アニメ感想 Ｄ.Ｃ.Ⅱ Ｓ.Ｓ.（～ダ・カーポⅡ セカンドシーズン～）
セカンドシーズンは恋愛色が薄いようですね。
ゲームを知らない人にとって物足りないのではと感じてます。
朝倉姉妹は恋愛傾向が多少あれども、それどころではない状態が続いているようです。（アニメでは家族という見方が強いのかも）
“枯れない桜の樹事変”の核心に話が迫っています。
残りの話数で義之に対する恋愛の展開は果たして描かれるのか？
ＳＳのストーリー展開がゲームのトゥルーエンドシナリオ重視となると、恋愛面への期待は五分五分って所でしょうか。
では６話～８話、３話分の更新です。
６話「桜迷宮」
【都市伝説】
島内で起こる不可解な事故の原因を探る義之と音姫。
色々調べて行く内に杉並による非公式新聞部の記録を介し、島にある枯れない桜の樹が人々の願いを叶えているという噂（都市伝説）に行き着く。
初音島の都市伝説が噂され始めたのが５０年以上も前。
そう、今は音姫と由夢の祖父である、かの“ミスターかったるい”こと朝倉純一が義之達と同じ年齢だった頃。
純一が語る５０年前の思い出と都市伝説。
①屋上で鍋を囲む鍋好きの姉妹（水越眞子・水越萌の姉妹）
彼女らの子孫が水越舞佳と思われる
②バナナが大好物の子（天枷美春）
天枷美夏の製作に関わったと思われる
③人の心が読めて歌が凄く上手い子（白河ことり）
白河ななかが彼女の子孫と思われる
④猫が女の子にだってなれる（鷺澤頼子）
Ⅱで関係者は登場しない？？
冗談が上手いな・・・。
やはり年寄りの言う事は・・・と音姫と義之は笑うが、桜が枯れないのを不思議に思わないのは何故？と言う純一の言葉が２人に見事なカウンターが決まる。
【音姫の手】
あの頃は音姉の背が高かったのに・・・。
音姫が義之の手を引っ張って繁華街を走る。
音姫が自分より小さく見え、握って来た音姫の手が小さく感じる。
義之と朝倉姉妹が出会ったあの日から既に１０年。
その１０年前に“５０年前に枯れた枯れない桜の樹”が再び咲いたという。
それが８話でさくらが音姫に告白した義之の出生と大きく関わっている。
【杏が語った伝説】
調査の途中で義之は雪村杏と出会う。
都市伝説について杏に話すと、杏の口からとある少女の伝説が語られる。
事故のショックで記憶力障害になってしまったとある女の子が桜の樹にお願いをした。
そしたら記憶力が誰よりも良くなったという。
声には出さないが、それは正しく杏の十八番である「雪村流暗記術」の事を指している。
杏の経緯はゲームで詳しく語られる。
７話「変えられない夢」
【予知夢への抵抗】
結果が判っているにの何故・・・。
見た夢が現実に起きてしまう事に一人悩み続ける由夢。
それがスキー旅行の時に表面化する。
自分の誕生日を義之と２人で祝おうと準備をするも、義之はそこにおらず由夢は一人で悲しむ。
そんな自分の姿を由夢は夢で見てしまった。
判っているのにと何度も言い聞かせつつも、やっぱり大好きな義之に祝って貰いたい。
その気持ちが由夢を動かさずにいられなかった。
義之に少しは女らしくしろと言われていた由夢は商店街のとある店のショーウィンドウを眺める。
それが義之の目に触れ、由夢への誕生日プレゼントを帰りに買った義之がトラブルに巻き込まれる。
未来は変わらない・・・。
と誕生日の夜は抗い切れない予知夢への絶望に浸ったであろう由夢。
予知した内容を回避出来ないのなら、それを逆手に取ろうとまではさすがに思えないだろう。
しかし８話ではその気持ちを切り替える事に。
ちなみに義之が買ったプレゼントはパジャマ。
由夢の脱ジャージ→パジャマ姿。
ゲームでは由夢の魅力の一つだったパジャマ姿がアニメでも見られるだろうか。
【下戸】
家族団らんで年を越す義之。
子供でも飲める甘酒を飲んだ朝倉姉妹が見事な壊れっぷり（現実では有り得ない酔い方）を披露。
特に音姫は一口であの状態になるという、甘酒ネタでよくある？シーン。
（ＰＣゲーム版は１８禁につき、それにちなんだシーンがある）
酔っ払った音姫は誰が誰なのかが区別がつかず、周囲が全員さくらに見えたり、あさっての方向に顔を向けては義之にお小言を言い出す。
その時の腰つきが彼女のスタイルの良さをより痛感させる。
由夢も音姫レベルまでは行かないが、酔ってなーい！と叫びながら酔ってしまう。
比較的話が重い傾向のＳＳの一服の清涼剤となった。
【金髪の少女】
事故現場の目撃者の証言で語られる共通点。
それは「金髪の少女」が現場にいた事。
これほどきれいな金髪をした女の子は初音島にはそうそういないと島民が語っているのにも関わらず、それをさくらだと義之と音姫は断定しなかった。
