浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

シリア強奪に失敗したオバマの企てた謀略が次々と暴露される

2015-11-03 10:12:06 | 資料

アメリカは、シリアに侵略の損害賠償をするべきではないだろうか

2015年11月 2日  マスコミに載らない海外記事

Eric Zuesse
Global Research
2015年10月31日

10月30日、金曜日、アメリカのバラク・オバマ大統領は、シリアはアメリカの国家安全保障に対するいかなる脅威でもなく、いかなる国も侵略していないのに、アメリカ特殊部隊兵士50人を、シリア領土に派兵するつもりだと発表した。実際、シリアは、アメリカ合州国やヨーロッパにも脅威となっているイスラム聖戦士に対して戦っているのだ。

アメリカは、シリアの選挙で選ばれた、欧米同盟国の世論調査でさえ、いまでも大多数のシリア国民に支持されていることを示している大統領を打倒するため、シリア(最初は爆撃で、そして現在は、最初の軍隊によって)を侵略している。 2012年、アル-ヌスラ(シリアのアルカイダ)に資金提供しているアメリカ同盟国のカタール政権が、シリアを調査すべく、世論調査会社を雇った際に判明したのは、55%のシリア国民が、アサドにそのまま大統領でいて欲しいと考えていることだった。更に、2015年9月18日に私が報じた通り、“世論調査では、シリア人は圧倒的にISISはアメリカのせいだと考えていることを示しており”こうした最近の世論調査はギャラップとつながっているイギリス企業によるものだ。

ロシアは、アメリカと対照的に、シリアを全く侵略してはおらず、選挙で選ばれた政権から、侵略をしているイスラム聖戦士や、アメリカ爆撃機に対する防衛戦争を、支援するよう要請されたのだ。そして、ロシアは現在要求された支援を行っている。

シリアを侵略し、世論調査では、いまだ大多数のシリア・スンナ派にさえ支持されているシリアのシーア派大統領を打倒しようとしているスンナ派勢力を支援する、一体どのような権利をアメリカは持っているのだろう? 私は皆無だと思う。結果的に、シリア政府は、アメリカ合州国から損害賠償を要求すべきではあるまいか? そういう要求は一体いつ出されるのだろう? そういう要求は一体どのような出されるのだろう? アメリカ爆撃による、シリア・インフラの損害は既に莫大だ。

アメリカは‘民主主義’を支持していると主張するが、実際は、全体主義でも、神権政治でも、王政でさえない、アサド政権を打倒しようとしている、二つの独裁的な全体主義神権王政と同盟している。もっとも、もし彼の父親が作った政党が、シリアの指導者になるよう彼を選ばなかったら、現在の指導者(バッシャール・アル・アサド)は権力の座についていなかっただろう。しかし、それは、絶対君主制で、支配権が、もっぱら聖職者に依存している、サウジアラビアやカタールとは、決して同じものではない。ところがアメリカは、反アサドで、この両国と同盟しているのだ。

アメリカは、もちろん、サウジアラビアのサウド王家、カタールのサーニー王家というスンナ派の諸王家が、シリアにもスンナ派政権を据えつけ、シリアをカタール(あるいはサーニー家)のガスと、サウジアラビア(具体的には、サルマン王)の石油がEUへ流れるパイプライン経路にするのを支援している。アメリカ合州国がこれを望んでいるのは、アメリカ政府が、ロシアの(非常に人気のある)ウラジーミル・プーチン大統領を大統領の座から無理やり追い出そうとしているからで、それを実現するため、ロシア経済の息の根を止めようとしているのだ。ロシアのヨーロッパへの石油とガス輸出を止めるのは、この戦略の重要な一環だ。

アメリカの狙いは、ロシアがそれで同盟国を失うことになる、破綻したシリア国家だ。そこで、10月13日、ブランドン・ターバヴィルは、“ロシアがISISを爆撃するなか、アメリカはシリアの民間発電所を爆撃”という見出しの記事を書いた。アメリカは、シリアを破壊しようとしている。ロシアはシリアを救おうとしている。そこで、ロシアはISISや他の聖戦士を爆撃しているが、アメリカはシリアのインフラを爆撃している。国を一つにまとめるためのインフラがなければ、破綻国家だが、それが、アメリカの目標だ。

