浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

戦えぬオバマは所詮プーチンに及ばない

2015-09-27 00:35:06 | 資料

シリアのラタキアをロシアが「ラバウル化」

2015年09月23日 Market Hack

シリアの内戦が長期化していますが、地中海に面した町、ラタキアはこれまで比較的戦火から遠いロケーションでした。

ここはバシャール・アル・アサド大統領の勢力下にある地域です。

そのラタキア空港を、いまロシアが「ラバウル化」しています。

最新鋭の戦闘機が発進できるよう滑走路を整備し直し、管制塔、航空隊員の宿舎などを建設しました。

最新の衛星写真ではこれまでに4機のSu-30S戦闘機、12機のSu-25攻撃機、7機のMi-24攻撃ヘリコプターの到着が確認されています。

このようにロシアがシリアへの関与を深めている意図は、アサド政権を盛り立て、ISに代表されるテロリスト達を掃討する点にあると思われます。

シリアは、もう元の姿に戻る事は期待薄で、平和が訪れても国土の分裂は避けられない見通しです。

その場合、ロシアはシリアのどこかに足掛かりを確保しておきたいと考えているに違いありません。ラタキアは地中海に面しており、キプロス、トルコ、イスラエルは目と鼻の先です。

NATOがウクライナとの関係を強化し、クリミアや東ウクライナを刺激した場合、ロシアは逆にラタキアから周辺国にプレッシャーをかけることが出来るわけです。

この空域はイスラエル空軍をはじめ各国の空軍がひしめいている、一つ間違えば事件になりかねない窮屈な空域です。

http://markethack.net/archives/51982337.html

◆続々と配備されるロシア空軍機

2015年09月23日 小泉悠  BLOGOS

シリアに展開していると見られるSu-30SM戦闘爆撃機の同型機(筆者撮影)

先日の小欄「内戦続くシリアにロシアが軍事介入を開始?」で紹介したように、ロシアは8月半ば頃からシリアにロシア軍を展開させ始めたと見られる。

その後もロシア軍はシリアへの展開を強化し続けているようだ。

最も顕著なのは、アサド一族の出身地であり、現在も重要な支持基盤である北西部ラタキア県のバーシィル・アサド国際空港である。

9月以降、ロシアは同空港の拡張工事を行うとともに、強力な航空戦力を配備しつつある。

先週末、同空港にロシアがSu-30SM戦闘爆撃機4機(1個小隊)を配備したと伝えられたのを皮切りに、今週に入ってからSu-25攻撃機12機(1個飛行隊)の配備が衛星写真で確認された。

アサド空港に展開したSu-30SM戦闘爆撃機とSu-25攻撃機

アサド空港で撮影されたSu-30SM(手前)とSu-25(奥) 

Su-30SMは現在ロシア空軍や海軍航空隊が導入を進めている新鋭機で、高い対空戦闘力と対地攻撃能力を誇る。一方、Su-25は低速ながら頑丈なジェット攻撃機で、地上部隊と密接に協力しながら航空支援を提供することを任務としており、昨年7月には「イスラム国(IS)」の侵攻を受けたイラクにも緊急供与された。

22日には、やや不鮮明ながらこれを地上から撮影した映像もネット上に出回るようになり、その塗装等からロシア空軍機がアサド空港に展開していることはさらに確実となっている。

一方、動画サイトYoutubeでは、シリアのホムス上空で撮影されたロシア空軍機と思しき画像がアップロードされ始めた。

内陸部のホムスで撮影されたもので、前述のSu-30SMと思しき機体や、それよりも旧式のSu-24M戦闘爆撃機がIl-78M空中給油機と見られる機体から給油を受ける様子が写っている。映像には、「アッラーは偉大なり!アッラーは偉大なり!ロシアの飛行機だ。北に向かって飛んでいる!」アラビア語で叫ぶ声が一緒に収録されている。

https://www.youtube.com/watch?v=bIG-KJTxUTw

その後に公開された衛星写真では、12機のSu-24Mが前述のSu-30SMやSu-25とともにアサド空港に配備されたことが確認された。

有力な航空戦力

合計すると、Su-30SM戦闘爆撃機4機、Su-24M戦闘爆撃機12機、Su-25攻撃機12機の合計28機である。

合計で1個混成航空連隊+1個戦闘機飛行隊だが、ロシア空軍の基準では1つの飛行場に概ね1個航空連隊を配備することになっているので、ほぼ上限一杯の兵力を配備していることになる。

内戦前にシリア空軍が保有していた兵力は、MiG-29戦闘機約60機、MiG-21戦闘機約65機、MiG-23戦闘爆撃機約60機、MiG-25戦闘機11機、Su-24MK戦闘爆撃機約20機、Su-22戦闘爆撃機約40機などとされるが、その多くは旧式化していたり、稼働状態にはなかったり、反政府勢力に鹵獲されていると見られ、最新鋭機を含む28機のロシア空軍機は極めて有力な航空戦力と言える。

加えてアサド空港にはMi-24攻撃ヘリやMi-8輸送ヘリなどが合計20機配備されていると言われるほか、ヘリパッド2カ所も新たに増設された。ロシアの『ヴェードモスチ』紙7月31日付によると、シリア空軍の保有するヘリコプターのうち9割は稼働不能に陥っているとされるため、やはりシリアにとっては有力な航空支援である。

アサド空港には、これらの航空部隊を防衛する為、最新鋭のパンツィリ-S1防空システムを配備しているともいう。

海軍歩兵や陸軍も展開

アサド空港に配備されたと見られるT-90戦車(戦勝記念パレードで筆者撮影) 

ロシアはアサド空港に装甲車両の駐車スペースを整備していることも以前から衛星写真で看取されていたが、ここにはT-90戦車6両や装甲兵員輸送車多数が駐車されていることも確認されている。

これまでシリアにはロシア海軍の海軍歩兵部隊(海兵隊)が派遣されたことは確認されているが、海軍歩兵部隊は戦車を保有していない。つまり、アサド空港には海軍歩兵部隊のみならず陸軍部隊が展開している可能性も濃厚ということになる(陸軍とは独立の空挺部隊にも戦車部隊を創設すると言われていることから、空挺部隊である可能性も排除できない)。

ロシア空軍の空爆が始まる?

問題は、これだけの航空戦力がこれから何をするかである。

米ニュースサービス『デイリー・ビースト』9月21日付は、米政府関係者3名の話として、ロシアは間もなくシリア国内での空爆を開始するだろうとの観測を紹介している。ロシア・シリア両政府は、シリアに展開しているロシア軍はあくまで軍事顧問団であるという立場を取っているが、強力な航空部隊を展開させている以上、ロシアが直接介入を目論んでいる可能性は排除できない。

ロシアはこれ以前からシリア国内で無人偵察機を飛行させていたが、これもアサド政権への情報提供のみならず、ロシア空軍の攻撃目標選定も意図したものと考えられる。

ただし、ロシア政府がシリアへの介入を「イスラム国(IS)」対策と位置づけているのに対し、前述の『デイリー・ビースト』は、実際の攻撃目標がヌスラ戦線などIS以外の反体制派であろうと見ている。実際問題として、ラタキアに隣接するイドリブ県ではヌスラ戦線を中心とするファタハ軍であり、実際の標的はこちらであろう。

もちろん、これだけの規模のロシア軍がシリアに展開するとなれば、すでにシリアに軍事介入を行っているNATOとの直接衝突の懸念が高まる。前回の拙稿で取り上げたように、このような懸念を惹起することでアサド政権軍に対するNATOの攻撃を回避するのがロシア側の狙いと考えられよう。

9月16日にケリー米国務長官が明らかにしたところによると、その前日に行われたロシアのラヴロフ外相との電話会談で、ロシア側は昨年から途絶えている米露国防当局の協議を提案したことが明らかになっている。同18日にはカーター米国防長官とショイグ露国防相との電話会談で偶発的な衝突回避のための対話を進めることが合意されており、ラタキアに軍事プレゼンスを展開することでアサド政権への攻撃回避を図るというロシアの戦略は、現在のところ一定の成功を収めているように見える。

したがって、アサド空港に展開するロシア空軍部隊が戦闘に直接介入するのか同地から睨みを効かせるに留まるのかは今のところ流動的であると考えられる。折しも今月末の第70回国連総会にプーチン大統領らが出席し、アサド政権を含む対IS大連合構想を訴えると見られ、その成否も大いに注目されよう。

http://blogos.com/article/135422/

◆オバマ政権の対シリア政策が破綻 
ロシア、巻き返しの絶好機
「ウクライナでの敵(かたき)をシリアで返す」

2015年09月22日  佐々木伸 (星槎大学客員教授)WEDGE Infinity

米国が過激派組織「イスラム国」(IS)に対抗するため中核的な政策として進めていた「シリア人部隊の創設」計画が破綻した。軌を一にするようにロシアのシリアでの軍備増強が明るみに出たが、そこにはプーチン大統領のしたたかな政治的思惑が隠されており、オバマ政権は対応に四苦八苦だ。

残ったのはわずか4、5人

 このシリア人部隊の創設計画の破綻は16日、中東を統括する米中央軍司令官オースティン将軍が上院の議会証言で明らかにした。将軍は米国が訓練した部隊の戦闘員のうち、シリアに残っているのはわずか「4、5人」にすぎないと証言、ショックを受けた議員から「完全な失敗だ」との声が漏れた。

 この計画は米国の対シリア政策の中核。ISが2年前、イラクとシリアの広大な一帯を占領した後、ISと戦わせるため穏健な反体制派を訓練し、武器を供与するという5億ドルの計画が固まった。部隊の規模は5000人で、5月からサウジアラビアやヨルダンで訓練が始まった。ところが、穏健なシリア人の選別に時間がかかり、訓練されたのは約100人にとどまった。

 この訓練を終了した第1陣54人は7月、シリアに投入されたが、そこで国際テロ組織アルカイダの分派「ヌスラ戦線」の攻撃を受け、多数が死傷してしまった。この結果、シリアに残留している部隊の戦闘員は4、5人だけとなった。ホワイトハウスの報道官はこの失敗について、大統領は計画にずっと懐疑的だったと指摘、非難されるべきは計画の実現に圧力を掛けた人々だと責任を回避するような姿勢を示している。

 報道官はこの計画が困難なものであることが分かった、と見切りをつけたことを明らかにしたが、この計画に代わる案があるわけではない。オバマ政権にISを壊滅し、内戦の終結に向けた戦略はない。当面は空爆に依存していかざるを得ないが、今後は最も信頼できる武装勢力であるクルド人武装勢力との連携を強めていくことになるだろう。

ウクライナの敵をシリアで返す

 こうした米国のシリア政策の混乱を尻目に、ロシアのプーチン大統領は9月初めからシリアへの軍事支援強化、ロシア軍のプレゼンスの増強に乗り出した。

 地中海沿いのシリア西部ラタキア近郊の飛行場に戦車など膨大な軍事物資と海兵隊員200人など兵員を送り込んだ。大型輸送機による空輸は20回以上に及んだ。さらにここ数日のうちにSU27戦闘機4機、武装ヘリ4機、輸送ヘリなども配備された。

 米国はこうしたロシアの動きが内戦を激化させるものとして非難したが、プーチン大統領は全く無視。それどころか、アサド政権に対する軍事支援を続行することを強調、ISと戦うためロシアに合流するよう各国に呼び掛け、米主導の有志連合に挑戦する姿勢さえ見せた。

 ロシアがアサド政権を支援してISに対する空爆に踏み切るようなことがあれば、有志連合軍機と偶発的な衝突に発展しかねない。このため米国のカーター国防長官とロシアのショイグ国防相が急きょ会談したが、逆にロシアのシリアでの軍事力増強を事実上“追認”する形になった。

 プーチン大統領はなぜ今、シリアで軍事力増強に踏み切ったのか。いくつか理由があるが、最大の動機は「ウクライナでの敵(かたき)をシリアで返す」という国際政治の駆け引きだ。ロシアはクリミア併合、ウクライナの親ロシア勢力支援などで、西側から経済制裁を受け、主要な輸出品である原油価格の低迷もあって苦境に立たされている。

 西側諸国は現在、欧州へのシリア難民の流入で危機に陥っており、プーチン大統領としては、この機会にシリアにおけるプレゼンスを拡大し、危機の解決の主導権の一端を握ることで、ウクライナ問題での出口を見出したいという狙いだろう。この他、無論、内戦解決のためアサド政権に代わる新政府の発足の機会がめぐってくれば、その拡大した影響力を行使するという思惑もある。

 プーチン大統領は28日に予定されている国連総会での演説で、世界の耳目を「ウクライナからシリア」に向ける一方、冷え切っているオバマ大統領との首脳会談の実現を要望している。しかしホワイトハウスは会談に応じるべきかどうかで二分している。

 会談拒否派は、会談すれば、ウクライナの暴挙に報償を与えることになると反対しているが、両首脳は互いに「オバマ大統領を“弱虫”、プーチン大統領を“悪党”と見なしている」(米紙)とされ、国連総会の場が2人のしのぎを削る舞台になるのは間違いない。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5399

ウクライナは事実上ロシア義勇軍と親ロシア派軍に兵糧責めに合い降伏した。オバマと欧州の企みは破綻した。

◆ドイツのマスコミ:CIA代表団がモスクワを極秘訪問

2015年09月20日 Sputnik 日本

ドイツ紙ビルト日曜版は、米情報機関関係筋の話として、米中央情報局(CIA)の代表団がモスクワを極秘訪問し、ロシア対外情報庁(SVR)の代表者たちと会談、シリアにおける共同行動の調整について協議したと伝えた。

ビルト日曜版によると、米国側は、ロシアで活動が禁止されているテロ組織「IS(イスラム国)」に対するロシアの行動をサポートするために、諜報データを共有する用意がある。米国は、ISの戦闘員が増加することを危惧しているため、このようなコンタクトの発展に関心を持っているという。
なおビルト日曜版は、ドイツのシュタインマイヤー外相が、シリア問題における露米の協力を歓迎していると報じた。
9月18日、ロシアのショイグ国防相と米国のカーター国防長官は、シリア情勢について初めて協議した。

http://jp.sputniknews.com/russia/20150920/924741.html#ixzz3mK5QjDLe

◆プーチン大統領、「イスラム国」対策作戦へのロシア参加は時期尚早

2015年09月04日 Sputnik 日本

プーチン大統領は、テロ組織「イスラム国」対策の軍事作戦にロシアが加わる可能性について記者団からの問いに答えた中で、現時点では時期尚早と語った。

「イスラム国」対策の連合軍が組織された場合、ロシアはこれに参加するかという問いに対し、プーチン大統領は、「様々な可能性を検討しているが、現段階では(「イスラム国」に対抗した)軍事作戦への参加は我々は予定していない」と答えた。

「現時点で我々はシリアには十分な専門的支援、機器をおくっており、軍人養成も行い、兵器も供与している。」

http://jp.sputniknews.com/world/20150904/847900.html#ixzz3lNWkxRDv

◆ウォールストリート紙、シリアで米国を負かしたのはプーチン氏の大胆さ

2015年09月17日 Sputnik 日本

プーチン氏がシリアにおけるロシアの軍事アピアランスを拡大する上で指針とする動機は現段階では完全にはわからないものの、唯一明白なのはロシアの積極性と大胆さは米国の中東政策の覆う大混乱とは正反対だということだ。ウォールストリートジャーナル紙が16日、中東専門家のアアロン・デヴィッド・ミラー氏のこうした記事を発表した。

「あなたがロシア大統領の戦略を考えなくとも、プーチン氏は合目的的に行動し、事がロシアの国益になるところまで達したと彼が判断したときに、何をすべきかを知っている。この場合、シリアのアサド大統領の戦闘準備を支援しつつ、それを行っている。」

記事では、米国はシリアでの目的を今のところ何一つ達成していないことが指摘されている。米国のシリアでの目的は、新たな版図を広げる「イスラム国」を阻害し、「イスラム国」対策用にもアサド体制との闘い用にも使えるあいまいな反体制勢力を作り、アサド氏を政治舞台から退却させることにある。
また、こうした一方でロシアにとっては「イスラム国」との対抗策(チェチェンでジハード主義者を引き入れる条件となりかない)はアサド氏の支援と十分相関関係がとれており、政権転覆が行なわれたとしても、アサド氏の跡を誰が引き継ぐか、それを決定する力はロシアが握っているという手ごたえをもっていることが指摘されている。
ミラー氏は「シリアにおけるロシアの影響力がどんなに弱くとも、プーチン氏はロシアの立場の強化策をとっていれば、強力に見える。ロシアは主たる敵は『イスラム国』だと宣言しつつ、アサド氏への供給、支援を行う上での条件作りにむけ、重要な一歩を踏み出している」と書いている。

「一方で米国のシリア政策が混乱し、脆弱に見えているなかで、プーチン氏は逆に大胆さをアピールしている。これはどんな意味をもっているのか? 米国はイランと核プログラムで重要な条約を結んだにもかかわらず、シリア問題でイランの支持を取り付けたのはプーチン氏だということだけは指摘しておかねばならない。こういうことから、中東で米国がやっていることは単なる西洋碁であり、その一方で他全員は3次元のチェスに取り組んでいるのではないかという考えがますます強くなる。」

16日、ペスコフ露大統領報道官は9月21日のイスラエルのネタニヤフ首相のモスクワ訪問計画を明らかにした。これまで明らかにされていたところでは、ネタニアフ首相はプーチン大統領とシリアにおけるロシア軍のプレゼンスについて話し合う構え。

http://jp.sputniknews.com/politics/20150917/908016.html#ixzz3lz3iDDU0

◆イラン核合意から得られる中露の戦略的利益

2015年09月08日  岡崎研究所 WEDGE Infinity

 8月4日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、ハドソン研究所のハーマン上席研究員が、イラン核合意により中東に大パワーシフトが起きる、中露はイランとの政治経済関係を全面的に拡大し米国の影響力を削ぎながら同地域での重要なプレイヤーになるだろう、と警鐘を鳴らしています。

 すなわち、今般のイラン核合意から最大の利益を得る国はロシアと中国である。両国は既にイランを通じて影響力を確実に拡大している。モスクワ・北京・テヘラン枢軸は今や確実のものであり、これはスエズ動乱以後中東の最大のパワーシフトである。

 中露は、当初からイランの核開発を支援してきた。それにもかかわらず両国は国連などで非難されるどころか、反対にオバマ政権は、安保理制裁をかけるために両国との協力に腐心してきた。中国は石油の輸入規制からの例外まで認められた。

 中露は、情報技術から石油ガスに至るまで制裁解除を全面的に利用するだろう。中国はイランのエネルギー部門に既に210億ドル以上の投資をしており、制裁解除後はそれが倍になる可能性もある。中国のイラン原油輸入は現在60万BDであるが、100万BD以上になる可能性もある。

