優秀な弟

僕には優秀な弟がいた。成績優秀・スポーツ万能・とても女子にモテる・友人も一杯で信頼を寄せられる。
ほとんど完璧超人のような奴だった。

彼は病魔に倒れ、幾年かの闘病の後旅立った。

葬儀の後の食事のとき、酔っぱらった親戚のおやじが

「優秀な方がいっちまって残念だ」的な発言をした。

その時は怒りに震えたが、今現在の自分の状況を考えるとそれもそうだな、と思う。

親孝行してないしな。むしろ迷惑ばっかりかけている。

父も同じことを深層心理では思っている事が時々透けて見える言動をすることがある。

死にたい、とは思わないけど（数年前だったら危なかった）

低く値踏みされているんだな、でもしょうがないよな、と弟を引き合いに出されるたびにそう思う。

弟は無念だったろうなあ、と思い、その分も頑張ろうと思ってきたが、結果に結びついていない。

なんだか頑張るのに疲れた。