アメリカは、これが狙いだとは発表していない。そうではなく、アメリカは単に、バッシャール・アル“アサド・シリア大統領は辞任すべきだ”あるいは“バッシャール・アサド抜きの新政府”を作るべく“アサド大統領が辞任すべき時は来た”と言うばかりだ。これは、ジョージ・W・ブッシュの“イラクでの政権転覆”というしつこい要求と同じだ。様々な国の指導者を置き換え、こういうことをしていると主張しても、ナチスがニュルンベルクで絞首刑になった戦争犯罪、侵略戦争ではないにせよ、武力侵略という国際犯罪にならない権利を、一体誰がアメリカに与えたのだろう?

一体どういう権限で、アメリカはこうしたことを行っているのだろう? 国際刑事裁判所は、一体なぜ公式に(大いに公式に)これを調査しようとしないのだろう?

掲載するようお送りしたのに、そのどれも掲載されなかった、私のニュース報道や解説を受け取ったアメリカのニュース編集者(100人以上だ)の一人でも、是非とも、各自のニュース報道で、公にこの疑問に答えていただけないだろうか? 私はここで各編集者の方々に問いたい。もしもアメリカが、こういうことをする権利を有しているとお考えであれば、公開で、一体なぜなのかをご説明いただけるだろうか?

あるいは、もし説明頂けないのであれは、読者なり視聴者なりの方々に、この疑問をお考え頂けるよう、この疑問を呈しているこの記事を是非掲載してもらえるだろうか?

この記事は、事実上、全てのアメリカ報道機関に送付されている。いずれかが掲載してくれるか、あるいは、彼らが一体なぜアメリカのシリア侵略を支持するのかを説明してくれるかどうか、見ようではないか。

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは、新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者

本記事の最初の発表元はGlobal Research

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/shouldnt-the-u-s-compensate-syria-for-invading/5485716

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-1a3c.html

◆オバマのシリア強奪が生み出す難民たち

http://blog.goo.ne.jp/yamanooyaji0220/e/47fc645e7f170eee472e254093ce97bc

シリアの内戦は宗教を巡る戦いではない。

シリアへの外国の介入は、シリアでの反乱開始の数年前に始まった。ウイキリークスは、内戦を引き起こして、シリア政府を打倒するというアメリカの計画と、こうした命令を、テル・アビブから直接受けていることを明らかにするアメリカ国務省の2006年の漏洩電報を公表した。この漏洩は、サウジアラビア、トルコや、カタールや、エジプトの様な国々とのアメリカの協力関係同盟が、スンニ派と、シーア派の分裂を利用して、シリアを分割し、イランとヒズボラを弱体化する為、シリアを不安定化させるのに、宗派心を利用するためであることを暴露している。イスラエルも、ゴラン高原占領を拡張する石油採掘を増加する為、この危機を利用しようとしていることが明らかにされた。

2012年シリア人でないCIAとつながる何百もの武装反政府集団がシリアに押し寄せ、シリア全土を、アメリカ合州国、イギリス、フランス、カタール、サウジアラビアやトルコが、反政府派を組織し、武器を与え、資金供給して、自由シリア軍を形成する好機に飛びついたことが明らかになった。(わずか数カ月前、ウイキリークスが、サウジアラビアの諜報情報を公開し、2012年以来、トルコ、カタールとサウジアラビアが、シリア政府を打ち倒すべく、反政府派に武器を与え、資金を提供するのに協力して動いていたことをあきらかにした。)

◆深刻化する米欧の亀裂

2015年10月14日  岡崎研究所 WEDGE Infinity

9月8日付の米フォーリン・アフェアーズ誌のサイトで、米サウス・カロライナ大学のKonrad H. Jarausch教授が、近年の米欧間には齟齬が累積しているので、関係緊密化への努力が必要である、と説いています。

