カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』

どうもこんにちは、富田林薫(とんだばやしかおる)です。
遠洋マグロ漁船乗りです(ぇ?

「2010年1月」。

2010-02-01 05:37:53 | Weblog

笹短歌ドットコム。

それぞれの長さのちがうロウソクの炎がきえるように深夜

言われなく深く沈み込みそうな夜は人魚の呼吸をためす

海からの風がやさしそうな誤解のもとに成り立つふたり

深夜消えてゆく温もりを取り戻すように触れる桃の表面

それは広大な言葉の砂丘のなかにあなたの残した森の断片

一 (1)。

一晩ですべてを変える胸中に雪は静かに降り出している

木枯らしが飛び出しそうな本棚に一冊の春を差し込む

凍えそうなひとの手を取って一杯のホットココアに導く

冬空に近付くように旅立った一番星になったのですね

諦めた理由は知らずただ一本の楡であるように立ち尽くす

twitter。

あけましておめで寅さんこの春も帝釈天は賑わいだろう

もういちど空をみあげて東京の青さなんかも確かめてみる

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「ただいま」に「おかえりなさい」が約束の3000万の建売住宅

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かなしみを浄化するとき誰もいない皇居は森になるのでしょうね

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東京スカイツリーの輝く夜に天空の夢を見させて自殺志願者

スプリングコートに袖を通す風が冷たいなんて言ってられない

西友のまえにひとがたくさんで西友のまえは今年もお正月

一月のショーウインドウに反射するひかりを右頬にうけて

お買い物♪お買い物♪シロクマさんといっしょにおかいもの

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新鮮サラダ食べ放題のファミレスで草食系男子として生きる

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本当は嘘つきなんだっていうのも嘘だからどうしようもないね

おごそかな仏の顔に手を合わせ僧職系男子として生きる

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大好きな苺をあとにとっておくいつも誰かに食べられている

大好きな三葉虫の化石とか言われてなんて答えればいい

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デザイナーナルシス・ロドリゲースの服が見たことないけどカッコよさそう

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かなしみを忘れてくれよと満月の彫刻師からもらうまんげつ

飛んでゆく赤い風船アパートのまえには泣きそうな女の子

うつむいて歩いていたら黒人のチラシ配りにぶつかっていた

新宿の駅から街にあふれ出るこの人達はゆく場所がある

新雪に軽く差し込む今朝の嘘

一月が排水溝までしみてゆく

冬空に異彩を放つ美術館

間違へて炬燵の家を建てませう

寒空に急転直下家を買う

春を待つミニスカートの裾の揺れ

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地デジ波にときおり雑じるモザイクは東京タワーの涙でしょうね

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コーヒーの香りがしますまたひとつ朝をかぞえた気がします

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歩道からはみだしてあるけば誰か勇気をみとめてくれるか

オール電化マンションで消えてゆくかつて与えてくれた火よ

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杉下さん落としましたよと拾ったら岡田有希子の花のイマージュ

蝋燭をともしてまわる洞窟のあなたの顔が見えますように

知りたくもないことばかり気まぐれな電波塔から聞かされる

非常口の場所を尋ね壊れそうなわたしの中から逃げ出した

長いすの背もたれのあたりに思い出となりそうな丸みが残る

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こんなことばかりくりかえしては静かに老いてゆくのですね

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夕焼けの街がどれだけ優しい顔をしていても俯いて杉下さん

月食のひかりなくなる真夜中に忘れた歌を口ずさんでる

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杉下は屋上で鳩になっておりますので折り返し連絡させます

ドルフィンキックが上手いと褒められてイルカになった杉下さん

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山奥の源流に端を発したあけがたの水のような会話

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駆け込んだ電車は何事もないように走りはじめる月曜の朝

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うそばかり輝く夜にほんとうが街のはずれに捨てられている

気がつけばわたくしの坂道を風の速さでおりてゆく自転車

もうくりかえすことはないのです心音も呼吸も言葉も愛も

喪中につき年賀はがきが星空の煌めく夜に出されてしまう

かなしみの画布を塗りつぶすセルリアンブルーの更なる悲しみ

ゆっくりと鎧を脱げばなんでしょう羽毛布団に包まれている

はじまりのときを待ちわびてベビーベッドにさしこむひかり

わけあって気がつきましたわたしたち三十六度五分の体温

身体的構成が人魚と逆というだけで半魚人はつめたくされる

噴水のうえでダンスする人魚のうろこ輝くような冬の日

公園のブランコの鎖はじけとぶ前に今を包んでおきましょう

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ジューサーミキサーにかけた今までをぐっと飲み干したら眠ります

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国語辞典に重圧をかけて搾り出す かなしいのですね断末魔

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右クリックしてメニューから愛情の検索ウインドウを開きます

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あけがたのひかりのなかに願いのような言葉が背伸びをした

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月のひかりでやいた目玉焼きにキラキラの食卓塩をふりかける

一月の森林公園も海浜公園も真っ白く染まる夢をみていた

数えたらいくつの冬を通り過ぎあといくつ過ぎるのかと風に聞く

球体に近付くようにゆっくりと手足をちぎる 夢なのでしょう

ゆふぐれと書いて目を伏せる またやみがやさしいふりをする

日だまりに背伸びなんかして新しい春となる練習をするのです

悲しみのジクソーパズルを組み立てても組み立ててもかなしみ

ずうとそうしていたかったいつまでも球根のまま春にうもれて

だれにでもしは平等におとずれるただじゅんばんは神のきまぐれ

森に帰ることを前提として滝までの遊歩道を歩く冬の日

一瞬の自由律がわたしからおもいくさりを取り去るのです

病院の待合室で泣いているひとが多くて 泣いている

そんな気がしますとふたり開いた傘を別々に閉じるのでした

「ねえここに触れてよ」と言うここが何処なのか判らないまま
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「2009年12月」。

2010-01-01 12:21:05 | Weblog
石。

 月旅行いつか叶うまで大切に持っている月の石のレプリカ

・カツカツと挨拶を繰り返しながら石畳と踵が出逢う夕暮れ

・石段を疾風の如く駆け下りて伊賀忍者専門学校に入学する

・明け方の川奈ゴルフコースで幸せの靴下を見つける石田純一

・水切りの達人になりたかった暮れるまで水面に投げつけた小石

うたのわ。

鈍色の湖から飛び立つように水鳥が涙腺を流れていった

薄暗いキッチンの輪郭で冷めてゆくミルクティーの意味は

夕闇にアンドロイドの腕を持ち暗い隙間をこじ開ける

願わくば二十四色クレヨンの青から始めるとおい青空

夕食の鍋のなかに崩れてゆく長ネギの理想を引き上げる

わだかまりを晴らすように何処かで窓ガラスを磨く音がする

誰からも受け入れられない思いが水溜まりに凍りつく朝

情熱がうすうくなって暗闇にかすかな鼓動だけは聞こえる

変数の宣言が偽りでふたりリビングルームに降り積る嘘

感情の連弾が途切れたらきびすを返して深海に駆け戻る

夕闇にとぎれる歌をかきしるす楽譜がふいにもらすため息

あなたはもう歩道橋であることを忘れて通りに佇めばいい

一瞬で気化した嘘が横殴りの雨となって頬を叩くのです

灰色のアクアリウムの奥底にとどくひかりを待っていた

はろーはろー宇宙人遥か彼方の星々のヒットソングを歌っておくれ

真っ直ぐなスパゲティーでは生きることなどままならない 折れる

罫線の曲がりかけたノートの隅に丁寧に字を書いているなんて

折鶴をひろげなおして空に泣きあなたは何を祈るのでしょう

銀色の羽根のかわりに腕をもつなんと不自由な身体だろうか

ぼんやりとすごす時間が増えていずれ時間はとまるのでしょう

富士山の雪解け水をふくみあいふたり海まで流れていった

こんにちわさようならをくり返し最期はほんとみんなさようなら

わたしが大きくなったわけではないが夕日が小さくなった気がする

浄化されてゆく望みきえたとき致死量にいたるまであびる月光

熱せられて消えてゆく薬缶の中にそのままでいたかった私

難破船にのこされたあこがれが南の島の輪郭をかたちどる

かすか伝わろうとする冬の音色さりさりさり雪道を歩めば

つちふまずがほんとうの温もりを知らず泣きはらすアスファルト

折りたたみ式自転車で街をゆくかいだんはたたんで駆け上がる

アンディウォーホルみたいな街がよいねビーグルの仔犬をつれて

かるくコートはおり宇多田ヒカルなんて歌いながら冬街をゆく

白い森の奥でうけとるひとのない紙を吐き出し続けるFAX

星空に近付こうとしてまちがえた星座の名を徐々におぼえる

もう幻想はおやめなさい 病室のしろいベッドのしろい説得

届かない空のことを考えて両の手をコートのポケットに入れる

じゃがいもを剥き終えて人参を刻んだら玉葱に取りかかる

かなしみも感じることのないような余白のなかにまぎれこむ

ありふれた西友のまえにみんなサンタの格好をしてにぎやか

完璧な鳩が羽ばたいていればそのまま見守ってあげてください

すんなりと生きてきたわけではない冬の重たいコートに袖を通す

とりたててみれんもない自叙伝をBOOKOFFまで売りにゆく

産院の待合室でまたひとつ天使がはじまりの鐘をならした

何気なくとっておいたケータイに次々と過去からの着信音

朝焼けは手を差し延べてくれるのでしょうひかりやさしい

帰り道の地下鉄の階段をのぼる四角いそらが居場所だった

玩具のレーザーガンもって公園に集まれば僕ら地球防衛軍

世界の屋上で鳩の言葉のわかる老人となって平和をかたる

日常からの帰り道は竹林に分け入って史上最強の竹刀を作る

カリウムの元素記号が判らない空のティッシュの箱をたたむ

ひかりある動物図鑑さいあいの人類が記される最期のぺージ

黒電話のなりだす夜はどことなくあなたの声から昭和史でした

真夜中のあなたの嘘がきらきらと銀河のようにかがやくのです

どこまでもゆけるETC振り回して海沿いの国道とばせば 朝焼け

銀の橇よ時速300マイルでかっとんで聖夜 配れプレゼント

続きまして、ショートコント。鳩に長距離核弾頭ミサイルを食らわす

続きまして、ショートコント。先送りされてヘリコプターは堕ちてゆく

続きまして、ショートコント。やっぱり三千年の歴史もつ国はしたたか

続きまして、ショートコント。結局は子ども手当ては貰えるのかなあ

そうれいなおわかれの儀式のように雪よしずかにわたくしを包めば

マフラーを買いそこねたクリスマスツリー首筋にLEDを飾っているの

そらの意思をたしかめるようにゆきが北の国境線をこえて 真白く

広義では空の悲しみ狭義ではわたくしの悲しみまよなかの雨

そんなもの大切にとっていても飛べるはずもない風のレプリカ

外はさむい入れてくれって風に呼ばれた気がして窓をあける

まよなかの鏡にうつす背中には銀の羽根など生えそうもない

四十六億年前に生まれたという大地の声を届ける鉱石ラジオ

ある時は風に吹かれて猿岩石あなたは消えた白い雲のように

みんな人間だもの翼なき寂しさが間違えて探し求めた飛行石

ひかりある球体の表面にちまちまと小さな虫がいるのでした

優しさは闇に包まれて地底湖の中でうまれてはしんでゆく魚

明日、天候が許すなら見上げるようなオペラ座の階段を昇る

真っ白い壁にもたれ掛かって、明日とか、未来とか、永遠とか

空には届きそうもない指先を遮って飛んでゆく羽根のある者達

資格情報エラーですゲートは閉じられました現実にお戻りなさい

水のない噴水のとなりは途切れた笑顔と静かに羽根をたたむ少女

深海をもとめておよぎだすわたくしのなかに住むシーラカンスの夜

いそぐわたくしに塀の高みから一瞥をくれて去る猫の尻尾

わたくしの生まれた村は漫然と水を抱える灰色の壁の向こう

さびれたこころを深く包み込む言葉が海であればよかった

夕刊の隅っこに誰からも読まれなかった小ちゃな活字がいた

きえてゆく雪豹が求めたのは誰もいないただただ真っ白な世界

あしたへの押しボタン式信号機 おさずにずっと待っている

ここからが未来の線と決められた 花を捧げて祈るのでしょう

何しようかと問い掛けられてとりあえず映画でも観ようかと答える週末

うすかわの危うき身体むいたら何もかもなくなってまよなか

さよならも告げずにいってしまった黒猫のかわりに鳴きだす黒電話

ほんの些細なぬくもりも拒絶して氷河の街で暮らすひとびと

冬空をわたる双子の北風が高層ビルの手前で東西に別れる

生きいそぐひとたちが乗った電車が通過しますご注意下さい

人波に急かされるように見上げればもう誰も渡らない歩道橋

夕暮れのジャングルジムに跨がってあなたは森を見つけたと言う

夜のテーブルの上に星の欠片が散らばるように零れる金平糖

そこには糸の切れた凧が辿り着く天空の城があるのでしょう

明日あたり向日葵の種を持って最良の中庭を探しています

予言書に書かれている通りわたしはまだ青い林檎をえらぶ

海岸線をあるくふたりが言い間違えてまぎれこむ冬の風景

泣き出した空があります名も知らぬひとも泣き出しています

冬の海きらきらと呼びかける遺されたあなたの言葉のようだ

いまが、いまが、いまがあること まっさらな新雪に残す足跡

ゆれまどう水のからだを通過するこの潮騒は夏のなごりだ

一週間後あなたをつれてやってくる白い雪むしと交わす約束

縞馬の親子が渡るゼブラゾーンに永遠の青信号をともし続けて

群れをなすコントラバスがアフリカの低いうねりに調和する夜

ありったけの首を伸ばして朝焼けを見つめた横浜港の海キリン

聞きようによっては何かしら背徳の響もあるデフレスパイラル

約束の時刻がたまたま合戦と重なってしまい甲冑で失礼致します

さかみちを下る速さで先生も追い越してゆく冬の自転車

あけがたの息を白く吐き出してどことなくはじまる十二月

なんて光る汗が似合うのだろうテレキャスターの指版の上に
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「2009年11月」。

