掛け声の間で、「ど、どっち?」と戸惑いながら
とりあえず今日も散歩。
本日の目的は、まだ未訪だった浅間神社。
「八幡」は「やわた」と「はちまん」の間で迷い
「浅間」は「あさま」と「せんげん」の間で迷うのだが
これは「あさま」と呼ぶそうだ。
静かな住宅街を抜けていく。
と、ある家のそばで、一人のおじさんが待っていた。
いや、待っていたわけではないだろう。
見知らぬ人だし。
でも、近づいてくる私を溢れんばかりの笑顔で見ている。
ほかには誰もいない。
「へんなおじさん」という風情ではない。
ちゃんとした外見の人。
「こんにちは!」と声を掛けられたので「こんにちは」と返す。
で、どうしても、おじさんの背後に目が行く。
いっぱい吊るされたモビール。
「訊いて、このこと訊いて!」
おじさんの目が必死に訴えている。
「ええと、これはなんですか?」
私も興味があったので尋ねた。
待ってましたとばかりに、おじさんが身を乗り出す。
「これね、全部、僕が作ったの!
百円ショップで買ったものとか、使い古しの
ライターとか食品の空き容器なんかで。
さ、入って入って、もっとこっちへ来て!」
おじさんはマスクをしていなかったから
ちょっと躊躇したのだが、「いえ、けっこうです」
と通り過ぎることは不可能な雰囲気。
おじさん、めちゃくちゃ嬉しそうなんだもの。
写真を撮ると、満足そうに頷いてくれたので
浅間神社への道を尋ねる。
「すぐそこだよ。行ってらっしゃい!」
ほんとにすぐそこだった。
狛犬さん。
なかなかの石段。
え、次の石段?
うそ、まだあるの?!
上がり始めたからには仕方がない。
荒い息を吐いてるけど、マスクしてるし、他に誰もいないし、
迷惑はかけないと思う。
ようやく到着。
社務所はない。
こちらは説明がないので正体不明。
祀られているのは木花開耶姫(このはなさくやびめ)。
石の解説版が読みづらくなっているので、
ちょっとこの方のことを書いておこう。
日本神話に登場する美貌の女神。
アマテラスの孫であるニニギノミコトが
彼女を見染めて求婚した。
姫の父であるオオヤマツミは喜んで、
ついでに姉のイワナガビメも一緒に差し上げますと言った。
イワナガはしかし、妹とは似ても似つかぬ醜女。
ニニギはにべもなく「こっちはいらない」と断った。
で、コノハナとニニギは結ばれたのだが、
コノハナは一夜にして身籠った。
ニニギは怪しみ、
「冗談だろ、一回で妊娠? 別の男の子じゃね?」
などという暴言を吐いた。
「ブスはいらない」とか「「俺の子じゃない」とか
絶対、言っちゃいけない言葉よね、男としては。
コノハナは怒り「天津神であるあなたの子なら、たとえ
火の中でお産をしても無事に生まれるはず」と言って、
産屋に火を放つという暴挙に出る。
が、まさしく父親はニニギだったので、無事に
火照命、火須勢理命、火遠理命という三柱の男神を出産する。
この火照命と火遠理命こそが、あの、おとぎ話にも
なっている海幸彦、山幸彦なのである。
私の故郷である宮津の元伊勢・籠神社にも
繋がっていく話なのだが、長くなるからこのへんで。
いやしかし、はるばる上ってきたもんだ。
上がってきた石段を下りるべきか、
ちょっと不安はあるがこっちから下りるべきか。
迷った末、こちらを選んだのだが、まあたいへんよ、あなた。
このご時世だから、なるべく手すりなんかも
触らないようにしてるんだけど、しかたないでしょ、これじゃあ。
イノシシとか出たらどうしよう。
わぁ、蕗だ、蕗だ! おいしいのよね、これ!
と興奮したが、ちゃんと囲いがしてある。
他人様のもの。
でもありがたい、下に家が見えてきた。
といいうわけで、無事に生還。
本日はテイクアウトもなし。
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