 通常兵器の輸入規制も解除される。イランは凍結資産の解除により1000億ドルの資金を手にするが、中露から大量の兵器を買い付けるだろう。ロシアはSu-30戦闘機やS-400などの対ミサイルシステムなどを売ろうとするだろう。中国は、JF-17戦闘機やJ-20ステルス戦闘機、039型ソン級潜水艦や巡航ミサイルをイランに供与することができる。潜水艦や巡航ミサイルはホルムズ海峡の支配を確立するのに役立つ。

 さらに重要なことは、今後イランは、ロシア、中国の戦略的利益の増進を図るだろうということだ。ロシアの東地中海での海軍力の増進を助けるシリアのアサド大統領への一層のテコ入れもするだろう。中国は、イランを戦略パートナーに格上げし合同軍事演習を拡大するだろう。上海機構へも加盟させるだろう。また、イランは中国のシルクロード経済圏構想の前進基地になるだろう。

 今回の合意がイラン核兵器開発にどういう影響を与えようとも、合意の地政学上の影響は極めて大きい。三国の枢軸ができ、中露が中東の重要プレイヤーになることは、米国の影響力を確実に侵食するものであり、その意味合いは計り知れない、と述べています。

出 典:Arthur Herman ‘The Moscow-Beijing-Tehran Axis’(Wall Street Journal, August 4, 2015)
http://www.wsj.com/articles/the-moscow-beijing-tehran-axis-1438704822

* * *

 極めて興味深い、直截な分析であり、賛同できます。今回のイラン核合意には、核兵器開発を実際に阻止できるかどうかということと中東の地政学への影響という2つの側面があることは、これまで指摘されてきていることですが、この記事は、後者の側面に注目し、中露両国がイランを通じて影響力を拡大し米国の影響力は確実に低下すると主張しています。相当の説得力があります。とくにイランが中国のシルクロード構想推進の前進基地になるとの見方には現実味があります。

 イラン核合意は、これから米議会で審議されます。ケリー国務長官、オバマ大統領が議会への説得を本格化させています。他方で、イスラエルは議会に対する働きかけを強めています。米議会の今までの関心は、どちらかというと核兵器開発阻止の側面にあったので、今回のハーマンのような観点からの問題提起が、議会審議に微妙な影響を与えるかもしれません。オバマ大統領は、たとえ議会が合意を拒否する決議を送付して来ても、拒否権を行使するとしており、今のところ議会で大統領拒否を覆すために必要な3分の2は確保できないと見られています。しかし、議会が拒否の意思表示を突き付けることになれば、今後の手続きを一層複雑化することは間違いありません。

 ハーマンが言う「スエズ動乱以後最大の中東のパワーシフト」にどう対処していくべきかについては、今後更に議論があるでしょうが、現時点でとりあえず重要と思われる点は次のようなことではないでしょうか。

 (1)イランを中露両国に任せないで、米日欧等の諸国が、経済、政治の分野での協力を、思慮深く強化していくこと。こちら側も一定程度エンゲージしていかないと、イランを益々中露側に追いやることになってしまいます。

 (2)イランとの間で、政策協議を強化すること。米・イラン間には現在外交関係はありませんが、何らかの高級レベルの定期協議の制度化が必要ではないでしょうか。日本も両国協議体制の強化を検討すべきでしょう。イランについて、ここまで決断した以上、合意の履行を見つつ、インドの国際社会での立場を正常化したように、イランとの関係も正常化する道を進む方が有利かもしれません。

 (3)米国が中心になってサウジなどアラブ諸国との結束を強めること。5月のキャンプ・デイビッド会談や8月3日のケリー長官のGCC会議出席等の努力を続けることが重要でしょう。

 (4)湾岸戦争の後、米国はベーカー国務長官が主導して速いペースで米露共同主催の中東和平マドリッド会議を構想し、実施しましたが、同様に、早い時期に中東全域を巻き込む何らかの会議を構想し、イランとアラブの信頼を醸成できないものでしょうか。

 (5)中露の影響力拡大をバランスするため、米国は中東でのプレゼンスを維持、強化していくこと。他方、これによりアジアのリバランス政策が悪影響を受けないようにすべきことは言うまでもありません。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5320

◆ロシアより、制裁への返礼「宇宙では米国と提携しない」

2014.5.16 FRI WIRED

ロシア副首相は、ロケットエンジンの米国への販売を停止し、国際宇宙ステーションにおける協力も2020年までにすると表明した。ロシアにある米国のGPS地上局11カ所の運用も停止される可能性がある。

ロシアの副首相ドミトリー・ロゴージンは5月13日(現地時間)、米国は2024年まで国際宇宙ステーション(ISS)を利用したいと希望しているが、ロシアは米国への協力を2020年までで終わりにすると述べた。

米国航空宇宙局(NASA)は現在、ISSプロジェクトで使える有人飛行用ロケットを持っておらず、軌道を回るISSへは、料金を支払って、ロシアのロケットに乗組員を搭乗させている。米国は現在、宇宙飛行士をISSに運ぶために、ひとりあたり約6,000万ドルをロシアに支払っている。NASAは有人宇宙飛行の打ち上げロケットを開発中(日本語版記事)だが、これは2017年までは確たるものにはならない。

ロゴージン副首相はまた、ロシアはロケットエンジン「RD-180」と「NK-33」を、米国に対して軍事目的ではもう販売しないと語った。RD-180は、軍事衛星など、米軍の積載物も含むさまざまな荷物を打ち上げるのに使われている米国のロケット「Atlas V」に採用されている。

ロゴージン副首相はさらに、両国が合意に至ることができなければ、米国はロシア国内にあるGPS地上局11カ所の運用を6月1日に停止することが必要になると語った。6月1日の期限以降、ロシアは3か月の交渉期間を認めるが、ここで合意に至らなければ、11カ所の地上局は「永久に停止される」とロシア政府は述べていると、「RT」(旧称ロシア・トゥデイ、ロシア政府が所有するニュースサイト)は報じている。

さらにロゴージン副首相はTwitterで、「ロ中首脳会談前夜の5月19日、われわれは北京のパートナーたちと、宇宙における2国間協力の今後のプロジェクトについて話し合う」とツイートした。

NASAは4月初め、職員に対して、ロシア政府関係者とのかかわりを停止するよう指令した(日本語版記事)。しかしそれ以降も、Boeing社とLockheed-Martin社の合弁事業であるUnited Launch Alliance(ULA)社に対しては、Atlas Vの打ち上げに使うロケットエンジンRD-180の購入を許可していた。NK-33ロケットエンジンについても、ロシアからの輸入がまだ可能だった。

一方、米国の民間宇宙企業SpaceX社は、米国連邦請求裁判所(United States Court of Federal Claims)に対して、ULA社の宇宙事業契約の差し止め請求を行い、4月30日に請求が認められた(日本語版記事)。

SpaceX社は、この契約は競争入札の過程を経ていないほか、打ち上げロケットの大部分がNPO Energomash社製のRD-180ロケットエンジンを採用しているが、同社はロシア政府が所有し、コントロールしている企業だと指摘していた。

この差し止め命令はその後取り消されたが、ロシアがロケットエンジンの提供打ち切りを決めたことで、イーロン・マスク率いるSpaceX社は結局、希望していた方向に向かえそうだ。

http://wired.jp/2014/05/16/russia-may-abandon-space-station/?utm_source%3dfeed%26utm_medium%3d

◆プーチンが握る米国の陰謀

プーチン大統領へ
私たちは世界平和に必要不可欠な資料の公開を要求します
3月10日【Veterans Today】
http://www.veteranstoday.com/…/we-demand-president-putin-r…/  より翻訳

ウラジミール・プーチン ロシア連邦大統領 
23, Ilyinka Street,
Moscow, 103132, Russia.
大統領閣下:
アメリカ国内の政治的分断が世界平和への脅威となっていることは今や明白です。
アメリカ国内の親イスラエル派閥は、イランとの原子力に関する合意内容を妨害しようとしているばかりではなく、それよりもずっと進めようと働きかけています。
最近のNATOのブリードラブ米国空軍大将による判断上およびマナー上の過失のため、アメリカによるISIS/ISILへの内密の援助、そして一部の派閥によるリビアやその他アフリカにおけるテロリスト・グループを支援する動きの危険性が高くなっています。
私たちベテランズ・トゥデイはスタッフメンバー、そしてあなた方もご存知のソ連やロシアの諜報機関の元職員数名を含む名前を記載していない仲間達と協議し、ロシア連邦の諜報機関は今、公開されるべきファイルを所有し、その一部は何年も保管されているものであると認識しています。
私たちの当初の要求の通り、ロシアが保管している次の資料を求めます。
*戦争捕虜であった間、ジョン・マケインが行った32回分のプロパガンダ放送を録音したテープとその書き下し文書。その一部では、アメリカが北ベトナムに対して生物戦争を行ったとマケインが主張している。
*ベトナムのハノイでKGBが行ったジョン・マケインとの事情聴取を文書化したものには、すべての戦闘序列に関する情報が含まれている。この情報の漏洩により防空の再配置が行われ、アメリカの航空機の撃墜成功率がずっと高くなった。
*ジョナサン・ポラードをソ連の諜報員として操っていたネタニヤフの役目に関する全情報
*1990年、国連休戦監視機構(UNTSO)からアメリカの暗号一覧をソビエトの諜報員として盗み出したネタニヤフの役割、ネタニヤフがソビエト政府に手渡したそのデータの内容、NATOの軍事機密、アメリカ国務省の通信内容、アメリカ海軍のコードに関する全情報
*ミット・ロムニーがハバナ(キューバの首都)を訪問した際にロシアの諜報員と会合した際の全情報
*ロムニーがラウル・カストロと会合した際の会話内容、ロムニーによる密約の録音および書き下し文書
*ジョン・マケインとジョセフ・リーバーマンが、アフガニスタンの首都カブールに訪問し、北部同盟(アフガニスタンの反タリバン勢力)の麻薬王と会合した後、チューリッヒで銀行施設に入るところが写された監視ビデオの動画
*2001年9月の出来事の前に、高濃度の原子力マテリアルがNY市に持ち込まれ移動していた動きを示す衛星画像
*サウジアラビアへの核兵器の販売を含めるがそれに限定されない核兵器の拡散に対するイスラエル関与の役割を示すファイル
*アメリカ合衆国連邦議員300人以上を代表して、(タックス・ヘイブンの)ケイマン諸島にある銀行にベイン社が管理している預金内容を明らかにするファイル
*イスラエルから北朝鮮へ核物質を輸送したことを示す証拠
あなた方ロシア政府が所有している資料の中で、上記一覧はごくわずかな一部に過ぎませんが、率直に申し上げ、世界中の出来事が現在のような崩壊へ向かうレベルで発生し続けている場合、この資料の価値は発揮されていないと言えるでしょう。
ありがとうございます。
ゴードン・ダフ(Gordon Duff)
ベテランズ・トゥデイ編集主任
(翻訳終了)
***
【関連記事】
*ロシアが911の真相に関する情報(核爆発)を大量放出
*911の衛星画像でロシアがアメリカを脅迫/素人によるレア動画の公開”

http://ameblo.jp/wake-up-japan/entry-12002809433.html


オバマは支那ではなくロシアとの戦争に備えている

2015-09-25 00:08:28 | 資料

キッシンジャー:西側はロシアの統合などに興味はない、望むのは崩壊のみ

2015年08月21日 Sputnik 日本

元国家安全保障問題担当大統領補佐官で元国務長官ヘンリー・キッシンジャー氏がNational Interestの公開インタビューで、米国の外交政策を厳しく批判した。米国はロシアを破壊することを目指して、「限度というものを完全に失って」いる、という。以下にその概要を紹介する。

ムスリム部隊がウクライナ側で戦っているなど読むと、限度というものが全く失われている、と思う。これではお終いだ。ここには、西側のめざすところがロシアの西側社会への長期的統合ではなく、ロシアの崩壊である、ということが示されている。これはロシアにとっても米国にとっても何の利益もないことだ。このようなやり方では、グローバリゼーションのもとに進む新世界秩序建設に終止符が打たれてしまう。

米国政府はロシアをグローバルなプロジェクトに組み込む可能性を故意に無視し、むしろグローバルな世界像から締め出すことに集中している。

米国の外交政策は多くの点で近視眼的である。第二次世界大戦後に米国が参加した軍事紛争の問題は、戦略を国内で実現可能なことに近づける能力がないことだ。第二次世界大戦後に米国が参加した5つの戦争は、大いなる熱狂とともに始まった。しかし、タカ派が上位を占め続けることはできず、最後には少数派になった。当初の当初から、最後がどうなるのか見通せないならば、また、望ましい結果を出すために行動をとることを望まないのならば、国際紛争には参加すべきではない。

米国の近視眼の根本的な原因は、米国政府が自らの過ちから学ぶ能力に欠け、事態がどういう文脈を持っているのか理解しないことにある。米国は自らの過ちに学ぶことを避けている。決定をとるのは歴史を知らない人たちである。もはや学校でも、相互に関係性をもつ継起的連続性としての歴史が教えられていない。文脈なしに個別の事象が教えられているだけだ。 キッシンジャー氏は以上のように語った。

http://jp.sputniknews.com/world/20150821/783923.html#ixzz3jXLeHmRh

◆米国、独空軍基地に新型核爆弾を配備へ 

2015年09月22日  Sputnik 日本

米国は独西部の空軍基地に新たな核爆弾B61-12を20発配備の構え。22日、第2ドイツテレビがニュースサイトで報じた。

「ラインラント=プファルツ州のブリューヘル近郊にある独連邦軍基地ではここ数日の間に米国の新たな核爆弾の配備に向けた準備作業が始まっている。これが国予算計画で承認されたとの情報を番組『フロンタール21』が入手した。計画によれば、予算には2015年第3四半期から開始し、米空軍ラインでの独戦闘爆撃機『トルナード』に新型核爆弾B61-12を供給するための資金が記載されている。」

記事の筆者によれば、2010年3月の時点ですでに独連邦議会は、米国製原爆をドイツ領内から運び出すことについての米国との交渉の全権を独政府に与えるとことを多数決で承認していた。このほか、核軍縮計画は2009年の同盟条約の締結時の時点で書き込まれている。 「

にもかかわらず、軍縮の代わりに20発の新型核爆弾の配備となってしまった。これは広島に投下された原爆の80発分に値する」第2ドイツテレビのサイトが報じた。

ロシア外務省のマリヤ・ザハロヴァ公式報道官は22日の記者会見で声明を表し、米国の計画によるドイツおよび他の欧州諸国に配備の米核爆弾の刷新計画はロシアの憂慮を招いていると語っている。

http://jp.sputniknews.com/europe/20150922/938372.html#ixzz3mY2qKfjI

◆米国によるドイツ領内への核兵器配備に伴う若干の奇妙な話

2015年09月24日 Sputnik 日本

米国は、ドイツ領内に20発の核爆弾を配備する計画だ。ドイツのテレビZDFが伝えた。ドイツ国防省は、そうした情報を確認することも、又否定することも拒否した。

マスコミのデータによれば、航空機搭載型の戦術核爆弾B-61-12が、ラインラント=プファルツ州ブリューヘル近郊にあるドイツ連邦軍基地に配備されるという。今年末までに、米当局は、核爆弾をドイツの戦闘機用に改造するため100億ドルを拠出する。

ドイツの新聞Bildは「つまりは今ある兵器を新型の原子爆弾に取り替えるということだ」と報じている。原子力学者のハンス・クリステンセン氏は「軍事紛争が起これば、ドイツ軍は、米国から核爆弾を受け取るだろう」と指摘し、次のように述べた―

「もし戦争になり、米国大統領とNATOが、核兵器を使用するよう命じたならば、米国軍人は、標的を攻撃するドイツのパイロットに核爆弾を渡すだろう。これは、直接的にも間接的にも、核兵器を使用しないと約束した国にとって、非常事態である。このような形でドイツは、米軍を仲介してではあるが、核兵器を受け取ったのだ。」

ロシア外務省も、声明を発表し「ドイツ領内に核兵器が配備されれば、それはすぐさま核拡散条約第2項に違反する」と指摘した。

またロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官は「ロシアは、核兵器を持たない国が、それを用いる練習をするとの情報を手にし、懸念している」と述べた。

ロシア戦略ロケット軍部隊の参謀長を務めた経験を持つヴィクトル・エスィン氏は「他国の領土への核爆弾配備が、ロシアに脅威を与えることは、言うまでもない」と断言し、次のように指摘した―

「ドイツの2つの空軍基地には、米国の核爆弾がある。今のところ新型のものが、米軍にまだ供給されない間は、ドイツにある戦闘爆撃機に搭載されるだろう。しかし、これは核兵器不拡散条約の条項に違反する。この条約により、核兵器を持たない国々は、核兵器保有という考え方に引き付けられないで済むのだ。核爆弾は、ドイツのみならず、オランダやベルギー、イタリアやトルコにも配備されようとしている。」

ドイツのテレビZDFのデータでは、ドイツに配備される新型核爆弾は、1945年に広島に投下されたものに比べ、はるかに精度が高く強力なものである。

http://jp.sputniknews.com/politics/20150924/944914.html#ixzz3mbXmdUds

◆米の新核爆弾の独配備でロシアは対抗策へ、露大統領報道官

2015年09月23日 Sputnik 日本

ロシアは米国がドイツに新型の戦術核爆弾の配備計画に関して報復措置を採る。

ロシアのペスコフ大統領報道官はこうした声明を表した。「これは欧州における戦略バランスを崩しかねない。もちろんこれは、欧州大陸の緊張を高める方向へ向かう更なる一歩であり、残念ながら非常にシリアスな一歩である。このため、ロシアは戦略バランスと均衡の回復を図るために独自の対抗策をとらざるを得ない。」

22日、独ラジオ「ドイチェ・ヴェレ」は独の第2ドイツTVの報道を引用し、米国がラインラント=プファルツ州のブリューヘル近郊にある独連邦軍基地へ米国の新たな核爆弾の配備作業を開始したと報じた。第2ドイツTVは入手した米予算計画を引用し、計画では独戦闘爆撃機『トルナード』に米の新型核爆弾B61-12を2015年第3四半期から装備する可能性が見越されていると指摘している。

ドイツ第2TVからのインタビューの答えた専門家らは、B61-12は現在、同基地に保管されている核爆弾と比べ、数段高い精度を有していると証言している。

http://jp.sputniknews.com/politics/20150923/943102.html#ixzz3mbckMmzu

◆人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に
米国の批判も時すでに遅し、誕生しつつある南沙基地群

2015.9.24    北村 淳  JB PRESS

 

ファイアリークロス礁での基地施設建設状況(写真:CSIS/AMTI)

 9月に入ってから撮影された南沙諸島の航空写真(CSIS/AMTI発表)によると、中国が南沙諸島に建設している人工島のファイアリークロス礁とスービ礁、それに中国が以前より占拠しているミスチーフ礁の3カ所で、軍用基地として使用可能な3000メートル級滑走路がそれぞれ建設されているのが確認された。

