短い春が過ぎようとしている。
ここ何年か夏と冬ばかり長くて、春、秋という
しのぎやすい季節が、どんどん短くなってるように
思えてならない。
私が暑さにも寒さにも弱い軟弱体質だろうか。
軟弱、虚弱をなんとかしたいという気持はもちろんある。
頭痛、肩凝りが「たすき掛け」で治るわけもないので、
一念発起してホットヨガに通い始めた。
血流が良くなり、ついでにダイエット効果も
あるかも、と期待して。
なるべく近いところをネットで探し、私にしては
みょうに早い決断力で申込みをした。
なんとかしないと、という思いが、それだけ
強かったのだ。
まあしかし、Tシャツとスェットパンツに着替えて
スタジオに入った時は、「こりゃ駄目だ」と引いた。
もともと暑さは寒さ以上に苦手で、サウナにも入れない。
なのにここは、タイかインドネシアかカンボジアか
という蒸し暑さ。(室温約40度、湿度約70%)
このまま帰ろうかと思ったが、お金はもう払ったんだから
5分でも10分でもいないともったいない。
浅ましい考えから、とりあえず熱い床の上に座った。
反射的に汗がたらたら。
でもなぜか、その汗が不快ではない。
暑いさなか、外を歩いて汗をかいて衣服が汚れるのは
いやなものだが、ここはそうじゃない。
衣服なんか汚れていいのだ、思いっきり汗をかいても
出たらすぐシャワーだって浴びられるのだ、と思ったら
逆に解放感を覚えた。
不思議なことに暑さにも慣れ、初歩クラスだから
ポーズもそんなに難しくはなく、あっというまに
規定の75分が過ぎた。
50代で、無謀にも空手道場に通った時の事を思えば
なんてことはない。
あの時は辛かった。
ある新聞社のインタビューで会ったカメラマンに
「空手は何歳からでもやれるんです。体力なくったって
まったく問題ないですよ」
と説得され、軽い気持で入門してしまった。
私、アクション映画は好きだが格闘技は嫌いだ。
相撲もプロレスもボクシングもみたくない。
痛そうなんだもの。
だけど空手だけは型の美しさに魅せられ、せっせと
カンフー映画を観るほど好きだったのだ。
道場へ行った初日に、自分の間違いに気づいて青くなった。
体力の無い50代の女でも問題ないというから、
カルチャーセンターみたいなものだと思い込んでいた。
運動音痴のおばさん仲間が何人かいて、
「いやだあ、足、上がんないわよぉ!」
「きゃあ、案外、似合うじゃない、空手着!」
なんて、冗談言い合いながらやるんだと思ってた。
ところが、その道場は泣く子も黙る極真空手。
初心者も黒帯の猛者も一緒にやる。
私は準備運動の時点で足が引きつりそうになり
それを悟られまいと、いつも苦労したものだ。
それでも、別の事情で手を痛めてドクターストップ
がかかるまで、約3年間通ったもんねえ。
オレンジ帯までしかいかなかったけど。
(白帯の次)
それに較べりゃ、ホットヨガは楽も楽。
スタジオと自宅は地下鉄二駅という近さなので
終わった後、タオルで上半身の汗をさっと拭いて、
そのまま帰る。
そして家で、頭から思い切りシャワーを浴びる。
そのあとのビールがおいしいこと!
「泉平」のお稲荷さんなんかつまみながら呑む。
だからダイエット効果はまったく期待できない。
じつを言うとそのあとが問題。
なにしろ日頃、体を動かしていないので、
筋肉を急に伸ばした副作用が来る。
体中が鉄板のように硬くなり、マッサージに
かからずにははいられないほど辛い。
いやあ、そのうちなんとかなるんだろうか、
やめずに続けていれば。
ビールを飲むときは、絶対このグラス。
数年前、親戚の結婚式で引き出物としていただいた陶器。
新婦のお父様が創られたとか。

注ぐと、泡がハート型に浮き出る。
さらに、下部が空洞になっていて、そこになにか
入っているらしく、振ると、「カラコロ」と
涼しい音がする。

ゴールデンウィークの中ノ俣でいただいた
「シラネアオイ」も、きれいな花が開いた。