 すなわち、米欧間は一見、うまくいっているように見える。相互の観光客、留学生は多いし、貿易額も伸びている。しかしその陰で、米欧は相互に欲求不満を感じている。西欧はオバマ政権のパフォーマンスに不満であり、米国は西欧諸国の動きの鈍さに苛立っている。これらの不満は、この数十年にわたって累積されてきたものである。

 現下の摩擦要因としては、TTIP交渉が停滞していること、米諜報機関が西欧諸国指導者を盗聴していたこと、他方米国には西欧諸国がギリシャ救済に吝嗇すぎるように見えることなど、そしてより基本的には、オバマ政権がアジア、アフリカの方を重視する姿勢を示したこと、米国社会の多民族化が進行して西欧に祖先を持つ者の比率が減少したこと、一方西欧の方では保護者面をする米国を煙たがっていることがある。

 西欧諸国がシリアやウクライナについて、軍事介入より政治的な解決を好むことも、米欧間の齟齬の一因である。また移民社会の米国は個人主義を前面に出すのに対して、西欧は社会保障を重視することも、齟齬の一因である。米国での銃砲の横溢や囚人の数の多さ、そして格差の大きさも西欧人の反感を買う。

 米国は「9.11」のテロ事件以降、PATRIOT法を採択して個人の権利を一部制限する動きに出ているが、西欧ではナチズムや共産主義の悪夢から生じたプライバシーを守ろうとする意識が強く、インターネットでの「忘れられる権利」を提唱したりしている。

 しかし、米欧は世界最大の経済関係を有する他、双方とも勤勉さや所有権保護という価値観を共有する。米欧の協力は、ウクライナ問題、プーチンの攻勢への対処、地球温暖化問題、イランの核兵器開発防止、そして移民問題の解決などにおいて、重要な意味を持っている。

 今や米欧間対話を活発化させるべき時である。双方の有識者は、21世紀の人権とはどのようなものであるべきか、自国民の人権だけでなく他国の人間の人権まで気にかけなければいけないのか等、議論すべきである。また、米国における欧州研究、欧州における米国研究は促進されなければならない。

 米欧は利害と価値観を共有している。双方は、協力して、世界の諸問題を解決しなければならない。双方の未来はその努力にかかっている、と述べています。

出 典:Konrad H. Jarausch ‘The Divisions that Damage the U.S.–EU Relationship’(Foreign Affairs, September 8, 2015)
https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/2015-09-08/continental-drift

* * *

 普段、日本人はあまり意識しませんが、緊密な米欧関係は、世界の安全、繁栄、そして近代的価値観の維持のために最も重要な要素です。来年のG7首脳会議の議長国として、日本は、理念を固めておく必要があり、この論文は頭の整理に有用です。

 米欧同盟(NATO)は、欧州における米軍のプレゼンスを通じて、欧州の安全保障を担ってきました。米欧同盟はまた、産業革命後の近代文明・価値観を体現するものでもあります。そして、米欧同盟が瓦解すれば、米国の超大国としての立場は失われ、世界の政治・経済体制は戦前と同様の流動的状態に陥るでしょう。

 冷戦が終結し、ソ連が崩壊し、ドイツが再統一したことで、欧州の「へそ」とも称し得るドイツには、選択の余地が出てきました。在独米軍に撤退を求め、ロシア、中国と関係を深めて地域覇権を確立することも可能になってきたからです。メルケル政権は「NATO、EUの一員としてのドイツ」という立場を堅持していますが。

 他方、米国もNATOの決定はコンセンサスを要することに業を煮やし、アジアと同様、二国間ベースの安保取決めをバルト諸国、中東欧諸国と結び始めています。これら諸国にとっては、ロシアが未だ安全保障上の脅威だからです。

 日本にとっては、米欧関係が瓦解して米国が孤立し、世界の体制が流動化するより、米欧結束が維持され、グローバルなルールが保持されている方が利益にかないます。自由、民主主義、市場経済などの近代の価値観も、日本の社会に適合したものだと思います。