急がれていた南沙諸島への拠点確保

 これまでのところ、人民解放軍の南シナ海に対する前進拠点は、西沙諸島の「永興島」であった。

 永興島は、軍・政府関係者ならびに漁業関係者をはじめとする民間の人々も居住して1500名ほどの人口を抱え、南シナ海の“中国の海洋国土”を管轄する三沙市行政機関が設置されている。

 そして、人民解放軍海軍部隊と武装警察部隊が常駐しており、2700メートルの滑走路を有する航空施設(ちなみに沖縄の米海兵隊普天間基地の滑走路も2740メートルである)と5000トン級の艦船が接岸できる港湾施設が設置されている。

 したがって、中国海軍の各種戦闘機はすべてこの航空施設を利用することができ、中国海軍フリゲートやコルベットも永興島港湾施設を前進拠点とすることができる。

 このように、海南島の海軍基地や航空基地からはおよそ400キロメートル、そして中国本土広東省の航空基地からはおよそ600キロメートル南シナ海に前進した永興島は、海軍の前進拠点と考えることはできた。

 しかし、その前進拠点からでも南沙諸島の中心海域までは750キロメートル(400海里)前後はある。そのため、万一フィリピン沿岸域にアメリカ空母が展開した場合には、人民解放軍戦闘機は圧倒的に「距離の不利」に直面してしまう。また軍艦、とりわけコルベットやミサイル艇など小型軍艦の場合、永興島から南沙諸島まで急行しても半日以上かかる。このように南沙諸島での作戦行動には、何と言っても「距離の制約」がつきまとっていた。

 したがって、中国海軍や海軍よりも頻繁にパトロール活動を展開することになる中国海警(沿岸警備隊)にとっては、南沙諸島に前進拠点を確保することは絶対に必要であり、それも急務とされていたはずだ。

スービ礁での滑走路などの建設状況(写真:CSIS/AMTI)

ミスチーフ礁での建設状況(写真:CSIS/AMTI)

あっというまに姿を現した人工島

 本コラムでも2013年以来しばしば南シナ海問題を取り上げてきたが、中国による人工島建設を直接取り上げたのは2014年6月であった。それは、「ジョンソンサウス礁での埋め立て作業が確認され、ファイアリークロス礁での埋め立て計画も明らかになった」という状況であった(本コラム、2014年6月26日「着々と進む人工島の建設、いよいよ南シナ海を手に入れる中国」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41041

 その後、中国による南沙諸島での環礁埋め立て、すなわち人工島建設は急速に進展し、2014年10月にはファイアリークロス礁に加えてジョンソンサウス礁、そしてガベン礁での人工島建設が確認された(本コラム2014年10月16日)。それから半年後には、さらにクアテロン礁、そしてヒューズ礁でも人工島建設が確認された。そして、ファイアリークロス礁には3000メートル級滑走路や港湾施設が建設されるであろうとの予測も紹介した(本コラム、2015年3月12日「人工島建設で南シナ海は中国の庭に」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43161

 引き続き2015年4月にはスービ礁でも人工島建設が確認され、南沙諸島での中国による人工島建設は6カ所に達した。この他、人民解放軍が占拠しているミスチーフ礁でも埋め立て作業が活発になっている状況も確認され、中国による7カ所の人工島建設作業が確認されたのだ。

 ことここに至って、ようやくアメリカ政府は中国に自制を求め、G7外相会合でも懸念が表明されるに至った(本コラム、2015年4月23日「もうどの国にも止められない中国の人工島建設」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43589

 もちろん、中国にとっては“外野からの雑音”など何の影響も与えることにはならず、人工島建設は急ピッチで進められた。しかし、ファイアリークロス礁に建設されていた滑走路が着々と完成に近づき、その他の人工島でも滑走路や港湾施設それにヘリパッドなどが次々と建設されつつある状況に業を煮やしたアメリカ海軍が、CNN取材陣を搭乗させて「人工島建設状況の実況中継」をするや、ようやくアメリカ政府も強く中国を批判するに至った(本コラム、2015年5月28日「中国の人工島建設に堪忍袋の緒が切れつつある米軍」)。

 それからしばらくすると、中国政府は人工島建設打ち切りの意向を表明したが、実際にはほぼ完成に近づいていたのである。

まもなく“南沙基地群”が誕生

 その後も人工島内の航空施設や港湾施設それに格納庫をはじめとする様々な建造物の建設が続けられ、冒頭で述べたように9月上旬に撮影された航空写真には、3つの人工島にそれぞれ滑走路が誕生しつつある状況が確認された。中でもファイアリークロス礁の航空施設は滑走路や格納エリアなど稼働が間近に迫っているのが明らかである。

 いずれも3000メートル級滑走路であるため、人民解放軍の戦闘機や爆撃機それに哨戒機や早期警戒機などあらゆる航空機の発着が可能である。それらの環礁・人工島には、航空施設と同時に港湾施設も建設されており、少なくとも3カ所の統合海洋基地が出現することになるのは確実だ。

 また、他の人工島にもヘリパッドや小型機用の滑走路と港湾施設が建設されているため、人工島をネットワーク化することにより、極めて強力な「人民解放軍南沙基地群」が誕生する運びとなるであろう。

日本にとって鬼門となる南シナ海

「南沙基地群」を拠点として幅広い活動を展開するのが、沿岸警備隊である中国海警の巡視船ということになるであろう。

 そして、巡視船の背後で睨みをきかせるのが中国海軍だ。中国海軍は「南沙基地群」にコルベットや高速ミサイル艇それに哨戒機などを配置して、南シナ海中部から南部にかけての海洋統制力が格段に強化するものと思われる。

 また、中国空軍の早期警戒機も配備され、人工島に設置されるレーダー施設とあいまって、南シナ海全域の航空統制力も確実に中国優位になるものと考えられる。米軍関係者の多くは「中国が南シナ海の広範囲にわたる空域に中国版ADIZを設定するのは時間の問題」と覚悟を決めている。

人工島と滑走路建設中の環礁

 このように人民解放軍が「南沙基地群」という前進拠点を手にすることにより、南シナ海はますます名実ともに“中国の海”と化すことは避けられない。

 そして有事においては、人民解放軍のミサイル爆撃機や戦闘攻撃機が南沙基地群を拠点にすることにより、フィリピンやインドネシアはもとよりオーストラリア北西部も攻撃圏内に収めることとなる。そのため、それらの海域のシーレーン(日本にとっては南シナ海シーレーンの迂回航路)も完全に人民解放軍のコントロール下に入ってしまうこととなる。

 このように、南沙諸島の人工島に姿を表しつつある「南沙基地群」の誕生によって、南沙諸島をめぐり中国と紛争中の諸国のみならず、日本やアメリカにとっても南シナ海は極めて厄介な海となることは確実である。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44833

支那が南シナ海、東シナ海で岩礁を埋め人工島を建設し始め、日本を始めアジア諸国が懸念を持ち始めた当初からオバマは事実を把握していた。

言葉では警告や遺憾の表明は何度もし、対抗処置をとるとも言ってきた。

だが、オバマは今に至るまで、まったく行動せず対抗処置もとってこなかった。支那のサイバー部隊により、米国本土に数限りないサイバーテロが行なわれ、民間企業だけでなく、ニューヨーク証券取引所が停止させられたり米国防総省の情報収集機関である国家安全保障局(NSA)の作戦データーまで盗まれても報復処置を取っていない。

言葉とは裏腹に、結果として容認したと同じ状態を招いている。それは暗に、支那とは絶対に戦闘はしないと表明しているに等しい。だが、ロシアに対しては露骨に陰謀術策を使い圧力を掛け続けている。

オバマの行動は、大東亜戦争時のルーズベルトやトルーマンの個人的怨念を彷彿とさせるものがある。米国のと言うよりオバマのロシア・プーチンに対する個人的な感情が表われていると感じざるを得ない。そのために、親米だった国を次々にロシア寄りへと離反させる結果となって現れている。

エジプト、トルコ、ギリシャ、サウジアラビア、イスラエル、ドイツ、イギリス、ロシア、それに自分たちで作ったISISまでどんどん米国から離れていく。オバマが工作してクーデターを起こしたウクライナも、梯子を外されて放置されたお陰で親ロシア派義勇軍に兵糧攻めにあい降伏した。

◆オバマ米大統領、中国のサイバー攻撃に「対抗措置の準備ある」と発言=米国ネット「もう遅い」「オバマ大統領はよくしゃべるが何も行動しない」

2015年9月19日 レコードチャイナ

2015年9月17日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、オバマ米大統領は16日、中国による米国へのサイバー攻撃について「いくつもの対抗措置を準備している」と述べた。 

オバマ大統領は16日、ワシントン市内で米企業経営者らとの懇談で、来週に行われる中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との首脳会談で、中国のサイバー攻撃が主要な議題の1つになると述べた。オバマ大統領は、中国政府が米政府と同様に行っている伝統的な情報収集活動とは異なり、企業秘密や特許などの情報を盗むことは侵略行為であると非難した。 

この報道に、米国のネットユーザーからは、「オバマ大統領はよくしゃべるが、何も行動しない」「笑えるよ。オバマ大統領は就任以来、何も成し遂げていないじゃないか」「もう遅いよ。中国は私についてあらゆる情報を握っていると思う。もしそうでなければ、彼らはグーグルを買収すべきだな」といったコメントが寄せられている。(翻訳・編集/蘆田)

http://www.recordchina.co.jp/a119321.html

◆ 専門家:米国は欧州の世論を操作するために意図して中東に無秩序を創り出した

2015年09月24日 Sputnik 日本

欧州文明にとっての最悪の敵は、米国、英国、EUの政治家たちである。地政学ウォッチャーのトニ・カルタルッチ氏がスプートニクの取材に対して述べた。

同氏によれば、中東から欧州に押し寄せる難民たちは、米国の政治家らの手先になっている。米国の政治家らは2007年以降、中東および北アフリカの政権転覆に励んでいる。

「中東・北アフリカの混乱は意図的に仕組まれた。地域のみならず、欧州およびユーラシアにどのような悲惨な未来が待っているかを知り抜いた上で仕組まれたことなのだ」とカルタルッチ氏。
氏によれば、米国の政治家らは欧州に管理不能なほど大量の移民が押し寄せる事態をあらかじめ予定していた。「米国のような戦闘行為を遂行している国が大規模な人口移動を予想できる状態になかったなどとは考えにくい。米国の政治家らは考え抜かれた計画を持っていたと考えるほうが自然だ。難民を利用して世論を操作し、シリア政府、さらにはそれ以外のものに対しても軍事的な干渉を強めるきっかけにしようとしたのだ。」

http://jp.sputniknews.com/opinion/20150924/948733.html#ixzz3mf57exZ4

中東から手を引いて力の空白を作ったオバマは最悪のことをしてくれたし、今から考えればネオコン派の世界を民主化することがアメリカの国益と世界平和につながるという説は寝言だったということだ。
恐怖でイラクを統治してきたフセイン体制とシリアのアサド体制の方がISISよりも多文化・多民族共存で10倍マシで、バース党は両国外部への伝染性などなかったからだ。

◆イギリスのSAS特殊部隊、シリアで“ISIS叛徒の様な服装で”アサドと戦闘

2015年8月 7日 マスコミに載らない海外記事

Stephen Lendman

2015年8月5日

8月2日、イギリスのサンデー・エクスプレス紙は、“対聖戦戦士秘密戦争で、SASはISIS戦士の服装をしている”という見出しで、こう報じた。

現在“120人以上のエリート部隊隊員が、戦争で荒廃した国におり”ひそかに“黒い服を身につけ、ISIS旗を揚げ”オペレーション・シェーダーと呼ばれるものに取り組み、ISISと戦うという口実で、シリアの標的を攻撃している。

秘密のアメリカ特殊部隊とCIA要員も、同じような形で関与している可能性がある。オバマのリビア戦争時、イギリスは、英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)と特殊舟艇隊(SBS)要員から選抜した、数百人の特殊部隊支援グループ集団(SFSG)落下傘兵を派兵した。

約800人の英国海兵隊員と、4,000人のアメリカ海兵隊員が、突然命令が下された場合、介入すべく待機していた。

この最新の暴露記事は、2013年8月、議会が拒否したにもかかわらず、デービッド・キャメロン首相が、昨年、シリア爆撃で、イギリス戦闘機が、アメリカ戦闘機に加わることを承認したことが判明してから二週間後に報じられたもの。

少なくとも現在の秘密地上作戦の一部は、アメリカ指揮下にある、攻撃すべき標的を探すべく、地形をスキャンする為の小型無人機を発射できるピックアップ・トラックで行動するいわゆる “粉砕”部隊だ。

通信支援を行う為、250人以上のイギリス(および、おそらくアメリカ)専門家が関与していると、サンデー・エクスプレスは報じている。

イギリスのマイケル・ファロン国防長官は、“他の国々における、我々の行動・監視能力を、シリアでの攻撃に振り向けている。”と述べた。

イギリスのSAS部隊は、サウジアラビアで、反アサド・テロリストを訓練しているが、一方、トルコ、ヨルダン、カタールや、恐らく イスラエルを含め、アメリカの工作員が同じことを行っている。

アメリカとイギリスの、いわゆる“穏健”反政府派の訓練に関する主張は、海外で訓練され、武器を与えられ、アサドと戦うべく、シリア 国境を越えて送りこまれ、今や、アメリカ/イギリス、カナダの地上の秘密特殊部隊と、上空援護まで得ているISISテロリストと直接行動していることの煙幕だ。

エクスプレス紙は、イギリスのシリア国内における作戦の一環として“戦車も出動するだろう”と述べた元イギリス陸軍大将、デビッド・リチャーズの発言を載せた。

別の記事は、アメリカによる空爆が、アサド攻撃用のアメリカ歩兵として機能しているISISテロリストを援護していることを論じている。

ウオール・ストリート・ジャーナルは、もし(ありもしない) アメリカが支援する“穏健”反政府派を攻撃した場合、シリア軍への空爆をオバマが承認したと、偽って主張して、リビア 2.0の序曲の様に見えるものについて報じている。

これと別に、トルコ・マスコミは、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「プーチンはアサドについて軟化したのかもしれない。彼はアサドをあきらめるのかも知れない」と述べたと報じた。

オバマは“プーチンが電話をしてきたが(6月末)、それがシリアについて話し合うためだった事を心強く思った”と述べた

アサド政権が、シリア国内で、益々広大な領域の支配を失いつつあり、(聖戦士)による権力奪取、あるいは、シリア政権の大敗の可能性は、差し迫っているわけではないが、日々脅威は大きくなりつつあると、彼等は感じているのだろうと思う。我々にとって、彼等と真面目な会話をする機会だ。

プーチンの広報担当官ドミトリー・ペスコフは、両大統領は、テロとの戦い、特に「イスラム国」について話し合ったとのべた。

“ロシアの見解は良く知られている”彼は説明した。“オバマ大統領との会話でも(プーチン)は繰り返して述べた”。変わってはいないのだ。

プーチンは、他国の内政に対するいかなる国による外部からの干渉に反対している。彼は、自国の指導者や議員を選ぶシリア国民や他の国民の主権を支持している。

プーチン補佐官のユーリー・ウシャコフは、“現在のシリア指導部は、「イスラム国」と対決している、本物の、有効な勢力の一つだ。”と述べた。

ロシアがアサド支援を弱めたことを示すものは皆無だ。

スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。lendmanstephen@sbcglobal.netで彼と連絡ができる
編集者・寄稿者としての新刊は “Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”
http://www.claritypress.com/LendmanIII.html
彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.

著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/british-sas-special-forces-dressed-up-as-isis-rebels-fighting-assad-in-syria/5466944

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/sasisis-2cb7.html

◆ロシアと中国内のワシントン第五列

2015年8月 5日 マスコミに載らない海外記事

Paul Craig Roberts
2015年8月3日

ロシアと中国が、両国内で活動している“民主主義志向”や“人権”団体が、アメリカ国務省や、ワシントンが組織する一連の民間アメリカ財団によって資金提供されている破壊工作組織だということを理解するのに、20年かかった。こうした非政府組織(NGO)の本当の狙いは、アメリカ覇権に抵抗することが可能な両国を不安定化させて、ワシントンの覇権を推進することだ。

ワシントンの第五列は、ヨセフ・スターリンが生まれた国ジョージアや、何世紀も、ロシアの一部だったウクライナ等の旧ロシア諸国で、“カラー革命”をなし遂げた。

プーチンが前回、選出された際、ワシントンは、その第五列を使って、プーチンが“選挙で不正をした”と主張する何千人もの抗議行動参加者を、ロシアの街頭に溢れさせることができた。このアメリカのプロパガンダは、国民の89%が大統領を支持しているロシアでは何の効果もなかった。残りの11%は、ほとんどが、プーチンは、欧米の攻勢に対して甘過ぎると考えるロシア人だ。この少数派も、プーチンを支持している。彼等は、プーチンに、もっと厳しくしてほしいだけなのだ。ワシントンが、反逆的な工作員に変えることができている実際の比率は、人口のわずか2-3パーセントだ。こうした裏切り者は、金と引き換えに、自国を進んでアメリカの属国にしようとする“西欧志向派”“大西洋統合主義者”だ。もちろん、彼等には金が支払われている。

だが、その第五列をモスクワの街頭に繰り出すワシントンの能力は、無頓着なアメリカ人や、ヨーロッパ人には効果がある。現在、多くの欧米人は、プーチンは選挙で不正工作をし、大統領の座を、ソ連帝国再建と、欧米粉砕に使うつもりだと信じ込んでいる。欧米を粉砕するのは、さほど困難なことではない。既に欧米は、自分をかなり粉砕している。

金持ちになることに夢中の中国は、ワシントンのいいカモだった。ロックフェラー財団は、大学で、親米派の中国人教授を支援している。中国で操業しているアメリカ企業は、支配的政治階級の親族が任命され、高額な“役員給与”を支払われるぜいたくな“役員会”を設置している。これで、中国の支配階級の忠誠心を損なえる。

中国の支配階級を金で丸め込めたと期待して、ワシントンは、この抗議行動が中国国内に拡散することを期待し、アメリカの金で買収された支配階級は、危険性にすぐには気がつくまいと、香港NGOに抗議行動を開始させた。

ロシアと中国は、ようやく理解したのだ。ワシントンが“脅威”と見なす両国政府が、外国が資金提供するNGOに、これほど長く寛大だったのは驚くべきことだ。ワシントンの第五列に対するロシアと中国の寛容が、アメリカ・ネオコンを大いにつけあがらせたのは確実で、それが世界を紛争状態へと大いに近づけた。

だが、良く言われる様に、あらゆる良いことには終わりがある。中国は、とうとう、ワシントン破壊工作に対する自衛を始めていると、Sakerは報じている。http://www.vineyardsaker.co.nz/2015/07/30/chinas-ngo-law-countering-western-soft-power-and-subversion-by-eric-draitser/

ロシアも、防衛を始めている。http://www.globalresearch.ca/kicked-out-of-russia-moscow-challenges-washingtons-orwellian-national-endowment-for-democracy/5466082

こういう記事もある。http://www.globalresearch.ca/why-russia-shut-down-national-endowment-for-democracy-ned-fronts/5466119

我々アメリカ人は、傲慢ではなく、謙虚になる必要がある。アメリカの生活水準は、恵まれている1パーセントを除けば、20年間、長期的に低落していることを、我々は認めることが必要だ。もし、地球の生命を継続したいのであれば、アメリカ人は、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、イエメン、パキスタンや、ソマリアが、アメリカに対する脅威ではなかったのと同様、ロシアも中国もそうではないことを理解する必要がある。アメリカに対する脅威はもっぱら、世界に対する覇権、アメリカ国民に対する覇権という狂ったワシントンのネオコン・イデオロギーにこそある。

この傲慢な狙いが、アメリカと、その属国諸国を核戦争へと向かわせるのだ。

もし、アメリカ人が覚醒することがあれば、自分達の抑えが効かない政府に対して、何かできるだろうか? 第一次世界大戦と、二次世界大戦の壊滅的な結果を経験したヨーロッパ人は、そうした戦争で、ヨーロッパが被った信じがたい損害も、核戦争の損害と比べれば極めて小さなものであることを理解することができるだろうか、?