ドリフのコント「志村後ろ後ろ！」と同じ感覚にも捉えられそうだが、その前にさくらは仕事で出かけると告知していた。
（台詞に“島を出る”とまでは言わなかったが、さくらは学園長の肩書きを持っているので島の外に出るのが日常的だったらしい）
例え金髪の少女であっても、その少女がさくらである筈が無いと思い込んでいたと思われる。
さくらの見かけが５０年前の時から不変である事は最大の謎だが、義之や朝倉姉妹にとってのさくらは、物心ついた時からその姿なので違和感を持っていない。
少女っぽいスタイルをした保護者（大人）にしか見えず、枯れない桜の樹が年中咲いているのが当たり前だと思う感覚と同じ感覚でさくらを見ているのかもしれない。
しかし音姫が事故現場でみかけた例の金髪少女は正しくさくらだった。
８話「さくらんぼとお兄ちゃん」
【由夢の気持ちの変化】
事故に巻き込まれ、由夢の誕生日パーティーの時間までに間に合わなかった義之。
由夢に申し訳無い気持ちを抱きつつ、今後どのように由夢と接したら良いのか悩んでいたが、翌日になるとあれだけ怒りんぼな由夢の機嫌が良くなっていた。
義之が見た「これでお別れだね・・・」という夢とどう繋がるのだろうか。
さくらが語る「桜を枯らすと義之君が消える」という部分も密接に関わっているのだろうか。
今後、由夢は“最後の時”までに義之とたくさんの思い出を作ろうと思い、優しく（こそばゆく）接しようとするだろう。
【さくらの役割】
Ｄ.Ｃ.の魔法使いと呼ばれる人には難点があった。
自分がかけた魔法は自分でしか操れない。
そして魔法は都合の良い完璧なものではない。
枯れない桜の樹は人々の願いを“何でも”叶えてくれる。
それが悪意のものでも叶えられてしまう。
樹の主であるさくらは魔法で願いの選別をして来たのだという。
悪意のある願いを叶えないようにしていたのが、それを抑えるのに限界が来てしまった。
次々に起きる事故で被害者が出なかったのはさくらが必至に食い止めた結果だが、それでも物損的な被害が出てしまう。
過去に魔法で嫌な思いを経験したさくらは人々の願いを叶えられないよう、桜の樹を長年枯れたままにしていた。
しかしその桜を１０年前に再び咲かせ、人々の願いを叶えさせ始めた。
そう、それは全て義之の誕生の為。
【桜内義之】
義之はさくらが桜の樹に願って授かった、人ならざる人。
それが１０年前で、これまで幾度も（ＥＤの冒頭でも）そのシーンが描かれた。
（義之が姿を現した時はおよそ５歳の子供）
ゲーム版で語られていたが、スキー旅行時に義之はネックレスを肌身離さず身につけていた。
ネックレスは島の外でも魔法の効果（義之の存在）を持続させる為のアイテムで、さくらが持たせていた。
枯れない桜の樹に宛てられる悪意な願いを絶つには桜の樹を枯らせれば良い。
しかし枯らせてしまうと、今までに叶った人々の願いも無効となってしまう。
願いで授かった杏の記憶力も消え、義之までも消えてしまう。
島内の多くの人々の平穏を取るか、義之を取るか・・・。
さくらの願いで誕生した義之を自分の都合で消してしまうなんて事は出来る筈がない。
【理由】
アニメのプロローグで聞かれるさくらの語り部。
それは何故自分が義之を欲したのかが語られている。
さくらの変わらぬ姿、同じ時を過ごした人達と次元が違った人生。
それはさくらと純一を見れば一目瞭然。
【充電】
義之を消さずに島内の事故を無くす方法がある。
さくらは桜の樹の中から願いをふるいにかける方法を選択した。
それは自分がいなくなる事を指す。
義之に充電して貰う形でさくらは“息子”と最後の別れを惜しんだ。
【さくらんぼとお兄ちゃん】
純一の前ではさくらは“さくらんぼ”に戻る。
義之達を見守る時とは一変し、妹（純一とは同い年だが）になる。
あの“○○じゃないかー”が本当のさくら。
髪を切ったのは、自分の願いを優先させる為に人々に迷惑をかけてしまった事によるケジメもあったに違いない。
最後は純一と一緒にいたいという理由でもあった。
そしてさくらは桜の樹の中に消える。
純一はさくらが何を望み、何をしようとしたかは語らずとも解っていたらしい。
総括
さくらが桜の樹の中から願いをフィルタリングするが、当然一件落着ではない。
さくらが義之を欲した本当の理由も本編で明らかにされていないし、さくらの行動を知っている音姫がこのままでいる筈もない。
魔法の桜の樹もさくらの意のままとは行かないので、より深い問題が待っている事も。
ゲームで見られたさくらの結末がそのまま反映されるかも気になる所。