 米欧関係はすぐどうこうという状態にはありませんが、来年のG7首脳会議では先進国経済の底堅さを確認するとともに、この論文の言う「21世紀の人権」について意識の摺り合わせを行い、それによって日米欧の結束を固めることができれば、日本外交にとって得点となるでしょう。途上国の人権向上については、「民主派」に資金援助をするよりも、経済開発を助けることでその国の中産階級の比率を増加させるのが王道でしょう。日本のこれまでのODA・直接投資は、いくつかの国でまさにそのような効果を生んできました。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5447

◆Times:シリアを救えるチャンスは米国よりロシアに大きい

2015年10月19日  Sputnik 日本

ロシアはシリアのアサド大統領を支援することにより、シリア紛争に終止符を打ち、難民の流れを止めることが出来るかもしれない。ワシントンタイムズの社説にそう記された。

同紙には次のようにある。
オバマ大統領が欧州諸国首脳とともに手をこまねいて、緊張した眼差しで状況を注視している一方、プーチン大統領は、アサド大統領支援を通じて、状況を変え、紛争に終止符を打ち、シリア人も自国にとどまるようになるかも知れない。
ロシアはシリア作戦を開始し、米国の不決断によって形成された中東における政治的空白を補填する固い決意を示した。ロシアの行動は、多数のシリア難民に過激派が紛れているかもしれない、との恐れに基づくものだ。シリアとロシアの距離はシリアとドイツの距離の半分だ。

なぜ米国はロシアと協力してテロと戦わないのか
© SPUTNIK/ ALEXEY NIKOLSKY

なぜ米国はロシアと協力してテロと戦わないのか
自国の国益に対する冷たい打算を根拠に行動するプーチン氏がシリア紛争に終止符を打つというのは現代のパラドックスである。これは、局外にとどまったままロシアが中東の尻拭いを買って出たことを不承不承首肯するだけの米国の「平和な大統領」の理解を超えることだ。
米紙は以上のように記した。

http://jp.sputniknews.com/politics/20151019/1049496.html

◆アフガニスタンの泥沼にはまり込んだオバマ大統領
出口の見えない辛い旅路

2015.10.20  Financial Times   JB PRESS
(2015年10月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

アフガニスタンの首都カブールで撮影された治安部隊〔AFPBB News〕

 故リチャード・ホルブルック氏によると、バラク・オバマ大統領はアフガニスタンについて議論する際にベトナム戦争に言及することを一切禁じた。オバマ氏の「アフパック*1」特別代表として2010年に仕事中に倒れて死去したホルブルック氏は、米HBOの感動的なドキュメンタリー番組「ザ・ディプロマット」で墓場から戻ってくる。

 来月の初公開は、時折あるタイミングの皮肉だ。ホルブルック氏は、オバマ氏が決めたアフガニスタンへの期限付き米軍増派はうまくいかないと明言していた。

 国を安定させるには、米軍駐留の期間が短すぎ、部隊が手を広げすぎることになる、というのがその理由だった。ホワイトハウスはホルブルック氏を排斥した。

 ところが先週、オバマ氏は暗黙のうちにホルブルック氏の主張を認めた。米軍はオバマ氏の大統領の任期が終わった後もアフガニスタンに残ることになった。これがどこで終わるのかは誰にも分からない。

ベトナム戦争との類似点

 ベトナム戦争との対比は大げさかもしれない。1968年のベトナム戦争のピーク時には、米国は50万人以上の兵士をベトナムに配備していた。一方、アフガニスタンには現在9万8000人の米兵が駐留しており、オバマ氏はほぼ来年いっぱい、この水準を維持する構えだ。ベトナムで6万人近い米兵が命を落としたのに対し、アフガニスタンでの死者数はこれまでで2500人足らずだ。

 だが、厄介な類似点もある。サイゴンでは、カブールと同様、米国はゲリラ戦を繰り広げる一途な敵を相手に、成果を出せない文民政権を支えるのに苦労した。アシュラフ・ガニ大統領率いるアフガニスタン政府は、前任のハーミド・カルザイ氏の政府ほど腐敗していないかもしれないし、腐敗の度合いでは、サイゴンで米国が支援した歴代指導者よりはるかにましかもしれない。