もしEUが、知的で、自立した政府であれば、いかなる加盟諸国も、アメリカの対弾道迎撃ミサイルや、いかなる他の軍事基地を、ロシア国境近くのいかなる場所に受け入れることをEUは、絶対に禁じるだろう。

ワシントンで活動している東ヨーロッパのロビー集団は、もはや存在しない組織であるソ連に復讐したがっている。この憎悪はロシアに伝わっている。ウォルフォウィッツ・ドクトリンを読み損ね、ワシントンが、世界を支配するつもりであること、そしてそれにはロシアと中国に勝利することが必要であることを、理解し損ねている以外の何も、ロシアはしていないのだが。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/03/washingtons-fifth-columns-inside-russia-china-paul-craig-roberts/

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-0b68.html

                           目覚めよ日本!


日本の戦後は終わっていない

2015-09-23 00:15:58 | 資料

戦後教育の原点   

 戦後わが国の教育は、敗戦直後の1945.10.2に開始された GHQのCIE(総司令部民間情報教育局)によるWGIP(戦争についての罪悪感を日本人の心に植え付けるための宣伝計画)が全ての原点になっている。日本人が二度と再び連合国に対抗できないようにすべく精神的文化的に洗脳するというシステマティックで科学的合理的な計画であった。広範な分野にわたり特に日本古来の伝統的な美風や秩序や伝統は軍国主義に通じるとして徹底して破壊された。教科書の墨塗りも経験した。神仏に手を合わせる、祖先を敬うのは封建的として忌諱されたのである。

 祖国・国家・国益・公益といった観念はおぞましいものであり、人権と自由が最高の美徳だとされた。国家は個人と対立するいわば「必要悪」の存在であり自由に対する責任、平等に対する競争、権利に対する義務はないがしろにされた。民間情報教育局の標的は正鵠を得ていて、70年後の今日 情報つまりマスゴミと教育において見事に成果をあらわしている。一部の大新聞や教育現場における実態を見ればはっきりしている。

すべて日本だけが悪い、侵略戦争を仕掛けたのだ、日本の軍隊は殺人者だ、靖国神社に祀られているのは戦犯だ、日の丸君が代は侵略のシンボルだ、平和!!を
と叫んでさえいれば平和は来る、そういう情報を送り子ども達を教育してきて70年。
今なお謝罪外交を繰り返した歴代政府や外国にひたすら追従する新聞マスコミ報道を見ていたら、不埒な侵犯(拉致事件やミサイル脅迫などを含む)に対して国を守る勇気や自己犠牲や使命感といった感情が出てこないのも無理のない話で、あながち今の若者たちを責めることは出来ないということだろう。
しかもそういう教育が ”日本にとって”間違いであったかどうかの評価も定まっておらず、むしろ助長している新聞が大半である。

世界中どこの国でも愛国心は美徳とされる。自国他国のを問わず、国旗国歌に敬意を払うことは幼時から躾けられる。その対極にある日本は世界にも稀な国でありそういう国にした占領軍の計画の見事さには今にして感服するしかない。

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占領下においては、日本政府は既に権力者ではなく、日本に君臨していた真の権力者はGHQであった。従って言論の自由があったかどうかは、日本政府に対する批判が自由であったか否かではなく、GHQに対する批判が自由であったか否かで考えなければ意味がない。

GHQは自らに対するいかなる批判も絶対に許さなかった。新聞も、雑誌も、書籍も、信書も、ラジオ放送も徹底した検閲を受けた。その徹底ぶりは、記事にあるようにGHQの方針に合わないものは、たとえ川柳や風刺画さえも許さなかったことからも容易に理解できる。そして、一方で日本政府に対する批判は奨励した。敵である日本政府に対する批判を解禁し、それを奨励したのは、それが占領政策の遂行、日本の弱体化に好都合であったからに他ならない。

日本出版法 

   趣 旨 
 聯合軍最高司令官は日本に言論の自由を確立せんが為茲に日本出版法を発布す。本出 版法は言論を拘束するものに非ず寧ろ日本の諸刊行物に対し言論の自由に関し其の責任 と意義とを育成せんとするを目的す。特に報道の真実と宣伝の除去とを以て其の趣旨 とす。本出版法は啻に日本に於ける凡ゆる新聞の報道論説及び広告のみならず、その他 諸般の刊行物にも亦之を適用す。 

  日本出版法 
第一条 報道は厳に真実に則するを旨とすべし。 
第二条 直接又は間接に公安を害するが如きものは之を掲載すべからず。 
第三条 聯合国に関し虚偽的又は破壊的批評を加ふべからず。 
第四条 聯合国進駐軍に関し破壊的批評を為し又は軍に対し不信又は憤激を招来する が如き記事は一切之を掲載すべからず。 
第五条 聯合国軍隊の動向に関し、公式に記事解禁とならざる限り之を掲載し又は論議すべからず。 
第六条 報道記事は事実に則して之を掲載し、何等筆者の意見を加ふべからず。
第七条 報道記事は宣伝の目的を以て之に色彩を施すべからず。 
第八条 宣伝を強化拡大せんが為に報道記事中の些末的事項を過当に強調すべからず。 
第九条 報道記事は関係事項又は細目の省略に依つて之を歪曲すべからず。 
第十条 新聞の編輯に当り、何等かの宣伝方針を確立し、若しくは発展せしめんが為の目的を以て記事を不当に顕著ならしむべからず。 

  一九四五年九月二十一日 
  米国太平洋陸軍総司令部民事検閲部

朝日新聞の記事で昭和20年9月17日付の「プレスコード」として紹介された記事は、9月15日のGHQ所属民間検閲支隊長フーヴァー大佐の声明に対応して書かれた。それに対し 9月18日16時~20日16時の2日間発行停止とされた。この日から朝日新聞は紙面内容が激変し、今日現在にまで至っている。

プレスコードとラジオコードとしては、この後「日本新聞遵則」と「日本放送遵則」なるものが報道・出版等関係者に公表された。 

順番に列記すると以下のようになる。 

9月10日 最高司令官指令(SCAPIN-16) 「新聞報道取締方針」 
9月15日 民間検閲支隊長フーヴァー大佐の声明 
9月21日 最高司令官指令(SCAPIN-33) 「日本新聞遵則」(日本出版法・Press Code for Japan) 
9月22日 最高司令官指令(SCAPIN-43) 「日本放送遵則」(Radio Code for Japan) 

こんなプレスコードに由来するようなものが、いまだにマスコミ内に残っていて良いのだろうか?

江藤淳も三島由紀夫も自殺したし WGIPの存在に気づいて、洗脳された日本に失望すると自殺しちゃうのかね。
そうすると社会党はGHQを教祖としたカルト集団だったと言えなくも無い。
WGIPの基本の考え方に「物事をはっきりとした善悪に分類する」というものが存在する気がする。 
それと階級闘争的な被害者と加害者意識みたいな考え。 

戦争なんて善悪で判断するものではないだろう。

米国を中心とする連合軍が、資源の無い日本のシーレーンを断ち、輸入を全て断って否応無く戦争に導いておいて、日本は最初から負けると分かっている戦争に立至った。
戦う以上は欧米の白人が搾取する植民地の解放が大義名分となった。それが悪だったと言うのだ。

検閲自体は、連合国占領下の他の地域や、戦争中には米国内でも行われていたが、日本における検閲と他の地域におけるそれとの最大の違いは、日本における検閲が検閲自体を秘匿することを強制したことである。 

検閲自体を秘匿することになった直接の原因は、検閲がポツダム宣言に違反するからであるが。秘匿することによって日本の言語空間に新たなタブーを作り出すという、洗脳作戦に有利な効果を生み出した。 

検閲の行われる範囲としては、郵便、電信電話、新聞、雑誌、書籍、放送、映画等が挙げられる。 

基本的な検閲の機能としては、情報伝達の抑制と、情報の収集という2つのものがある。 
特に情報の収集では、個人の私信を検閲することにより、一般的な世論調査機関ではなし得ないほど正確に世論動向を把握した。

複雑な日本語の文章を日系米国人といえども全てを検閲するのは無理である。そこで、日本人の報道関係者や教授や学者、知識人など5000人以上が招集されたと言われている。その当時はいくらやむを得なかったと言えども今では立派な売国奴と言えなくもない。
その人たちが、GHQの去った後、何食わぬ顔で元の職場に戻っていって、誰一人として当時の有様を語らなかった。そのことは、GHQ以後も米国の諜報機関による監視が続いたということが明らかだろう。

実際に、今も横田基地には国連の事務所が存在し、米国大使館内には「日本管理委員会」が存在する。
しかも横田基地の上空だけでなく日本の制空権は米軍が保持し、日本全国米軍の飛行が優先される。
更に、国連憲章には戦勝国が常任理事国として拒否権を持ち、日本を敵国と明記したままである。
同盟国と言いながら米国が日本を敵国条項から外せとは一度も聞いたことが無く、憲章に中華民国と記されながら中共がなぜ勝利国として座っているのか納得いく説明も未だに無い。

つまり世界は未だに日本を敗戦国として縛っていることになる。

◆ロバート・フェルドマンの日本解体シナリオ

15/08/29  村田貞雄 るいネット

政府の経済財政諮問会議のワーキンググループ委員を務めていたロバート・フェルドマンは、グローバル企業(実質は米国企業)の日本支配、市場席捲のために、膨大な項目を指示している。

日本の官邸、官僚が打ち出す施策は、これらが原点となっている。日本の官僚は、米国からの指示(フェルドマン指示)に基づき、国内情勢をみながら、具体的施策を打ち出している。
日本の中央官僚は、日本の現状を分析し、自ら考え施策立案を放棄している。

月刊日本の編集長である坪内隆彦氏が、ブログ『国を磨き、西洋近代を超える』で、改めて指摘している。

(項目は、分野別に並べ直した。これをみると、医療市場、教育市場を狙っているのが分かる。)

日本解体のシナリオ─ロバート・フェルドマン提案 
http://tsubouchitakahiko.com/?p=3249

以下引用・・・・

 グローバル企業の日本支配を貫徹させるための第一歩が国家戦略特区だ。国家戦略特区ワーキンググループが2013年7月に行った有識者からの「集中ヒアリング」で、モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミストのロバート・フェルドマン氏は以下のような膨大な提案をしている。まさに、日本解体のシナリオである。

(医療、福祉分野)
国内未承認の医療技術・医療機器の持ち込み・使用許可解禁
チーム医療実施のための外国人看護士等の受入れ推進(就労資格の弾力化)
高齢者の自己負担率の引上げ(2割以上、年齢に応じた負担率の導入等)
健康を基準とした自己負担率の導入(村田注:健康保険の自己負担率)
(基本負担を6割とし、メタボ基準以下は3割、喫煙者は7割とする 
米国等との疾病分類の統一化(これに基づき診療報酬を決定)
病院(国立病院・大学病院・地方病院等、クリニックを含む)の監督の一本化
医療分野へのマイナンバー制度の早期導入
高度な診療・手術の可能な病院の集中化・絞り込み
(臨床研究中核病院の機能集中の加速化など)
介護施設等への外国人労働者の受け入れ解禁
保育所設置基準等の保育規制行政の地方移管

(教育分野)
海外留学(一年間)を大学卒業のための必須要件化
大学卒業基準としてTOEFLを採用
遠隔教育の推進
教育行政の所管を、文部科学省から特区担当又は地方自治体へ一部移管
教員給与の算定基準に実力テストを採用
教育委員会の廃止・権限縮小

(企業・雇用分野)
解雇規制の緩和・合理化(金銭解決などを含む)
社外取締役を導入した企業に対する解雇規制の緩和
有期雇用契約の自由化(60歳以上の労働者を対象とするなど)
全てのスキルレベルにおけるビザの発給要件の緩和(労働ビザの緩和)
積極的な移民政策の推進(医療、介護、農業の分野など)
就労ビザの発給要件の緩和(国内の大学・専門学校卒業者及び海外で同等の教育を受けた人材、並びに、海外の実務経験を有する専門家への対象拡大)
企業業績やその他の重要情報漏洩への刑事罰適用

(農業分野)
株式会社等による農地所有の解禁
農協への独占禁止法の適用
減反制度の廃止
米価設定の廃止
農地への不動産信託の導入

(行政・制度分野)
公的データベースの民間開放(不動産等)
公務員の給料を民間と同一基準化
マイナンバー制度に基づく行政コンシェルジュの推進
国家戦略特区推進のため特区担当部局が関係各省・自治体の人事を担当
外国法規に基づく教育・金融・法律・医療機関等の認可の推進
地方議会議員に対する選挙区毎の人口比例での議決権の配分
借地借家法の定期借家権法への乗り換え

(その他分野)
羽田・成田間、成田・仙台間の高速鉄道化
電力システム改革(小売自由化、発送電分離等)の早期実施
エネルギー新技術に係る競争促進(省エネ住宅・電気自動車等)
新聞の再販規制及び公正取引委員会からの特殊指定の廃止
金融関連記者への証券外務員試験の記者版合格を義務付け
官庁の記者クラブを廃止

・・・・引用終わり

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=307280

◆戦後教育史を覆す資料発掘! やはりGHQ主導だった教育基本法制定

『月刊正論』 2006年6月号

江道朗(日本会議専任研究員)

国家の独立が問われている

 「自民党執行部は、公明党と妥協した教育基本法改正案を呑めというのか」-。自民・公明両党執行部からなる教育基本法改正に関する協議会が4月13日にまとめた最終改正案に対して、自民党を支えてきた諸団体から強い不満の声があがっている。「現行基本法の理念を守りたい」公明党に引きずられ、多くの問題点を残す内容となったからだ。

 校長らに多数の自殺者を出してきた国旗掲揚・国歌斉唱反対運動の法的根拠として利用されてきた現行法十条の「教育は、不当な支配に服することなく」との文言はそのまま残った。

 わが国の宗教団体の大半が加盟する「日本宗教連盟」(神社本庁、教派神道連合会、全日本仏教会、新日本宗教団体連合会、日本キリスト教連合会の主要五団体で構成)が求めていた「宗教的情操の涵養」の盛り込みは見送られた。

 最大の争点となっていた「愛国心」の表現は、「『国』の概念から統治機構を除く」「他国や国際社会の尊重を反映させる」(4月14日付「公明新聞」)という公明党の主張に譲歩し、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」となった。「国を愛する心」ではなく「国を愛する態度」ならば、卒業式で国歌を歌っているふりをすればいいということになりかねない。

 現場に悪影響を与えてきた文言が残るだけでなく、新たな問題も惹起しかねない法案の動向について教育関係者が強い憂慮を示しているのとは対照的に、世論の関心はいま一つだ。

 それは何故か。いろいろな理由があるだろうが、教育基本法制定当時、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)によって「愛国心」や「宗教的情操」がいかに削られ、「不当な支配」が盛り込まれたのか、ほとんど知られていないことが一因だと私は考える。

 教育基本法は、憲法同様GHQによって実質的に押し付けられた法律なのである。しかも、GHQや彼らに協力した日本人は、「押し付け」を巧妙に隠蔽し、日本が自主的に制定したかのように偽装した。教育という国の根幹、国民精神に大きな影響を与える法律だけに、このような制定経緯は日本という国家の独立性を揺るがすものである。基本法が教育現場に与えている悪影響に加えて、この点が広く知られていれば、改正論議はもっと高まっていただろう。

 教育基本法制定をめぐる実情が知られていない責任の一端は、基本法を作成したとされている教育刷新委員会の副委員長を務めた南原繁東大総長にある。南原氏は講和独立後、占領政策の全面的見直しを始めた政府自民党の動きを念頭に、こう断言したのである。

《わが国の戦後の教育改革は、教育刷新委員会を中心として、これら政府当局者の責任においておこなわれただけである。(中略)私の知る限り、その間、一回も総司令部から指令や強制を受けたことはなかった。少なくとも教育刷新委員会に関する限り、すべては、われわれの自由の討議によって決定した》(朝日新聞社編『明日をどう生きる』昭和30年)[傍線筆者。以下同じ]

 教育界のみならず戦後の言論界に強い影響力をもっていた南原氏の発言によって、「教育基本法はGHQの干渉を受けることなく日本人が自主的に作った」という定説が確立され、その見直しは長らくタブーとなってしまったからである。

 その定説も、鈴木英一氏や高橋史朗氏らによる占領文書の研究を通じて疑問視されるようになってきているが、残念ながらその成果が国民全体に共有されているとは言い難い。

自主的な教育改革を否定したGHQ

 そもそも敗戦後、わが国の教育改革がどのように始まったのかも誤解している人が多い。

 日本政府は昭和20年8月の敗戦を受けて直ちに、戦時中の「軍国主義教育」の全面的見直しと、「平和国家建設」に向けた教育改革に着手している。

 9月15日に発表した「新日本建設の教育方針」では、戦時中の「軍国的思想および施策を払しょく」し、「平和国家」を建設するため、「国民の教養の向上」「科学的思考力のかん養」と共に、「国民の宗教的情操と信仰心を養」うことを通じて、「平和愛好の信念」を養成する方針を掲げている。

 GHQからの指示を待つまでもなく、日本は自主的に教育改革を始めたのだが、アメリカ国務省調査分析課は十月五日付内部報告書「日本の戦後教育政策」の中で、「新日本建設の教育方針」を取り上げ、「科学教育の振興」には「日本が原爆開発への遅れにみられる日米間の科学技術のギャップを埋めるためのものであるという意図が巧妙に隠されている」などと批判している。

