ぽっぽぶろぐ

まだまだ謎の田園主婦・ぽっぽ(水須ゆき子)です。
題詠blog2008参加中。

【019:雨】素人屋さん

2006年04月02日 | 宝石箱
(どれくらい ねえ、黙ってる) 少しだけずれた雨音聴いている夜/素人屋


最初は、
別々の場所で雨音を聴いているのかなと思いました。
たとえば電話を繋げながら。

でもそれより、
黙って向かい合いながら、
同じ雨音を別々に聴いている方がもっと切ないなと。

雨音がずれる分だけ、
心もずれているのかも知れませんね。

(どれくらい ねえ、黙ってる)
はたぶん無言の中の問いかけ。

だけど沈黙を許せるのなら、
まだまだ距離は近いのでしょう。
ずれれば雨音も二倍楽しめるだろうし。

【019:雨】みゆ

2006年04月02日 | 宝石箱
「雨降って地固まる」ってほんとかな おんなじことの繰り返しかも/みゆ


幼いとも言える言葉づかい。
でも言っている内容は幼くない。

「おんなじことの繰り返しかも」
という下の句のつぶやきが読み手に刺さります。

「雨降って地固まる」というのは、
雨を降らせた側の言い訳なのかも知れませんね。
固まるどころか崩れちゃうこともあるだろうし。

でも、
雨も降らなきゃ降らないで困りますし。
同じことを繰り返せるならいい方かも。

【019:雨】ドールさん

2006年04月02日 | 宝石箱
「雨宮」という表札の残された主のいない梅の咲く家/ドール


「雨」
私は好きなお題でした。
いい歌が多かったと思います。

さて、ドールさん。
初句の「雨宮」が効いているなあと。

ここはもちろん、
他の名字でもいいわけで。
でも「雨宮」だからこそ見える景色がある。

主のいない家も、
梅もベタといえばベタですが、
雨宮には似合っていると思いました。
いつも過去の細い雨が降る家のよう。