 だが、いまだに、言及に値するようなアフガニスタン空軍は存在しない。一方、米国が訓練を施したアフガニスタン軍では、相変わらず任務放棄が多発している。誰もタリバンを訓練していないのに、タリバンはアフガン全土で領土を奪還し続けている。

*1=AfPakはアフガニスタンとパキスタンを合わせた造語。米国の外交政策関係者の間で使われ、両国を1つの作戦区域として指す言葉

 それ以上に重要なのは、オバマ氏の新計画に確かな終盤戦のプランがないことだ。この頭痛の種は、オバマ氏の後継者に受け継がれることになる。ベトナムとの類似点が最も著しいのは、ここだ。

 ホルブルック氏がキャリアのスタートを切ったのは、南ベトナムだった。

 押しの強い若手外交官だった同氏が上司らに言い続けたように、米国は、何千人もの人命喪失は国益によって正当化されないということを理解するのを拒んだ。

 外国勢力、特にソ連と中国がベトコンの反乱を煽るのを食い止めない限り、米国は負ける、と同氏は主張した。

 同じことがアフガニスタンにも当てはまる。パキスタンを正真正銘のパートナーに変える計画がなければ、それが書かれた紙より価値のあるアフガン戦略は存在しない。ホルブルック氏は、自分の仕事は両国を含んでおり、アフパックには均等に重点が置かれなければならないと主張した。オバマ氏は15日の演説で、アフガニスタンを28回引き合いに出した。これに対し、パキスタンに言及したのは2度だった。

アフガニスタンは新たなシリアと化すのか

 では、この最新のアフガン計画はなぜ、過去の計画より大きなインパクトを与えるのか。与えない、というのがその答えだ。最新の計画はそもそも、そのように意図されていない。オバマ氏の部分的な方針転換は、14年間の米軍駐留のひどく脆い成果を支えることを目指している。大統領の決断は、米軍の司令官、特にアフガニスタン駐留米軍トップのジョン・キャンベル司令官の圧力を受けたものだった。

 キャンベル司令官は今月米議会で、タリバンが支配領土を拡張していると述べた。

 また、アフガニスタンで急速にフランチャイズ組織を広めている「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」を撃退するために、イランが今、タリバンに資金を供給していることを示す証拠もある。そうなると、イランは味方なのか、敵なのか。これは答えるのが難しい問題だ。

 それが何であれ、アフガニスタンは新たなシリアと化す恐れがある。ただし、1つ異なる点は、ここに地上部隊を派遣しているのが、ウラジーミル・プーチン大統領のロシアではなく米国だということだ。

3つの教訓

 アフガニスタンはオバマ大統領に厳しい教訓をいくつか与えた。1つ目は、アフガニスタンは米国の政治的な思惑に一切配慮しないということだ。オバマ氏は、アフガニスタンとイラクでの戦争を終わらせるという公約に基づいて政権の座を手に入れた。米軍の兵士は全員帰国すると約束していた。先週、大統領はこの公約を撤回し、勇気を見せた。オバマ氏が退任する時、アフガン、イラク両国に数千人の米兵がいることになる。

 イラク、アフガン両政府の脆さ、および双方を脅かすイスラム過激派の強さを考えると、次期大統領もオバマ氏の約束を果たすことはないだろう。

 オバマ氏の大統領在任期間はむしろ、イスラム主義との世代的闘争における――善意から出たとはいえ――混乱した小休止として記憶される可能性が高い。

 第2に、アフガニスタンは大部分において、問題の症状にすぎない。パキスタンは、それよりはるかに大きな問題だ。オバマ氏は今週、パキスタンのナワズ・シャリフ首相と会談する。パキスタンは相変わらず複雑怪奇だ。一方では、パキスタンは自らが生み出したタリバンというフランケンシュタインの犠牲者と化した。昨年のペシャワルの軍営学校に対する野蛮な襲撃事件が1つの転換点となった。

