんけど私達付き合ってませんから。