 「米国の目的を支持すべき、平和的かつ責任ある政府を、究極において確立する」(9月20日付「降伏後における米国の初期対日方針」)、つまり日本にアメリカの傀儡政権を樹立するという方針をアメリカ政府から与えられている以上、GHQとしても、日本の自主的な教育改革を認めるわけにはいかなかったのだ。10月30日には、「教員及び教育関係官の調査、除外、認可に関する件」という指令を出し、日本の国柄を守る立場から自主的な教育改革を推進し、占領政策に異を唱えてくる文部省官僚たちを直ちにすべてクビにしろ、と命じている。

 この容赦ない方針によって「実際の文部大臣は総司令部」(内藤誉三郎・文部大臣官房総務室)という状況を作ることに成功したGHQは次に、自らの政策に迎合する日本人グループの形成に取り掛かる。昭和21年1月9日、「米国教育使節団を受け入れるため」という名目で、GHQは日本側に「日本教育家委員会」を作るよう指示したのである。その委員長に就任したのが、前述した南原氏であった。

 熱心なプロテスタントであった南原氏だが、戦前から愛読書として旧約聖書とともにマルクスの『資本論』を挙げるなど社会主義に強いシンパシーをもっていた。内務省に入省した南原氏は大正8年、日本最初の労働組合法を立案、大正9年にはレーニンの『国家と革命』を翻訳させ部内資料として出版している。大正10年に東大助教授に転身、その弟子には、戦後の進歩的文化人の代表格であった丸山真男東大教授や、中国共産党と組んで日本の戦争犯罪を告発する戦後補償裁判を主導した土屋公献元日弁連会長がいる。

 この南原氏を中心に進歩的文化人たちが結集した「日本教育家委員会」は、3月5日に来日した米国教育使節団を受け入れ、戦前・戦中の日本の教育政策を非難する「報告書」の作成に協力している。この委員会のメンバーが中心となって21年8月10日に新設されたのが、前出の教育刷新委員会(委員長、安倍能成元文相)なのである。

リモート・コントロール

 協力者としての刷新委員会を組織したGHQは、教育改革の主導権が文部省ではなく刷新委員会にあることを再確認すべく、密室会談を主催する。

 GHQの教育改革を担当していた民間情報教育局(CIE)は9月4日、田中耕太郎文相、山崎匡輔文部次官、教育刷新委員会の安倍委員長、南原副委員長を集め、①刷新委員会は、文部省から完全に独立する。②文部省は、刷新委員会が提案した政策を実行する。③刷新委員会と文部省、CIEの連絡調整のために「連絡委員会」を設置する--という方針を提示したのである。

「刷新委員会が方針を決定し、文部省はそれに従え」と命じられた田中文相は、「文部大臣が原則について何も決定できないなら、議会での質問に対する答弁も困難だ」と抵抗するが、南原副委員長はCIEの方針に全面的に賛同し、文部省は刷新委員会の下請けに過ぎないことが決定される。

 では、南原氏が指摘しているように、刷新委員会がGHQから干渉されることなく教育改革の方針を作成できたのかと言えば、そうではなかった。

 注目してほしいのは、③の連絡委員会の設置である。日本側の文献では「連絡委員会」と呼ばれるが、英語の原文は「Steering Committee」、直訳すると「舵取り委員会」となる。その狙いを、アメリカのハリー・レイ教授は、《CIEは連絡委員会を通して、教育刷新委員会を米国教育使節団の報告書の枠内で指導し、文部省に教育刷新委員会の提案を受け入れさせることが可能になった。ステアリング・コミッティーは日本語で「舵取り委員会」とも訳される通り、教育刷新委員会の「独立」の陰に隠れて、CIEが日本側をリモート・コントロールする送信機のようなものであった》と説明している(『戦後教育改革通史』明星大学出版部、平成5年)。

 9月24日、第一回舵取り委員会に出席した刷新委員会の大島正徳委員は、3日後の27日に開催された教育刷新委員会第四回総会で、刷新委員会で何を議題とするかはすべて事前に舵取り委員会を通してもらいたいと言われたとして、こう報告している。

 《この委員会は自主的なものであって、我々はこの委員会が決めることは文部省の指令に依るものでなく、又司令部の指令に依ってやるべきものでもなく、全くオートノマス(自律的)にやるべきだが、委員会に正式に議題にする前に、先ずこのステアリング・コミッチー(舵取り委員会)で相談して、これは議題にするが宜いかどうかを考えなければならぬ》(『教育刷新審議会教育刷新審議会会議録 第一巻』岩波書店、1995年)[引用文の( )内は筆者が補足]

 結局のところ刷新委員会は、CIEの許容する範囲内でしか「自主性」を認められなかったわけである。

CIEによる第一の介入は「愛国心」の排除

 戦後の教育改革の主導権を政府・文部省から、リベラル派の進歩的文化人による刷新委員会に握らせ、かつ同委員会を、舵取り委員会を通じて背後からコントロールするという仕組みを構築することに成功したGHQは、いよいよ教育基本法制定に着手することになる。

 教育基本法制定に初めて言及したのは田中耕太郎文相だった(昭和21年6月27日、衆議院)。しかし、それをもって教育基本法制定は日本側の発案だったと断言することはできない。義務教育の無償化や男女平等を謳った日本国憲法の制定に伴い、田中文相の意志とは関係なく、教育関係法規は全面的に書き換えなければならない状況に置かれていたからである。GHQに日本国憲法を押し付けられた段階で、教育基本法を制定せざるを得なかったわけで、真の発案者はGHQと言ってよい。

 文部省は7月18日、省内に「教育調査局」を新設し、教育法の全面改正に向けた準備を開始し、9月27日、刷新委員会第一特別委員会に、文部省の「教育基本法要綱案(9月21日案)」を提出している。

 注目すべきは、この「要綱案」に「愛国心の涵養」という趣旨がなかったことだ。実は明治24年に公布された文部省令の「小学校教則大綱」の第二条には、「尋常小学校ニ於テハ(中略)殊ニ尊王愛国ノ志気ヲ養ハントスルコトヲ努メ」と、愛国心の涵養が明記されていた。

 ところが、GHQは日本占領直後の昭和20年9月10日から、事前検閲という形で言論統制を始めていた。当初はラジオ放送や新聞、雑誌だけだったが、やがて一般国民の手紙や教科書まで検閲の対象となる。21年2月4日には、CIEが教科書検閲の基準を設定し、軍国主義、超国家主義のみならず、「国民的、国家、わが国」といった用語までも削除されるなど、国家そのものが否定されることになった。こうなると、GHQの支配下に置かれていた文部省としても、「愛国心」という言葉を予め削除した要綱案を作らざるを得ない。これを私は、教育基本法に対する、CIEの第一の介入と呼びたい。

 愛国心が欠落した要綱案に異議を唱えた人もいた。刷新委員会第一特別委員会では、天野貞祐一高校長(のち文相)が「ただ自分のために生きるのではなくして、社会国家の為に生きるとか、何かそういうものを入れたいと思う」と主張したが、東京文理科大の務台理作学長(日教組の「教師の倫理綱領」作成に協力)が「個人を犠牲にせず、個人の自由をあくまでも尊重する(中略)そういう精神に教育の理念が基づくべき」と反論、これに社会党の森戸辰男議員(のち文相。日教組と提携)が賛同したため、「国の発展に尽くす」という趣旨は完全に消えることになったのである。

「不当な支配」もCIEが強制

 刷新委員会の日教組派の委員たちによって、愛国心が排除された教育基本法要綱案が固まった段階で、CIEは本格的な介入を開始する。

 11月12日、CIEのジョセフ・トレーナー教育課長補佐は、刷新委員会の事務局を担当していた関口隆克・文部省審議室長を呼び出した。トレーナーは、舵取り委員会つまりGHQの了承なく、文部省が刷新委員会に要綱案を出したことを取り上げ、「文部省が議会に提出する諸法案は、CIEの承認を得なければならない」と詰問、関口室長は「今から、あらゆる問題を舵取り委員会に提出する」と改めて約束する。

 11月14日、関口室長は「9月21日案」の英訳をCIEに提出、密室による本格的な改悪が始まることになる。CIEがまず問題にしたのは、「男女共学」の項目だった。

 11月18日、CIEは男女共学について積極的な言及を行うよう要求、これを受けて関口室長は「男女はお互に敬重し、協力し合わなければならないものであって、両性の特性を考慮しつつ同じ教育が施されなければならないこと」という案を持参するが、CIEは了承せず、文部省案の「両性の特性を考慮しつつ」という文言は削除されてしまう。もし教育基本法に「両性の特性を考慮」という文言が残っていたならば、現在問題となっているジェンダー・フリー教育がこれほど横行することはなかったと思うと、CIEによる第二の介入は大きな禍根を残したといえよう。

 CIEによる第三の介入は、「教育行政」の項目であった。

 11月29日の刷新委員会第13回総会に提出された「要綱案」には、「教育行政は、学問の自由と教育の自主性とを尊重し、教育の目的遂行に必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならないこと」とあった。刷新委員会はこの表現で合意していたのだが、CIEのトレーナーは「教育の自主性の尊重」という表現を問題視し、修正を要求した。

 文部省に案を作らせても満足できる表現が出てこないことにしびれを切らしたトレーナーは自ら英文で要綱案を作成、12月13日、「教育行政」の項目は「教育は、政治的又は官僚的な支配に服することなく(Education shall not be subject to political or bureaucratic control)、国民に対し独立して責任を負うべきものである」という表現に変えるよう、文部省に通告したのである。その後も、教育行政の表現をめぐってCIEと文部省による密室会議は続き、翌22年1月15日案で「不当に」という言葉が追加され、最終的に現在の表現になったのである。今回の基本法改正でも焦点となった「不当な支配」という表現は、CIEによって強制されたものであったのだ。

「伝統を尊重して」「宗教的情操」も削除

 第四の介入は、「伝統の尊重」の削除である。11月29日の刷新委員会総会に提示された要綱案では、前文に「普遍的にしてしかも個性ゆたかな伝統を尊重して、しかも創造的な、文化をめざす教育が普及徹底されなければならない」と明記されていたが、トレーナーは「伝統を尊重して」という言葉の削除を命じた。当時の通訳が「伝統を尊重するということは、再び封建的な世の中に戻ることを意味する」と述べたからだ、と明星大学の高橋史朗教授とのインタビューでトレーナーはその理由を説明している。

 第五の介入は、「宗教教育」をめぐってであった。前述した11月29日の要綱案では、宗教教育について「宗教的情操のかん養は、教育上これを重視しなければならない。但し官公立の学校は、特定の宗派的教育及び活動をしてはならないこと。」と規定されていた。この表現は、社会党の森戸委員でさえも合意した案であり、宗教的情操の涵養が重要だという認識は、社会主義者も含め当時の日本人の総意であったのである。

 ところが、CIEは「宗教的情操のかん養」を削除し、「社会における宗教生活の意義と宗教に対する寛容の態度は、教育上これを重視しなければならない」というCIE案に差し替えるよう日本側に要求した。しかも「宗教に対する寛容の態度」という表現は、「無神論者に対する寛容を含む」と解釈されることになったため、宗教を敵視する無神論(つまり社会主義、共産主義)を奉じる児童・生徒に配慮して事実上、学校教育において宗教に関する教育はすべて禁止されることになってしまったのである。

 この第四・第五の介入で、伝統的な死生観や慣習を学校教育で教える法的根拠が失われてしまった。

 要するに今回公明党が重視した「教育基本法の基本理念」なるものはすべてGHQ・CIEの密室介入の産物に過ぎないのだ。

自主制定というGHQの偽装を証明する議事録を発見

 この冷厳な事実を日本の立場から証明する史料を今回発見した。CIEが文部省や刷新委員会を背後からコントロールするために設置した舵取り委員会の「日本側議事録」である。

 教育基本法制定の真相を理解するためには、舵取り委員会でのやりとりを知る必要がある。日本側は必ず議事録を残していると思ったのだが、なかなか見つからない。国立国会図書館や首都圏の主要大学図書館などで探し、文部科学省や戦後教育史の専門家にも問い合わせたが、「知らない」という回答であった。調査は3年以上に及んで諦めかけていたが、「教育刷新委員会会議録」の原本を保存している財団法人野間教育研究所の「書庫」でついに見つけた。

 万年筆で書かれたざら紙による、昭和22年1月23日から24年7月28日までの31回分の舵取り委員会議事録のファイルで、『教刷委連絡委員会記録全一冊(ステアリングコミティ)』という表紙がついていた。

 CIEが教育基本法の要綱案に対して介入していた昭和21年後半の議事録はなかったものの、肉筆の生々しい文字から浮かび上がってきたのは、想像通りCIE主導で教育基本法を含む改革が行われていたという現実であった。

 例えば、教育基本法案が大詰めを迎えていた昭和22年1月23日の議事録には、次のようなやり取りが書かれてあった。

 《辻田 通常国会に提出する案は三つあつて(教育基本法、学校教育法、地方教育行政法)今第一が法制局で検討中である。

 トレーナー 教育基本法は今我我も一緒に検討中で未だ確定していないと思うが…。

 辻田 決定したものではなく教育部と平行して法制局にも検討して貰っているのだ。主として字句の問題で、内容にはふれていない》

 文部省の辻田力調査局長が、CIEの了解なく教育基本法要綱の法案化作業を法制局に依頼したことを、トレーナー教育課長補佐から咎められ、うろたえている様子が分かる。
 教育基本法が衆議院本会議に上程された三月十三日の舵取り委員会「議事録」にはこう記されていた。

 《日高 教育基本法と学校教育法のその後の経過を話す。前者は本日議会上程、後者は十五日或いは十六日に議会上程と予想している。非常に困難があったが通過するものと期待している。

 オア 文部省の御骨折りに感謝する》

 この「御骨折りに感謝する」という文字を見た時の衝撃は忘れがたい。なぜCIEが、文部省に対してお礼を言わなければいけないのか。徹底した密室介入によってGHQ製に換骨奪胎した教育基本法案を、日本人が主体的に作った案として国会に上程することに成功したため、思わず本音が出たのだろう。教育基本法が日本人のためではなくGHQのために作られたことを、この一文は物語っているといえよう。

「属国の悲しみ」を克服せよ

 マーク・T・オアCIE教育課長から労いの言葉を直接かけられた文部省の日高第四郎学校局長はこのとき、どのような思いを抱いたのか。調べたところ、日高局長が後にCIEとの折衝について書いた一文に「属国の悲しみ」という表題をつけていることが分かった。

 CIEによって徹底的に改悪され、わが国の教育に大きな悪影響をもたらすことが予想される教育基本法を、日本人自身が作成したと偽って国会において成立させなければならなかった。日高局長が味わった「属国の悲しみ」はその後語り継がれることもなく、忘れ去られてしまっている。

 それは、「日本人によって教育基本法は作られた」かのように偽装したGHQ・CIEを擁護して、「一回も総司令部から指令や強制を受けたことはなかった」と虚言を弄した南原東大総長のような人物が戦後教育の中心にいたからだ。さらに、誤った「教育基本法制定史」を流布したのは、南原氏だけではなかった。今回私が見つけた「舵取り委員会議事録」には複数の人間が閲覧した足跡が残されていたのである。教育基本法に対する疑問が国民の間に芽生えることを避けるためか、敢えてその存在を公開してこなかったふしがあるのだ。

 今回の教育基本法改正にあたって「宗教的情操」や国を愛する「心」を削り、「不当な支配」を残すことに合意した与党幹部たちもある意味、そんな悪質な情報操作の被害者かも知れない。何しろGHQの密室介入の産物を、日本人が守るべき教育理念だとすっかり勘違いしてしまっているのだから。

 しかし、与党幹部たちの誤った「教育基本法制定史」観によって、わが国の教育の歪みが放置されてはたまらない。今からでも遅くはない。正しい「教育基本法制定史」観に基づいて与党案を抜本的に修正すべきだ。

 幸いそのモデルは出来ている。超党派の「教育基本法改正促進委員会」(亀井郁夫委員長)が、わが国の歴史と伝統に立脚し、「愛国心」や「宗教的情操の涵養」、「教育に対する国の責任」などを謳った、日本人のための新教育基本法案を作成している(下村博文編『教育激変』明成社)。

 わが国の根幹を定める教育基本法の改正は、GHQの改悪を克服する方向で成し遂げられるべきである。


えざき・みちお 昭和37年(1962年)東京都生まれ。九州大学文学部卒業。月刊誌『祖国と青年』編集長を経て平成9年から日本会議事務総局に勤務、政策研究を担当。共著に『日韓共鳴二千年史』『再審「南京大虐殺」』『世界がさばく東京裁判』(いずれも明成社)など。

※初出 月刊『正論』2006年6月号、肩書などは当時のまま)

http://ironna.jp/article/1824?p=1

               目覚めよ日本!