 その一方で、シャリフ氏の率いる文民政権は依然、パキスタン軍の掌中にあり、その軍部はシャリフ氏の場当たり的な実績に苛立ちを募らせている。パキスタン軍はまだ国家内国家だ。パキスタンの軍部は、国内ではイスラム主義勢力にあまり寛容ではないかもしれないが、アフガニスタンではいまだに「戦略的縦深性」に固執している。

 パキスタン軍がアフガニスタンのタリバンへの支援をやめたと考える人は誰もいない。オバマ氏には、パキスタン情勢を変える計画がない。そんな計画は誰も持っていない。その間にも、パキスタンは核兵器の生産を増強している。これが1面のニュースになっていないということ自体、気がかりなことだ。

 第3に、ホルブルック氏の歴史的な対比は筋が通っている。ベトナム戦争の教訓は今日的な意味を持っている。2001年以降のアフガニスタンから得られる教訓も同様だ。「どんなことも可能に思えた、タリバンが去った後の黄金期に、米国は我々がここで何をしているのか説明しなかった」。ホルブルック氏は映画の中でこう語る。

 米政府はまだこれをはっきり説明していない。米軍が引き続き、決断を主導している。タリバンは勢力圏を拡大している。そして米国の指導者たちは依然、自分たちがコントロールする力をほとんど持たない出来事に翻弄されているのだ。

By Edward Luce
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45034

◆米国が、友好国へのスパイを止めるはずがなかった!?

2015-10-25 世界のメディア・ニュース

AFPは2015年10月25日に、ドイツのニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は2015年10月24日に、NSA(National Security Agency/米国家安全保障局)が関与した新たなスパイ活動が行われていた疑いがあるとして、ドイツ連邦検察庁が捜査を開始したと伝えた。

http://time-az.com/main/detail/52868

シュピーゲルによると、捜査対象は「諜報活動」に関してこれまで知られていなかった複数の人物で、「レジン(Regin)」と呼ばれるスパイ・ウイルスに感染していたとされ、ドイツ首相府高官の個人用ノートパソコンが捜査の焦点になっていると報告している。

気の小さな米国が、むやみやたらに盗聴し、スパイをすることを止めるなどと考えていなかった。
とくに、スパイで経済復興していた米国が、スパイを止めたら、第2の平成経済大恐慌が起こる。

レジンは「トロイの木馬(Trojan Horse)」タイプのマルウエア(悪意のあるソフトウエア)で、昨年高官のノートパソコンで発見された。
これを使用すると、コンピュータに入力された全てのデータを監視し、感染させた当事者にデータを転送できるようになるという。

http://blog.goo.ne.jp/jiten4u/e/da22d21dcea865d5fdd5f48b6532c5db

◆TPP、大筋合意でも実効されない可能性大 大国・米国の自己都合

2015.10.27   小倉正行  Business Journal

 10月5日まで会期を延長したTPP閣僚会合(米国アトランタ)は、難題のバイオ医薬品のデータ保護期間や乳製品、自動車の原産地規則について合意が得られたとして、大筋合意の記者会見を行って終了した。
 今回の大筋合意によりTPP交渉は基本的には終了し、舞台は米国政府による米国議会への通告3カ月後の、早くても1月20日以降に予定される加盟12カ国による正式調印と、各国の議会承認手続きに移ることになる。
 TPPは条約なので、基本的には、加盟国のすべての議会で承認されて初めて発効することになる。ただし、議会承認国の合計GDPが加盟国全体の85%を上回った場合は、その時点で発効するとの規定が盛り込まれており、日米含めて6カ国で承認されれば成立するという異例の条約となっている。逆にいえば、GDPが1国のみで15%を超えている米国と日本のどちらかで承認がなされなければ、TPPは発効しないことになる。

米国議会

 なかでももっとも注視されているのが、米国議会で承認されるかどうかという点である。

 10月20日現在、米国政府から米国議会に対してTPP合意の通知はなく、TPP協定調印は前述のとおり来年1月20日以降となる。そのため、米国議会での審議開始は、協定調印から2カ月後の3月20日以降になる。