2009-12-01 05:42:33 | Weblog
題詠blog2009:093〜100。

ズゴックをちら見しながらアッガイのアイアンネイルを磨く赤鼻

彼方より白いあくまがあらわれて緑児たちをぼこぼこにする

食卓塩の赤いキャップが三倍の速度で飛んだ お皿も飛んだ

ミノフスキー粒子量はマイナス傾向 外の天候は曇りのち雨

ザクとしてザクとしてヒートホークの鋼鉄の切断面の美しさ

電気代節約のため無駄なビームサーベルはまめに消灯しましょう

兄さん私たちまた戻ってきたのよこのコロニーになのに何故

好きという言葉ですべてゆるしあう世界はきっとまあるいでしょう

うたのわ。

空に近付くのか空が近付くのか思ったより猫の寿命はみじかい

言い出せないこともあるだろう沢山の独り言を集めて森に放つ

ブレーキを踏みそこねて突っ込んだゴルフカートみたいな幕切れ

あいされることを忘れたおぼろ豆腐をやさしく掬い取るような夜

ブレーキの踏み加減でベテランか否かわかるのだ 朝の通勤電車

焼き鳥がいいねと君が言ったから一本百円の立ち飲み屋も思い出

知らない駅の不動産屋を訪ねてペット可の物件を探す 猫が友達

自販機の缶コーヒー千円札のおつりが百円玉ばかりだった夕暮れ

北風がつよいわけではないのですこれは送電線をゆらす感情

ぬくもりが消えかけていますと渡されたハート形したカイロ

空の先をたしかめにいったあなたが北風と供に吹いてきた

ふゆそらに何を問いたいゆるやかにトタン屋根の上を渡る猫

思い出すこともあるのでしょうある日ひとつひとつの冬の瞬き

秋のひとがさよならを告げに来たよく熟れた柿をふたつほど持って

ゆっくりと円を描いてあげましょうあなたの回る軌道のために

冬の日のこたつのなかの丸くなりずっとそうしていたかったのです

知りたいのは蛍烏賊のひかりの意味なくしたことのひかり忘れて

青空までの角度をはかる分度器 いつもどこかずれていました

ひかりは消えて誰も知らないキッチンの冷蔵庫の耳鳴りが続く

うつむきの角度をただす雨あがりひかりの垂直線によりそいながら

目の前に冬の鍵が落ちていて拾ったら氷のように解けるのでしょう

あした昆虫として羽化するゆめをみてそれならそれでいいかと思う

収縮してゆく青空があつて今にも泣きそうなのはあなたのせいね

ひとつ、ふたつ、なもなき星を数えたら明日のための名前をつける

ながれほし消え去るときのかなしみに朝がくるのも忘れてました

窓枠をみがいた午前 似合いの透明なガラス板をさがした午後

世の中に嘘つきがごまんといます。だからって五万人ぢゃねーよ

もう始めてるだろう北極の空の下でサンタクロースの出発準備

天空をゆく風のおとに触れようとした老バイオリニストの指先

夕暮れの飛行機雲が知っている秘密を聞きそこねて重力落下

真っ逆さまに落ちてゆく檸檬の中に何か忘れて来たのでしょう

冬の朝に輝いたひかりを抱いて頑張って春までいきてみます

松茸の味お吸いもの有り難く飲んでこの国に生まれてよかった

つかんだらきえてゆく粉雪がきえてゆく あ、すべてきえてゆく

ダークブルーの海岸線にわすれてきたの夏のサンダルの片足

あした重力反転装置をあしもとに置いて空でくらそうと思う

まよなかの異質なものをふところに抱いてこんやも眠るのです

あけがたの銀杏並木をこばしりに抜けてゆく冬の黄色い意思

虹の方程式を考えつづけた老数学者のお別れの朝にかかる虹

生きいそぐ横断歩道を小走りに赤信号のきらめく夜を

心音の透明度が増してゆく金星は静かな夜にひかるのですね

こんなくだらないひとごみはぬけだそう あるいは風を選ぶ

才能をひかりのようにかがやかせあなたの春は逝ったのですね

半透明な水いろで書くダイアリーうすく存在たちも途切れていった

輝いたことがうそのように晩年は田舎で暮らす年老いたスター

いずれ水中を泳ぐつもりでいるの魚類フォルムのハイブリット車

すこしずつグレーの雲がふえてきてまぎれるようにあゆむ街角

あまおとに同化するように一定のリズムで泣いているしんぞう

安心だと思う 加藤みどりがいつしんだって観月ありさがいてくれたなら

とんかつ屋の息子の婚カツ!って駄洒落だったのだろうかと今ごろ思う

ほんとうは何も知らないあやふやな世界のなかで僕は詩人になれない

ながれほし瞬いたひかりのなかにどこでもドアをさがしています

もうひとつの交わらない線となっていつまでもとなりを走りつづける

かえりみちを忘れた冬の子に明け方のシリウスの居場所おしえる

探してごらん本当は言った本当はいつでも本当に傍にいるから

ただ動き始めた巨大なブルドーザーなど止める力はないのです

薄れゆく想いひとつひとつをクリアファイルに綴じてゆく午後

夕べから黙示録の最終章に挟む金色のしおりをさがしています

此処はあなたのくる場所ではありません 天使は俯いて言った

弦のないギターを奏で何処までも夢のつづきの音律をさがす

誰がおいたのかわからないテーブルの上の聖書にふりつもる雪

あけがたの有刺鉄線を切り裂いてゆく 誰もとめられない感情

通過する特急の風が連れてゆこうとする本当の闇の世界の魅力

海流のうたごえを聞きたいと言ってあなたは何処までも泳いだ

モノクロの海のきおくに火をつけてまたとめどない朝焼けにいる

夕暮れのさみしい街にとけてゆくあなたは雪であったのでしょう

特別のホチキスの針を手にしてゆれまどう月のひかりを綴じる

肉まんをてのひらにのせる温もりまた冬がコンビニからやってきた

無駄な記憶仕分け部会の人たちが君との夏の思い出を廃止する

ほんとうは海だったころの記憶をたどりかわいた涙のあとをなぞる指先

限りある空間を越え何処までもさらさらと落ちてゆく時の砂

愛情のうまれた朝に桃の実のうぶ毛にかるくふれてゆく風

玄関のチャイムがピンポーンと鳴って空へ連れられてゆく昼下がり

埋立地になるまえの海沿いの場所はやさしい歌に満ちていたのに

三億年を真面目にいきてきた岩が崩れようとする誘惑に耐えている

満月は知の範疇みつめれば知らないでいいことばかり知ってゆく

気がついていたのだろうか頭上からすこしずつ閉じてゆく空の領域

冷蔵庫のものまねをしているつもり つめたくなるのが上手くなったね

十一月の冬野眼科医院の待合室の窓からすこし冬が見えてた

深夜、宙を飛ぶしんじつに似たものが落下する遥か彼方の地平線

深くふかく悲しみを埋めてしまえば地下鉄のホームに届かないひかり

ダークブルーの錠剤の力をかりて思い出したくない夜に眠りを

星空のウエディングベル鳴りはじめたらきみに捧げる土星のリング

何時までも夜空を見つめつづけた村人にふれてゆく彗星のこころ

悲しみも凍りつく夜だ てのひらにベガを包んで暖まろうか

冬の夜のホタルイカのむれがつれゆく輝きそこねた最後のひかり

ポケットの中には雪降るおとのしんしんと聞こえてくる冬のイヤホン

帰るべき場所があるのでしょう夕暮れは小さく別れのことばを吐いた

果樹園の冷たい風を聴きながらわたしは落ちた林檎をひろう

雨の境界を越えてきたけれどそこは哀しいほどの街角だった

明けがたの海の歌を聴きたいと冬の水浴び小屋まで走った

わすれてしまったものは記憶とは呼べない ただ降り積もるだけ

動物園前のバス停からアフリカへむかう動物の群れが乗車する

目のまえに冬があらわれてほんの少しはにかんで頬を赤らめる

いつからか目をとじて耳をすますと風の意味が聞こえてきます

しまうまがゼブラゾーンに立ち止まりセレンゲティを思い出す夜

くらやみに生まれたいのちあるだけの月のひかりを与えて暮らす

街角に分度器をもつひとが現れて傾いたわたしを修正してゆく

すみません忘れてしまいました大切にしていたはずのあなたの顔を

美しいことばを空と携えてゆきましょうか 見渡すかぎり草原

雨音が近づいてきましたゆっくりと軒下の準備をはじめましょう

まえをみるゆうきのない横顔が夕日の中にいつまでもよこがお

まっくらな未来が立ちはだかって震えるしんぞうが友だちだった

いつまでも壁を叩くの 途切れない壁に裂け目をつくり出すまで

忘れられた想いを腹のなかに凍らせて哀しく振動する冷蔵庫

しんでしまった金魚がひとつ この狭い水槽の中が宇宙だった

だれかが怒りの量を数えそこねてわけもなく噴火する休火山

東京タワー。

そういえばゴジラだってモスラだって東京タワーが大好きなのだ

空港から都心へ向かうモノレール東京タワーを探してしまう

東京にどれだけ高い建物がふえてもやっぱり東京タワー
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「題詠blog2009」。

