冬桃ブログ

その後の猫たち

 仲良し兄弟だった猫たちの関係が、一夜にして複雑なことになってから早や三ヶ月。
 ノアを嫌悪するフータ、フータをストーキングするノア、という図式は残念ながら
まだ続いている。
 
 私は家の中を二等分し、外出時と夜間は猫たちを隔離した。
 それでもフータは一定の場所に閉じこもったまま出てこないので、ケージを導入した。
 ケージに餌と水、トイレを入れ、フータがそこへ入ると、食事を終えるまで扉を
閉めて鍵までかける。
 外からノアが猛烈にちょっかいを出すので、ケージに段ボール紙を張り巡らせた。

 
 しかしフータは、ケージの中で食事はするものの、排泄はしない。
 おしっこもウンチも、夜の隔離まで我慢している。
 やはりノアが見ているところでは、怖いし、落ち着かないのだ。
 
 それでも、9月に入ると、フータはようやく閉じこもりをやめ、ノアが
いても居間や私の仕事部屋で過ごすようになった。
 フータがみずからノアのそばへ寄っていき、においを嗅ぐように鼻先を
近づけることもある。
 もっとも次の瞬間には「やっぱ、おまえ嫌い!」という顔で飛びすさるのだが。

 数日前、思い切ってケージをやめてみた。
 食事と水を、二人分、並べておく。すると二匹並んで食べるようになった。
 やれ嬉しや、これでなんとか……と一息ついたものの、問題はトイレ。
 
 トイレは二つ置いてあるのだが、ノアは両方を自由に使う。
 フータは自分用と決めた方しか使わない。
 ノアが離れた部屋にいる時を見計らい、フータはあたりを警戒しながら
そうっとトイレに入る。
 しかし砂を一搔きしたとたん、ノアがその音を聞きつけ、すごい勢いで
走ってくる。
 フータも同じ勢いでトイレから飛び出し、逃げる。

 結局、隔離された状態でないと、フータは排泄できない。
 これまで、ウンチを二度、おしっこを一度、トイレではないところに
されてしまった。
 きれいに拭いて消臭剤をいっぱいスプレーしても、三日間ほど臭いが消えず
この暑さの中、ほんとにまいったものだ。

 で、いまだに私がベッドに入る時間になると、二匹を隔離。
 相手が無防備にならざるをえない時を狙って襲うなんて、ノアも困った猫だ。
 結石手術の傷も癒え、元気いっぱいになっただけに始末が悪い。

 我が家に真の一家団欒が戻るのは、果たしていつのことか……。

 
 こんなに接近するときもあるのだが、フータの表情は明らかにノアを嫌っている。




 「疲れるぜ、ほんと」
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