厳重な感染防止策をかいくぐって(ちょっとオーバーかな)ばあちゃんの病棟に到着すると、廊下の床に伏せるじい様が一人・・・ほふく前進
左腕と右足でジタバタと前進しています。
ここは認知症専門棟と一般棟の境界部分・・・まさかここから脱出しようとしているのか?
時間は午後2時、お昼寝タイムとオムツ交換タイムで、職員さんは各部屋で作業中。
廊下(ホール)には職員さんがいません。
そのかわり、長いすや車椅子やマットレスなどにおのおの楽な姿勢でくつろいでいるお年寄りが10人ばかり、『〇〇さん、さっき、転んだっけぇ』とか『転げで、そっちゃはってったっけぇ』などの情報を私にくれるんです。
うちのばあちゃんまでもが『さっき、その人、おっけったっけでばぁ』って言っています。
とにかく私にはどうすることも出来ないので、奥の病室のほうに声を掛けて職員さんに来てもらいました。
『〇〇さーん、どごさ行くところだぁ』
『・・・便所さぁ行くぅ・・・』
『部屋に行って、きれいにするべし』
って、ヒョイッと車椅子に座らせて連れて行きました。
あっけにとられて見ていると、うちのばあちゃんニコニコして手招きしています。
すると、こっそり(でっかい声ですが)・・・『みんなして転ぶども、オレはころばねぇよ』って言うんです。はいはい分りました・・・耳元でデカイ声出すなよぉ・・・家ではしょっちゅう転んでたのに・・・。
やっぱり今日も、私のこと分ってないんだなぁ・・・
洗濯物を交換して、早々に引き上げです。
そういえばさっき『転げで、そっちゃはってったっけぇ』って教えてくれたばあ様が、長いすから床の保護マットにずり落ちてました。
頭にヘルメットを被った小柄なじい様が、ものすごい形相で廊下を行ったり来たりしています。・・・運動中ですかぁ・・・
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今日の父ちゃん、再び微熱が出たようでアイス枕のお世話になっています。
髭を剃ってもらったのか、口元がサッパリ・・・
下唇のちゅぱちゅぱがクセになっちゃったようで、唇の左端が傷になっていました。
母ちゃんへのお土産に、父ちゃんの写メを1枚撮ってきました。
・・・母ちゃんの一言・・・ジジイになったなぁ
って、おいおい、だんな様じゃありませんか。
・・・そういえば・・・死んだじいちゃんにそっくりだぁ