2009-11-08 13:42:45 | Weblog

001:笑
笑点の山田くんになりかわり世界中の歌丸さんにくばる座布団

002:一日
波長あわなかった一日が終わり短波ラジオから聞こえる星の音

003:助
大切なものぼろぼろとなくしてはみんないなくなる助産婦さん

004:ひだまり
わたしひさしぶりに笑ってるひだまりはてんとう虫の転倒

005:調
聞こえたらやさしい歌は短調にかわる気がして耳をふさいだ

006:水玉
いつのまにか干からびた水玉だったので丁重に川へ戻してあげた

007:ランチ
目をそらし皆いそがしくゆく街のこわれかけ保温ランチジャー

008:飾
赦されたひとたちは淡色に飾られて舞い上がる花びらのように

009:ふわふわ
静寂がつもりゆく浜辺の町でふわふわを売りつづける自動販売機

010:街
非常ベル《ホログラムエラー》鳴り響き消えてゆくトーキョーの街並み

011:嫉妬
イギリス人の彼が「座る」と言うのを「それは嫉妬だ」と聞き違える

012:達
先端をかぎりなく細く仕上げるためにのみを振るう三日月の達人

013:カタカナ
何するのかもわからないカタカナ職業の男ととりあえずかわす名刺

014:煮
電子レンジ完璧なひかりを放ち煮物とくいな母さんがきえてゆく

015:型
型抜きの青年が若干の勘違いをして着るチェ・ゲバラのTシャツ

016:Uターン
故郷なんて知らない僕のテレビの中ではじまるUターンラッシュ

017:解
叶わないのぞみを抱いて曇り空に打ち解けることなくたたまれる日傘

018:格差
もう二度と開かれることのないような風呂敷に包まれて格差

019:ノート
雨音をしるす音符のならびに泣いているようね捨てられたノート

020:貧
遠すぎて知らないふりをした貧乏神もみはなしたアフリカの村

021:くちばし
やさしい人の詩集くちばしにくわえ明けがたの海峡を渡る海鳥

022:職
いつまでも叶わないゆめを見つづける詩人のような職業につく

023:シャツ
青いシャツのひと泣きながら待っている変わらない赤の交差点

024:天ぷら
幾万のなげきのこえをききながら一定の温度で揚げる天ぶら

025:氷
南極の氷ゆっくりと少なくなって皇帝ペンギンの取り寄せる製氷機

026:コンビニ
真夜中のコンビニエンスありったけ孤独を買って釣りはいらない

027:既
渋谷東急ハンズみあげればめまい なんとなく四月の既視感

028:透明
いずれ透明な容器であった頃の記憶を取り戻すため注ぐ純水

029:くしゃくしゃ
其処にくしゃくしゃのシャツが在るから私はエクストリーム・アイロニスト

030:牛
ていねいに牛乳パックきりひらき生まれかわるための準備はじめる

031:てっぺん
富士山のてっぺんが大好きだから。ひとよんで僕のあだ名は。野口健

032:世界
この短い文章のなかに世界征服計画書の在りかを示す暗号がある

033:冠
「旅の終りに」「みれん酒」「炎」「男の子守唄」歌ってるのは冠二郎

034:序
序章。太陽がひとつありまして引き付けられるように生まれた何か

035:ロンドン
すこしだけ高いところの風をさがしてロンドンバスの二階にすわる

036:意図
穏やかな休日は公園のブランコをこぎながら青空の意図をおしはかる

037:藤
ちびまる子ちゃんの続く限りひきょうと呼ばれ続ける藤木茂の悲しみ

038:→
→の方向に進めども進めども果てしない休日のTDLの駐車場は

039:広
青空の広場がありまして明け方に小雲を拾って回る清掃員

040:すみれ
最愛の春をなくして泣いているすみれ色した庭師がひとり

041:越
それは世界が全てオレンジ校庭のフェンス越しに見た夕焼け

042:クリック
ぬくもりのようなもの右クリックして保存する癒されぬハードディスクへ

043:係
いずれ世界が満たされる時に袖を通す給食係の白いエプロン

044:わさび
どことなく湧き水のようなひとたちが食べるわさびアイスクリーム

045:幕
いつか永遠のおわりを告げる幕引きの係のひとが泣いている

046:常識
後継者不足に悩みながらも街々に常識を売り歩く行商人

047:警
いつの間にか警報器だらけの街で今日もたのしく暮らす

048:逢
お気に入りのサングラスなくして出逢うほんとうの空にあふれるひかり

049:ソムリエ
かなしみのテイスティングを拒み一本のぶどうの木となるソムリエ

050:災
いまふれればこころは真夜中の火災報知機のようにベルを鳴らす

051:言い訳
はらはらと落ちてくる言い訳ひろったらあのひとの本質でした

052:縄
強靭な一本の縄となりばらばらになりかけた世界を結ぶ

053:妊娠
もうひとつのあなたとわたしができあがる妊娠初期の鼓動

054:首
十字架をしまってくれないか 首筋のちいさな傷の意味をおしえる

055:式
ガンダムであってガンダムではない奥ゆかしき百式がとても愛しい

056:アドレス
「正確なアドレスは猫背ではない」ゴルフスイング上達ガイド

057:縁
おだやかな日常がきこえると言う縁側に設置する鉱石ラジオ

058:魔法
これは三日前あたしの貯金持ち逃げした男を召還する魔法陣

059:済
いつのまにか決済はされてあなたのとなりに見知らぬ社長令嬢

060:引退
とりあえず引退したらクルーザーを買ってモナコで暮らそうと思う

061:ピンク
お気軽にお花畑旅行社までピンクに染まる瞬間をお尋ね下さい

062:坂
坂の途中あるいは空を見上げたかった俯き加減の角度をかえる

063:ゆらり
ゆらりゆれている人に教えてあげる誰もいない公園のブランコ

064:宮
宮崎のひとが紙袋抱えてやってきて次々取り出す完熟マンゴー

065:選挙
ぬすみだす八月の選挙カー大音量TUBEながして海までいそげ

066:角
三つ目の角の先まで来ているって今あきらかに今年の夏が

067:フルート
えいえんのみらいのためにせいじゃくを奏で続ける銀のフルート

068:秋刀魚
なにか大切なものを忘れさる前にもういちど七輪で焼く秋刀魚

069:隅
おろかなるペコポン人よわがために隅田川沿いに銀色の塔を

070:CD
わが歌の永久のひびきよCDよペコポン人にあたへし銀盆

071:痩
痩身の執事水嶋ヒロから香るペコポン人にしてはいい匂ひ

072:瀬戸
するてとなにかい今頃は少々妙齢な瀬戸の花嫁つてわけかゐ

073:マスク
「マスクは売れてゐるか」と聞けば「激しく」と答へるミルマスカラス

074:肩
ひだり肩に突き出るとげよ偽らずザクとしてザクとして誇れ

075:おまけ
いきるつてそんなもんかこれからも道で拾つたグリコのおまけ

076:住
深夜ほんとうの居場所さがして駆ける無料の住宅情報誌かかえて

077:屑
またひとつ星屑という名に気づかないひとが瞬いて消えてゆく

078:アンコール
いつまでもアンコール待ちつづけゆっくりと舞台下手に同化する

079:恥
蝉の声きこえる図書館に目が合えば逸らす恥じらいの夏の始まり

080:午後
午後、風になりましょう。よろしければ夏の麦わら帽子飛ばして

081:早
戦国の武将であれと家臣から突き上げられた小早川秀秋も寂しい

082:源
ローラースケート履いた光源氏が現れてパラダイス平安京歌えば人気者

083:憂鬱
秀吉の顔がいつ何処でみてもサルに見えてしまう信長の憂鬱

084:河
運河より伸びてくる手につれられてやがては海に帰るのでしょう

085:クリスマス
クリスマスソングをうたいおえたらあなたは街へお帰りなさい

086:符
ゆきさきを聞いてはなりません。そして、あの天使に切符を渡して。

087:気分
ときに言われない気分で満たされてゆくわたしの内にあるうつわ

088:編
つかの間という短編集がわたしという書棚のすみで泣いている

089:テスト
にんげん度テストの結果が張り出されるそれはそれは真っ白な壁

090:長
長針を5分すすめる すこしだけ未来にあるような明け方

091:冬
冬の星座盤にぎりしめて50個の星を探す元アメリカ大統領

092:夕焼け
照明技師が不在ですので夕焼けの赤み調整は少々お待ち下さい

093:鼻
ズゴックをちら見しながらアッガイのアイアンネイルを磨く赤鼻

094:彼方
彼方より白いあくまがあらわれて緑児たちをぼこぼこにする

095:卓
食卓塩の赤いキャップが三倍の速度で飛んだ お皿も飛んだ

096:マイナス
ミノフスキー粒子量はマイナス傾向 外の天候は曇りのち雨

097:断
ザクとしてザクとしてヒートホークの鋼鉄の切断面の美しさ

098:電気
電気代節約のため無駄なビームサーベルはまめに消灯しましょう

099:戻
兄さん私たちまた戻ってきたのよこのコロニーになのに何故

100:好
好きという言葉ですべてゆるしあう世界はきっとまあるいでしょう
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「2009年10月」。

2009-11-01 08:41:18 | Weblog
人形・ぬいぐるみ(着ぐるみも可)。

 ほんとうの虹色の目が欲しいと泣いて雨上がりブライスは家出しました

・また冬のサンタクロースのカッコしてケーキに乗るの不二家のペコちゃん

・忘れられたリカちゃんハウスの片隅でわたるくんと抱き合って朽ちてゆく

・堂島ロールあきらめて何故あなたは太らないのとバービーに問いただす

・同窓会にて「仕事なにしてんの?」と聞かれ口ごもるミッキーの中のひと

題詠blog2009:090〜092。

長針を5分すすめる すこしだけ未来にあるような明け方

冬の星座盤にぎりしめて50個の星を探す元アメリカ大統領

照明技師が不在ですので夕焼けの赤み調整は少々お待ち下さい

うたのわ。

ゆつくりとのりを巻きつける塩むすびに最良の化粧をほどこすやうに

気がつけばなんにもなくてなにもかも過去にわすれてきたのでせうね

冷蔵庫が冷えてゆく仕組み知らないから感情の冷めてゆく仕組みも知らない

夕空に拍手をしておこう 鳩として飛び立つまえの確かなあかし

灰色のかべのむこうにたどり着く方法を見つけた ぶち壊すんだ

ブルーマーリンのえらをもつ人となって大海に藍色のため息をもらす

歌声はかわらなかった ただ彼の身体は透けるように白く変わった

感覚を思い出している ぐうぜんに掴んだようなしあわせの一部の

ほんとうがそこにあるはずなのにみつめるゆうきがない時もある

うそつきを順番に並べてドミノ倒し最後のさいごに倒れるのは誰

ていねいに折った鶴をひとつ夕暮れに泣きだしそうな湖にうかべる

かんたんに崩れてしまいそうだあやふやな希望で築き上げた塔だ

きぼうと打ち込んだ文字がどうしてかぜつぼうと誤変換され続ける

海鳴りがわたしに近づいてやがて消えゆくものを伝えようとする

あきぞらの魚眼レンズから覗けば広がってひかりに包まれてゆく

リモコンの電池が切れた朝にほんとうに映したい朝をうつすテレビ

みたくないものはすべてかき消してくれる新月の夜は僕にやさしい

駅伝のたすきが言いました何処までも何時までも末来までつないで

金色のペダルがひとつ教会のパイプオルガンになれなくて泣いた

まちがえたことを空き瓶に詰めて流します 母なる海の許しあるまで

いずれ訪れる眠りのために起きていることの僕をかんがえる 今

反対からみる事もひつよう古びたネガフィルムをひかりに透かす

垂直の意思がひとつある椅子の背にもたれかかり背筋をのばす

そこにあったのですね 気づいても拾えない昨日なくした時間

震えてなにもできない 過ぎ去ったわたしは熟れた果実をすてる

まちがえて火をつけました線香花火のように短い恋とは気付かず

つきなみな愛のことばですがこんなご時勢ですので大目にみてね

かくぜつした世界にくらそう明滅するえきしょうパネルを友人として

天のはら風を結んでゆきましょうほんとうの約束は守られるように

ゆうぐれの貝となった躰のなかに砂ばかりのみ込んでいました

花言葉わすれてしまったハナミズキまっかにそまる前の実をおとす

夕暮れの洗濯機のなかに回るまわる 頑固な憂鬱はザブでも取れない

父さんがじょうはつしたから3個パックのプッチンプリンはちょうどよいね

納豆に醤油とカラシとかき混ぜて泣いた 粘りけなんてどうでもよかった

人並みの幸せだろうハッピーターン持ってターンするハッピーマンデー

十月の鳩が街角におちてくる 空のいたみをともなってねむる

えいえんのティンカーベルの歌声を聴きそこねては老いるのでしょう

とうめいのガラスなど無視するようにわたしはただ窓枠をみがく

ほしの夜に脱皮したつばさ猫がいま煙突から飛びたつところ

秋色がうっすらとおおいかぶさる前にひとつ生きとして記憶をきざむ街路樹

順風とは言えないまでもロースカツかヒレカツか悩むぐらいの暮らしはしている

あらためて考えてみれば「冷やし中華終わりました」の張り紙は見かけない

子供たちの情景は消えて西日のなかにトロイメライを終える

かたむいた鉄塔をいつくしむような十月の夕暮れのオレンジ

これはいつもの街ではなく詩のように残された金木犀の匂い

正直に生きたひとだもの満月のひかりを浴びておゆきなさい

月の光のてらす断崖よ せいとしはその引力に惹かれあうのだ

まず何処にあるかさがす 真っ暗な空間に吸い込まれた言葉を

潮風のにおいであしたの天気がわかるらしい 江ノ島の猫らは

宇宙船のゆりかごの中に目を覚ます 朝焼けは遥か遠き地上のことば

息がきれるまで走る 蒼色のスニーカーのゆく先に空の一角がある

誰も理解してくれない都会のなかで隠された地雷が花を咲かせる

明けがたの冷気にみちびかれて求むべき声がたしかに聞こえた

永遠の約束をやぶられた鳩が嘆く どこまでが空 どこまでが私

一日によいことが二つほどあれば一つは未来にとっておければ

自転車のサドルをあげてどこまでもマジックアワーをつきすすむ

十月の街がとぎれとぎれのため息をグレーの空に放ちはじめた

くらやみのなかの蝙蝠すこしだけ羽根がもとめたひかりある空

薄闇に同化してゆくようなやや淋しげなフランス映画の字幕

うそつきなあなたがまだしもすぎてゆくどれだけの嘘と共に

あるいは完全であることを否定しながらも描こうとする真円

冷水のなかのトマトひとつひとつが震えるような赤いくちびる

虹色のタイムマシーンで三億年前の虹を見に行きそうになる虹だ

悪夢ばかり食べ続けてくれた獏にありがとうと言って別れた

そっとしてほしいタンポポによりそってひとり風を孕んで飛んだ

つま先でたちあがれば誰でも少しだけ空にちかづいてゆく

空洞はたのしいでしょう何も考えなくてたのしいでしょう

風の通り道を教えてくれた鳥が風にあおられておちてゆく

言い出せない事は心臓に手をあてて鼓動と供に吐き出した

大好きなひとがいたきおくもやがてうすれ静かに羽根をたたむ鳩

戻れるとすれば何時何処に戻るのがいいのか 考えてもわからない

わすれられた発電所のわきにわすれられた誰の為の電気椅子ひとつ

いつまでもひきのばしてもしかたなく決断ははやいほうがいい

ああ、うまくいかないときはマイナスとマイナスでもっとマイナスになる

いまひとつ味気のない恋なのだろう 食卓塩でもふりかけてみる

これは彼方から飛来する突然の未確認飛行物体のような出会いだ

ほんのすこし鼻のたかさが気に入らなくてクレオパトラの気分だ

いま世界には68億のひとがいておなじ夕焼けを見ているということ

サマーバカンスを終えた冬の女王 こむぎいろの肌に塗るおしろい

あめふりのあけがたによみがえる小さな赤い長靴のきおく

完璧なテスト用紙がかんぺきなひとになる前に燃やしてしまえ

編集の仕事をしているからって忙しいって単なる言い訳にすぎない

あの気分しだいで赤いスイッチ押されちゃったらほら立場ってものもあるし

おわらない雨の音符はながれゆきやがて静かな海へとかわる

ここはクリスマス気分のトナカイの赤鼻を打ってやれ 仏教徒

とりつかれたわたしのきおく ただ暗い運河から脱皮する水のきおく

そうですか、憂鬱ですか、台風の影響ですね。お薬も出しておきましょう

もうなにかもかなぐりすてて四万十川の源流へ向かう旅に出る

早ければ30000年後にはだれもいないだれもしらない星になります

午前はどうしても身体の動きが遅いので午後の約束でお願いします

恥ずかしいことをおしえた善悪の知識の木の実は魅力的な赤で

アンコール100万回だ。踊りつづけろ、おどりつづけろ、ばか者たちは

星屑のステージだなんてこうやって書いているのも気恥ずかしい

住職にけさ固めかけてもかけても アントニオ猪木にはなれそうもない

つまり、それは、グリコのおまけ的感覚のもらい物だと思っていたのか

肩の荷をおろすほどの荷なんてもってませんしそのうち肩もなくなるのかも

マスクマンとなって悪行の限りをつくし散ってしまいたいな リングだけど

とりとめもない時に仔猫を抱いてもう一切が闇である事

十月の魚の背がいたみ覚えるころ泳ぎだす誰もいない街

消えてゆく森のすみっこに誰か憂いた詩の断片がひとつ

痛み均等に切り分けるナイフの柄にうっすらとのこる汗

壊れかけのペットボトルは三ツ矢サイダー輝きなんて忘れちまった

真っ白な羽根が欲しいかほらやるよ飛べないことにかわりないから

きのぬけたカルピスソーダ ただのぞみはいつまでも白くありたい

空色のたりないサクラクレパスはえいえんに空を描けず 泣いた

まるで真っ黒に真っ黒を塗り重ね真っ黒な壁を塗っているようだ

瀬戸内海は遠く離れて宇宙ステーションの食卓でひらかれる鯵

痩せ細った野良猫はプライドもなにもかもすてて寄り添ってくる

もう、戻ってくることはないのだと思う 夏のはじめに貸したCD

六畳間が大空間に見える小さなひとには部屋の隅がここちよい

いわし雲が群れる頃を狙って東方の上空に群れなす秋刀魚雲

フルートのひかりはにぶく夏の音もつられるように消えてなくなる

青空の角笛をわたしましょう あなたのきがすむまで吹いてください

だって話たこともない人を選ぶなんてどっかおかしいんだよ 選挙

鉄筋コンクリート100階建て超高層億ション最上階に住む宮大工

ゆらりゆれながら十月のくらげ ほんのすこし毒をふくんで、ゆらり

かぎりなく丸まって眠る仔猫がいたので満月を紹介しておいた
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「2009年9月」。

2009-10-01 05:51:01 | Weblog
猫。

 40年間タマと呼ばれたねこがいてこれからさきもタマなのだろう

 あれが22世紀のネコ座 まんなかのかがやく星がドラえもんの鈴

 妖魔界に衝撃のニュース!!猫娘とねずみ男のできちゃった婚!!

