漫画家アシスタント物語 第2章

ブログ「漫画家アシスタント物語」の第2章をまとめました

漫画家アシスタント第2章 その10

2005年05月16日 03時09分56秒 | 漫画背景
  ( この絵は、1975年に出版されたS・M先生の単行本「あとがき」に載った私のイラストです。)

 【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】




                     その10.......................................'05年 4月13日 2時39分 (公開) 


Kさんのところでの仕事(1976年頃)は、比較的規則正しいものでした。

1本(20p位)の制作にかかる日数は、だいたい3日+α ・・・。

第1日目、大ゴマ用の漫画背景を制作。第2日目、各ページの背景を制作。第3日目、各ページの背
景、そして徹夜で仕上げる。 つまり、3日+α 。


1日の作業パターンは、正午より始業。 3時にティータイム。 6時~7時に夕食。 11時に終業。

3日目は徹夜と決まっていたので、深夜も仕事をつづけ、だいたい3時頃に近所のサッポロラーメン店
で夜食。 その後、2,3時間仮眠。 そして、朝から正午までに仕上げる。

1本の作品がこの様に3日+徹夜1晩で規則正しく制作されていました。


アシスタントは5人。交代で一人休むので、仕事はいつも4人でやっていました。 しかし・・・・・

すごいと思うのは、Kさんが7日に一度休むのですが、その日は必ずバンドのリードギタリストとして
の練習と草野球の練習に汗を流す事を習慣としていた事です。

Kさんの当時の口ぐせ・・・

 『 俺の取柄は、体が頑丈な事だけなんだよ・・・ 』

誠実で謙虚。 作家特有の尊大な態度がまるで無い。誰に対しても礼儀正しい人でした。 

例のごとくコビる様にアシスタントHが・・・

 「アシスタントなんて気楽ですよ! それに比べたら漫画家は大変ですよねェ。」

Kさんは、苦笑いしながら、しかしハッキリと・・・

 「アシスタントの方が大変だよ。 俺はアシスタントの方が大変だと思うよ。 きっと・・・・・。」

Kさんは、アシスタントの経験がありません。でも、とてもアシスタントに気を配っておられました。



こんなKさんを私は裏切る事になる・・・・。 

その話は、まだ少し先になります・・・・・。



                        「漫画家アシスタント物語 第2章 その11」 へつづく・・・



・前の記事へ戻る時はこちら→「 第2章 その9 」



   * 参考 *   
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.............. 私(yes)のアシスタント履歴

1974年昭和49年 さがみゆき先生 主に(少女系)怪奇漫画。単行本1冊分、
        4,5ヶ月のお手伝いでした。 (19歳)

1976年昭和51年 かわぐちかいじ先生 この当時、氏は今ほど有名ではなか
        ったのですが・・・・。背景技術をみっちり仕込まれました。(20歳)

1977年昭和52年 村野守美先生 漫画界一の豪傑と言われ、エピソードには
        事欠きません。たった1週間しか、勤まりませんでした。(21歳)

1978年昭和53年 ジョージ秋山先生 当時「浮浪雲」(ビックコミックオリ
        ジナルに連載)が、すごい人気で、渡哲也、桃井かおりの
        主演でTVドラマ化されていました。(23歳) 
        ‘05年平成17年、現在なお、秋山プロにぶら下り中。 (50歳)

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     ( より詳しい履歴は 「漫画家アシスタント 第1章 その1」 にあります。 )

 






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          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」  「古い話で章 その1」
          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )








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