ミッドナイトヴァージン Production Note

WEBノベル『ミッドナイトヴァージン』の本条靖竹のブログです。

もう一週お休みさせてください/最近見た映画とアニメ

2008年10月09日 00時57分22秒 | Weblog
すいません……ちょっと一週お休みさせてください。
MVは二週続けてのお休みになってしまいますが、ツインゴースト6話に想像以上に手こずってしまいました。こちらは全12話なので物語は折り返し、核心に向かいつつあります。
MV本編は折り返しまでも届いていませんが…(^_^;)

今は頭がカラッポになったような感じで、体力的にも休息をとらないと限界のようです。ちょっと、つかれました…。

MVPT、ツインゴースト連載、26,27,28話とここ最近は毎週のように〆切があり、今の品質をキープするのに難しさを感じてきています。
(といっても手を抜いたつもりはありませんが)
やはりコミケを中心に半年単位でまとめて書いたほうがいいのか、もしくは隔週連載にするとか、いつも悩んでいます……。

言い訳なのは十分承知していますし、自分で予告しておいて情けないとも思いますが……。MVは数年単位で織り上げていく長編群像劇です。どうかながーい視点で楽しんでいただければと思います。話数的には全70話を超えるのではないでしょうか。うんざりするくらいの大河長編ロマンをやりきる、というのが目標なのです。

それにしても、「首脳会談1・2」は書いていてしんどかった。これらはいわゆる「ダレ場」でして、戦いのシーンなど娯楽性の高い回とは違い、説明や伏線張りが中心になるので、普通に作ってはどうしても「つまらない」と感じてしまう回になります。
アニメ監督の押井守氏が好きで著作のアニメ・映画論を教科書がわりによく読んでいたのですが、おぼろげな記憶ですが「映画にはダレ場は絶対に必要で、ダレ場がよくできていないといい映画にはならない」というような事を書かれていたのを思い出します。見せ場ばかりではいい作品にはならない。
だから工夫が必要で、苦心しました。次回からはハデな回が続きますが、複雑なストーリーになるので一話たりとも気を抜けないです。

今週の更新がこれだけではなんなので、久しぶりに最近みた映画やアニメの話しなどをしようかと思います。新宿に最近、夜遅くまでやっているシネコンが増えたので、よく通ってます。

■「ダークナイト」◎
ジョーカー役の故・ヒース・レジャーの存在感がさいこーです!
ジャックニコルソン版とは違い、髪を振り乱して服はボロボロ、メイクは剥がれている人格破綻者として狂気の演技を見せてくれました。「理不尽な暴力」ってのはここまで描かないと説得力ないよねぇ。
アメコミヒーローに対する深い洞察といい、ながーい物語の展開の仕方といい、とにかく感服しました。これがハリウッドの懐の深さなんですねぇ。必見です。

■「アイアンマン」○
単純な作品ですが映像的な見所が多く楽しい作品でした。ビジュアル的な見せ方やテンポのセンスいいです。ヒロインの秘書さんが可愛い。パワードスーツ手作りっていうのは燃えますね。

■「ハンコック」○
空飛ぶシーンは超かっこいい。前半のボロボロハンコックのほうが魅力的に映った。後半の展開はやや興ざめかと。

■「デトロイト・メタル・シティ」△
OPのアニメは超カッコヨイ。松山ケンイチさんは「L ~ザ・ラストメッセージ」よりずっと良かったし、原作の雰囲気はよく出ていたけど、漫画的な作品を実写でやるのはやっぱきついと感じます。映画には映画の、漫画には漫画の得手不得手があるので、その違いを考えないと寒い作品になる。一言で言うとお話がウェットすぎる、もっとこなれた、ドライな感じのシナリオにしてやるべきではないかとか考え込んでしまった。ライブシーンは良いです。邦画としてはいい方だけど、コメディ映画としても洋画の水準と比較すると少し厳しいかな。

