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上村悦子の暮らしのつづり

日々の生活のあれやこれやを思いつくままに。

春の味わい

2025-04-05 16:27:08 | エッセイ


春が近づいてくるとスーパーに行くのが楽しみになってくる。
以前、魚釣りマニアの義兄から海で採れたばかりのワカメを大量にもらったことがあった。
「ええー、こんなにどうしよう!」
海から直行便のワカメは相当汚れていた。

まずはワカメを調理バサミで適当な長さに切って、洗って洗っての繰り返し。
きれいになったら、根元近くの太い茎と葉を切り分ける。
続いて、お湯を沸かして熱湯に茎の部分から投入。
10秒ほどできれいな緑色になったらさっと上げ、水洗いして水気をきり、
少々骨が折れるが、いくつもの小袋に仕分けして冷凍保存に。

「わっ、きれい!!」
生の黒いワカメが、お湯の中で鮮やかな緑色になる瞬間はもうもう幸せ気分。
葉の部分はそのままポン酢で食すと、二度と忘れられない味に。
申し訳ないけれど、市販のワカメとはまったく違う味わいだ。
これがきっかけで毎年春になると、新ワカメをスーパーでも買うようになった。

そして、毎回かつくってしまうのが茎ワカメの佃煮だ。
茎を横にして薄くスライスし、熱湯でさっと茹でたらザルに上げて水洗い。
同量の水・醤油・砂糖に適量のみりんも加えた鍋に、
茎ワカメを入れて火にかけるだけ。
中火から沸騰したら弱火にして20分ほどコトコト煮る。
美味しそうに煮詰まってきたら火を止めて、白ごまを少々。
ご飯のお供にも、酒の肴にも、ご自由に。
美味しすぎるー!

そうこうするうちに八百屋さんに並び始めるのが筍である。
もうだーい好き。
私流の見分け方だが、皮が薄茶色(濃茶でなく)で、小さな穂先が黄色(深緑色でなく)、
根元の赤い粒々が小さいものなら、京筍でなくてもまずます美味。
ぬかと唐辛子を入れた大鍋で湯がいておくと、若竹煮から筍ご飯、天ぷらといろいろ楽しめる。
特に若竹煮には、冷凍にしておいたワカメ(葉)が大活躍。
若竹煮の味をグーンと引き上げてくれるのだ。

その次にやってくる春の味覚が……、空に向かって実るという空豆。
鞘のままグリルで焼く「焼き空豆」は、ほっこりと美味。
春の好物のオンパレードは、想像するだけで春の日々を笑顔にさせてくれる。

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