2016年9月5日 晴れ時々霧雨
9月になり昆虫館館長が休みをとれるようになったので安倍奥に同行していただいた。
館長が昔カミキリ採集で通った場所らしいが、その時目の前を飛ぶルリクワ類を確認していたらしい。ルリクワ類は飼育品が羽化したばかりなので生息地はまだ早いだろうと思っていたので、私の今日の最大の目標は静岡市産ヒメオオを確認する事である。
安倍奥から見える八紘嶺
道路を歩きつつヒメオオのルッキングを始めるが、天気も怪しく齧り後もない状況である。
熊笹の中に落ちていた枝からルリクワ類の産卵マークを見つける。


ここら辺は一帯が崩れておりぼーっとしていれば即お陀仏である。

久しぶりにルリクワの産卵マークを見た我々は嬉しくなり材を調べる事にした。
しかしルリクワ採集を念頭に置いていなかった為、肝心の秘密兵器を忘れ思うように材が削れない・・・。
ルリクワの幼虫
暫くするとルリクワのプロである館長が蛹を発見。
やはりまだ早いという事でヒメオオ探しに切り替える。
登山道から見える位置には当然材が無いので70度以上ある急斜面を下っていく。
何本目かに良さそうな材があり、脱出した後や幼虫の死骸が見つかる。
越冬中のオオマルハナバチ
蛹の死骸が出たので上にいる館長を呼ぶ
お互いブログネタの写真を撮り、館長はまわりの材を調べ私はこの材を少し追及することにした。
しかしこの材は少し古い材で色が黄色く食痕だらけ、小型の幼虫しか出なかった為諦めようとすると・・・・
おそらく八月中に羽化したものであろう
小さいが念願の貴重な静岡市産ヒメオオクワガタである。
この材に見切りをつけ館長の割っている材を一緒に割ることにする。
少し大き目の幼虫が多数出て来る、今までの経験からするとこのような材はほとんどが幼虫なので普段はスルーするのだが、今回は採集困難な静岡市産なので成虫の数を確保するために幼虫が何頭か欲しかった。
幼虫の育て方はほぼ確立しているので来年あたり静岡市産が何頭か羽化する事であろう。
羽化したばかりの♀が出た。産んでいる時期を考えると近くに蛹かうまくいけば新成虫がいるだろうと割っていくと・・・
やはり蛹が出た。
続いてメスの蛹が出たが、幼虫の数もほぼ十分なので別の場所を探しましょうといったん急斜面を戻ることにした。


写真では平坦にみえるがこれは斜面を平行に撮ったもので、もし転んだら下までノンストップで転がっていくだろう
今度は別の道(というか斜面)から材を探していく。大変な思いをしながら登っていくと館長が素晴らしい立ち枯れを発見。
館長が良さそうな部分を削っていく
館長「Mさん、この太いツルが邪魔なので秘密兵器で切ってもらえませんか?」
私「わかりました。館長当たると危ないので少し下がってください。」
館長「大丈夫ですよ、もし○ン○マを潰してしまってももうほとんど使いませんから。」
私「いや笑・・・そうゆう問題では笑」
しかしそれほど移動するのが大変な場所に立っているのである。
気をつけながらツタを切り削ってみるが、既に出た後の様だったのでこの木は見切りをつけ移動する。
開けた場所には良い材が無かったが館長が何やら柔らかい木を調べ始めた。
「ルリクワが出ました。」
マジですかと向かってみると私が見た事が無い綺麗なブルーの個体

その後すぐに♂も出した
館長「欲しいですか?」
私「いらなければ・・・・。」
館長「どうぞどうぞ。」
これは館長のルリクワなどいつでも簡単に出せるという余裕の現れである。
その後も次々と館長は成虫を出していく。
私もルリクワ採集に切り替え、館長に成虫のいる場所を教わりながらブルーの♀を探す。
羽化したばかりのルリクワ♂

ルリクワを何頭か出し最後に念願のブルーの♀が出たが、喜びのあまりすぐに取り込んでしまい写真を撮っていない・・・。
館長はトウカイコルリも割り出していた。流石である。
その後付近の環境の調査をし、帰りに柳キックをしながら帰ったのだった。
本日の成果
ヒメオオクワガタ
成虫♂1 ♀1 蛹♂1 ♀2
幼虫 複数
ルリクワガタ
成虫♂7 ♀2?
幼虫複数
トウカイコルリクワガタ
成虫♀1 蛹2
幼虫数頭
オオマルハナバチ女王
2
モンスズメバチ女王
1
ルイス・治氏
♀1
マイクロゾウムシ
1
不明アブ
1