 こいびとに月のひかりの魔法をはこぶ午前零時の黒猫の宅配夫

・びしょ濡れの仔猫はやがてやわらかな日差しのなかに天使と遊ぶ

題詠blog2009:084〜089。

運河より伸びてくる手につれられてやがては海に帰るのでしょう

クリスマスソングをうたいおえたらあなたは街へお帰りなさい

ゆきさきを聞いてはなりません。そして、あの天使に切符を渡して。

ときに言われない気分で満たされてゆくわたしの内にあるうつわ

つかの間という短編集がわたしという書棚のすみで泣いている

にんげん度テストの結果が張り出されるそれはそれは真っ白な壁

うたのわ。

坂道の途中から見下ろす街並み アイシテルって叫んでもいいよ

ピンクなんていずれうすよごれてくすんでゆくんだから ピンクなんて

まあ、引退もなにも、そもそも、はなやかな表舞台とはむえんな立場

どうせおでこに済みマークつけられて捨てられるアンドロイドもどき

魔法なんていつかとけると判ってますが、まほうをかけてしあわせの

明け方をまぶたの裏にはさんだらあふれる光ひらかれる闇

鮮やかなテトラポットに包まれてわたしの内のどこまでも海

永遠のかざぐるま廻りおえるころしずかに今をとじてゆく風

くるぶしの悲しい歌をききながら夜はいつでもきれめない黒

失恋のサンタクロース泣いている凍えるようにぎんいろの橇

もう三万年も見ていない気がする縁側でのんびりとひるねする猫

アドレスが間違えています。アドレスがまちいがえています。ア 弩 レ 素。

何とかの授賞式でみかけるのは、いつも、じいさんと、ばーさんで、そりゃあ長生き

首輪とって走り出せばどこまでもどこまでもゆけると思ったりするかも

とげとげのゴモラのからだ 願わくば妊娠初期はやさしくなれる

縄文式土器はかならずしも縄文人がつくったとはかぎらないのに

むちゃくちゃな言い訳はこどもみたいだ。いつまでも子どもみたいだ。

災いはやってくるものではなくまねくものだとこの口ははじめて知った

ソムリエがいる店だからっておいしくワインが飲めるわけではない

逢い引きということばより100g78円の合い挽き肉のほうが似合いだ

夕暮れのトマト畑に立つひとも真っ赤に染めてゆく夕暮れ

ひとつ希望をしまって眠りましょう鮮やかな宝石箱の中に

ほんの少し違和感をおぼえ振りかける岩塩の辛さにも似た

なにひとつ無くしたものはみつからず叩きつける雨の連弾

夕刻の風見鶏の方角をみあげればいそぎ森へと帰る鳥たち

気まぐれでやられても警報がなりひびく街なんてだれも望んでいない

あんがいとよいものかもしれませんね常識をくつがえす非常識なら

むかしむかし銀幕のスターがひとりドラッグまみれでしんでいったわ

わさびソフトクリームはひとつの結果だとしても誰もわさびの意見は聞かない

入会の係りのひとが鯖の目で見つめる あとここにサインでいいのね

いきてゆくぼくらのために白百合を天に供えていのるしかない

起動シーケンサーロード。オールグリーン。戦場はあけがたの街。出撃。

ゆびさきのクリックする乳房はたぶんJavaScriptで動いているの

何を越えようというのか、低ければひくいほど下がりようはないのに

すみれの花言葉なんてわすれた。すみれはすみれそのままでいい

広場にはおおくのひとがむれていて誰もわたしを受け入れてくれない

もう→の方向にすすむことが決められているのだ。誰が決めた

わたしには何の意味もない事だと思うが。海まで近い藤沢の駅前

意図的に目立たないようにすることが生きてゆく方法のひとつだ

とうさんはロンドンに行ったきりおんなの人といなくなってしまった

序章とかで飽きられるだろう仮にわたしの自叙伝を出すとしてだが

王冠を授けられることがあったらどうしようとはなんとも心配症な事

世界地図をひろげてみればちっぽけな世界と思う こころぐるしい

東京スカイツリーのてっぺんから飛び降りる第一号は誰なのでしょう

牛みたいに4回もゆっくりと咀嚼してそしゃくして味わいたい あなた

つまんない、どうしようもない、わかんない。くしゃくしゃに丸めて捨てれば

透明でありたいという願いが多すぎてやがて濁ってゆく金魚の目

既に決められたことをとやかく言いません。風にあたってきます

24時間便利なことを知ればしるほどコンビニの蛍光灯はさみしい

どこまでもほてる身体まよなかの冷蔵庫に冷やすべきだ氷がない

天ぷらを揚げる音がパチパチとこんなわたしにも拍手をくれる

ワイシャツはどこまでも白いから真っ赤な口紅をつけたくなる

本当は主婦じゃないけど、職業欄には主婦と書くまね事をする

もしくしばしがあったなら朝夕あなたの肩甲骨をつつくのでしょう

貧困とはむえんの国に生まれていることをまあよしと思うことに

真夜中のおしゃべりがうるさい ノートパソコンのふたを閉じる

大半は格差社会の真ん中にいて下じゃないんだと思いたいんだ

解答を得ましたというひとの顔が進化したニュータイプに変わる

Uターン禁止の標識なんか無視して回れまわれメリーゴーランド

型にはめようとしてくれていいの、もともとが崩れやすいタイプ

煮物上手なひとがいいならそれでいいし、金輪際煮物はつくらない

アレクサンドリア生まれのアビシニアンがカタカナで餌をねだる

友達と思えるひとが友達と思っていなかったという ありふれた事

あいにくと嫉妬する激しさも持ち合わせていない 流されるのだろう

こんな田舎でも都会とも思えるように街角という言葉をつかう

ふわふわの毛布にふたり包まり流星に願いをかけた結果がこれだ

着飾ることはごまかす事とも思う。ごまかさなければ生きてゆけない

二人で食べようが、一人で食べようが、ランチはランチ、かわりないはず

いつからか何もかも忘れてしまって お気に入りの水玉のワンピース

つりあって矛盾や衝突などがなくまとまっている 調和ってつまらない

これほどひだまりの似合わない猫になってしまっても誰のせいでもない

助けてと叫びたいのを我慢していつまでも無言でいるようなひとなの

どれだけ不幸だとしてもすべてのひとが平等に一日のはじまりは朝

一日中笑いの絶えない家庭があるわけないし、もしあれば、不公平

モノリスがぽっん火星に立ってる 夢ばかり追い求めた男の墓標

宇宙服でぎこちなく抱き合えばヘルメットぶつかり初めての月旅行

概算であるがわたくしは年間約八十時間をドトールにて過ごしている

あおぞらの夢からさめた日常をあまぞらがとらえてはなさない

仏教大学仏教学部四回生山田珍念ばりばりの僧職系男子です

絶滅危惧種計測カウンター眺めながら思う飛べない人はただの人だ

気をぬくとあふれ出てくるワイシャツの胸ポケットあたりの憂鬱

夕闇と変わるガラス窓へと映りこむわたしの内にまだ燃ゆる火

どちらともなく訪れる沈黙が薄青い九月の川に流れていった

それはもうさいごの蝉の姿が残る陽にうすれゆくしゅんかん

やくそくがやぶられるたび散ってゆく 茜ヶ原の朱花のはなびら

森からは見放され超空のビルのまに散らばる酸素濃度調査票

あけがたには浮上するからと言い残し静かの海へ潜ったひかり

もしかしたらまっくらな心のうちを照らすあなたは火かもしれない

どちらかというと秋空のやわらかな方角へむれてゆくいわし雲

大切なものが入っていたのだろう 空っぽの箱ばかりふえてゆく

ふたり地球儀ころがしながら床のうえ これは神の手ってふざけあう

きのう言えなかったことがうっすらとつもるほの暗いテーブルのうえ

幻覚の虹色のまちにまぎれて背後からしのびよるメトロン星人

テーブルの上にばらまく銀河 ほし星のひとつひとつが食卓塩

羽ばたきを終えたみずどり 葬送のピアノソナタの響くみずうみ

簡単にまちがえそうなうらおもて せいとしはかぎりなく等価値

吹き込まれる熱い息を待ちわびて うつむいたままのピアニカ

あこがれの大気にもえつきるちょくぜんの隕石のひかりあざやか

きいてほしい。きいてほしい。ふりしぼる命の声をださなければ

すぎさったことを求めては、いっぽずつしに近づいているのです

なにかしらつめたい視線のなかにひやくする呼吸 くるしくている

海岸に出かけようといった明け方ただ九月の声をきくために

ヘッドホンの隙間から静寂のなかへ飛び出そうとする泣き声

どうせ肺呼吸を忘れたハイギョあきらめて帰る小さな水槽

風の通り道がひとつあって見つけたらなれるかもしれません 風に

深夜どうしようもない失意のなかに真っ白な羽根をつくろう天使

捨てきれない想いがあっていつまでも来ないバスを待って停留所

みおはレフティ 3トーン・サンバースト・ジャズベとポールの話ばかりする

ドラマーって座ってるからいい って、くそ重たいレスポール抱えてゆいは

あずさは黒髪のツインテール 小さな手にはショートスケールのムスタング

4歳でピアノを習う 間違えて触れるコルグ・TRITON Extremeの鍵盤

破られた約束のひとつひとつをほどいたら涙となって降るのでしょうね

性急ではないですか 鍾乳石は何万年もかけて育つと言うのに

必要はないのだろう この夏の感情をひとつづつ捨ててゆく秋の階段

かなしみにうつむいた鳩だね この夏のひまわりの種をあげよう

コンビニで百円のおにぎりを買ったレシートがまだ生きているという確証

何に追いかけられているのか判らないけど何か逃げている感覚にいる

出さないかもしれないし出せないかもしれないしいっそのことルーン文字で記す手紙

昔々、あるところに、ハトを上手に操るタヌキがおったそうな

この次の惑星直列のときに惹かれあうから 今は星をみあげる

ラブリー・プリティ・ルルルルルーン まみたんは政治家になあれっ!

いちごミルクが売り切れだって宇治金時があるじゃないか!くよくよすんな
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「2009年8月」。

