映画中毒人のつぶやき

特にDVD鑑賞がメインです
現在長期放置プレイ中です・・スンマソン。

悪魔を見た

2011年08月23日 | サイコ・スリラー





原題: 악마를 보았다
監督: キム・ジウン
脚本: パク・フンジョン
撮影: イ・モゲ
特殊メイク: クァク・テヨン
美術: チョ・ファソン
衣装: クォン・ユジン
音楽: モグ
出演: イ・ビョンホン (スヒョン) 、チェ・ミンシク (ギョンチョル) 、オ・サナ (ジュヨン)
   チョン・グクァン (チャン)、 チョン・ホジン (オ課長)、 キム・ユンソ (セヨン)、
   チェ・ムソン (テジュ)、キム・インソ (セジョン)
製作国: 2010年韓国映画
配給: ブロードメディア・スタジオ
上映時間: 144分
映倫区分: R18+

ストーリー:

ある夜、雪の夜道で車がパンクし、レッカー車の到着を待っていた若い女性が、
黄色いスクールバスに乗った男に連れ去られる。
地元警察は大規模な捜索を開始。まもなく川底から切断された頭部を発見する。
このバラバラ殺人事件の被害者は、引退した重犯罪課の刑事チャン(チョン・グックァン)の娘
ジュヨン(オ・サナ)だった。

一ヵ月前にジュヨンと婚約したばかりの国家情報院捜査官スヒョン(イ・ビョンホン)は、ジュヨンが
事件に巻き込まれる直前まで携帯電話で会話を交わしており、彼女を救えなかった自分のふがいなさを何度も呪う。
深い絶望感に苦しむ彼は、自力で犯人を追い詰めると決心。
上司に休暇を申し出、チャンが元部下から入手した捜査資料を受け取り、捜査線上に浮上した4人の有力容疑者を
ひとりまたひとりと力ずくで締め上げる。
保険外交員を装って残る容疑者ギョンチョル(チェ・ミンシク)の実家を訪ねたスヒョンは、
ひとり息子から現在の住みかを聞き出すことに成功。
ギョンチョルのねぐらで女性用の下着やバッグを発見し、この男こそが犯人だと確信する。
ねぐらの隣には被害者たちをバラバラにした血生臭い作業場があり、
排水溝からジュヨンの婚約指輪を拾い上げたスヒョンは大粒の涙をこぼす。

そんな中、塾の送迎バスの運転手であるギョンチョルは、ジュヨンに続いて別の若い女性を惨殺、
さらに塾生の少女を広大な畑に連れ込む。
だがそこにスヒョンが現れ、真夜中のビニールハウスでふたりは初めて対峙する。
スヒョンを刑事と察知したギョンチョルは、鎌を振りかざして先制攻撃を仕掛けるが、
スヒョンは強烈なキックで相手をノックアウト。
朦朧としたギョンチョルの左手の骨を砕き、GPSチップのカプセルを飲み込ませ、その場を立ち去る。
やがて意識を取り戻したギョンチョルは、自分を逮捕することも、とどめを刺すこともしなかった
スヒョンの真意がまったくわからず、再び蛮行に及ぶのだが……。

感想:

つい先日、高岡蒼甫がTwitterでフジTVの韓流ゴリ押し的放送に対して
自身のつぶやきを披露したところ色々な波紋を呼んだのは記憶に新しい・・
個人的にはどちらかというとやや高岡寄りなスタンスではあるが
それだけ今の日本のテレビの資質が国産のものでマネーを産むことができず
お隣の韓国の勢いに頼らざるを得ない現実があるように感じる。

発端は一大ブームとなった『冬のソナタ』に始まり
大方日本男子の冷やかなムードとは裏腹に日本の女性がのめり込んでいった数年前・・
いまやその勢いはとどまる所を知らず次々にK-POPという名の
日本男子をも虜にせんとする韓国メディアからの刺客たちが日々日本に送り込まれている。

そんな賛否ある状況の中、そういう日本人的スタンスではなく
一人の映画好きとして韓国映画を観て感想を述べたいと思う(一応ね)。

ただね・・フジTVのアノ韓国ドラマだだ流しは正直頂けない。
まぁ・・主婦層向けの時間帯なんでしゃあないのかもしれんが・・
せめて日本のドラマ再放送とか・・90年代のべたなトレンディでもいいし
「ひとつ屋根の下」とか・・おっと・・あれは駄目だな・・○○Pの例の件が・・。

このご時勢的に前置きが長くなったけども・・本題です。

韓国を代表する俳優イ・ビョンホンとチェ・ミンシク
この2大スターが真っ向からぶつかり合う映画ですが・・
一言で言うと「やりずき」な映画であります。

おそらく日本のTVのゴールデンタイムでは永遠に流れないであろうストーリーと描写の数々。
どうせ流すんならフジTVにこういう内容のものをぶち込んで欲しいが・・
甘ったるい韓流ドラマじゃなくて・・まぁ無理でしょう。
こんなのを流したら主婦達が昼間から発狂してしまう気がします(苦笑)
甘いマスクのイ・ビョンホン見たさに劇場に足を運んだ日本の若い女性たちは
この映画を観て何を感じ取ったんでしょうね?

おおっと・・本題に入るつもりが冒頭の例の件
なんか引きずってますね(笑)

マジで本題の方に・・

冒頭から実に息苦しい展開で観るものを暗闇に落としこみますね
被害者の悲痛な叫び・・のっけから・・キツイわぁ~



血も涙もない極悪非道の悪魔のような殺人鬼
チェ・ミンシクという俳優のオーラが凄いです
正直ここまでの迫力で怪演できる実力をもった俳優は
今の日本にいるでしょうか?
故・勝新太郎クラスのオーラを感じるのは自分だけだろうか??



