やたろうの屈折劇場

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根本的な誤り

2007年07月03日 17時16分22秒 | やたろう時々毒をはく
久間「しょうがない」発言に抗議、長崎で座り込み(読売新聞) - goo ニュース

【久間氏の発言要旨】

 日本が戦後、ドイツのように東西が壁で仕切られずに済んだのは、ソ連の侵略が
なかったからだ。米国は戦争に勝つと分かっていた。ところが日本がなかなかしぶ
とい。しぶといとソ連も出てくる可能性がある。ソ連とベルリンを分けたみたいに
なりかねない、ということから、日本が負けると分かっているのに、あえて原爆を
広島と長崎に落とした。8月9日に長崎に落とした。長崎に落とせば日本も降参す
るだろう、そうしたらソ連の参戦を止められるということだった。

 幸いに(戦争が)8月15日に終わったから、北海道は占領されずに済んだが、
間違えば北海道までソ連に取られてしまう。その当時の日本は取られても何もする
方法もないわけですから、私はその点は、原爆が落とされて長崎は本当に無数の人
が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだ、という頭の整理で今、しょう
がないな、という風に思っている。

 米国を恨むつもりはないが、勝ち戦ということが分かっていながら、原爆まで使
う必要があったのか、という思いは今でもしている。国際情勢とか戦後の占領状態
などからいくと、そういうことも選択肢としてはありうるのかな。そういうことも
我々は十分、頭に入れながら考えなくてはいけないと思った。
(引用 asahi.com[あえて(笑)])

ソ連の参戦が決定したのは、ヤルタ会談(1945年2月)だから、原爆の投下の
有無とソ連参戦は無関係だとか、ポツダム宣言受諾を天皇が決定したのは、クーデターしてでも戦争継続を推進しようとしていた大本営(特に陸軍)にその力がすで
にないということが分かった時点で、原爆投下によってではない、とかいろんな間
違いがあるのですが、根本的な誤りが1つ。

アメリカの原爆投下に関する見解は、簡単に言うと

「日本本土上陸作戦策定時の米軍予想死傷者は約10万人。これを避けて降伏させる
ために原爆を使用。戦争を短期間で終わらせる為だったから正当な使用であった」

アメリカの見解は、アメリカにとっては「正しい」
そういう意味では久間さんの発言は「正しい」

ですが、この見解には根本的な誤りがあります。

それは、

原爆を落とされた側には、そんな屁理屈はどうでもいい
一般市民が住んでいる人口密集地に落とされた爆弾によって
多くの人々が人類がかつて経験したことのない方法で

虐殺された

被爆者の方々からすれば、アメリカの戦略や思惑などは

どうでもいいこと。

アメリカがどうたらこうたらは被爆者には全く無関係で、単純に
経験した事実は

虐殺された

それ以上でもそれ以下でもないわけです。

それを「しょうがない」という一言で総括してはいけないと、思います。

こんな想定をしてみましょう。

貴方の大事な家族や恋人が、惨殺されたとします。

犯人は複雑な家庭環境の持ち主です。

この事件に対してTVに出演しているコメンテーターがこう言いました。

「犯人の複雑な家庭環境が、犯人の人格形成に多大な影響を与えて
 結果このような事件を引き起こしました」
含めている意味は
だから、しょうがない面もあったのではないでしょうか?


貴方は、あるいは被害者の方はこう叫びたいはずです。

そんな事情、知ったことか!


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