2009-09-01 05:42:20 | Weblog
海。

 海はかなたの街角をただよふクラゲに月光の波が妙にやさしい

・われらえら呼吸したときの記憶をたどり深海に沈む都に住まふ

 碧い海(プ)白い砂浜(ププ)青い空(プププ)君の笑顔が(ナンテ、コイレイジョ無理

 波ヘヘヘヘヘヘヘヘ無人島ヘヘヘヘヘヘヘヘ俺(漂流中)ヘヘヘヘヘヘヘヘ椰子の実ヘヘヘヘヘヘヘヘ波

 白き月 「君は僕と同じだね」 黒き月 渚カヲルが微笑む浜辺

題詠blog2009:081〜083。

戦国の武将であれと家臣から突き上げられた小早川秀秋も寂しい

ローラースケート履いた光源氏が現れてパラダイス平安京歌えば人気者

秀吉の顔がいつ何処でみてもサルに見えてしまう信長の憂鬱

うたのわ。

二ヶ月も貯めればいいね新しいテレビが買える 子供手当てを

真夜中に彗星周期早見盤を携えてあなたと出会う軌道をさがす

圧倒的大勝利の後の首都圏台風到来に何かしら予感する未来

「こんにちは、残暑です。いや、あの、そんな、邪険にしないで下さいよ」

冷蔵庫の片隅に忘れられたやる気がひからびて発見されて。晩夏

「お客さま夏の思い出をお忘れですよ」と追いかけてくるウェイトレス

とけ落ちたアイスクリームの事は誰の噂にもならず 夏の終わりだ

サンセットビーチーでスクワット百回を三セット終える頃に夕闇

夏の光かがやいたサイダーがゆっくりと情熱を無くしてしまう

ほたるいか発光装置でほの暗いあなたのかおを照らしたかった

夕立ちがおわればふたり手をつないで帰る 虹のむこうの世界

改札にSuicaを翳すスイカ割りする事もなかった夏の終わり

角砂糖をなくして泣いた廃園のコーヒーカップにまるまって眠る

純粋な朝の声は葦の原を抜けてやがて空まで届くのでしょう

鳥のこえを描く日曜日セルリアンブルーの絵の具で二羽ほど

林檎園のなかで熟れてゆく感情やがて真っ赤な唇にふれる指先

蝉になって張り付いてみた電柱も寄り添えなくてあんがい寂しい

報われない心のふいに飛び散る雲間はなんて暗いのでしょう

「魚くさいミネラルウォーターだね」と友人の半魚人は呟いて。晩夏

冷凍しておいた夏空をのこりすくない蝉たちのそらに解凍する午後

「もう時間がないのしんでしまうの」セミ語でまくしたてる蝉に残照

言い忘れた事があると渡されたこの夏の潮騒を保存したiPod

あきらめる夏の終りこわれかけのビーチハウスに飲んだくれの人魚

一度ぐらいやらせてみれば判るでしょう。そう、あの時は日本新党

あいすべき形が楕円形に変わってしまいふあんていで困る

泣きくずれた金星の夜 鳩は明け方の熱風の中に飛び立つ

だれも名前を呼んでくれない週末は厳かにうけとめる終焉

よいことがしたいね。銀行券ばら撒いて街を飛ばせ自転車

リアルなのか判らない屋上でひとりパチンって携帯を閉じる

決して交わるこのない蒼穹の漸近線のなかで流しつづける涙

森林鉄道トロッコを押して向かうほんとの碧い海と言うもの

旅先のお土産を掌に乗せてやってきた風に近付いた叔父さん

現実は名ばかりでシュールレアリスムの壁に囲まれて暮らす

日本人って事は忘れろ生っ粋のブラジル人として踊れサンバサンバ

夕暮れの一瞬は真っ赤にかわり無性にナポリタンが食いたくなるね

雨、あめ、雨ふっています。でも、頑張っていきています。ハロー

夕立ちのこの激しさは立ち尽くすわたしに似合いの激しさだろう

日焼けした意味は忘れてただ夏の残像として薄皮をはがす

ガンダムにさよならを告げれば僕たちの夏もおわる潮風公園

連弾をわすれたピアノかろうじて金のペダルにとどまるひかり

夏のかたちは徐々にうすれてゆき残照をつげる八月の日時計

それはちょっとした憎悪ですがサバンナの象の尾より大きいのです

蜩の声にみちびかれ古書店の森をゆく晩夏の背表紙をみつける

鍵盤は群青の雫 しびれた指の奏でる音が半音ずれる

詳しくはその天使に訊いてください ひかりあふれる処です

唐突にスイッチを切られた気分 ぱちんって。真っ暗、まっくら

泣きながら花瓶にひまわりをさせば、一輪 少しふえるひかり

いつまでも恋の歌などうたえないそれも虚構の積み重ねだけ

精いっぱい肺に空気を溜めなければ深海の重みに潰されてしまう

ああ、そういえば森田健作の剣道二段も自称だったと思い出したよ

モテモテ自称プロサーファーは隠し持つ粉の魔力でモテるのだろう

夏草のパイプオルガン大人びた少女の脇を抜けてゆく風

熱帯夜爆破指令 ぼくら邪悪な夢にうなされて午前二時

八月の向日葵は嘘つきました太陽と友達であるかのような

月光のしたたる夜はお揃いのレインコートで寄り添うふたり

クラゲって楽しいのか判んないけど、二人ゆらゆらするのはたのしい

ええと、何とかトンボ。ほら、海水を飲んじゃった時の感じの名前の

メインフロアーは一杯だからぼくら踊り場でダンスすれば黄昏れ

とおく孤島へと流されたペットボトルがおもう満たされる時

蜜の匂いにざわめきだした虫たちが午前零時のゆめをみる幹

かたちがひとつ崩れた藻にからまれて浮上しないという想い

水鳥がねむる湖 永遠に飛び立つことを忘れて眠るみずうみ

湖にゆけば会えるのでしょう 遠いあなたの影をひく遊覧船

こんなところにあったのが夏の鍵で 手にしたらいつのまにか秋

坂道をくだるいきおい 泣きだした海からの留守電を聞きながら

わたしが液体であることを忘れて火にかけました 気化したら空

一斉に泣きはじめた残照のなかに聞こえるサマータイムブルース

手をあわせて祈りましょうか、空に なくした声が聞こえくる、遠雷

曇り空だって均一なグレーでは表現の出来ない複雑なものだ

向日葵でおおわれた野に南風としてふれてゆく 夏のひとこま

もろ手をあげてFUJIYAMAに乗ってると思えば満員電車も楽しい

アイドルがアーティストへとかわるとき別れを告げる さよならPerfume

なついろのTシャツが泣き叫びながら嵐のなかに飛ばされてゆく

夏空はどこかにまぎれていって古書店の森に大量の蝉の亡きがら

お気に入りのポロシャツも八月を感じさせてくれない なんか雨降り

こんな日はゴム長を履けばいいじゃないか軟弱な革靴の代わりに

雨上がり一筋のひかりに向けて蹴り上げる大気圏離脱予定のゴム長

かたむきがここちよいのはもともとの中心線のズレからだろう

夕刻の沈黙の意味を知る前にコカコーラ・ライトのような会話を

明瞭な答えであるが故に納得がいかず折れた薔薇を数える

マグロのいない海を想像したら悲しくて涙もまわる回転寿司屋

「約束の海はこんなんじゃない」と埼玉の少年が狭山湖に叫ぶ

おいら生まれつき海洋民族なんで埼玉への転勤はお断りします。

完璧な鉄のカーテンをひけば完璧な闇がおとずれる あんしん

ばらばらの過去いま未来を必死になって繋ぎ止めるホッチキス

でたらめな詩をささげた壊れかけの螺旋階段から消えてゆく夏

きがふれれば夏空にいくつでもこさえてあげる暗黒のきのこ雲

たぶん、いくつかのパラレル世界では灰燼に帰すロサンゼルス

ほんとうの夏のみじかさを知っている。騒がしするぎる。蝉とか

三日月の意思とひかりと透明を手にするようにバイカル湖畔

天使の羽根の羽根布団のなかに重力離脱速度で夢を見る

空爆のひかりのなかに本当の海を見たかった内陸国の少年

どこまでも記憶の海をさかのぼりシーラカンスの鱗に触れる

不透明な確立のもとにあなたは黒色の生にすべてを賭けた

やすらぎの歌声のようですがこれは肺呼吸する海の生き物

どうしても羽根をもてない生き物にとつとつと聞かせる風のおはなし

冷淡な言葉にならないようにほんの少しイチゴジャムを混ぜた会話

海が見たかったのかもしれない地球へ降り立つガルマ・ザビの本心

諦めたわけじゃないですが白日に無色透明なインクで綴る手紙

父さんが褒めてくれるから ほら、僕、こんな上手にエヴァに乗れたよ

必要とされるために頑張るのよ ふん、あんたってばっかぢゃないの

カヲルくん。もう少し僕らは話し合うべきだったんだ。ねえ、カヲルくん。

肉体はうつわなの ほんのすこし精神を移せば綾波はもとにもどるわ

日常の朝の欺瞞の中にゆっくりバターナイフで削られるこころ

何処までがすくいのことば虹色の巨大ビジョンにあふれでる嘘

サンシャインシティの上ひかりあふれ宇宙人がハローと現れる

ゆくゆくは運河のなかで蟹なのか海老なのか判らないザリガニ

いずれこの街は魔都市にかわり高層ビルディングはヌリカベに

ぴったりじゃないかいずれ熱帯となる街にサンシャインシティ

ひまわりの角度がいいね 夏空にいつもあなたは上向きだった

こわせどこまでも鋭利であれ 八月のロックフェスタの大音量

夕凪から止まったままの時間にいます電池入れれば進みますか

八月はきみがサイダー飲み干す前にきらりさらりと現れていた
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「2009年7月」。

2009-08-01 07:45:25 | Weblog
題詠blog2009:066〜080。

三つ目の角の先まで来ているって今あきらかに今年の夏が

えいえんのみらいのためにせいじゃくを奏で続ける銀のフルート

なにか大切なものを忘れさる前にもういちど七輪で焼く秋刀魚

おろかなるペコポン人よわがために隅田川沿いに銀色の塔を

わが歌の永久のひびきよCDよペコポン人にあたへし銀盆

痩身の執事水嶋ヒロから香るペコポン人にしてはいい匂ひ

するてとなにかい今頃は少々妙齢な瀬戸の花嫁つてわけかゐ

「マスクは売れてゐるか」と聞けば「激しく」と答へるミルマスカラス

ひだり肩に突き出るとげよ偽らずザクとしてザクとして誇れ

いきるつてそんなもんかこれからも道で拾つたグリコのおまけ

深夜ほんとうの居場所さがして駆ける無料の住宅情報誌かかえて

またひとつ星屑という名に気づかないひとが瞬いて消えてゆく

いつまでもアンコール待ちつづけゆっくりと舞台下手に同化する

蝉の声きこえる図書館に目が合えば逸らす恥じらいの夏の始まり

午後、風になりましょう。よろしければ夏の麦わら帽子飛ばして

宇宙。

「お孫さんの為に残しませんか」と薄笑い木星の土地を売る商人

妄想。

・さなぎからきれいな蝶が羽化するようにこのブサイクは仮の姿だ

うたのわ。

喧騒に消えてしまいそうなひとつの心音をきくための聴診器

くじら、クジラ、鯨のやさしい歌声が響く街ならよかったろうに

心臓の音を聴きながら何処へ向かうのだろう夕暮れの道を歩む

きらきらとかがやく嘘にかこまれて今宵わたしはやさしくねむる

あけがたに蛸とか海月とかも目覚めるとおもうと海はひろいわ

感情の涸れた部分があって明け方に水をもとめて疼きはじめる

もう掴みたいものはないのでしょう終電の吊り革に残された指

しおさいを忘れかけた雑踏のなかに海からの電話がつづく

海までの坂を一気に駆け下り最高のビーチハウスを建てる

夜が明ければ目覚めることをふつうのひとは当たり前と言う

大好きなのはイチゴの味のカキ氷でも宇治金時もすてがたいの

夏空に飛ばす映画のチケットふたりぶん もう必要がないから

ドトールでゆるかに涼みながらやって来る熱風をやり過ごす夏

吉野家に押し入るような奴に本当の牛丼の味なんて判らないのさ

なきそうな宇宙から白磁の壺が降ってくる 悲しいですね マ・クベ

真っ白なうさぎを追って古書店の森に迷いこむ やや夢のはじまり

「夕立ちの後にでる虹の準備はいいですか。じゃ雨ふらせます」

やはり棘であることに気づき吐き出した言葉に驚くのでした

テレビに余命二年と宣告しているアナログという右上の文字

真ん中に背骨があってくらげとは違う生き物 ただよえぬ海

「さあ、夏だ頑張ってくれよ」とぴかぴかに磨く入道雲製造機

パソコンのAとIのキーを強く打ち過ぎたのだろう 愛はこわれた

いま、夜にかわろうとするゆうぐれとシンクロ率を高めながら

恋としてなりたつまえにきえてゆく笹舟を川にながせば闇に

夏音のなかに身をゆだねればゆっくりと蝉化してゆくわたし

硬くしめてもゆるんでしまう炭酸のぬけたコーラみたいな躯

両耳を立てれば潮騒がきこえる海へむかうべきなのでしょう

はんしゃする魚眼レンズの街角にわたしはひとりえら呼吸する

優しげなことば徐々にきえてゆく波打ち際に出会う皆既日食

握力のない水中にいてはしっかりと掴んだつもりがすり抜ける

砂浜のあつさにたえながらどれほどの罪を背負ったのか裸足は

ゆっくりと貝になりましょう聞こえくることば「うそ、うそ」と呟いて

波打ち際の椅子の背もたれにすべてあずけられた軽いからだ

手のひらのなかにとじ込めたつもりでいたの 開くのがこわい

いきるのもちからが必要でちいさなゴム動力は止まってしまう

スタバの奥まった席にひとり残るカフェモカの冷めるのは早い

ゆうぐれ せいよりも幾分かしにちかい側を歩きだしているの

おびただしいあおぞらに囲まれてゆきばなく逃げこむ雷雲

美しい足が踏みつけるエスカレーター天国へ細く伸びてゆく

あるいは過不足のない嘘に包まれ何も気付かず幸せだろう

蝉のこえ聞こえてました図書館は夏の音にあふれています

この夏の理解者になりそこねたひとが入道雲に包まれてゆく

いきているかどうかの確認は0120明日サポートセンターまで

なくしては数えてしまう終焉の水盤のなかに浮く花びら

八月の深夜にさがすきみのためスイカ畑にころがる満月

世界地図ひろげ「そういえばこのへん」と日本があった場所ゆびさす

いずれあるだろう高齢化社会の果てにジャニーズシニアのメンバー募集

缶コーラのプルトップ引けばまあたらしい夏の音がはじけて

ひらいてはきえてゆくものとどめおく一瞬の記憶のなかの花

突然の入道雲にすいこまれる ひかり、光になりたかった夏

ゆかなければならないのです眩しさを連れて向日葵の咲く道

しらない清流へ向かうバスに乗車する。午後はゆらぎの中に

みずうみの透明性をおもいだす夕暮れにみがく眼鏡のレンズ

夏の鍵をさがしてここにいたのですね ひかり反射する海岸

わすれかけた透明に生まれる気泡 みずうみは息をしている

炎天下ろくでもない計画のもとに懐へしのばすガリガリ君

ボール左足は蹴りだしカーブして吸い込まれる鮮やかな記憶

けんか別れした二つの風が遠回りして岬の突端にゆるしあう

雨音ばかり奏でるピアノなので雫という名をつけてやりました

びりびりに破いて捨てるまだ春だったころを覚えているページ

Tシャツのそでをゆらし夏の風がなにか伝えようとしている

月光に一晩さらすミネラルウォーターが柔らかくなるように

なんど開け閉めを繰り返しては携帯をみている 着信はない

すこしずつ青をおぼえる七月のひがしの空に立ち上がるキリン

わたしのゆびさきをすり抜ける感情が悲しい川にながれていった

しなやかにチャーハンの誘惑かわしながら注文する冷やし中華

いきおいで突けばいいのかもしれない鈍いひかりを放つあなたが

いっそのこと雨上がりは睡蓮の葉をころがる水滴でありたかった

少しずつ青をおぼえてゆく七月のひがしの空に立ち上がるキリン

ゆきさきはわからないただ海流が連れてゆくところまで越前くらげ

陽電子砲ひかりかがやく真夜中の二子山には絆があった

しにたけりゃ満月の夜にあらわれる渚カヲルの微笑みをまて

もしきみが初号機ならば力ずくこのATフィールドを中和して

拘束か保護かわからないままアンビリカルケーブルで繋がる

きがつけばスタートラインの前にいて号砲とともに バックします

なつの日のコンビニの前ゆれている樹々はすなわち僕なのでしょう

自閉的なディズニーランドあればきっとゆけると思います 夕暮れ

無くしては、なくしては、なんだかナクシタものがわからなくなる

炭酸が抜けそうなコーラだったひとのキャップを締めてやる 硬く

下ばかり見ていた頃に何でしょうとても大切なものを無くした

おたがいの流線型がなめらかにふれあう誰もいない水の中

ゆっくりと咀嚼する夕べ意味やがてわかりあえるものとなれ

いずれは究極のエコカーとしてデンキウナギ発電機搭載車

銀色のひかりをはなつ真夜中のこれは突けばころせるもの

ていねいにたたんでしまうまだ夏の残像がやきついた印画紙

これは泥棒専門店でしか買うことの出来ないバールノヨウナモノ

なにか判らないものに名をつけて一時の親しみのなか眠りにおちる

笹舟のきおくをたどりさかのぼる支流からあなたの指先をさがす

ハローハローアメリカのひとの電話がわたしとはお構いなしに明るい

ふるえながらてらす海面もう星空になれなかったほたるいか

めをとじてほんとうに正直なのか吹き抜ける風に聞きなさい

ふたり手をつないでゆきましょう鞄の中にすこし願いをつめて

細胞がひとつずつ欠けてゆくとき悲しみも欠けてゆくのでしょうか

黒く深い深海のなかに漂う都市の隙間の水棲の生き物となる

激情に駆られ振り下ろす物が世界を壊す 大根おろし器でよかった

願いをたくし小さな手のひらに一瞬の星の雫をのせましょう

若鶏のグリルをたべるあやふやに夭折の意をかんがえながら

真っ白なご飯の上の梅干いま目立ってるいまひかってる 今

いつしぬことのみを予見して一時の言葉を残すとてもかなしい

あしたいきている保証なんかなくて真夜中の冷蔵庫ふるえる音

わかりやすく言うとわたしの全ては錠前であなたは唯一の鍵

突けという遺伝子の作用でひとつ大切な世界をなくしました

公園の噴水が立ち上がるタイミングを見計らいつつあおぞら

空からUFOを呼ぼうその昔ピンクレディーだった人と一緒に

楡の木にふれる指先からそうね比喩であった頃を思い出す

気付いてはいないのだろう街中に降るしずかなる砲弾の音

明け方のイチゴジャムの瓶がまだ熱を持ち続けたいと泣く

まことに勝手ながら読みかけの梅雨の本をとじて夏をむかえる

できればハワイかなんかでソーラーこころシステムの充電を

簡単にしねるかもしれない東京スカイツリー空高くかがやく頃

それぞれの気泡を持って深夜水槽のような街角で交換しあう

そうすると待ちきれず七月のひかりの中に飛び散る水滴

かんがえる前にうけとめればいい水面が反射する理由を

夏空の雲のなか突っ込んでゆく翼というアイデンティティー
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「2009年6月」。