 米国議会は来年1月から始まるが、2月1日からは大統領選挙の予備選挙(アイオワ州党員集会)が始まり、3月1日がスーパーチューズデー、3月15日がオハイオ州、フロリダ州予備選挙と大統領予備選挙が最高潮に達し、その後も予備選挙は6月まで続き、7月18日〜21日の共和党全国党大会、7月25日からの民主党全国党大会での正副大統領候補決定と続くのである。

 また、大統領選挙と同時に、米国議会下院議員選挙(全員)と米国議会上院議員選挙(定数の3分の1改選)も同時に行われる。米国議会では、選挙期間中は休会となり、それは「レームダック会期」(Lame Duck Sessions of Congress)と呼ばれ、1980年代から現在に至るまで続いている。そのため、2月から始まる予備選挙から11月までの大統領選出まで、議会は開会されていても事実上の休会状態になるのが通例である。

 つまり、TPPは調印をしても米国議会での承認手続きが進行しない可能性が高い。仮に大統領選挙を無視して無理やり議会承認手続きに入ったとしても、今回のバイオ医薬品のデータ保護期間の問題については、米国医薬品多国籍企業は当初から保護期間12年を要求しており、今回の「実質8年」という合意内容に不満を持っている。これらの企業は議会に対して強い影響力を持っているだけに、議会の承認手続きが難航することが予想されている。

カナダでは早くも批准難航

 また、米国議会は今回のTPP交渉について、議会の一括承認手続きを定めているTPA法案を6月の上下両院で可決したが、それも賛否ギリギリで可決しただけでなく、議会が内容上問題があると判断したときは否認することができるという規定が盛り込まれたのである。それだけに、議会で否認されたならば、TPPは最大の推進国である米国が条約承認できないことになる。TPP承認が大統領選挙後になるか、否認されるか、いずれにせよTPPは発効できないまま推移する可能性があるのである。

 民主党の大統領候補を争っているクリントン元国務長官は、TPP反対を表明した。また、対する共和党も自由貿易推進政党であり、いずれの政党の大統領が選出されても、大筋合意のTPPをそのまま受け入れるかどうかも疑問である。
 
 10月19日投票のカナダ総選挙も、その結果はTPP大筋合意を受け入れたハーパー首相率いる与党保守党が敗北し、自由党との政権交代という事態になった。これで、カナダにおけるTPP批准も難航することが想定されている。
 TPPの前途には、暗雲が垂れ込めているのである。
(文=小倉正行/ライター)

http://biz-journal.jp/2015/10/post_12114.html

◆ISの最重要スポンサーは麻薬マフィア、しかし「金づる」は他にも

2015年11月01日  Sputnik 日本

テロ組織「イスラム国(IS)」による石油の密売を米国は阻止できていない。リア・ノーヴォスチの取材に応え、テロ組織の資金調達法に詳しいノートルダム大(インディアナ州)の法学教授ジミー・ギュルレ氏が述べた。

「先週、米国務省は、ISがいかにして闇市場に石油を販売しているかについての情報に対し、500万ドルの懸賞金をかけた。これすなわち、米国はISによるグローバル規模の石油売却・輸送がどうやって行われているのか、よく分かっていないということだ。仲介者の存在や、犯罪組織の暗躍が示唆されているが、具体的に誰が仲介役を担っているのかについては依然よく分かっていない」とギュルレ氏。

ISの「ドル箱」原油取引、米らの空爆でも被害なし

イラン紙「イラン・プレス」編集長エマド・アブシェナス氏は500万ドルの懸賞金を受け取るチャンスがあるかも知れない。スプートニクのインタビューに応えた中で、氏はISの石油売却先を明確に名指ししてみせた。

「ISの活動は世界的石油安の主因の一つである。テロ組織はトルコ、ヨルダンの闇ブローカーに国際標準の半額という安値で石油を販売している。トルコにはそうした石油を今度はイスラエルに転売する業者がいる。この3カ国の石油密売人らが石油を第3国に不法に売却する。しかし、ISによる石油密売が最も盛んに行なわれているのは、やはりトルコである」。

