上村悦子の暮らしのつづり

日々の生活のあれやこれやを思いつくままに。

9月 やってきた「老い」

2022-09-24 17:00:53 | エッセイ


この夏はずっと1冊の本の執筆にかかっていた。
集中力のない私が、時間が限られていたことで、やっとながら書き終えられたのだと思う。

テーマは「老い」について。
親愛なる知人が突然の手術や入院を機に考えた、
老いを上手に受け入れる手立てなどをまとめたものだ。

私はライターとして、ずっと机に座ってパソコンと向き合っていたせいか、
自分自身が老いを痛感する結果になってしまった。

初夏のある日、肘までの右腕だけに赤い発疹が出た。
皮膚科で蕁麻疹と診断され、「何か思い当たるストレスがありますか?」と聞かれた。
「あります!」と心の中で叫ぶ。
できれば、
「思うように筆が進まないんです。どうにかしてください!」と言いたかった。

続いて、急に右股関節が痛みだし、階段を上がるのが困難になった。
時間がないと焦りながら、常に3時間待ちの整形外科へ。
そこでは、「股関節に少し炎症があります。運動不足など思い当たることはありますか?」と聞かれた。
医師に、「机に座りすぎていました」と答え、
毎日行う簡単ストレッチを教えてもらった。
救いは、骨密度だけは若い人並に高数値だったこと。

もちろん運動不足もあるだろうが、両方とも原因は完全に「老い」なのだ。
「何十年も生きてきたんだから、少し歪んだ生活をすれば、体のどこかに異変は起きるよ」
と、何の意味もない言い訳を考えながら、
「せっかく30年以上ヨガを続けてるんやもん、家でもっとやろうよ」
「以前みたいにウォーキングしようよ」
と、自分に喝を入れてみる。

しかし、少々頑張ってみても、治るにも時間がかかるのを実感。
ある医師に聞いた言葉が蘇ってきた。
「年齢がいくほどに、何事も完治を目指すより、折り合いをつけながら暮らすことも大切やで」
今になって、「なるほど!」と納得している。
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