2009-07-01 05:40:34 | Weblog
題詠blog2009:056〜065 。

「正確なアドレスは猫背ではない」ゴルフスイング上達ガイド

おだやかな日常がきこえると言う縁側に設置する鉱石ラジオ

これは三日前あたしの貯金持ち逃げした男を召還する魔法陣

いつのまにか決済はされてあなたのとなりに見知らぬ社長令嬢

とりあえず引退したらクルーザーを買ってモナコで暮らそうと思う

お気軽にお花畑旅行社までピンクに染まる瞬間をお尋ね下さい

坂の途中あるいは空を見上げたかった俯き加減の角度をかえる

ゆらりゆれている人に教えてあげる誰もいない公園のブランコ

宮崎のひとが紙袋抱えてやってきて次々取り出す完熟マンゴー

ぬすみだす八月の選挙カー大音量TUBEながして海までいそげ

ゲーム。

 使う者全て殺戮を繰り返す血塗られたオンラインRPGのアカウント

・未来だれも判らないと言いたげな黒猫が跨ぐ人生ゲームの箱

 ジェンガどこまでも高く積み上げ誰の手も破壊に触れぬこと願う

 渾身の消える魔球がなんたることかバットと穴に挟まれてノーカウント

・おかしいな上上下下左右左右BAと押しても最強恋愛モードにならない

おたく。

ああ、戦車ってよいよね硬くって普通免許で乗れたらもっとよいよね

懐にH&KMP5K(エアガン)忍ばせてはじめてのデートへ向かう

RPG−7の反動って意外とあるからね、こうしっかりと腰を入れて

うん、小佐の持つ憂いってあると思うし、そんな意味で大佐だと尊大

結論がでました。女性自衛官制服における絶対領域は膝下から踝

うたのわ。

真っ白なエンドロールが消えるまで席を立たずにいてくれますか

精一杯瓶詰めの星の欠片たいせつにしても輝くことないのだね

ゆだんしていたらあなたは雨ふる街のしずくとなって流れていった

もうどうしようもなくてメロンソーダのふりをして飲み干すペプシしそ

現実もつまんない小説のようで十二ページ目あたりに立ち止まる

まぶしさに慣れない腕がいつまでもトンネル工事をつづけているの

君がいない事ぐらいの違いで気がつけばそこにはもう七月がいて

仮のわたしとしてわたしという一人称代名詞を使っています

ほんとうの闇は正体を隠しながらふとわたしへ近づいてくる

雨の本質を見抜けなかったばかりに今日も濡れていてわたし

渡辺のわたしというひとがほんとうは斉藤なのか斎藤なのか

保険屋のひとが現れて真に勝手ながらわたしの価値を決める

おもいでの写真とはすべて過去形ただ気づかないふりをしていた

そうするとどこかかげりのある顔はかがやくのです 向日葵の花

一本の垂直線となってのびてゆくまじわることのできないこころ

世界中のマイケルそっくりさんがスリラーを踊り続ける夜となるのだ

ほんとうの夏までの距離を忘れないように全速力で走る自転車

不安定な人称の境目でもう少しわたしというものを待ってみます

俯いて歩いていたら空っぽの入れ物だったわたしに溜まる雨水

すこしひらきかげんの唇はひかりだす完璧な月光がみたいね

手と足のバランスをとりながらともすれば真夜中のラジオ体操

わたし折りたたみ傘だったかもしれなくて都合よく鞄にしまわれ

雨のことばかり話すオウムをつかのまのひなたに放つ六月

いずれ捨てられる空き瓶にわたしまだ星の砂を集めているわ

誰もいない海からの電話のかぎりなく繰り返される潮騒の音

遮光カーテンをしずかにひいて予想どおりくらがりの安心感

だるい雨降りは何か言いたげな仔猫のくびすじを撫でながら

夕立のあとアスファルトに立ち尽くす逃れられない夏の匂いだ

もう必要のない明かりのスイッチを痺れた指先が落として回る

最愛の電話ボックスに閉じこもり何時までも終わらない会話を

楽しさにかけられた魔法はとけて少しずつもとのわたしに戻る

冷たい目で見つめられるのはもう慣れた身体中冷蔵庫の青年

むかし空だった記憶をたどりセルリアンブルーの絵の具を探す

ひとりではどうしようもなく夕闇に手と手をつなぐよわい生き物

てのひらの運命線きえるあたりをなぞり強くいきたいとねがう

泣いているさみしい動物に雨上がりの夕虹ハンカチをさしだす

明日どうなるか判らないからって今夜どうするってわけでも

夜明けまえ思いをはせる空っぽの給水塔にふれてゆく霧

ラの音をくちびるに触れやわらかな月の光にかがやく音叉

悪いことばかり聞こえてしまう兎はかたく両方の耳を結んだ

あなた島とわたし島の中間にみらいのためのおおきな橋脚

本心は伝えられずにすりガラスのざらざらをなぞるゆびさき

わたし片足で立っていて今バランスを丹頂鶴の母子に託す

純粋の職人の手による桐箪笥の中に仕舞われる月明かり

きれぎれの言葉をつなぎいずれあなたの残像として綴じる

どことなく混乱のなかにもう一切合切が詩であることとして

ぎりぎりの喫水をたたく水音いつまでも船底にとどまる嗚咽

月のかけらを浸すキッチンのボウルのふちにあつまるひかり

飲み干したラムネ瓶を振ればまた一つ夏の音がありました

熟れ過ぎた果実をつぶす省みること忘れただ強引な素手で

うやわやのもはもやのあれれれれって感じで 生きてるって

「いつまでもおいたしてると先生が痛ったいお注射しちゃうぞ!正ちゃん」

雨上がりサクマドロップス缶たかく蹴り上げれば鮮やかに七色の虹

コカコーラ振りまくってプルトップ引けば閉じ込めた感情がほとばしる

ほんとうの僕なんて無くてコピー機のひかりの中から大量複写されてく

「ぼく、ぼくって、将来パイロットになる」なれるといいねいい未来だね

ぴろろろろんと空を飛びぷるるるるんと地を駆ける 壊れはじめるまえに

電柱の傾きが見えるようになり身体ごと傾いていると気付く

目の前の景色が一瞬にして変わるたぶんデジタルと言う世界

突き刺さるものは凶器ではなく片時の愛情もなくした言葉で

疲れきるまで指先を上げてどこまでが手の届く価値観か探る

ゆらゆらと揺れているこれは気持ちではなくあきらかに地震

きらきらとこれは誰の手にもある欠片集めれば光の水盤となる

突き詰めてゆけば海へたどり着こうとする愛情の枯渇した身体

何ひとつ本当にならない沢山の夢をみました 夢なのでしょう

濃紺のスーツに赤いネクタイを締めて街をゆく 矛盾だらけの

どうしようもなく手を振っていてわたし振り終えたらおしまい

しあわせが薄くなってゆくポーラベアーはこのごろ氷河期の夢をみる

あなたはやればできる子なんだからと言われ何年も経つがやらない

月のひかりは背後から鋭く刺さる夜にあなたが吐いた硬質な言葉

かなしければぐちゃぐちゃに泣けるよう僕なんか不完全でいい

太陽とキリンレモンとTシャツの相乗効果できみにあいたい

すこしサプライズの足りない日はふところにかくす手品師の鳩

なんとなく意味をつくってしまう教会の跡地に咲いた一輪の花

考えるブランコを漕ぎながら近づいてゆく離れてゆく絆について

大量破壊兵器拡散防止の為に至急ミノフスキー粒子の発見を

満員電車のなかで1Q84を読むひとよ 角が痛いのですが

ただ向日葵の種を握り締め現れる夏のひかりに解け込む

青空の意思がひとつありまして優しい人に降り注ぐひかり

掬っても救いきれない金魚たちほんとうに金魚鉢は小さい

西友の前に停める自転車が少しきらきらしている雨上がり

まだ時間切れではありません真っ白な鉢に蒔く朝顔の種

ぽっかりとあいた風穴の修復に忙しいみたいな土木作業員

雨上がりの匂いは濃くなってわたしの鼻に触れてくる夏

泣きながら似顔絵描きがあのひとの笑顔を描く白い画用紙

一瞬にひるがえる君のスカートの襞が僕を切り付ける凶器

いま隙間から落ちて手の届かないすみれ色の思いを救って

日曜の予定はキャンセルになり空気抜けるわたしがしぼむ

風にゆれる枝が悲しげなので緑色のリボンを結んであげる

大笑いしながら笑笑飲み放題あしたの事など誰も知らない

揺り籠のなかに栄養チューブの管をつけて見る夢の続き

あきれるほど美しい記憶にはならず薄れてゆく六月の空

君なんか捨て駒だよと言われ せめて桂馬ぐらいでと願う

これは真っ赤に塗られた住宅用火災警報器 三倍敏感です

もうなんて悲しげな顔で追い討ちをかけるように聞こえる雷鳴

そのままでいられるかなんて判らないわたし表面張力のぎりぎり

新緑がダークグリーンと変わる前に含むこれは安定剤という

ささやかなビックバンとして電子レンジの中に爆発する生卵

コーヒーの匂いのする部屋だったのに今朝は何か雨の匂い

一瞬に水になったあなたをいれる水槽のなかの水草となる

いつまでもやむことのない雨によりそってアジサイが笑った

バランスをとるのが難しいよね一人では シーソーを諦める

暗闇にもとめているのだろうかそれぞれの愛という短い詩形

天国への階段がこんな所にあっちゃったらあやうく昇りそう

夏服をタンスからひきだす午後に去年の君のかすかな匂い

「はなびら」としるす点字のそばに仔猫はやさしく軍手をおいた
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「2009年5月」。