■マクロスF(1~最終回)◎
なんて作り手の「情熱」を感じるアニメなんでしょうか! バルキリーの高速宇宙戦闘といい、三角関係恋愛ドラマといい、歌とドラマの相乗効果といい、アニメというジャンルでやれるオイシイ要素をどかどかぶち込んでます。これ以上のものはないのではないかと思いました。最終回が熱すぎるよ! ちなみに僕はシェリル派です。

吉野弘幸さんのシナリオは批判も多いだろうけど、実は相当考えられていると思う。作画は各回の個性が強くて統一感はないけど、それぞれ個性的でむしろ好きです。娯楽作品というだけじゃなくて、昨今のアニメや社会に対する問題提起な要素を大いに感じたところもあり、これについてはまだまだブログで書きたい感じ。ブルーレイで揃えようと思ったTVシリーズは初めてです。惜しむらしくは、詰め込んだ感じがあって、もっと「空気感」「日常感」が演出的に感じられるシーンが多ければなと。情緒の側面がやっぱり不足してるかと。
(この点、「ゼノグラシア」「ハルヒ」あたりが良いんですよね)
でも久しぶりに、何度も見返してるシリーズ作品です。
ここ数年のTVアニメの品質向上はすさまじいですね。かつてのTVアニメでは、品質のばらつきは当たり前だったんですが。今はアニメ黄金時代だと感じます。

■スカイ・クロラ◎
ヨーロッパ映画のような(例えばヴィム・ヴェンダースのような)渋いセンスのアニメ映画でした。やはり押井監督は「映画」という雰囲気を醸し出すのがうまいです。彼の作品としてはびっくりするくらいに情熱的で人間らしいドラマ作り。眠たくなるようなテンポの作品だけど、押井映画はスルメ的な良さがあると思っているので(例えばパト2やイノセンス)、時間がたつほどに味がわかるようになるのではないでしょうか。「死」についてのSF的なテーマ設定は現代性があり感心しました。キャラの魅力が少し物足りないかも。

■崖の上のポニョ○
「千と千尋」以降の宮崎作品は、村上春樹文学がごとく不条理的で理解に苦しむところもありますが(特にハウル)、今作もえ?どゆこと?と考え込んでしまうラストでした。ただ全体的には人間の動作の描写がとても丁寧で好感がもてます。細かい描写が本当にうまく、気持ちいい。宮崎監督のテイストは嫌味がなく、誰でも好きになるような味があるんですよね。台風シーンのアニメーション技術に目がくらみそうです。ただ「テーマ性が高い」というのと「説教臭さ」とは別のもので、もののけ姫以降の宮崎作品にいまいち入り込めないのはその辺が理由なんだろうかなとも思います。まぁ天才がつくる作品は無条件に見ますけれども。

皆さんはそれぞれの作品をどう思いましたか? 最近は面白い映像作品がたくさんあって幸せです。というかそれしか趣味らしい趣味がないですからね・・・。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ミッドナイトブルー)
2008-10-10 22:55:42
首脳会議1・2がダレ場ということですが、確かにMVがバトル物だとすればバトルのない回はダレ回なのかもしれないですが、読んでいる側としてはダレているという印象はあまり受けませんでした。
それは、きっと僕個人のダレているということがイコール無駄という印象があるからなんでしょうか?
靖竹さんのダレ回とはいい意味で気の抜けた回とでもいうんでしょうか。
例えば、恋愛物でいう修羅場でなく日常風景を描くシーンとか。日常シーンなんて必要でなく感じるのかもしれないですが、きっとそれがあるからこそ別れるシーンなどが綺麗に写るんだと個人的には思います。
首脳会議はMVの世界観や人物背景を知る分でとても重要だし、それこそある種いえば会長のバトル以外の見せ場だったと思います。
とても楽しめる、好きな回の上位(真ん中ぐらいかも)に入る話だったと思います。


