ぽっぽぶろぐ

まだまだ謎の田園主婦・ぽっぽ(水須ゆき子)です。
題詠blog2008参加中。

【024:牛乳】斉藤そよさん

2006年04月07日 | 宝石箱
とつとつと書いては消して牛乳を温めて飲むそして眠るよ/斉藤そよ


やっと盗んで来ましたよ!(笑)>そよさん

この歌を選んだのは、
この三句には一番「牛乳」がふさわしいと思ったからです。
コーヒーとかじゃ駄目なのよ。変にかっこよすぎちゃって。

温めて飲むんだし。
それから眠るんだし。
やっぱり牛乳でしょう。

牛乳の優しさと質実剛健さ。
歌には描かれていないけど肌寒さも感じました。

おやすみなさい。
明日もがんばろうね。

【024:牛乳】かっぱさん

2006年04月07日 | 宝石箱
牛乳とむかし呼ばれたものだけが残されている春の教室/かっぱ


このお題の中で、
私には一番不思議な歌でした。
いろんなこと考えちゃうのよ。

近未来短歌なのかしら、
と最初は思ったのですけれど、
いやもしかしたら腐ってるってこと?とか。(笑)

牛乳星人とかね。
牛乳アメーバとか。(謎)

よく分からないんですけど、
とにかくガラーンとしててぽっかり明るいの。

春の明るさと腐敗のイメージを、
二枚重ねにしてうまく使っているなと思いました。
怖い歌かも知れないけどあんまり怖くない。だから怖いのかなあ。

【024:牛乳】船坂圭之介さん

2006年04月07日 | 宝石箱
コーヒーを牛乳に入れただひとりカフェ・オ・レと為す その鬱のいろ/船坂圭之介


「牛乳」
この言葉自体はもう崩せないので、
そこからどう発展させていくかなんですけど、
その連想の手の伸ばし方が人それぞれで面白かったです。

さて、船坂さん。
カフェ・オ・レの薄茶色を、
「その鬱のいろ」と詠んだところに惹かれました。

カフェ・オ・レの色って、
中途半端だけど穏やかじゃないですか。
それを鬱と捉えてしまう作者の心の重さが見える。

四句までは、
カフェ・オ・レの作る手順を淡々と描いていますが、
結句から振り返ると「ただひとり」が効いています。

それと、
「コーヒーに牛乳を入れ」じゃなくて、
「コーヒーを牛乳に入れ」なんですね。
ちょっとした違いだけど。より侘びしい感じがしました。