2009-06-01 13:24:06 | Weblog
題詠blog2009:038〜055 。

→の方向に進めども進めども果てしない休日のTDLの駐車場は

青空の広場がありまして明け方に小雲を拾って回る清掃員

最愛の春をなくして泣いているすみれ色した庭師がひとり

それは世界が全てオレンジ校庭のフェンス越しに見た夕焼け

ぬくもりのようなもの右クリックして保存する癒されぬハードディスクへ

いずれ世界が満たされる時に袖を通す給食係の白いエプロン

どことなく湧き水のようなひとたちが食べるわさびアイスクリーム

いつか永遠のおわりを告げる幕引きの係のひとが泣いている

後継者不足に悩みながらも街々に常識を売り歩く行商人

いつの間にか警報器だらけの街で今日もたのしく暮らす

お気に入りのサングラスなくして出逢うほんとうの空にあふれるひかり

かなしみのテイスティングを拒み一本のぶどうの木となるソムリエ

いまふれればこころは真夜中の火災報知機のようにベルを鳴らす

はらはらと落ちてくる言い訳ひろったらあのひとの本質でした

強靭な一本の縄となりばらばらになりかけた世界を結ぶ

もうひとつのあなたとわたしができあがる妊娠初期の鼓動

十字架をしまってくれないか 首筋のちいさな傷の意味をおしえる

ガンダムであってガンダムではない奥ゆかしき百式がとても愛しい

うたのわ。

ここハンコおねがいしますと宅配便のひとがもってきた梅雨

やや切れ味の悪い包丁ですがたぶん刺す事には使えるだろう

つまり僕は必要のない時にたたまれる雨傘だったと言うこと

蹴り上げても届かない青空に向かって飛ばすブランコから靴

雨雲の向こう側にあるのだろうか昨日無くしちまったひかり

いずれ涙がそらにのぼれば世界中平等にふりそそぐ酸性雨

雨降りに片方の靴が落ちているだけでなんか寂しいんだよ

炭酸の抜けかけたコーラにストローさしてずっと飲んでる

塀の上の黒猫がどうしても知りたいことを教えてくれない

我々の無くしたひかりは深海のアンコウの光になりました

どこまでも真夏のプール息継ぎをわすれるくらい泳ぎつづけた

梅雨みたいなひと泣きながらやって来て 誰も慰めてくれない

これはポロシャツですがクローゼットから取り出せばあきらかな夏

この夏の準備をはじめればあたらしいゴーグルに反射する青

子守唄もわすれました眠らない夜のこどもにわたす委任状

もし水棲の人間になったとしたらナマコにも負けちゃうよ わたし

虹の設定をしておきました明後日東北東の空のかなたに

いま、弾き方をわすれたピアニスト鈍色の鍵盤におとす涙

ひかりの楽譜散らばっています無くなる前にみんな拾って

冷え切った言い訳なので炊きたてのご飯にかけて食べてみる

すきあらば盗んだバイクで走り出す秋がくるまで逃げおおせたい

地下核実験やりたければやればいい何れ地底帝国の反撃がある

おじさんが丸まってこんなにも晴れているのにガード下は寂しい

ろくでもない会話をしよう たとえば五月晴ればくはけいかく

すべて笑顔で許してくれるひまわりと出会えた しあわせ

曇り空が好きとうつむき加減のきみにあげる琉球アサガオ

コンビニと丸まって踊れば深夜いずれ僕は逃げられるだろう

コンビニの光の棚のアクエリアス手にとれば闇からの免罪符

自動ドアひらきロバの目をしたコンビニ店員が目配せをする

誘蛾灯きらきらと輝いていっそう闇は深まるコンビニの外

コンビニのあかりのそとに僕という孤独な闇が存在している

深夜、とりとめのない会話が続くケータイの薄明かりを根拠に

泣きそうな梅雨がいたので笑いそうなひまわりの種を託す

行き先はどこなのと尋ねられ今もって判らないと答える

夕焼けの電動アシスト機能付き自転車に跨がれば三倍のアシスト量

海の本質にちかい巻き貝を炭火で炙って食べる やはり塩味

わたし霧吹きを忘れてしまったからいまにも萎れそうなスミレ

ならば、ゆっくりと深呼吸しなさい。夏が来ることを確かめなさい。

アサガオの感情たちあがりつつ夕暮れ時は哀しみに巻きつく

ロングヘアーミニチュアダックスフンドがモップ掛けみたく散歩する

電線がとぎれる場所に棄てられた通話料金未納の泣き声

旧ソ連製戦闘機の爆音が聞こえる心して窓枠をおさえなさい

生き急ぐひとの心臓になりかわりゆっくりとまわりだす観覧車

カナリアの鳴き声に耳を塞いで残された最後のガス室管理人

ひかりケーブル首筋にさしてあいしあうエレクトロワールドまみれ

おとなにはなりきれぬ想ひあつめて眞白き まだ五月の紫陽花

真夜中の涙のなかにとけてゆく生きまちがえた水溶性のからだ

放課後のプール掃除のホースからほとばしる新しい夏の意志

すべてがあかるくひかる苔の深夜つつまれて唇にたらす水滴

これはきらきらのラインマーカー薄れかけた愛情のうえにひく

どこまでも螺旋階段 夏だった頃をさがしてのぼりはじめる

諦めたのかもしれないよたよたと歩いてゆくロバの蹄の音は

ふつう三分で終わることに三十分かける丁寧に微笑みながら

その角の美容室の先を右に曲がると去年たしかに夏だった

鳩の身になって考えてみろよ豆は好きだけど鉄砲は痛い

ほんのすこし手が届きそうな気がする西友の上に現れる虹

荘厳と流麗を散りばめた宮殿に足りない物があるとして鳩

縞々猫の森の図書館 まちがえて君のなくした軍手をさがす

ゆっくりと届けばいいのだ 低音が沁みる夕暮れのコントラバス

コーヒーは飲み終えてそれぞれの視線のあいだに沈黙の境界

肩と肩くっつけあって螺旋階段からみあげれば空が青い

捨てられたくなかったんだね気がつけば靴底に張り付いたガム

パラダイス座の跡地から飛び立つ前世は映写技師だった鳩

週末に飲んだビール缶せいぜんと並べてはそれなりに美しいオブジェ

ダイソンが強力に掃除する昼下がりに君のかけらも吸い上げられた

とつぜんの雨。しかたなく買うビニール傘。とかも大切にしています

勢いは徐々にましてゆく雨の中にぬぐっても仕方ない涙

輪郭のうすれたあなたの顔に雨はつめたい嘘をつかせる

なにも知らないふりをしてゆっくりと伸びをする夕暮れの猫

あやふやなものを右クリックしてなにかわかるまで保存する

真夜中のあなたが赤い警報機ふれないでおく朝がくるまで

あなたはもう静寂の砂丘あけがたに風紋のことばをのこす

とても大きな決意のもとに昔々ゴンドワナ大陸は別れた

それは月の夜の悲劇でも明日の朝刊には載らない出来事

約束は永遠に叶えられないライオンが年老いた飼育係を噛み殺す

何千年くり返しても終わらない暗闇を灯してまわる言葉のひかり

それは諦めていた何年も嵐のなかを彷徨った郵便船が届けた手紙

近づこうとしても逃げてゆく宙に上がった君の領域は遥か彼方だ

ともすれば右手には剣、左手には盾をもち。電車で向かう会社

とどかない高台をみあげるような場所に植物園を建てて暮らす

きらきらと君のかけらが落ちているので一つずつひろっておいた

何れひまわりとして花を咲かす予定の今はうつむいた泣き顔

いつのまにか自販機から「あったかーい」の言葉は消えて五月

冷たく降る雨は似合わないよパプアニューギニア大使館の前で

その昔止めどなく流す涙はありましてあっと言う間に海ができたとさ

雨、泣いているひとたちは消灯の時間 やすらかにお休みください

太陽と月にみはなされたビニール傘がうんめいとあきらめて尖る

かわらないものなんてなにもないんだ。ほら、カップヌードルのコロチャー

炭酸の抜けたコーラにストローをさして歩く表参道のひかりがまぶしい

ただ、誰もいなかった。ただ、風。砂。波。それは、きらきらと春の海

それでもまた夏のひかりにストロベリーソルベアイスクリームをひとつ

ほんとうの歌声は無くなり悲しみが増やす夜のYouTubu再生回数

吹き上がる風がみどり色のリボンをほどくオランダ坂の途中の

少しベランダに滞在したかのようでした風の国からの訪問者

五月のそよ風に揺れ動く枝が時として樹々であることを忘れる

千円でどこまでゆこう新緑のサービスエリアで買うボルビック

こわれものシール貼り忘れたことばがあなたに届く前に壊れる

ロッカーはたましいをなくして永遠に雨あがりの夜空に停まる車

忙しく通り過ぎてしまう花時計まわりはじめてひかりある場所

温暖化の一言で片付けて次々と五月の海に泳ぎだす解凍マグロ

これが月の欠片と差し出されたものを後生大事に掴んでいます

純水のペットボトルがおりなす虹色ひかりの屈折を最良の友として

五月の透過率を知りたい両手両足投げ出して風を見上げる草むら

這い上がれない谷底につくる虚構の足元は暗く流れる渋谷川
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「2009年4月」。

2009-05-01 05:40:48 | Weblog
食べ物。

・ステンレスシンクが我にかえるようなペヤングソースやきそばのお湯の奔流

・長江に身を清め一気呵成に書き上げる【冷やし中華はじめました】の張り紙

 あんかけスパゲティくるくる巻き上げねっとり絡み付くような愛に溺れたい

・とても美味しそうに出来たチャーハンを「いただきます」の前に味見する蠅

 芝公園教会ウエディングケーキ山盛り積み上げ大食い女王からの求婚を待つ

題詠blog2009:022〜037。

いつまでも叶わないゆめを見つづける詩人のような職業につく

青いシャツのひと泣きながら待っている変わらない赤の交差点

幾万のなげきのこえをききながら一定の温度で揚げる天ぶら

南極の氷ゆっくりと少なくなって皇帝ペンギンの取り寄せる製氷機

真夜中のコンビニエンスありったけ孤独を買って釣りはいらない

渋谷東急ハンズみあげればめまい なんとなく四月の既視感

いずれ透明な容器であった頃の記憶を取り戻すため注ぐ純水

其処にくしゃくしゃのシャツが在るから私はエクストリーム・アイロニスト

ていねいに牛乳パックきりひらき生まれかわるための準備はじめる

富士山のてっぺんが大好きだから。ひとよんで僕のあだ名は。野口健

この短い文章のなかに世界征服計画書の在りかを示す暗号がある

「旅の終りに」「みれん酒」「炎」「男の子守唄」歌ってるのは冠二郎

序章。太陽がひとつありまして引き付けられるように生まれた何か

すこしだけ高いところの風をさがしてロンドンバスの二階にすわる

穏やかな休日は公園のブランコをこぎながら青空の意図をおしはかる

ちびまる子ちゃんの続く限りひきょうと呼ばれ続ける藤木茂の悲しみ

うたのわ。

走行中突然開きはしないか電車のドアに押し付けられ気が気ではない

渋谷109両手ひろげることなく救いとはほど遠いスクランブル交差点

その程度の近い未来だとしても明日ここにいる確信は持てない 君が

すこし違う風景を見たかったのでしょう縁側の籐椅子の向きをかえる

がむしゃらに進むことだけ考えて生きてきた波が海岸線に出逢う瞬間

もう少し待って下さい一縷の望み叶う時がくれば肩甲骨は翼にかわる

っうか新キャラクター「地デジカ」ってとり急ぎ三分で描きましたみたいな

悲しみが折り重なってバームクーヘン泣きながら食べれば夕暮れ

あけがたの海浜公園をふきぬける風の意思を確かめに出かける

もういちど星の声が聴きたい夜につくる大人のための鉱石ラジオ

世界地図のシートひろげて食べるお弁当 あら、大平洋に落ちる卵焼き

精一杯の努力して登りつめるてっぺんも転げ落ちるならほんの一瞬

これは君からの着信ランプを光らせるための僕の大切な充電器

ひかりあることしんじてミサイル発射場あたりに蒔く夏野菜の種

厚切りのチャーシュー盛り付けるラーメンが八枚めからチャーシュー麺

四月の新緑のなかにまぎれてゆく 一時のうすもも色を散らした記憶

モーニングセット頼めば「生まれたての朝だよ」的な茹で卵でてくる

それは忘れかけたぬくもりをさがす旅の途中に出逢った植物園の温室

昼。公園の噴水。水鉄砲、二丁拳銃。水あそびする。子どもみたいな

たぶん、ひとつの季節儀式として。この雨があがれば、あしたから夏

夜明け前腹をすかした序二段がちゃんこ抱えて両国方面に逃走

早朝、やわらかく降る雨が生まれたての春のキャベツの名付け親

どうしても聞きたいことがありましてLondonEyeで空に近づく

もやもやとしたものが言葉となるまえに暴力として現れる 夜

いずれわかりあえる時がくることを願い金色の獅子の流す涙

ぬくもりがひとつすてられる前に湯沸しポットの取っ手を掴む

クリーニング出し忘れたコートあってまだ部屋の隅にのこる冬

あと千年そっとしておいてほしかったと軍艦島によりそう波頭

キッチンにあふれるひかり卵を割れば世界はサニーサイドアップ

叫んでも聞こえないでしょう あなたは純粋な風になり去ったのだから

金星のひかりの照らす操車場 貨車はむごんの眠りにおちて

スパゲティくるくると巻き上げ食品サンプルの真似をして 笑った

もう少し見守りましょう これは世界中の安心がねむる揺り篭

だらだらと生きているうち哀しみの卵がまたひとつ街にうまれた

メリーゴーランド手のひらの上で廻してあなたはいつも嘘をかたった

赤い薔薇の花束投げ捨てた夜は救急車サイレン鳴らして走り去る

本当のことを告げるタイミング見計らい目の前に浮上する白い鯨

つきつめればあなたもちっぽけなmicroSDに収まるくらいのData

両耳は貝のようになって声を拒めばいい。そして、しばらくは潮騒

まちがえて角砂糖瓶おとしたら遊園地のコーヒーカップ回りだす夜

ゴーカートのゴーがいいよね。コースから飛び出してどこまでもGO

三人でかくれんぼ、鬼じゃない二人は消えて、一人では終わることない かくれんぼ

めをとじれば心臓の鼓動とちがうかなしみがふえる音はきこえた

ひとつだけ判ったことがあって生まれては幾ばくかの恋をして死んでゆく

いずれこの指が宇宙へとどくように土星のリングでつくった指輪を

子供達の笑顔がみえる。これは、金魚売りのおじさんの記憶

どうしても泣きたい楡の木をひとしれず森の奥まで連れてゆく

失恋の漁船員が永遠に終われない延縄を手繰る 月明かり

手探りですすむしかない此処からはひかり亡くした夜の領域

うすぐらい押入れの中に落ちてないかと探した。愛とか、恋とか

手にしてはいけないだろう地球最後の鼓動がきこえる聴診器

「このへんに翼が堕ちてませんでしたか」蒼白の天使は尋ねる

新緑のひかりラッパを吹き鳴らしやがて訪れる夏の準備を

明けがたの透明なビーズの連なりを一部不透明なひとみがわりに

狼になるべきときもあるのだろうか この満月のひかりの奔流

くしゃくしゃの髪のまま過ごす日曜。燃えないゴミはいずれ捨てよう

丘に登る途中の美しい花々は僕らのために咲いたのではなく

眠そうなひとたちがつり革にぶら下がりいずれ蝙蝠に進化する

また恐竜が闊歩する星の地中に僕ら化石燃料としてあるのだろう

「暑い一日になりそうです」に備えてPAC3にセットするアクエリアス

もし二人どれだけ離ればなれでもこの朝日までは、たぶん、等距離

またくりかえす。一日の始まりを告げるアナウンサーの顔はにこやか

追いつけないよ僕ら 秒速5センチメートルで舞い落ちる花びら

半袖のTシャツきて川沿いあるけば ほら、ここが夏のはじまり

明滅はひかり満月をうらやむように星になりそこねた夜間飛行

じゃあ、公園の噴水とびこんでお魚になろうか 日曜日の午後

とりあえず、お弁当二つもって公園の噴水の前で待ってます

幸福な瞬間がみえるようにゆっくりと瞼をとじた黒猫がいる

春なのにiPodから聴こえるアンジェラ・アキに何となく秋

ゆっくりと無くした物を捜すには僕らがすべて鳩になるべき

あたたかな日ですが、とりたててとくべつな日でもない土曜日

泡になる靴はそろえて家のないヤドカリにあたえる。海鳴りの朝

にぎやかな幻聴の聞こえる夜更け 薄っぺらな壁を殴り続ける拳

深夜「お言葉ですが」の「が」の辺りから羽化する真つ黒な自蛾

肩越しにレインコートは撃ちぬかれ銃弾みたくひかる雨粒

タイムトラベルのはなしをしよう理科室の薄明かりフラスコの前で

くつひもを結ばずにはしりだす ておくれのホームのあわい残像

夜が明ければ記憶の外に捨てられる水銀体温計はさんで

かなしみもうすれゆくようなあきらかにこれは四月のひかり

記憶回路の接続がずれてほんの数秒のことを鮮やかに思い出す

ひとりでは理解できないことふえて物静かなテーブルにたまる埃

ミサイルと誤報されほっとするガマ星雲第58番惑星からの飛翔体

明日がある希望がなけりゃ、羽根布団一式なんて通販しない

テーブルの二千円札とバナナの共通項を考ているうち夕暮れ

新社会人として初めての大役を仰せつかる 花見の場所取り

二人だけの内緒の話に春のラッピングバスで向かう千鳥ヶ淵

さくら咲く市ヶ谷の釣堀で釣る鯉にさそわれて恋もつれれば

つみきみほの問いにリメイク版「櫻の園」はまだ観てないと答える

世界の果てがみえる望遠鏡でみた果ては、みなれたぼくの部屋だった

うえのどうぶつえんパンダいないのに、もう、なんてにぎやかなお花見

ぼくたちのお花見のよていは日曜日、晴れるといいね、はれたらいいね

夜明けまえ世界中の鼓動きこえるという春のヘッドホンをつけて

「ここが季節のかわり目」指さすさきは薄桃色のトンネルがある

水ぬるみはじめた水田のあぜ道に春第二楽章の準備はじめる
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「2009年3月」。