日本の温泉文化

2015-09-21 05:27:40 | 資料

温 泉 の 定 義

温泉の定義は、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガスで、温度が25度以上あるもの、決められた18種類の成分のうち、1種類以上を基準以上含んでいるものと定義されています。

温泉の種類

・単純泉(単純泉)含有成分が1.000mg未満
この温泉は、療養泉(医学的に治療効果のある温泉とされるもの)の規定成分が薄いので単純温泉と呼ばれる。入浴してみると、濁った温泉や鉄臭い温泉など色々違いがあるし、有名な温泉もある。

・塩化物泉(食塩泉)陰イオンの主成分が塩素イオン
日本で一番多い。熱伝導率が高いため入浴時はすぐさま温まる。また入浴後は塩分が肌に付着して汗の蒸発を防ぎ、保温効果が高い。温熱効果によって血行が良くなる。
※ちなみに、海水の塩素イオン濃度:約19g/kg、ナトリウムイオン濃度:約10g/kg
※塩水は真水より重いので水でうめても混ざり難いかも。

・炭酸水素塩泉(重曹泉)陰イオンの主成分が炭酸水素イオン
重曹の働きで皮膚の表面を軟化させるため、皮膚病に効果がある。ふろから出たとき、さっぱりとした清涼感があり、塩化物泉(食塩泉)とは反対に「冷の湯」とされている。保湿効果があり肌がしっとり。

・硫酸塩泉(芒硝泉、石膏泉、正苦味泉)陰イオンの主成分が硫酸イオン
硫酸イオンは血液に多くの酸素を送り込む作用あり。
神経痛、胆道疾患や便秘に効果、糖尿病、痛風の改善
 サルフェートとも呼ばれるもので、飲用のミネラルウォーターとしても注目されている。

・二酸化炭素泉(炭酸泉)遊離炭酸1,000mg以上
日本では少なく、貴重な存在。たとえ低温でも湯上がりの肌は紅潮し、温まる特性がある。また、脂や汚れを気泡に吸い付けて取り去ることから、最近はエステなどで人口の炭酸泉が導入されている。毛細血管を拡張、血液循環の促進、血圧低下作用あり。
飲泉では、便秘に効果あり。食前3回と就寝前に飲む。150mlまで/回。

・含鉄泉 (鉄泉)総鉄イオン(鉄Ⅱまたは鉄Ⅲ)を20㎎以上
わき出した時は透明、その後サビて変色。人間の造血作用に欠かせない重要な成分、皮膚からもよく吸収される。

・酸性泉(酸性泉)
刺激が強いので皮膚の弱い人には危険。抗菌力が優れている。アトピー性皮膚炎の黄色ブドウ球菌の殺菌に良い。白人は肌が弱いのダメか。
酸性泉には亜鉛とマンガンが含まることが多く、これらは入浴時に皮膚から取り込まれ、それによってインスリンの作用が高められ、血糖値を下げる効果が現れる。テレビ番組での実験を見たら、血糖値100ちょっとの人が10~20下がっていた(二泊三日、普通に旅館の料理を食べて)。

・含よう素泉(new) よう化物イオンを10mg以上
環境省のでは、飲用で高コレステロール血症に良いと‥

・硫黄泉(硫化水素泉)総硫黄(硫化水素イオン+チオ硫酸イオン+遊離硫化水素)2㎎以上
地上に出てきた時は透明に近くて、酸化すると白濁する。鼻にツンとくる硫黄臭がし、気体系を硫化水素型と呼ぶ。→実は硫黄は無臭で、匂いがあるのは「硫黄と水素の化合物である硫化水素」なのだそうな‥。
効能多いが効力きつい。慢性皮膚病、糖尿病に効果あり(硫黄成分はインスリンの生成を助ける)
※湯上りにはシャワーで硫黄を流した方がよいでしょう。2,3日匂いが取れませんし、服にも匂いが‥。自分じゃ気付かない場合も。

・放射能泉(放射能泉)ラドンを20キューリー以上
ホルミシス効果(生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用)があるとされる。
湯の中から放出されるラドン(気体)は呼吸とともに体内に取り込まれる。ラジウムは水溶性。
1キューリー(10^-10 Ci):3.7ベクレル(Bq)
※キューリーは次回改定から、10^-9のナノキューリーに統一した方がよいのでは。

・人工温泉
トロン、ラドン、明光石、ヘルストン、麦飯石温泉などがある。

・その他
湧水、井戸水、水道水、その他

共通)
・カルシウムイオン:炎症の鎮静作用
・マグネシウムイオン:炎症の抑制効果
・ナトリウムイオン:角質化した皮膚の乳化作用 ホルモンバランスを整えるので更年期障害に良い。
・アルミニウムイオン:傷の治癒を促す 殺菌作用
・硫酸塩泉:無色透明で、温泉か?と疑ってしまう せっけんの泡立ちが悪い。
・鉄:殺菌作用
・ホウ酸:目の洗浄に実際に使っているらしい
・メタケイ酸:体をコーティングしてあたためる、保湿効果
・アルカリ性の温泉:皮膚の角質を溶かし、キレイにする。長く入りすぎても、短くてもダメ。10~15分くらいが良い。
・打たせ湯:肩たたき&加温効果で肩こりに効く。実際に硬度計で測ったところ、31→20(5分後)。
・寝湯:何の効果があるんだと思う寝湯も、深く沈まない分、水圧の負担が少なく、血流が良くなる効果がちゃんとあり。

入 浴 の 心 得

温度について お湯が42度以上の入浴は出来れば避ける。理想は38度~40度のお湯。

かけ湯について 体の下から上の順でしっかりお湯の温度を体にならす。

1回の入浴時間 5分から7分程度が理想です。

お酒を飲んでの入浴 とても危険です。入浴は飲食、飲酒の前に!!

◆温泉の湯の花

温泉に入りますと、よく浴槽の周りなどに白くて硬いものが付着しています。 また、まだ誰も入っていない温泉の表面に白っぽいものが膜を作っています。これが、湯垢、湯の花と呼ばれるものです。 そして、これは専門的には「温泉のスケール」と呼んでいます。この温泉のスケールは、温泉水に元々溶けていた成分が温度や圧力の変化、空気との接触、場合によってはパイプなどの機械と反応して水に溶けにくい物質として析出したものです。 この析出付着物を採取し、「湯の花」として温泉地などでよく売っています。これを家庭のお風呂へ入れ、手軽に温泉気分が味わえるということでよく売れるそうです。 

 では、この湯の花(温泉スケール)はいいことばかりなのでしょうか。 実はこれが温泉を守っている人たちにとって最大の悩みなのです。一般的には、温泉の成分が多ければ多いほど温泉スケールは析出しやすくなります。この温泉スケールが湯の花の採取場所のみで析出するのであればいいのですが、温泉の井戸の中、パイプ(上の写真)、設備機器などで析出してしまいます。そのため、温泉の管理というのは大変なことなのです。温泉を守る人は、温泉を楽しみにきていただくお客様がいつでも快適に入浴していただくために、時に夜中にこのスケールが詰まってお湯がでなくなってしまったり、温度調整ができなくなってしまったりしないように日々闘っているのです。

温泉スケールの種類

カルシウム(石灰)質のもの 

 温泉水中でカルシウムは、二酸化炭素(炭酸ガス)と共に加圧された状態で重炭酸カルシウムとして溶けていますが、地上に出てきて二酸化炭素が水中から逃げると重炭酸カルシウムが分解して炭酸カルシウムとして沈殿します。 多くは灰色~白色で硬く付着するのが普通ですが、時には鉄やマンガンが含まれ赤褐色~黒褐色で縞、層状になっていることもあります。 
 日本の温泉スケールの80%以上がこの炭酸カルシウム質のものです。 

鉄質のもの

温泉水中に溶けている鉄(化学的にはフェロイオンといいます)が酸化されて、不溶性の鉄(化学的には水酸化第二鉄)となって沈殿したもので、赤褐色~黄褐色~黒褐色、軟らかく付着する時と硬く付着する時があります。 
 鉄を含む微酸性~中性の温泉では、必ず鉄イオン(Ⅰ)の酸化が起こり温泉水中に酸化鉄が浮遊して浴槽水が茶褐色に濁り、浴槽の縁やタイルに付着しているのが見受けられます。 また、まれに硫化水素と鉄が結合して、硫化鉄の黒い沈殿を生成することもあります。 

イオウ質のもの

 温泉水中の硫化水素が酸化され、不溶性のイオウとなって析出付着したもので、硫黄細菌などが関係することがあります。 白~黄白~黄色で普通はあまり硬くないのですが、まれに硬く層状に付着することがあります。 草津の湯畑で採取している湯の花は、この類です。 

ケイ酸質のもの

 地下の高温高圧状態で溶けていたケイ酸が地表へ涌き出ると、低温低圧の状態で不溶性の二酸化ケイ素として析出付着したものです。 普通は白色で硬く付着します。 
 地熱発電の生産井ではよく見受けられるスケールですが、一般の温泉ではまれです。 

その他のもの

 粘土質のもの、マンガン質、硫化銅、有機質のもの、菌体とスライム等いろいろありますが、これらは比較的まれな例です。 

http://www.sparise.co.jp/scale.htm

◆混浴温泉で男女がタオルを巻いてはいけないワケ

MAG2 NEWS

一部の混浴温泉で推奨、もしくは義務化の動きもあるいわゆるタオル巻き入浴。利用者のマナーの低下などがその理由に挙げられていますが、メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』では、ろ過装置清掃会社の社長の言を引きつつタオルを湯船につけてはいけない理由を衛生面から解説しています。

混浴タオル巻き入浴の是非について

先だってこのメルマガで、栃木県塩原温泉郷の混浴共同露天風呂閉鎖の件について書いた。その際に、バスタオルを巻いての入浴を義務化することについて疑問を呈する旨、言及した。

バスタオル巻き入浴というのは、混浴である以上はやむを得ない場合も多いとも思う。だが、浴槽にタオルを浸けない、というのが、温泉入浴マナーとして常識であることを考えても、たとえ新品であれ、バスタオルを湯船に浸けるのを推奨するというのはいかがなものか、とも思う。

バスタオル巻きで最初に問題になるのは、肝心な部分へのかけ湯がおざなりになりがちであるということである。バスタオルをめくって股間やお尻の穴をかけ湯でしっかり洗うことができるのか、というと、これは難しいだろう。

女性であれば尚更である。

男性などは浴槽の縁に蹲踞(そんきょ)の姿勢をとって、股間の前の部分だけ流して入浴する人をよく見かけるが、かけ湯で最もしっかり洗わないといけないのは、むしろ後ろのほうなのである。

女性だって話は同じである。

こうした入浴前のかけ湯がきちんとしていないと、源泉かけ流し浴槽の湯はたちまち汚れてしまう。循環消毒のほうが源泉かけ流しよりも衛生的で、安全性が高い、ということにもつながる、というのは、拙著「温泉失格」の中でも詳しく書いていることだ。

ほかにもバスタオル巻きの弊害はある。

これはかけ流し浴槽にはさほど関係がない話なのだが、以前、双葉社発行の「温泉批評」2014年秋冬号(特集=かけ流しの真実)でインタビューした循環ろ過装置の清掃管理会社「スパテック」の大山社長に聞いた話で、以下のようなものがある。

ろ過器のろ剤(砂とか小石など)には、泉質による多寡はあるが、スケール(析出物)が付着しており、これがレジオネラ属菌の巣窟になりやすい。よって、ろ過器のろ剤の最上部は、ある一定の期間ごとにそっくり取り替えるのが好ましい。
いわゆる「逆洗」(浴槽側からろ過器へ水を流してたまった汚れを洗い流すこと)だけでは、ろ剤などに付着して固まったスケールを完全に取り除くことは難しい。
ろ過器にはピップエレキバンだとか絆創膏だとか、いろんなゴミがたまっている。つまり、ろ過器でそれだけゴミが止まるということである。
ろ過器にたまっているゴミのうち、中でも最も目につくのは糸くずである。その糸くずにもスケールがこびりついてしまっていることが多い。これもレジオネラ属菌の巣窟となる。スケールがこびりついた糸くずは団子状になっていて、逆洗では取り除くことが難しい。
この話を聞いて、僕は「タオルは湯船に浸けては絶対にダメだ」と改めて思ったものである。こう考えていくと、循環システムを使用しているお風呂の場合、それが混浴であっても、バスタオルを巻いて入浴するのはやはり大きな問題があるのだ。

これが完全放流式の源泉かけ流し浴槽(塩原の場合はそう)であれば、糸くずがトグロを巻いて、ろ剤が目詰まりすることはない。ろ過器そのものがないのだから当たり前である。

ただし、かけ流し浴槽であっても、温度管理のためにお湯を循環しているという浴槽が、世の中にはたくさんあるのだ。大山社長の話では、これが一番ヤバい、と。

「集毛器(ヘアキャッチャー)は通るけれど、ろ過器を通らないってことだから。実際に見ると、どれだけ汚れているか……入る気が失せますよ。逆に言えば、それだけのゴミがろ過器を通すことで漉されて、汚れた湯がきれいになっているということ」。

断っておくが、大山社長の会社は循環器メーカーでなく、清掃管理の会社であるので、闇雲に循環濾過装置の導入を進めているわけではない。社長自身も「湯量が豊富で清潔に管理されていれば」源泉かけ流しのほうが魅力的だとも語っている。

それでも、汚れまくったろ過器の中を見ると、浴槽水からろ過された糸くずの多さと、それが衛生面に与える影響を無視できないというわけである。

混浴にまつわる問題は、単にバスタオル巻きを男女とも義務化することだけでは、明らかに不完全であると言わざるを得ない。浴槽ごとに湯遣いは違うのであり、それに合った対策をとらねばいけないのである。いずれにしても一筋縄ではいかない問題である。

ただ、どこのお風呂でも注意事項に載っている「タオルを浴槽に浸けない」ことの重要性と、その隠れた理由は、これでわかっていただけたと思う。

「使用したタオルを浸けると湯が汚れるから」という一言で片付けるような単純で簡単な話ではないのである。

『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋

著者/飯塚玲児
温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!

http://www.mag2.com/p/news/28426

◆温泉の「タトゥー禁止」問題。観光立国への道に立ちはだかる壁

2015年8月31日 MAG2 NEWS

2020年に東京オリンピックも控え、今後さらに増えることが予想される外国人観光客。ところが、国内各地の温泉施設でまさに噴出中なのが、“タトゥーをした外国人はどう扱うべきか”という問題。メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の著者で、旅行業界の裏事情に詳しい飯塚玲児さんも、この問題について、これまでの経緯を振り返りつつ、問題提起をしています。

タトゥー・刺青入浴禁止問題のこと

温泉入浴にあたって、表題の件がこのところ大きな話題になりつつある。

話題の内容としては、外国人客(日本人客にも最近は少なくないが)などでファッションとしてタトゥーを入れている場合(ミュージシャンやスポーツ選手にも多い)や、先日北海道で問題になったマオリ族の女性と同様に伝統や宗教上の理由でタトゥーを入れている場合、などを、十把一絡げに温泉から閉め出すのはいかがなものか、ということである。

実はこの問題、僕が編集をお手伝いしている双葉社刊のムック『温泉批評』2014年秋冬号で大きく取り上げている。

この話題がここまで一般的に話題にされるようになったのは、この特集の影響が非常に大きいと思っている。同誌に関わっているものとしては、そのような自負もあるし、実際に、この記事のあと、連続して社会的な問題として取り上げられるようになってきたと思う。

そもそもの発端は、脳科学者の茂木健一郎氏がツイッターで「海外ではタトゥーの人が普通にいるのに、日本の入浴お断りはおかしいし差別だ」という内容をつぶやいたことだろう。2014年6月にはこうつぶやいた。

「ワールドカップサッカーを見ていると、タトゥーをしている選手なんて、普通にいる。タトゥー、刺青は入浴お断り、という不当な差別をしている限り、日本の温泉の世界遺産登録は無理だね」
むろん『温泉批評』の記事ではこうした茂木氏らのツイートなども盛り込み、さらに業界団体や温泉施設などへの取材も行って記事を構成している。バックナンバーも入手可能なので、興味のある方はアマゾンなどでご購入を。

雑誌発売後の業界内の一つの大きな動きとして挙げられるものに、今やイケイケ状態ともいえる星野リゾートが、タトゥーを隠すために貼るシールを導入、隠せる場合は入浴を認めるという試みを始めたことだ。

星野リゾートの星野佳路代表は「小さい入れ墨でも入浴を拒否し続けるのか。外国人が増えていく中、何らかの新しいルールが必要だ」と説明している。

この星野リゾートの発表が今年の4月15日のこと。前述の『温泉批評』の発売が昨年10月中旬である。むろんそれまでも星野リゾートでは何らかの協議がなされてきたのだとは思うが、記事の反響がフェイスブックなどでも広がりを見せてきて、結果、最終的な判断に至った、と考えるのは自然だと思う。

また、つい先だって6月には、この問題を受けて観光庁が全国約3700の施設で初めての実態調査に乗り出したという発表があった。

観光庁は結果を基に、宿泊業界などと相談しながら対応策を検討するという。久保成人長官は「どうするかの具体的な方針を持ち合わせていないが、まずは実態を把握する」と話している。

そもそも、旅館業法などでは刺青やタトゥーを入れた人の入浴を断るという具体的な定めもない。だが、皆さんもご存知の通り、多くの施設で「お断り」の掲示がされている(本当に断っているかは別だが)のが実態だと思う。

しかし、茂木氏のいう通り、スポーツ選手にもタトゥーを入れている人はたくさんいる。将来の東京オリンピックなどで日本を訪れたこれらの外国人選手や観光客らが、日本観光の大きな魅力の一つである温泉から閉め出しを食らうということにつながりかねないのは、やはり問題だ。

茂木氏や『温泉批評』の記事でも指摘している通り、「ベッカムやネイマールが温泉にきたら、入浴を断るのか?」ということを考えたとき、断った場合はそれぞれの国の英雄を差別するわけで、国際的な問題になるだろうということは想像に難くない。

簡単に結論の出る問題ではないとは思うが、これを機に大いに議論して正しい方向性を見出して欲しいものだ。

ちなみに僕自身の意見は、もちろん、入浴OK、である。

『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』

温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!

http://www.mag2.com/p/news/27262

◆<高血圧に効く温泉の種類>

高血圧に効く温泉の種類は、二酸化炭素泉、硫酸塩泉、硫黄泉などがあります。

●二酸化炭素泉は二酸化炭素を含む温泉です。泉温が高くなると炭酸が気化、遊離するため、一般に温泉の温度は低くめです。炭酸ガスは皮膚から吸収され、毛細血管や細小動脈を拡張し、血液の循環をよくするため温泉の温度が低くても入浴後は温まります。また、心臓の拍動を増加させなくても血液の循環が良くなるため、血圧を下げる特徴もあります。高血圧や心臓病に効くのはこのためで「心臓の湯」とも呼ばれています。

●硫酸塩泉はアルカリ金属・アルカリ土類金属の硫酸塩を主成分としていることからこの名称が付いています。この種の温泉は薬効が高いと言われています。改善効果のあるおもな疾患は高血圧、脳梗塞、糖尿病、動脈硬化、肥満、リウマチなどがあります。

●硫黄泉は卵が腐ったような臭いがあります。また湧出後湯船にて温泉の不溶性成分である析出・沈殿物である「湯の花」により白濁する温泉も多いのが特徴です。生活習慣病の湯と言われており、高血圧、動脈硬化、糖尿病の改善に効果があります。

*以前、朝日放送の健康番組「たけしの本当は怖い家庭の医学」でも取り上げられた「硫黄泉」について。
硫黄泉の主成分は硫化水素といわれる成分です。硫化水素は火山から噴出されるガスに含まれ、それが山に蓄えられた地下水と交わることで硫黄泉が産まれることが多いということです。効能については様々な効果が言われていて、慢性皮膚病・高血圧症・動脈硬化症・慢性婦人病など、最新の研究により効果が認められたのは高血圧の改善です。硫黄泉の権威・埼玉医科大学医学部教授の倉林均先生によると、硫黄泉に溶けている硫化水素というものが血管を拡張する作用があるそうです。

硫黄泉」に入浴すると、「硫黄泉」に溶けている硫化水素が体の皮膚の表面から体内に取り込まれ、血管内部まで浸透します。すると血管は、酸素濃度が低下したと勘違いして、血管内に酸素を増やす為、血管を拡張させます。血管が拡張することでと血圧は下がります。継続的に「硫黄泉」に入浴すると、血管の拡張が繰り返され、血管のストレッチ効果で硬くなった血管がしなやかになるそうです。