ISの石油密売ルートはトルコ領内、元CIA職員の判断

米国の専門家らによれば、ISは毎日5万バレルの石油を売却し、年間5億ドルの利益を上げている。
ISはさらに大きな、年間10億ドルという利益を、自らの支配領域における麻薬輸送の通行料という形で上げている。麻薬マフィアこそがISの最重要スポンサーなのだ。これはロシア麻薬流通監督庁長官ヴィクトル・イワノフ氏が、28日開かれた中央アジア麻薬取締4者会議で語ったことだ。支配領域における麻薬輸送の規模について、イラン紙「イラン・プレス」編集長エマド・アブシェナス氏は次のように述べた。

「ISの支配領域では、麻薬販売は日常茶飯事だ。またIS戦闘員は強い向精神薬を常用している。つい最近も嘆かわしい事件があった。レバノンでサウジアラビアの王子たちが逮捕された。IS戦闘員らに売却し、拡散させるために、カプトゴンと呼ばれる麻薬を密輸しようとしたのだ。ISが得られた資金で新たな犯罪を行っただろうことは疑いない」。

アブシェナス氏も指摘する通り、ISは国際法に違反する様々な手段で収入を得ようとしている。文化財の不法売却もそのひとつだ。

ユネスコによれば、シリアでは文化財の組織的強奪が行われている。博物館から文化財が持ち出され、闇市場に売却されているという。

ロシアによるシリアでの対「IS」空爆開始後 アフガンに戦闘員押し寄せる

「シリアの文化財の売却から得られる莫大な利益がイスラム過激派に流入している。彼らはその金で、武器や装備を買い、戦闘員に給料を支払っている」。「ロシア新聞」の取材に応え、ユネスコのイリーナ・ボコワ事務局長が述べた。ユネスコは今後もISによるシリア文化財の密売という問題に取り組む、とボコワ氏。
エマド・アブシェナス氏はスプートニクの取材に応え、組織の結成にあたってISがどこから資金を得ていたのかについて、次のように述べた。

「ISという組織はアルカイダの一部が分離独立するという形で形成された。また、イラク戦争の経験者や、フセイン時代のバース党支持者、さらにはフセイン政権陥落後に形成されたイラク反体制派内のスンニ派アラブ人もそこに加わっていた。従って、フセイン時代から蓄えられた一定の活動資金が、当初からこのグループにはあったのだ。ほかにも、アルカイダからの資金援助もあったし、さらには、ペルシャ湾岸の一部アラブ国家からの資金援助もあった」。

もっとも、ペルシャ湾岸諸国が今もISを直接的に支援しているかどうかは断言できない。湾岸諸国は国内不一致を来しており、指導者層も一枚岩ではないからだ。

IS誕生については米国も一定の役割を果たしていた、と言われる。一年前のことだが、トルコ誌「ラジカル」の取材に応じ、CIAの上級分析官グラム・フラー氏は、「何も米国がIS創設を企んだわけではないが、中東への介入とイラク戦争による不安定化がIS誕生の要因になった」と述べている。

パキスタンにもISを間接的に米国が支援しているとする声がある。今年のはじめ、パキスタンにおけるISの幹部とされるユザフ・アル・サラフィなる人物がラホールで逮捕された。「尋問でサラフィ氏は、米国経由の資金で青年のリクルートを行い、またシリアにおける軍事行動を行っていた、と述べた」と当時、パキスタン紙「ザ・エクスプレス・トリビューン」が匿名情報として報じた。その消息筋は、さらに、「米国はいつもISの活動を非難するが、自国から同組織へ資金が流れることを止めようとしない」と語った。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20151101/1106167.html#ixzz3qHDJdeXt

誰が考えてもISISに石油の生産や精製が出来るわけがない。

中東の石油産業を支配してきたアメリカがその気になれば、ISISが石油を生産、精製、輸送、販売することは不可能に近い。ISISの販売を請け負っている会社はARAMCO、つまりSOCAL(スタンダード石油カリフォルニア)、テキサコ、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー、ソコニー・バキューム(後のモービル)が出資している巨大企業だと言われ、トルコやイスラエルも輸送や販売に協力していると伝えられている。