殺人鬼の悪魔が乗り移ったかのようなチェ・ミンシク
これだけでも見る価値はあるかもです

ただ、いかんせん・・
残酷描写も容赦ない韓国映画テイスト満載。
韓国のイケメン目当てに観ちゃった自称オサレ女子の
開いた口が閉まらない展開が満載。

残酷で悲惨で・・冒頭ののっけからハードパンチ・・



どことなくクエンティン・タランティーノ製作総指揮、監督イーライ・ロスの『ホステル』的な拷問シーン
もごきもあったり
猟奇殺人者の快楽を尽くす限りが時折まさに悪魔的残酷描写で言葉を失っていきます



悪魔の殺人鬼と対峙するもう一人の主人公イ・ビョンホン
お馴染みの二枚目な彼の姿を拝めたのは恐らく序盤の数カットのみ



国家情報院捜査官でありながら婚約者をチェ・ミンシク演じる殺人鬼に惨殺され
意気消沈した後・・彼は豹変していきます



ハリウッド的に妻子を殺されてもどこか楽観的なムードとは違い
そこは実にアジア的に暗く重く死人のような青白い無表情の
悲しい復讐の鬼へ身を置いていきます

ただ・・ここまでならよくあるであろう復讐劇でしょうが
この映画は少し違った展開を見せます

「目には目を歯には歯を」とでもいうのでしょうか・

殺人鬼と対峙する復讐の鬼と化したイ・ビョンホン演じる国家情報院捜査官スヒョンは
ついに憎き犯人のチェ・ミンシク演じる殺人鬼ギョンチョルを執念の末に
見つけ出す事に成功します。
しかし、簡単に殺そうとはせず・・痛めつけては・・
解放し・・追跡して・・・また痛めつける・・
という繰り返しで限界まで人鬼ギョンチョルを簡単に殺そうとはしないのです。



二人が始めて対峙する場面は
さすがに緊張が走りましたが・・



イ・ビョンホン演じる国家情報院捜査官スヒョンの無表情な眼差しには
正直迫力はなく・・



チェ・ミンシク演じる殺人鬼ギョンチョルの
悪魔的な殺戮者のオーラがより迫力を増す結果になった点は




イ・ビョンホンの端正なマスクが仇となった気もします。
どうせなら・・悪魔対鬼の図式であれば
もう少し盛り上がった気もします。



このオッサン・・失礼(笑)
チェ・ミンシク演じる殺人鬼ギョンチョルの迫力は
イケメンのイ・ビョンホンを完全に喰っています

でも・・それは監督の狙いだったのかもしれません



途中途中・・
つっこみを入れたくなるようなシーンや展開も多くあり
「う~ん」な部分もあってちょっと雑なストーリーが目立ちます。

あんだけ頭をカチ割られてもムクッと起き上がるチェ・ミンシク演じる殺人鬼ギョンチョルとか
猟奇殺人者の仲間・知り合い?とか
無駄なセクシーシーン?とか
イ・ビョンホン演じる国家情報院捜査官スヒョンの油断し過ぎな点
全部後手後手でダメッぷりとか韓国警察とか



でもセクシーなシーンはまぁアリかも(笑)
エロいアバズレみたいなの典型的なおねーさん登場!
下手なAVより○けるかも(笑)
エログロも盛り込んだ映画はオサレとはかけ離れた路線を突き進む



こういう田舎の純なナースとかも
チェ・ミンシク演じる殺人鬼ギョンチョルの魔の手が迫ります

イ・ビョンホン演じる国家情報院捜査官スヒョンが
一撃で復讐を遂げていれば起きなかったわけで

これは監督の遊び心?趣味が良いとしか言えませんね(苦笑)



しかも、それを盗聴で聴いている

常軌を逸した悲劇を背負った復讐の鬼・・

こういう展開からだんだんとイビョンホン演じるスヒョンへの
感情移入が薄れていく



痛めつけても痛めつけても
全く・・反省も後悔の念もないチェ・ミンシク演じる殺人鬼ギョンチョル




イビョンホン演じるスヒョンはいったい何をしたかったのか?

反省も後悔もない殺人鬼に今までの行為は意味があったのか?




長い上映時間も刻々と進んでいきます

そしてここにきて・・あろうことか
イ・ビョンホン演じる国家情報院捜査官スヒョンの隙を突いて
チェ・ミンシク演じる殺人鬼ギョンチョルが最大の反撃に出ます

かなり中だるみし始めていた展開で
ようやくアップテンポになります(笑)

無残にも殺害された婚約者(実はお腹に子供も身ごもっていた!)の家族に迫る魔の手
婚約者の父親と妹がターゲットに!

人格が崩壊する寸前で最後の手段に出るイビョンホン演じるスヒョン
そこに希望はあるのか?

ラストの後味はご自分で味わって観て下さい



にしても悪態・・すぎるって(苦笑)



『悪魔を見た』予告
YouTubu


ラストシーンの後味ではあっちが上かな?
完成度的にもね
この映画はちょっと長すぎ・・しつこ過ぎた気がする。
悪役を殺しても足りない憎らしさ・・被害者が救われないね・・

韓国映画の徹底ぶり・・ある意味恐ろしいな・・隣国の人間として・・
徹底さはある程度日本もやらんと(国際的部分とか)・・日本は今温いからね・・色々と。
メディアはとっくに攻められてまっせKに・・
そういえばテレビ朝日も合作らしいけども・・韓流ドラマ始めたんだなぁ・・(汗)

お勧め度☆☆☆
イ・ビョンホンの女性ファンなら観ないほうが良いんじゃないの?
チェ・ミンシクの悪ぶりはドが過ぎてます・・
女性にはあまりお勧めできない映画ですね
よい子には決して見せないほうが宜しいかと思われます。