
監督:森淳一
エグゼクティブ・プロデューサー:豊島雅郎
プロデューサー:荒木美也子、守屋圭一郎
原作:伊坂幸太郎
脚本:相沢友子
撮影:林淳一郎
美術:花谷秀文
編集:三条知生
音楽:渡辺善太郎
出演:加瀬亮、岡田将生、小日向文世、吉高由里子、
岡田義徳、渡部篤郎、鈴木京香
製作国:2009年日本映画
上映時間:1時間59分
配給:アスミック・エース
ストーリー:
遺伝子を研究する大学院生・泉水と芸術的な才能を持つ2つ年下の弟・春は、
仲の良い普通の兄弟だ。
優しい父と三人で、平穏に、そして陽気に暮らしている。
だが、この家族には春の出生に関わる哀しい“過去”があった。
その原因をもたらした“ある男”が街に戻ってきた。
そして、時を同じくして不審な連続放火事件が発生する。
その現場には謎めいたグラフィックアートが残されていた…。
感想:
暗い過去を背負った家族が主役で暗く重いテーマなんだけど
父親(小日向)のふわっとした優しい演技でさほど重苦しく感じない
不思議な作品だった。
原作者の伊坂幸太郎曰く
「『重力ピエロ』は、一番思い入れのある作品」だそうだ。
彼は「ただの家族の人情話で、泣ける話になるのが怖かった」とも話している。
作品に思い入れが強い分映画化は抵抗があったと思うが
出来上がった作品を観て良くて、ビックリしたと話していた。

出ている役者が今の日本を代表する演技派が揃っていて
作品により惹きこまれた。
小日向文世演じる父親は決して感情的にはならずに
淡々としているが非常に強い気持ちの持ち主なのかもしれない。
自分に置き換えるとあの状況で冷静にいられるのはまず無理な話だ。
過去と現在が交錯する中で徐々に家族の暗い過去が露出するが
その事を子供ながらに必死に隠そうとする兄に心が打たれた。
子供時代の兄役の子役の演技も良かった。
「×××、グレープ、ファンタグレープ」のダジャレで気遣う
シーンは実に印象的だった。
また、大人になった兄の役を演じるならば加瀬亮がまさにベストだったと思う。

暗くて重い過去と現在の闇の部分がついに表面化していくわけだけど
吉高由里子の存在がそんな重い雰囲気を変えてくれて多少救いに感じた。
彼女のとぼけたような独特の雰囲気は作品の唯一の明るさだったかもしれない。
写真のくだりは笑いそうになった。

渡部篤郎はやはり彼だった(笑)・・・ヤバイやつの役は実に巧い。
昔見たTVドラマ(ストーカーのやつ)を思い起こした。

小日向演じる父親が「俺たちは最強の家族だ!」って言うシーンがあるけど
この泉水と春の兄弟は最強の兄弟に思えた。兄が静で弟が動。

弟の行動を突き動かしているものはなんなのか?って
それが気になってたけど。
冒頭のシーンの意味も含めてクライマックスでようやく見えたね。
そういうことかと。
二人の行動は良いのか?って事だけど・・・
そこはね・・・

作品を見え終わって吉高由里子がこう感想を言ったそうだ。
「完成した映画は“水面”のようでした」と。
どういう意味かというと
「透き通った作品ではないと思ったんです。水面みたいに、なんか揺れてる感じ。
底は見えないのに、自分の姿だけは(水面に)映ってるというか」
彼女の表現には納得した。彼女らしいコメントだけど。
これからの日本映画をさらに盛り上げてくれるだろう3人に
今後も期待したいですね

仙台に住んでたことがあったんだけど、その時の近くが映ってて
懐かしくなったな、個人的な話ですが・・・。
仙台久しぶりに行きたいな、牛タンでも食いにさ。
お勧め度★★★☆
ラストは賛否両論かも・・・