●日本国内「硫黄濃度の高い温泉」ランキング

1位 万座温泉(群馬県) 硫黄濃度:272mg/1リットル
2位 月岡温泉(新潟県) 硫黄濃度:170.6mg/1リットル
3位 高湯温泉(福島県) 硫黄濃度:113.6mg/1リットル
4位 日光湯元温泉(栃木県) 硫黄濃度:55.7mg/1リットル
5位 登別温泉(北海道) 硫黄濃度:28.8mg/1リットル
6位 南紀勝浦温泉(和歌山県) 硫黄濃度:26.9mg/1リットル
7位 白骨温泉(長野県) 硫黄濃度:25.4mg/1リットル
8位 乳頭温泉郷(秋田県) 硫黄濃度:17.7mg/1リットル
9位 草津温泉(群馬県) 硫黄濃度:15.8mg/1リットル
10位 酸ヶ湯温泉(青森県) 硫黄濃度:15.2mg/1リットル

<自宅でできる高血圧改善入浴法 - 炭酸入浴剤>

硫黄泉と同じ、血管を拡張させる作用があるのが『炭酸』です。この炭酸を使って、家庭で簡単に再現できる方法が、市販されている炭酸入浴剤をお風呂にいれることです。

1.お湯の温度を39℃にする
お湯の温度を39℃にするのは、炭酸はお湯の温度が高いと気化して炭酸が抜けやすくなるからです。また、炭酸は温かいと感じる神経を刺激するので体感温度が1~2℃上がる為、39℃でも適温のお湯に入っていると感じるためです。

2.入浴剤を入れたあとは、お湯をかき混ぜない
かき混ぜると炭酸が抜けてしまうためです。

3.長めの20~30分、お湯につかる
長めの20~30分、お湯につかるは、39℃のお湯につかった場合、人間の体温が上がるのに時間がかかるため20~30分程度入るのが効果的だからです。

<高血圧の方は、サウナはさけましょう>

血圧が高めということは、程度の違いこそあれ動脈硬化があるということですから、血圧が正常値の方に比べると血管が詰まるリスクが高い、ということになります。このような方がサウナに入ると、脱水状態になるほか、交感神経が刺激されて、急激な血圧上昇や心拍数増加も起こるので、避けていただいたほうがいいでしょう。また、熱いサウナから水風呂へ飛び込むのはもってのほか。いわゆるヒートショックを起こす原因になりますから、これは絶対に避けてください。

※注意
入浴による感じ方には個人差があります。また入浴時は体調等を考慮し、無理をしないようにしてください。高血圧の人は、温度の高い温泉には入らないようにしましょう。42°以上のお湯には浸からないのが賢明です。また、高血圧から心臓病を合併症としてお持ちの方は、全身浴は避けて腰くらいまでの部分浴や足湯などにしましょう。高血圧で治療を受けている方は、温泉に行く前に、かかりつけの医師に相談をするようにしましょう。

・・・ということです。
忙しくて休みが取れない方も、お家のお風呂でぬるめのお湯にゆっくりつかって、のんびりされるのもいいかもしれません。気持ちと身体をリラックスさせることが、高血圧改善の一番の方法ですから。皆様、楽しい休暇をお過ごしください。

http://blog.livedoor.jp/shiz0524/archives/1036630539.html

◆温泉を選ぶ

種類

温泉を選ぶ際には、いくつか選択のポイントがありますが、温泉の泉質は、効能を期待する人にとって重要なキーポイントになります。泉質には、単純泉、炭酸水素泉(重曹泉)、硫黄泉、塩化物泉、硫酸塩泉などがあります。多くの温泉がこれらの泉質に含まれる成分を複合して含有していることが多い場合が多いですが、やわらかく肌への刺激が少ない単純泉は、体と心をリラックスさせたい人へ、肌をつるつるにするといわれる泉質は炭酸水素塩泉、最も温泉らしい香りといえば硫黄泉、体の冷えを改善するとされる塩化物泉、傷を癒す消炎湯といえば硫酸塩泉など温泉に期待できる効能は、数多くあります。このように、温泉の定義とは、「温泉法」に定められる、地中から湧出する、鉱水及び水蒸気その他のガスで、ある一定の温度を保ち、物質を有するものとされています。温泉は、ただの湯ではなく、私たちの健康と生活を支える重要な役割そのものです。温泉を正しく理解し、よりよい活用をしていきましょう。

北海道地方

北海道は、日本で最も面積の広い国土を持ち、温泉の数も数えきれないほど存在し、ダイナミックな自然を満喫できる温泉がたくさんあります。観光客をはじめ、北海道民にとって、憩いの場ということができる味わいのある温泉施設も多く、日帰り入浴を楽しむ人も多く、雄大な自然とクリーンな空気、そして、ここでしか味わうことができないスケール大きさは圧巻の域ということができます。有名な温泉郷は、登別温泉をはじめとして、定山渓温泉、支笏湖、洞爺湖、北湯沢、朝里川、ニセコ、湯の川、大沼、層雲峡などですが、いたるところに温泉があるといっても過言ではないほど、生活に密着した温泉卿があり、地元住民の安らぎの場であり、観光客にとっても心から癒される時間となること間違いないすばらしい温泉卿があります。

東北地方

東北地方の温泉といえば、「生活」そのものということができるほど、庶民に親しまれ、健康管理のひとつとして利用され、欠かすことができない場となっています。東北地方の気候から考えても、長い冬の期間を超え、体も心も開放されるような温泉のひと時は、小さい子供から大人まで重要なライフスタイルのひとつということができます。温泉卿をはじめ、健康入浴施設も多く、温かい湯に浸りながら、厳しい冬を乗り越えてきた人々の生活の知恵がそこには根付いているということができるかもしれません。また、温泉の泉質は、高脂血症や高血圧、糖尿病までありとあらゆる病への効果が期待され、健康効果が期待される有効な温泉が多いことも、人々に愛される由縁ということができます。さらに、温泉は、ただ、その湯に浸るということだけではなく、飲用にも使用され、健康管理に利用する人も多く、温泉場近くの湧き水には、週末、行列ができるスポットもあり、飲用のための温泉水を販売しているところまであります。さらに、温泉の醍醐味といえば、美容への働きかけですが、東北人は、肌がうつくしいと評されるように、滑らかで癖のない泉質の温泉が多いということも特徴のひとつです。また、岩盤浴ブームを作った秋田の玉川温泉では、腰痛やリュウマチをはじめ、様々な働きかけが期待され、観光客をはじめ、健康を求める人々に人気をあつめています。東北の温泉は、人々の生活とともに、健康への願いのかけられた希望の場でもあるのです。

関東地方

ストレス社会と言われる現代で、関東近辺に位置する温泉は、主に、首都圏に住む女性たちの口コミのもと、新たなストレス解消の場として人気を集めています。東京近郊の温泉施設は、週末を利用した女性客で賑わい、美容と健康を求めて多くの人々が訪れる場となっています。この傾向を受け、首都圏内でも、銭湯ブームが起こり、大規模な女性向けの入浴施設ができたり、街中に温泉施設ができたりと、温泉ニーズを生み出しました。首都圏内に位置する、これらの入浴施設は、深夜遅くまで営業しているため、仕事帰りの人々にとっても利用しやすい温泉として注目されていますが、関東地方は、もともと火山国日本の温泉場が多く、少し足を伸ばしただけで、都会からタイムスリップしてしまったような、懐かしい雰囲気を兼ね備えつつ、近現代的なサービスを提供する高級温泉が数多くあるということが特徴です。

関西地方

関西周辺の温泉卿は、森林に囲まれた日本ならではの温泉場が多いことが特徴です。岐阜県の下呂温泉をはじめとした飛騨山脈温泉卿、三重県の鳥羽温泉、兵庫の城崎温泉、神戸の有馬温泉など、全国的にも知名度が高い有数の温泉があるということができます。また関西地方の温泉場では、肌へを美しく働きが期待できるほか、胃袋を癒す食の魅力も欠かすことができません。まさに、至れりつくせりの温泉場ということができます。

四国地方

四国地方の温泉卿では、比較的弱い硫黄泉と、肌をつるつるにするといわれている重曹泉が魅力です。鉱泉が多いため、温度はぬるめとなっており、ゆっくりと温泉時間を費やすなら、四国の温泉がおすすめです。有名な高知県の重曹泉は、皮膚病をはじめ、美容効果の高い温泉があるほか、四国ならではの食の充実度も楽しみのひとつです。四国の温泉といえば道後温泉、硫黄泉の祖谷温泉をはじめとして、郷麓温泉、蘇鶴温泉、奥白髪温泉など温泉を緩やかに楽しむことができる温泉卿が魅力です。

九州地方

温泉に期待することのひとつには、温泉の効能があげられますが、多くの効能高い九州温泉は、人々が健康のために愛し、利用してきた歴史ある温泉場が多くあります。また、九州地方には、日本にあるすべての泉質があつまり、それに応じて多くの効能が期待できます。最近では、温泉ソムリエという民間資格が生まれ、温泉アドバイザーとして活躍するようになりましたが、九州地方の温泉は、数が多く、それぞれのニーズに応じた泉質選びが可能になり、このようなアドバイザーの活用お勧めです。もちろん、古くからの名湯が残る温泉卿であるからこそ、様々な温泉に関する情報誌や雑誌が販売されており、観光ツアーも多く、交通手段や宿泊施設などあらゆるジャンルから温泉を選ぶことができる選択肢も魅力の一つといえます。イメージは、まさに火山温泉で、湯気の立ち上る温泉街では、温泉の熱を利用した温泉卵や温泉饅頭がお土産としても人気を集めています。九州地方の代表的な温泉といえば、大分県がダントツ知名度が高いですが、別府温泉、黒川温泉といった有名温泉は、地域一体をさし、周辺一体が温泉となっているため、泉質によって温泉を選択することもできます。九州の温泉は、観光客へのサービスが充実しており、温泉観光のメッカということもできます。そのため、お土産品も充実しており、温泉の余韻を楽しむアイテムが多く、一度だけではなく、2度3度と足を運ぶ人も多い温泉です。まさに、温泉好きのためのキングオブ温泉ということができるでしょう。

温泉のマナーとルール

日本人は、温泉好きな国民と言われていますが、日本には世界から珍しい日本の温泉場を求めて多くの観光客が訪れます。その中で、交流の場としてのルール、マナーを守り正しく温泉を利用することが一般常識ということができるかもしれません。温泉場は、誰しもが、心と体も開放し、日ごろの垢を落とし、新たな活力を蓄え、元気になる目的があります。また、その入浴方法にも、健康的に入るための基本的なルールがあります。温泉の入り方について基本的なルールを紹介していきたいと思います。まず、温泉湯は共同湯が多いため、実際に入る前には、必ずかけ湯をしましょう。かけ湯をかける際は、心臓から遠い手足からゆっくりとかけまわすと心臓に負担をかけません。また、温泉の泉度は、比較的一定ではないことが多く、源泉賭け流しの場合には、高温の場合もあります。そのため、その泉温に応じた時間、入るよう注意が必要です。温泉の保温効果は高いため、できるだけぬるめの湯にじっくりと時間をかけて入ることが全身の血行促進に効果的だといわれています。また、温泉成分は、皮膚から吸収され、血行を促進します。そのため、温泉の成分を全身にいきわたらせるためにも、全身を洗いましょう。温泉成分によっては、石鹸の泡が立ちにくい場合もありますが、温泉の成分で皮膚が柔らかくなっているため、洗浄する際にはやさしく洗うことをおすすめします。最後に、温泉場では、血行が改善され、通常の入浴より水分が失われている場合が多いため、入浴前後には水分補給が必要です。また、気持ちよさから「はしご湯」や「長湯」をしてしまうことがありますが、40分程度とし、温泉に入った後は、1時間ほど休憩することが必要です。このようなルールは、その人の体質や体力などに応じて若干変化しますが、温泉の健康効果を増加させる基本的なルールでもあります。より楽しい時間に過ごすためには、マナーを守ってスマートに入浴することで、温泉を利用する全ての人が気持ちよく、よい時間を過ごすことができるのではないでしょうか。

http://www.anarchist-action.org/shurui/


果たしてオバマは支那に強攻策がとれるのか

2015-09-19 04:10:46 | 資料

習近平訪米を冷ややかに待つワシントン

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)9月10日(木曜日)
         通算第4653号 
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 冷ややかに習近平の訪米をまつホワイトハウス
  米中間にこれほど冷たい風が吹いたことは国交回復以後なかった
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 習近平は9月22日から28日まで訪米する。
 23日にワシントン入りし、25日にホワイトハウスでオバマ大統領と懇談をはさんで各種歓迎行事に出席するが、習近平が希望した議会での演説は米側がやんわりと「拒否」した。
習は28日に国連で演説する。安倍首相の国連演説は27日の予定という。

安倍首相訪米は大歓迎され、議会での演説は議員が総立ちとなって拍手した。対照的に習近平を待ち受ける米国の空気は冷たい。
まるで氷のように議会、ホワイトハウス、マスコミが凍てついている。
 「国賓待遇をやめろ」、「訪米そのものをキャンセルせよ」、「ハッカーを止めない中国に制裁を!」という声は巷のナショナリストが叫んでいるのではない。れっきとして大統領候補が堂々と中国批判を繰り返しているのだ。

 第一に9月3日の軍事パレードで、新型兵器、とりわけミサイルを陳列示威したが、米国東海岸に届くDF21のほか、通称「空母キラー」、「グアムキラー」と呼ばれるミサイルが多数ならび、米国を苛立たせた。
「この軍事パレードは『反日』『抗日』ではない。明らかに米国を攻撃するミサイルの展示であり、米国を敵視している」というのが米国の実直な感想なのである。

 第二にアラスカの米国領海に中国軍艦五隻が航行した。しかも北京の軍事パレードとタイミングを合わせていたことは、米国の反中国感情に正面から火を付けた。中国が言っている「平和」「覇権を求めない」なんて嘘じゃないか。ならば、米国は控えてきたが、南シナ海への軍艦派遣もありうると反応した。

 第三に上海株暴落に連鎖したかたちで、ウォール街の株価暴落に、老人年金、自治体年金が悲惨なほどの被害を被り、アメリカ人個人投資家がむくれていることが、世論のバックにある。しかも上海暴落を中国メディアは「米国が悪い」とすり替えたことにも米人投資家らは怒りを覚えた。

 第四に主要マスコミも、ハッカー攻撃に苛立ち、これまでの中国重視をすっかり変節して、中国非難の合唱に加わっていることだ。
9月7日付けニューヨークタイムズの五面に「習首席訪米大歓迎、熱烈歓迎」という異色の広告がでたが、これは中国の出版社がだした『習近平時代』という600ページもの新刊書の広告だった。
どうみても中国がお家芸の対米世論工作であり、政治宣伝工作の一環である。中文と英語版が同時発売というのも、なにやら政治工作の匂いが強い。

 ▲米国はマスコミも民間人も議会も総立ちで中国きらい

 米国マスコミは、ことしにはいってからでも自由民権派弁護士の大量逮捕など、米国の政治原則を揺るがす人権弾圧を強く糾弾し、同時に中国のしかけているハッカー攻撃に強い怒りを表してきた。なにしろニューヨークタイムズも、ウォールストリートジャーナルも編集部が中国のハッカー攻撃をうけた。

 共和党の大統領候補として名乗りを上げているドナルド・トランプは『人民元切り下げはドル体制を脅かすものであり、習近平訪米の国賓待遇をとりやめろ』と演説した(8月24日)。

 同スコット・ウォーカーはもっと過激で「訪米そのものを中止させよ」と叫び、『市場の混乱はすべて中国に責任がある』と獅子吼した。
 
米国内で中国を褒めているのは前世界銀行総裁のロバート・ゼーリックくらいである。かれは『米中関係はステーク・ホルダーだ』と提議し、ブレジンスキーとともにG2関係と持ち上げた親中派である。

 英国マスコミは『習訪米はトウ小平以来の重要な外交行事となる』などと、変な持ち上げ方をしているが、これは米国マスコミ論調と百八十度ことなる。英国はAIIBに真っ先に参加表明するなど、このところドイツとともに、その対米協調路線が大幅に修正されている。

 ならば貿易・通商関係で米中関係の重要性を説く人はいないか、と言えば米国実業界でも少数派である。
 理由は貿易において、米国の対中国依存度は7%台であり、重視する必要性がなくなっているからである。
巨額を投資してきた米国の投資銀行も中国の提携銀行や証券会社への出資をとうに引き上げた。
ちなみに対中国輸出の国別ランキングを一覧してみょう。