2009-04-01 05:48:40 | Weblog
建物。

・頑張っても3号までと知りながら買ってしまった『週刊 安土城をつくる』

 永遠に船出する望み叶わないまま職安通り立ちつくすだけの軍艦ビル

・金融の神の怒りをかったブルジェドバイ崩れ落ち結局はもとの砂漠

 東京スカイツリー立ち上がりつつ隅田三丁目あたり現れるALWAYSの少年

 ぎりぎりに追い詰められたキングコングは諦めて登るエンパイアステートビル

未投稿分。

少なくとも三人は作ったはずだ『ゴジラ対東京都庁』という自主制作映画

世界的ねじれ現象の要因が名古屋スパイラルタワーズにあったとは驚愕

どうしても落合監督の顔馴染めないからナゴヤドームは壊してもよい ゴジラ

宇宙移民梶原さんの息子がドラえもんの落書き残す軌道エレベーター

姫路城を300万円で売るという詐欺に引っ掛かった鷺ノ宮の伯母さん

イシハラのゴジラ迎撃指令と共に轟音変形合体しつつ飛ぶ東京都庁

題詠blog2009:011〜021。

イギリス人の彼が「座る」と言うのを「それは嫉妬だ」と聞き違える

先端をかぎりなく細く仕上げるためにのみを振るう三日月の達人

何するのかもわからないカタカナ職業の男ととりあえずかわす名刺

電子レンジ完璧なひかりを放ち煮物とくいな母さんがきえてゆく

型抜きの青年が若干の勘違いをして着るチェ・ゲバラのTシャツ

故郷なんて知らない僕のテレビの中ではじまるUターンラッシュ

叶わないのぞみを抱いて曇り空に打ち解けることなくたたまれる日傘

もう二度と開かれることのないような風呂敷に包まれて格差

雨音をしるす音符のならびに泣いているようね捨てられたノート

遠すぎて知らないふりをした貧乏神もみはなしたアフリカの村

やさしい人の詩集くちばしにくわえ明けがたの海峡を渡る海鳥

液体。

雨上がりなんか気になるカタツムリ通った後に残すぬめぬめ

息をとめ湯舟のなかは羊水の抱かれた時の記憶をたぐる

冷蔵庫こわれてしまいなまぬるい生活に憤慨する缶ビール

ただの水を液体と言い換えるだけで妙に笑顔なでんじろう先生

さよならを告げられた直後から頬を伝うこの液体は何だ

喉越しを重視するあなたのために液体窒素で冷やす缶ビール

一生に一度はやりたい実験として液体窒素に突っ込む薔薇の花束

うたのわ。

週末はうすももいろのETCをとりつけて桜並木のどこまでもゆく

深海のやさしさを知っているあんこうが窓に張る青色セロファン

一陣の風のあと蹴り上げるつまさきは空へ届きそうな気がした

劇的な変化はないにしろ冬物の衣類かかえてクリーニング屋

スペースデブリあつめて土星みたくなればいいねとつくるリング

三番線、桜前線がまいります。桃色の線の内側でご覧下さい。

冬は何してんのか誰も知らないスナフキンもムーミン谷へ

花びらをあつめて飛ばすロケットで衛星軌道を桃色に染め

三月はうさぎの季節つぎつぎと配達されるお茶会の案内状

冬の女王の手先となって三月の街角に花冷えを売る行商人

破壊? 創造? 大切に守られた赤いボタンの意味は知らない

何日もかけてつくられたアリの巣をたった二十五センチの足が踏みにじる

夢を、ゆめをみていたのだろうICUで 世界中に幸せがあふれる夢を

一人ではつまらないこと知りながらくりかえす「だるまさんがころんだ」

途切れない喧騒をBGMとしてコンビニの弁当たべるビルの間の公園

臨月をむかえたはらを撫でているいのちはきっとまあるいものだ

ほんとうのともだちと別れ悲しむ冬の子が泣きながらなごり雪

破壊をはかいするしんぞうを抱いて彼女は沖にむかうのでしょう

脱ぎすてる制服のうえまいおちるさくらは少し泣き顔だった

校庭をうす桃色にそめてゆくさくらはわかれの記憶でもある

イチローがイチローとして在る理由をかみしめていた十回表

絶望をしらない蕾のようにいろんなこと膨らんでゆけばいいね

誰も説明できない浸透力ゆっくりとひたされて液体にもどる

いちばんの急行列車に乗り込みかわろうとする季節さがした

四万年の周期で変化する地軸の影響だろう いまわたしかたむく

わがままな国にも春がきつつ、ほら、いっせいに羽化するミサイル

ペンギンが氷の島ちいさくなる前にもう一度羽ばたく進化へむかう

ゆっくりといこうとおもうたましいの真空管のあかりともして

3番線春嵐が発車します危険ですから駆け込み乗車はお止め下さい

ワールドベースボールクラシックの意訳として「ほぼ日韓対抗野球」

本当は美しい真っ白な花が泣いているような瞬間をかいま見る

例えば命の長さを測るメージャーがあるとしても 測れやしない

使い慣れた辞書の「よ」の頁を開き夭折という文字を塗りつぶす

もう存在はしない人のそんざいがネットの中にマイミクとしてある

アフリカの太陽に感動したおんながあっさりと出しちゃう離婚届

上野公園のソメイヨシノの幹に触れる手につたわる蕾のうずうず

今頃は世界中の夕焼けをひとりじめしているのだろうな若田さん

叶わなかった彼の春の日を偲び佐世保バーガー食べに出かける

本当はまじめな人でよい人でと語る手摺のまえきちんと揃えた靴

遠景に雪をいだいた富士山がみえるアフリカではない国の生まれ

しあわせになる呪文となえる「エスプレッソマキアート」スタバの二階

急ブレーキまみれの夜はすり減ったタイヤを抱いてねむるしかない

Short、Tall、Grandeの意味判らないままスタバの二階

もうなんだろうやさしいはずの君がでんぐり返しのような土砂降り

EXILE新メンバーの中に海雪のJEROがいる気がした

EXILE新メンバーに岡村隆史いないことの不満をここで

上戸彩にあえそうな気がする早春のAOKIにて買うスプリングコート

宅急便の着払いの伝票を書いている木村さんの定年退職の朝

オートマトンキルモード射出ぼくたちにメメントモリはもう聴こえない

どれほどの時を過ごしたのだろう駅前の喫茶店の閉店という事実

ホームぎりぎり立つ時はふいに押されないよう右脚に力をいれて

ぼんやりとする時がふえてきてやがてそれが普通になるのだろう

カレー、食べるよね、カレー。美味しいから、三日前からつくっていたから

あなたあなたにあげる春の陽は、ええ、あたし三日三晩念じた結果の

出来ること。たぶん?わかってるよな気している。でも、たぶん?越えたい

いたずらに呼吸をとめて沈黙の春の湊におぼれるふたり

人気ものだった彼は帽子から春風を出したりする手品師

かろやかにスキップビート三月のラバーソールの靴をみつけた

変化を求めているのだろうか三月の可もなく不可もない日差しに

ふいに暖かくなる花々ひらく岬の突端へイルカでも見にゆこうか

さんざめく波に魅せられ鈍色になりかけたこころは浮上してゆく

暮れなずむ街角のご自由にお持ち下さいと書かれた冷蔵庫あり

ときに電化製品としての生き方も考えてみる電動鉛筆削り器とか

地デジ対応テレビの言い分は解らないまま立ち尽くすだけ東京タワー

冬のコートのおもみたえきれず軽やかさ求めて着るTシャツの

月蝕がはじまるころにふたりして飲んだ青い錠剤の結果として

止まってはならないSystemをとめて春風に舞い散るようにPG

じいさんの理想形として僕たちの道標となれ さくら友蔵

赤い靴を履いて出かける横浜の豪華客船 密航したい

悲しみの似合う玩具の涙腺のプラグにはめる青色LED

メタボリックな腹、すなわち、めざわりな腹。とわたくしに告げる三月

また夏が来る前にサーファーのような真っ黒な男が冬眠を終え目覚める

星ほしの大百科事典なんどなんど開いても銀河にはとどかない手

揺れてます、何が、こころが、震源地、わたし、震度計、振り切る。

少しずつ存在を意識するよう立ち上がる太陽と友達の三月の日時計

ずーとずーとやさしい種でいたかった花を咲かせるまたのこす種

ひとはだのたりない夜はよりそってねむる最新の全自動乾燥機

言葉つうじないひとたち対峙する日々はちょっとした誤訳の連続

かんがえもしなかった哀しみの粒が傘といっしょに折りたたまれる

ぱくぱくと口あけながら街角のわたしはえら呼吸のできない魚

水星の天気はあなたどうですか こちらは静かに雨ふっています

うまれでたものたちの暴虐な性格にうちふるえる青い揺り籠

重なり合うかさなりあうやがて大きな球にかわり浮かぶ甘藍

いたずらか誤報かわからないまま失意の帰途につく消防車

喫煙のひとたちのドトールの二階から見る雨降りの街のつまらなさ

ひかりある魚群探知機まつくらな深海にさがすしんじつの群れ

眠れないすべてがわたしの噂のようでくもり空にも浮き足立つ

こわれそうな人達が踏み切り待っていますが いま一人渡りました

世界地図ひろげて国境とか人種とか消しゴムとかで消してみようか

雪ふりはじめておもむろに空をみあげるひとたちの時がすこしとまる

わすれてた三月は風の公園を抜けてゆくローラースケートの少年

ここからが新しい季節のはじまりをしるす黄色いラインを飛びこす

ファインダーごしの春をちりばめたブログ写真のなかに感じてる春

指先が少しだけ冷たい理由は昨日なくした手袋のせいではなく

同じマフラー巻いて歩いた冬がゆるやかに薄れてく早春の光に

むかえる季節のなかにぼんやりと思い出す桜並木の二人の影を
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「2009年2月」。

2009-03-01 07:54:32 | Weblog
題詠blog2009:001〜010。

笑点の山田くんになりかわり世界中の歌丸さんにくばる座布団

波長あわなかった一日が終わり短波ラジオから聞こえる星の音

大切なものぼろぼろとなくしてはみんないなくなる助産婦さん

わたしひさしぶりに笑ってるひだまりはてんとう虫の転倒

聞こえたらやさしい歌は短調にかわる気がして耳をふさいだ

いつのまにか干からびた水玉だったので丁重に川へ戻してあげた

目をそらし皆いそがしくゆく街のこわれかけ保温ランチジャー

赦されたひとたちは淡色に飾られて舞い上がる花びらのように

静寂がつもりゆく浜辺の町でふわふわを売りつづける自動販売機

非常ベル《ホログラムエラー》鳴り響き消えてゆくトーキョーの街並み

鬼。

おにがしま小学校から転校してきた鬼澤くんって母子家庭らしいよ

うたのわ。

早咲きの桜がつつがなく笑顔だったので深々とお辞儀をする

散歩する犬の徐々に増えてゆく公園のまだ眠そうな目の春昼

結果あっさりと消えてしまう雪降らせる事に若干の春の逡巡

南風をうけて速度をあげる帆船の行き着く先は春なのだろう

他愛無い会話のなかにすこしづつ春という単語ふえてゆく二月

スーパーの袋もエコバックも要らない買ったばかりの缶ビール飲む

泣かないでよかった見上げれば遠からず春がくることを知る蕾

遅れてる電車のせいで今日の僕すべてが上手くいかない予定

自転車の買い物カゴに合う葱さがす約束は果たせないままに春

結論は先送りして巻き戻すビデオテープをまた初めからみている

自転車の速度は上がり坂道の終わり近づく飛び立つ準備始めよ

あきらめの加速度を増しながら いま涙腺を通過する特急電車

二月のつめたい雨粒がいつまでも降りそそぎ誰も赦してはくれない

ほんの少しの温もりでよくて大きさはコーンスープのカップぐらいの

ののしりあう誰の姿もみたくないから目をとじてブライダルホールは

家族連れつぎつぎきえてゆき孤独たんたんふえてゆく屋上遊園地

壊れやすい殻まとった僕たちが朝食の目玉焼きのため割る鶏卵

くりかえす朝の通勤の行程の中ふいにまぎれこむ確かな梅が香

ミッキーはとげぬき地蔵みたいなもんかとバーちゃんが聞くのでうんと答える

この味がいいねと君が言ったから二月二十一日はカレー味ポップコーン記念日

スペースマウンテン百二十分待ちもからころと僕たちの夢ころがるといいね

たいはんは待ち時間だと気付いたひとが打ち捨てられる葛西臨海公園

たいはんは待ち時間だと気付かせぬようにネズミ一族のとめどない策略

鈍行電車の窓枠に置かれた懐かしい冷凍みかん温める春の日

軽やかなフランス映画を見たあとに買う揚げたてのフレンチフライ

とても高いビルを見上げる時の注意書き首の角度は三十度まで

檸檬と書かれたレモン眺めながら象形文字のなりたちに挟む疑問符

新作の映画のレビュー読んでとりあえず新緑の季節が来るのを待つ

中川さん似の経理部長があいさつをして舞台裏でおりるエレベーター

繁栄の証としてアキハバラ歴史資料館を飾るメイドさんのエプロン

煩悩の増殖がいかんともしがたく週末は駅前クィック座禅にかよう

コーヒーのボタン押したつもりが間違えた田舎しるこも汝愛したまえ

昨日やさしくしてくれた陽が猛然と牙をむく裏切られたと思う早朝

あかねさすムラサキの髪のばーさんがイノベイターと正体を明かす

それぞれに嬉しいよね悲しいよね楽しいよね寂しいよね繰り返しよね

春風を信じるようにひらめかす僕の穿けないスカートを穿く

イツワリのエガオも恋し雨の日はマクドナルドで朝食をとる

出会わなければ別れもないと言いきかせ見つめる爪先の先

絶望か希望かわからないまま僕たちは見つめ続ける未来のドアノブ

なんだろう剃り残した髭がそのへんの小学生にあるような違和感は

全世界が泣いているのを知りながら誰も開けられない鉄のカーテン

お洒落げなカフェー近所にオープンしたのでそらあ難しげな本を抱えて

おんなじ電車のおんなじ車両のおんなじ場所にいつもすがりつくような朝

大人だと見られてもあんがい流されやすいわたくしというものが

暮れてゆくわたくしのなかにゆつくりと影をなす釈然としない思ひ

明け方の赤い自転車 通常の三倍速で配る新聞

まちがえて宇宙に昇った少年がラグランジュポイントに求める安寧

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2009-02-01 08:43:56 | Weblog
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「2008年12月」。

2009-01-01 09:26:44 | Weblog
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