あった提案は「ケージに入れる」というものだった。
うちには、この子達が来た時に買ったケージがある。一週間しか使っていない。
ただもう解体したし、仕様書はとっておかなかったので組み立てができない。
だからその案にはのらなかったのだが、猫たちが相変わらずなので、やはり
試してみようかという気になった。
ケージはおりたたみ式のものを病院が貸してくれるというので、それを
使うことにした。
が、病院へ行って現物を見たとたん、即座に駄目だと思った。
小さい。うちで使ってるトイレを入れたら、もう猫が入るスペースなんかない。
食器くらいの小さなトイレもあるらしいが、こんな狭いところに猫を入れる
こと自体、やはり辛い。
うちのは二段式だが、これは一段だし。
あきらめて帰ろうとしたら、「じゃあ、お宅へ行って、そちらにあるケージを
組み立ててみましょうか」と、先生が言ってくださった。
この先生は若い女性獣医さんなのだが、病院が終わってから、背が高くて
イケメンの男性獣医さんと二人で来宅。
仕様書なんかなくても、あっという間に我が家のケージを組み立ててくださった。
感謝!
さっそくトイレ、餌、水を置き、フータを入れてみた。
さあ、これでノアを気にせず、フータはゆっくり食べて飲んで、トイレも
できるねえ。

……と期待したのだが、やっぱり駄目だった。
ノアはケージにぴたりと寄り添って、相変わらずストーキング。
フータ(この写真ではよく見えないけど、トイレに隠れてる)は、「出してくれ!
出せ!」と、鳴き声を上げたり柵をがたがたやったりして抗議するしで、30分も
もたなかった。ああ……。
しかし扉をオープンにしておいたら、どちらも相手の隙を見てケージに入り、
適当に食事などして適当に出てくる。フータのために用意したものだが、ノアは遠慮なく
トイレも使う。
まあいいか。組み立てに来てくださった先生たちには申し訳ないが、猫たちに
とってはいい遊び場になったようだし。