ミッドナイトヴァージン Production Note

WEBノベル『ミッドナイトヴァージン』の本条靖竹のブログです。

オバマと世代間格差について思うこと

2008年05月25日 00時01分11秒 | Weblog
ちょっと疲れていたので一週間くらい読書やゲームばかりしていて、日高義樹氏の『アメリカ狂乱 次の大統領は誰か』を読んでいるさなか、ヒラリーが毒をまき散らしているニュースが飛び込んでくる。

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僕は共和党的な保守主義(自然法的な考えを重視するバーク主義)が共産主義よりはよっぽど理解できるし、自由と博愛、財産権を保障するアメリカを尊敬しています。銃を捨てられないのも、開拓の歴史やリバタリアニズム、財産権の観点からすると多少の理解はできる。(賛同はできないけど。)政治家と官僚が民間企業や教育・文化までをも支配しようとする日本よりよっぽどましです。対して日本のマスコミはアレルギー的なリベラリズムに染まりすぎているとも思います。

しかし日高さんの本でも多数指摘があったけど、ヒラリー陣営の保守ぶり、ネガキャンぶりはえげつないです。たとえば、オバマは「若くて経験がなく」、有事の際に頼れるのは経験のあるヒラリーだ、とCMでアピールしていたりします。彼女が女性に人気がないのもわかる。品性が感じられないのです。エリートで経歴十分なエスタブリッシュメントが追い詰められ、醜態を晒していると思います。

オバマは頭脳明晰で演説がうまく、何より特定の産業界や宗教、民族といったしがらみに染まっていません。彼はケニア人とスウェーデン系白人のハーフで、イスラム教徒の父を持ちながらキリスト教プロテスタントです。発言にも洒落っ気とお茶目さがあって、クールかつスマートです。 彼が大統領になったら世界は新時代を予感するでしょう。その瞬間を見てみたいという期待がアメリカの若者のあいだで熱狂を巻き起こしているそうな。

そんなものを目撃できるなんて、うらやましいです。

僕はよく言われる収入の格差社会なんかより、よっぽど世代間格差が気になっています。年金も医療も、人口減少社会では、かつての「相互扶助」の理念が、「高齢者が現役世代から収奪している」ように見えてしまいます。

福田首相は71歳です。(ちなみに共和党候補のマケインも同年齢、ヒラリーは60歳。)年齢で差別するつもりはないけれど、日本の政治を見ていると憂鬱な気持ちになります。
(人口比を見ると、高齢者を気にするのは理解できたとしても)

選挙に行く数も、政治経済に関わる人数も、圧倒的に若年層が少ないから、それだけで若者は不利です。1961年生まれと比較的若く、多民族の血が流れているハワイ生まれのオバマに、若年層や民族的マイノリティ、そして改革を望む中高年の期待感が募っているのでしょう。

サブプライムローンやイラク戦争で疲弊したアメリカは、いずれ復活するでしょう。何年もかかると思うけど。それだけの柔軟性を持つ国だということを、オバマの台頭が示していると思います。

オバマよ、きみがリーダーにふさわしい。
と遠い島国から思います。

翻って日本は……。あまり期待は持てませんね。
民間企業と文化、サラリーマンの質はとても優秀だと思いますが、政治の混乱、マスコミのミスリーディング、官僚と管理職連中といった「特権階級」が全て台無しにすると思います。

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