※これ以降はその他作品について(ウザったかったら無視してください)
●ダークナイトは完成された作品だったと思います。長編なので、一つの事件が解決した後も、実際には色々な事後処理があるのにそれが普通の作品ではあまり力を入れて描かれることはありませんが、この作品では登場人物たちの心情やその後の影響によって起きる事件をしっかりと描いていたと思います。
通常しっかりと描く場合は続編や何部構成かにするのに対して長編という一本で続編など作らなくても完成した一つ作品だったと思いました。

●アイアンマンは予告を見て是非ひてみたい作品だと思います・・・・。ヒーローものの王道の熱いストーリーに期待です。

●ハンコックはアイデアは面白そうかと

●DMC(略しました)、同じく漫画を実写化のは限界があると思います。例外ではデスノートは個人的にかなり見ていて満足できるものだったと思います。

●マクロスFの凄さは演出にあり!と僕は思っています。歌というテーマが特殊な作品ではありますが、その歌をいかに効果的に使うか。ロボットアニメの基本であるメカニックの動きや戦闘の場での雰囲気作り。あとはわかりやすい人間模様でありながらその変化をどう表現するか。この3点が演出上でとてもいい作品だと思います。
アニメという動画としての形で演出や音は他媒体と大きく差があるところだと思うのでアニメ作品において演出がいいのはすばらしいことだと思います。

●スカイ・クロラは原作が好きで映画は見なかったんですが、押井監督の作品なので期待大です!キャラの見せ方が物足りないのは今回は脚本が押井監督でないのが影響しているのでしょうか?


長ったらしくてすみませんでした。
それでは、これからもツインゴースト・本編共に頑張ってください。
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大丈夫ですか? (ルイ)
2008-10-11 13:07:33
いつも更新楽しみにしていたので、体調心配しています。無理なさらず、お体に気をつけてくださいね。
再開待ってます。

では!
返信する
レスです (靖竹)
2008-10-13 14:05:33
ちょっと南のほうまで放浪してリフレッシュしてきました。

ミッドナイトブルーさん
>読んでいる側としてはダレているという印象はあまり受けませんでした。
>首脳会議はMVの世界観や人物背景を知る分でとても重要だし、それこそある種いえば会長のバトル以外の見せ場だったと思います。

そう受け取っていただけたら成功だったのかもしれません。嬉しいです。
初期プロットでは檜垣紋のくだりや静の涙、その後の切り返しというドラマはなかったのです。
それだと説明だけの回になってしまう、ということで工夫する必要があった。そういう意味で難しかったのです。

まだ掲載前ですがツインゴースト6話も同じで、ダレ場に何を盛り込んで読ませていくか。
読者の興味をつなぎとめていくか。
その場しのぎのヘタな事をしたら、物語はバラバラになってしまう。
結果としてはどちらも気に入った回になったのですが、何度も書き直して疲弊してしまいました。

次回からはお楽しみ回が続く…かな。

>マクロスFの凄さは演出にあり!と僕は思っています。

そうですね。戦闘シーンも毎回パターン的にやるのではなく、1,2話や7話など重点的に絞ったり、歌の配置も絶妙でした。

7話あたりまではアニメファン的に誰しもが満足いく方向だったと思うのですが、それ以降は視聴者にとって「安心」させない作りになっていたと思います。王道な作品でありながら、意図して「フラグ」「パターン」を崩している箇所がちらほら見えて、それゆえ唐突だと批判も多かったように感じますが、自分の考えている事と似ているなと。

キャラ描写について、小説版はよりアルトの内面に迫っていて、こっちのほうが腑に落ちる部分があります。女形役者として生きたゆえに、性的アイデンティティを失い苦悩する様に驚きました。小太刀右京氏の小説版は良いですよ。

ルイさん
体調は戻ってきました。今週は更新しますよ(^o^)
ご心配をおかけしました。
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