ミッドナイトヴァージン Production Note

WEBノベル『ミッドナイトヴァージン』の本条靖竹のブログです。

双子の魂に託したもの

2010年01月23日 18時32分21秒 | Weblog
「ザ・ツインゴースト」慎ましやかに開始しました。全12回、毎週更新で3ヶ月間の連載になります。

元はとらのあなさんが発行している無料情報誌「虎通」にて一昨年~昨年に渡り一年間連載していたものです。「虎通」は店舗内での配布の他、とらのあなに同人誌等を卸している同人サークルに送付されてくるもので、当然私の所にも届いていたのでよく読んでいました。

ある時先方から連絡があり、とらの営業の方で「ミッドナイトヴァージン」をいたく気に入ってくれた方がおられまして……。秋葉原の事務所でお会いした時に、「誌面を提供するので何かやれませんか」と持ちかけられ、考えた企画です。

毎月4頁という制約があったので、文字数制限を考えながら執筆していました。文字数制限はかなりきつかったですね。登場キャラ数や描写をコンパクトにまとめ、人称を三人称に制限して、より「小説」風の体裁にしました。挿絵も殆どが横長で小さめにならざるを得ませんでした。

一年連載して、きちんと「役割」を果たして完結できた物語ではないかと自負しています。最後はイノリもマツリも愛おしくて仕方がありませんでした。

「役割」と申しますのは……この小説は明確に意図を持って書いたつもりです。それは「英雄群像劇」であり「歴史小説」でもある本編とは違い、「リアルだと感じられる範囲での青春」を描く事が一つ目です。

神与学園には翠や静のような、歴史を動かすようなスター達だけでない、こういう普通の若者の生活があるんだよ、その中には当然恋愛や嫉妬といった悩み事もあるでしょう……という事。とりわけ「恋愛」は本編と異なり大きく取り扱っているテーマだと思います。

もう一つは、これを書いていた当時に創作者の端くれとして気になっていた事です。それは殆どの表現が記号的なキャラクター商品と化してしまっている事への危惧の現れです。

あえて意図的に記号的表現を重視した作品がウケているのは理解できるんです。(例えば『らきすた』とかね。それはそれで楽しめると思います)

でもその場合、人間が持つ生々しい部分はカットされてしまうわけで……。表現はそんなに単純な、受容されやすいものばかりで構成されたらつまらないし、可能性に自ら蓋をしてしまうのではないか。では記号的でないキャラクター表現とは何か? そんな事を考えながら書いていたつもりです。

願わくば、イノリが、マツリが、カゲが通り一遍の美少女・美少年キャラクターを超えて、皆様の前にリアルに立ち現れてくれたら、と思う次第です。これから三ヶ月間、我ながら残酷な物語だとは思いますがお楽しみ下されば幸いです。

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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2010-01-26 07:16:47
「ツインゴースト」は当時では本編の進行諸々、このブログでも非常にお忙しいと仰っていた時期の作品と記憶しています。

今改めてブログで制作の経緯や作品の思い等を拝見すると「ツインゴースト」は本編とはまた一味違った何か、本編をみる上でも感じられた何かがあるのだろうとこれから先読んでいく上でとても楽しみに思います。

流行は時代背景ごとに異なりますが、昨今よく見られる記号的なキャラクターは一片では人間らしい生々しさはありませんが、反面観ていても疲れない・暗い気持ちにならない(=明るい気持ちになれる)のがある種の流行たり得る理由なのかな、と考えることがあります。

一昔前まではその対象が表現は変わりますがロボットであり漫画や戦隊モノだったこともあるのでその辺の解釈は何とも難しいですね。

個人的には多くのそういった作品がある中で「MV」を含めた少数のリアルエンターテインメントを重視した作品が観る人によっては映えているように思えます。

「MV」本編自体はまだ完結していませんが、長く連載を見ていたこともあり私にとっては大切な作品になっています。

3ヶ月というスパンで本編より一足早く「ツインゴースト」は完結を迎える訳ですが、これもまた本編と同じく大切に読んでいきたいと考えています。

月並みですが、今後もお忙しいとは思いますがお体に気をつけて頑張って下さい、最後まで応援しています。
Unknown (靖竹)
2010-01-28 01:21:42
>昨今よく見られる記号的なキャラクターは一片では人間らしい生々しさはありませんが、反面観ていても疲れない・暗い気持ちにならない(=明るい気持ちになれる)のがある種の流行たり得る理由なのかな、と考えることがあります。

まさに仰る通りだと思います。特にTVアニメは深夜枠で放送される事が多く、仕事で疲れてる人が面倒くさい内容の作品なんて見たくないよ、というニーズが確かにあるんですね。

「けいおん!」なんかは、深い内容がない、という意味で批判される事も多いと思うんですけど、僕はあの「かわいい女子高生」という作り込みに感動しちゃう方なんで、偏った方向づけのほうが危険なのではないかと。なので言葉を選んで書いてるわけです。ブルーレイ買ってるし。

面白さは様々、という事なんだと思いますが、流行や時代のムードで見え方が違ってくるという事なんだろうとは思います。ただ今は、「こうすればヒットする」という観念が一方向すぎやしないかと。

自分が「けいおん!」「アイマス」のようなアイドル的作品を作っているだけで満足できるかというと、できないかなぁ、とも思うんですよね。買う側としては大好きなんですけどね。
パイ揺れエローw(o ̄▽ ̄o) (かずき)
2010-02-11 12:46:14

噂通り理穂ちゃんの濡れ具合ハンパねーな・・


挿入したらチムコにねっとり絡みつく名 器ぶりw
気持ちよすぎてキジョーイん時大声で叫んじまったよ(。◇。*)