対中国輸出依存度ランク
~~~~~~~~~~~
(1)モンゴル       90%
(2)北朝鮮        76
(3)コンゴ        53・8
(4)アンゴラ       44・7
(5)コンゴ共和国     43
(6)オマーン       38・2
(7)豪州         36・1
(8)南アフリカ      32
(9)スーダン       31・5
(10)イエーメン     29・4

(11)台湾       27・1%
(12)イラン      26・8
(13)韓国       26・1
(14)ラオス      25・1
(15)チリ       24・9
(16)ミャンマー    24・5
(17)カザフスタン   22・7
(18)ニュージーランド 20・8
(19)イラク      19・7
(20)ブラジル     19


(21)日本       18・1%
(22)キューバ     15・2
(23)マレーシア    14・2

欄外
  米国         7・7%
  ロシア        6・8
  ドイツ        5・4
  カナダ        4・4 

 なるほど北京の軍事パレードに親日国である筈のモンゴルが参加した理由も、よく分かる。中国がお得意様という資源国が上位十傑に並んでいる。
つづいて工業中進国と資源国がつづき、あれほど中国依存が高いと言われた日本は21位でしかないことも歴然とするのである。
 
 習近平は権力基盤を急ぎ、軍事力誇示という拙速行動にでたことにより、外交的に大きな失敗を演じる結果を招いたのである。
           
http://melma.com/backnumber_45206_6258243/

◆中国、南シナ海に3本目の滑走路を建設か

2015.09.16  CNN

香港(CNN) 米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)はこのほど、中国が南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島にある岩礁に3本目の滑走路を建設している可能性を指摘した。

 

中国が南シナ海に造成する人工島


今月8日に撮影された衛星画像を分析した結果だという。

CSISの専門家、グレッグ・ポーリング氏によると、中国は南シナ海のミスチーフ礁に長さ約3000メートルに及ぶ長方形の埋め立て地を作ったとみられる。すでにファイアリークロス礁、スービ礁の人工島で工事を始めている滑走路と同じ形に見える。

ポーリング氏は「新たな滑走路だとしたらこれで3本目になる」と述べた。いずれも、中国の人民解放軍が保有するすべての戦闘機に対応できる規模とされる。

「これらの場所はわずか1年ほどの間に、支柱の上の前哨基地から滑走路が作れる規模の島に変化した」と、ポーリング氏は指摘する。3本の滑走路はどれもまだ稼働していないが、ファイアリークロス礁では仕上げのペンキ塗り作業に入っている模様だ。

南シナ海では中国と東南アジア諸国が領有権を争っている。中国が昨年、岩礁の埋め立てを加速したことに対し、近隣諸国は強い警戒感を表明。米国も工事の即刻中止を求めてきた。

中国は今年6月、埋め立て作業はほぼ完了したと発表したが、埋め立てた島に各種施設を設ける工事は続けるとの方針を示していた。

ポーリング氏によれば、ベトナムやフィリピン、台湾、マレーシアもこの海域に滑走路を建設しているが、現在主流となっている第4世代ジェット戦闘機には対応していない。

中国の習近平(シーチンピン)国家主席は来週、米国を訪問する。オバマ米大統領との会談では、南シナ海での埋め立て工事が主要議題のひとつとなる見通しだ。ポーリング氏によると、3本目の滑走路建設が両首脳の間の溝をさらに深める事態も懸念される。

http://www.cnn.co.jp/world/35070600.html?ref=rss

◆日本だけではない脱中国、しかし米大企業は進出加速
デルは15兆円投資、IBM、インテル、シスコ、アップルも

2015.9.15 堀田 佳男 JB PRESS

中国への超大型投資を決めたマイケル・デルCEO〔AFPBB News〕

中国市場でこのところ、不可思議とも思える動きが見られる。

 数年前から日本企業だけでなく、米企業も中国市場に見切りをつけて撤退するところがある一方、新たに1兆円を超す資金を中国に投資する企業が相次いでいるのだ。

 中国はいまでも世界最大の市場だが、利益が見込めないと見限った企業と、市場の可能性を今後も信じる企業の違いがある。差違は何なのか。

シアトルの米中会談に企業トップも

 9月下旬、中国の習近平国家主席が米国を公式訪問する。23日には西海岸シアトルで、米中両国の大手企業トップが顔を合わせる円卓会議が開かれる。

 そこに招かれるのは、複数のメディアを総合すると米アップルのティム・クック経営最高責任者(CEO)、IBMのバージニア・ロメッティCEOなど大手15企業のトップ。中国側も大手15 企業のCEOが顔を揃える。

 両国企業は互いの市場へのアクセス問題やサイバーセキュリティー問題などについて話し合う予定だ。

 ただ中国市場から撤退を決めた企業を眺めると、中小だけでなく大手企業も含まれる。例えば、今年だけでもシチズン・ホールディングズの合併会社「西鉄城精密(シチズンセイミツ)」が広東省の工場を閉鎖したし、パナソニック、ダイキン、TDKなども工場閉鎖や生産の一部を移転すると発表した。それだけ撤退の波は大きいのだ。

 企業幹部たちは努力不足というより、中国市場のビジネス環境の変化が大きいと口を揃える。しかも、理由は1つや2つではない。大きく5点にまとめてみた。

 1つは中国市場での人件費の高騰だ。工場で働く作業員の平均月給は、日本では福利厚生を含めて約25万円だが、中国では約8万円である。

 単純比較すると、中国の方がまだ3分の1に収まっているが、10年前までは10分の1だったので約3倍も人件費が上がったことになる。特にリーマンショック後の高騰が目立つ。

 2つ目は人民元高による生産コストの上昇だ。中国は8月に人民元の切り下げを実施したが、それでも人民元高は続いている。2011年秋には1人民元が約12円だったが、今春には約20円まで元高が進んでいた。

 切り下げ後は18円前後だが、依然として元高は変わらず、日系企業の利益を圧迫することになる。

外国企業狙い撃ちの法人税アップ

 3つ目は中国の法人税率の上昇である。実は中国の法人税は2007年末まで、外資系企業に対しては15%だった。一方、同時期の中国系企業の税率は33%で、外資系企業に優遇税制がとられていた。

 ところが2008年から中国系も外資系も一律に25%となったのだ。低率の法人税を期待して中国市場に進出した企業は、計算が違ったと落胆したに違いない。

 しかも突如として15%から25%に上げるとの通達を出したのだ。大規模な事業を見込んでいた企業にとっては大きな痛手になった。

 4つ目は中国国内の製造業の生産過剰が深刻化していることだ。つまり供給過多に陥って製品が売れにくくなっているのだ。例えば2014年の中国国内の粗鋼生産量は8.2億トンで、世界市場(16.3億トン)のほぼ半分を占めていた。

 8.2億トンの約3割は生産過剰と言われている。さらに平板ガラスやセメントなども生産過剰の状態にあり、採算が取れなくなっている企業もある。

 5つ目は中国政府による環境規制の強化である。企業によっては環境規制を守るため、コストを割いてかなりの企業努力を強いられている。負担だけ増して採算が合わなくなる企業が出てきた。外国企業が狙い打ちにされているとの声もある。

 中国市場から撤退しているのは日米企業だけでない。韓国企業も精算・売却をする動きを加速させている。韓国輸出入銀行によると昨年、撤退する韓国企業は新しく中国市場に参入する企業の3倍に達したという。

 しかし冒頭で記したように、撤退の波と相反するように、いくつかの米大手企業、特にハイテク企業は中国市場への大規模な投資を加速させている。

 例えばパソコンメーカーのデルは9月10日、今後5年間で中国市場に1250億ドル(約15兆円)もの巨費を投資すると発表した。単年度ベースでは約3兆円である。

米国でリストラ、中国へは投資

 パソコンメーカーとして世界シェア第3位の企業であっても、年間3兆円を中国に投資するという決断は勇断と言って差し支えないし、他の企業とあまりにも戦略が違うように見える。

 マイケル・デルCEOは10日、会見で「中国国内で、中国のために」という同社の格言を持ち出しながら、中国への思い入れが強いことを強調した。さらに「ハイテク企業として、中国の技術革新と経済発展、さらには産業界の技術変革を後押していくことを約束する」とはっきりと述べたのだ。

 デルは単に中国で事業を拡大するだけでなく、人口知能(AI)の研究施設を作るため、中国科学院と連携していくことも公表。さらには中国国内で100万の雇用を創設するとも述べた。

 しかも米テキサス州の工場に勤務する作業員1万4000人のうちの1700人を解雇し、中国で研究開発に携わる上級エンジニアを2000人雇用するという。

 多くの外国企業が中国から撤退するなかで、中国への忠誠とも思える巨額投資を発表したのはデルだけではない。

 コンピューター・ネットワーク機器の世界最大の開発企業シスコシステムズ(シスコ)も7月、中国のハイテク産業に100億ドル(約1兆2000億円)の投資を公表した。また世界最大の半導体メーカー、インテルも巨大投資を発表している。

 これは何を意味するのか。ハイテク産業の中でも巨額の利益を上げている大企業だからこそ、中国で冒険ができるということなのか――。

 前向きな見方をすれば、一党独裁体制をとる共産党と積極的に折り合うことで、ビジネスの成功をつかもうとしているかに見える。大企業だからと言って兆円単位の冒険がやすやすとできるわけではない。

共産党と手を結んだ?

 むしろ流れは逆で、多額の調査・研究費をかけて徹底した市場分析を行うと同時に、政治的な「手綱」を巧みに使って、これから進む企業の針路を定めたということだろう。

 そのあたりの詳細はメディアに出てきていないが、語弊を怖れずに記すならば、共産党とタッグを組んだと捉えられる。

 しかし中国が国外からの投資を快く受け入れるのは、すべて自国企業と政府のためになることが前提であるはずだ。

 米ハイテク企業は本当にそれを見越して巨額の投資を決めたのだろうか。中国経済が陰りを見せるなか、いくつもの巨大企業が爆音を立てて倒れないことだけを祈りたい。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44780

◆星条旗新聞5月13日号

「アメリカの4万人兵員削減と安保法制がセット、海外と空軍に集中するため陸軍は自衛隊に肩代わりさせる方針」

↑シナへの地上戦はないな。すぐ降伏する。駐留は日本がやるのか。毛唐は統治する気はないんだな。海の利権だけか。。。

http://www.nikaidou.com/archives/71314 

◆安倍談話に沈黙する北京と対中懸念強めるワシントン
戦後70年安倍談話~中国株式会社の研究(268)

2015.8.17  宮家 邦彦  JB PRESS

首相官邸で会見し、戦後70年談話を発表する安倍晋三首相〔AFPBB News

 今回の原稿は週末ワシントンからの帰国便の中で一気に書き上げた。安倍晋三首相による戦後70年談話の発表は米国東部時間で8月14日早朝。米政府関係者とワシントンの日本大使館館員には朝早くから「ご苦労様」としか言いようがない。

 というわけで、今回のテーマは戦後70年談話をめぐる米中の温度差から垣間見える米中関係の行方である。

ホワイトハウス報道官声明

 安倍首相による戦後70年談話の発表は東京時間で8月14日午後6時、ワシントン時間では同日早朝5時だった。さらに、日本政府による諸外国に対する事前通報は、閣議決定である以上、東京時間で同日午後5時(ワシントン時間午前4時)から開かれる臨時閣議の後とならざるを得ない。

 そのような時系列の中でホワイトハウス報道官が「歓迎声明」を関係者にメール送信したのはワシントン時間の午前9時56分だった。たまたま同日10時過ぎに旧知の米政府関係者と雑談する機会があったが、その人物も既に同声明を持っており、早速筆者にもコピーをくれた。やはり持つべきは友人だ。

 さて、ホテルに帰ってこの一見素っ気ない米政府の短い正式声明を読み直してみた。元公務員の性なのか、行間から多くのことが読み取れた。10年前までこんなことばかりやっていたからか、どうもこの種の文書は行間が気になるのだ。筆者が注目した声明の内容と筆者のコメントをご紹介しよう。

●我々は、第2次大戦中に日本がもたらした被害に対し安倍首相が痛切な反省を表明したこと、および歴史に関する過去の日本政府の声明を引き継ぐというコミットメントを歓迎する。

We welcome Prime Minister Abe’s expression of deep remorse for the suffering caused by Japan during the World War II era, as well as his commitment to uphold past Japanese government statements on history.

【筆者コメント1】

 安倍首相の「痛切な反省の表明」を歓迎するということは日本に対し「お詫び」までは求めないということ。「過去の政府の声明」を引き継ぐことを歓迎するということは、米国政府の理解として、これらの声明の中に村山・小泉談話だけでなく、いわゆる河野談話をも含むことを暗示している。

●この(70年間の日本の平和・民主主義・法の支配へのコミットメントという)記録は世界のあらゆる国家にとってモデルとなるものだ。

This record stands as a model for nations everywhere.

【筆者コメント2】

 ここで重要なことは、名指しこそしないものの、戦後の日本を模範とすべき国家として中国や韓国を念頭に置いていると思われることだ。

中国の沈黙

 以上の通り、今回の米政府の反応は前向きかつフェアだったと思う。その点は同様の声明を発表した豪州なども同様だ。これに対し、今のところ中国側は静かで、安倍談話の内容そのものについて直接の批判は控えている。報じられている範囲内で中国側の反応をご紹介すれば以下の通りだ。

●中国側は日本の指導者の関連談話に注目している。外交部の張業遂副部長は日本の木寺昌人大使に対し中国側の厳正な立場を表明した。(14日、外交部報道官の応答内容)

●張副部長は、「日本軍国主義が戦争を発動したことにより、中国とアジアの被害国人民が深刻な災難をこうむったこと」や「歴史を銘記し、正義の要求を守ることが、日本とアジア隣国の関係を改善する重要な基礎であり、未来を開く前提になる」と主張した。(同上)

●日本は軍国主義の侵略戦争の性質と戦争の責任に対して明確に表明し、被害国人民に対し誠意ある謝罪をし、軍国主義の歴史と徹底的に決別すべきだ。この重大な原則問題については、いかなる覆い隠しもすべきでない。(同上)

●談話にある「お詫び」や「反省」は、歴代内閣の歴史認識を間接的に引用したにすぎず、日本側は(お詫びについて)直接の表明は避けた。(14日、新華社)

●「侵略」「植民地支配」「反省」と「お詫び」などキーワードはあるが、文脈、とりわけ誠意の面で「村山談話」とは大きな違いがある。日本が侵略と植民地支配の歴史に誠意を持って向き合わず、心から反省とお詫びをしなければ、国際社会から信頼を得られず、平和への貢献もない。(15日、人民日報)

【筆者コメント3】

 これは事実上の沈黙にも等しいのではなかろうか。報道官は「日本の指導者」にのみ言及し、安倍首相を名指していない。中国側の「厳正な立場」にも目新しい点はない。談話の個々具体的内容には批判を控えている。これには最近の中国側の対日政策の変化が関係しているのかもしれない。

 そもそも中国が対日政策を戦術的に変更したのは昨年の夏のことであり、中国側は安倍談話が村山談話と同じ内容にならないことをある程度覚悟していたはずだ。もし中国側にとって村山談話の完全踏襲が政治的に不可欠であれば、昨年11月と今年の4月の日中首脳会談はそもそも実現しなかっただろう。

 冒頭の米政府の「歓迎声明」が極めて明確かつ力強いものであったことも、中国側が的外れな対日批判を控えている理由かもしれない。やはり中国の最大関心事は日本などではなく、ワシントンが中国を見る目なのだ。当然だろう、9月には習近平国家主席の訪米が控えているのだから。

ワシントンポスト社説

 そのワシントンの中国に対する雰囲気を象徴すると思われるのが8月15日付ワシントンポスト社説だ。

 「安倍首相の平和の申し出(Mr. Abe’s peace offering)」と題するこの社説、副見出しこそ「明白な謝罪はないものの、日本の首相は日本がもたらした損害を認めた(Without outright apologizing, the Japanese premier acknowledges the damage his nation inflicted.)」だったが、その真の対象は中国のようだ。

●アジアでの歴史の直視には二重基準がある。中国政府関係者はその国民が、日本軍と実際には誰が戦ったか、大躍進時代に何百万の中国人が犠牲になったか、1989年天安門でいかなる弾圧があったかなどの20世紀の真実を学ぶことを許さない一方、日本政府の第2次大戦に関する公式声明の一言一句に注文を付ける権利があると考えている。このことは安倍談話を考えるうえで念頭に置くべきだ。

●日中両国には安倍首相がより明確に謝罪すべしという声もあるが、そう主張する日本人は、中国とは異なり、自らの指導者を批判する際、少なくとも政府による法的措置を恐れる必要はない。

●安倍首相が謝罪を繰り返さなかったことは悲しいことだが、同時に、今回の安倍談話は彼の批判者たちが懸念したよりも、はるかに和解志向であり、かつ非民族主義的である。

●どの国にとっても過去の醜い歴史を直視することは容易ではない。米国ですら南北戦争終了後150年経っても南軍関係者の銅像に是非について議論があるではないか。

●安倍首相と同様に、もし中国が過去の歴史の議論についてより開放的になれば、中国の隣国も南シナ海での中国の拡張主義的活動への疑念を減らすことができるだろう。

【筆者コメント4】

 米国ではワシントンポストよりもニューヨークタイムズの方が日本に批判的だが、それにしてもこの社説には驚いた。題材は安倍談話だが、主眼はむしろ中国批判だとすら思える。ちなみに8月16日現在、ニューヨークタイムズの安倍談話関連社説はない。批判が難しいからか、理由は不明だ。

米国アジア村の反応

 最後に、米国のアジア専門家について一言。今回のワシントン出張は別件だったため、あまり多くのアジア村住人と意見交換をする機会はなかった。総じてい言えば、今回の安倍談話は事前の予想以上に内容面でバランスが良く取れており、談話を厳しく批判する向きはごく少数だと感じている。

 最近筆者は米国のアジア関係識者に対し、次のように言い続けてきた。

(1)従来から歴史問題で日本は国論が割れていたため中国や韓国の介入を許してきた。

(2)1995年に作られた村山談話は国論を収斂させるどころか、逆に左右の亀裂を深めてしまった。

(3)そのような亀裂を修復し、国論を収斂させることができるのはリベラルではなく保守の政治家だ。

(4)サダトと握手したイスラエルのベギン首相も、毛沢東と握手したニクソン大統領も、いずれも保守強硬派だったからこそ、国論の分裂が収斂し、新たなコンセンサスが生まれたのだ。

(5)されば、日本で歴史問題に関するコンセンサス作りが可能なのは保守強硬派の安倍首相である。

(6)今回の安倍談話をリベラル派が批判し、保守派が歓迎するようならば、歴史問題に関する国民的コンセンサス作りの第一歩となるかもしれない。

 そのことを理解し、将来の中国との競争に備えるべしと考える米国人識者は沈黙を守っている。これに対し、それを理解できないアジア専門家の一部は安倍政権を批判し続けるだろう。米主要紙の若いアジア特派員の大半は後者だが、幸い今回のワシントンポスト社説は前者を代弁する声なのかもしれない。 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44547

◆中国との対立を避け 台湾に屈辱と困難を強いる米国

2015年08月26日 WEDGE Infinity

 米下院軍事委員会シーパワー・戦力投射小委員会のフォーブス委員長が、7月16日付けウォールストリート・ジャーナル紙への寄稿にて、米国は種々の対台湾軍事交流等に係る制約を撤廃し、台湾を合同演習に参加させる等米の安全保障体制の中に含めていくべきである、と主張しています。

 すなわち、中国の「平和台頭」論は不誠実なスローガンとなってしまった。中国は隣国の領有権主張を無視して南シナ海では人工島を造り、大砲や滑走路を設置している。南シナ海でも国防識別圏を設定すると見られている。隣国漁船の威嚇や領海、領空の侵犯は恒常的になっている。

 豪州、日本、越などは、米国の強い対応を求めるとともに、米国との関係強化を図ろうとしている。しかし、米国は、中国との対立を避けるため、台湾に種々の屈辱と困難を強いて来ている。台湾が必要とする武器の供与を定める台湾関係法が成立して36年が経つというのに、米国の指導者達は、つまらない、逆効果を招く台湾政策を取っている。

 大佐以上の米国軍人は台湾を訪問できない。台湾の総統や高官はワシントンを訪問できない。訓練のため米に向かう台湾の軍人は、制服を着て入国することができない。台湾の海軍兵学校生はハワイやグアムを訓練訪問できない。友好国台湾に対するこのような卑劣な規制は、米国の対中関係の実体を露呈している。台湾、チベットや人権など中国が敏感な問題に対して、米国の政策立案者達は一貫して屈従的な宥和姿勢を取ってきた。かかる米国の姿勢は、中国を一層大胆にさせ、同盟国の安全と国際ルールを守るという米国の信頼性も損なって来た。

 米国の台湾政策は、安全保障上の協力関係と民主主義の進展という米国の戦略的利益を反映すべきもので、中国の指導者の怒りを買うのではないかとの恐怖を反映するものであってはならない。米国は、二国間関係の規制を撤廃し、台湾の軍事力を米の安全保障体制の中に含めていくべきだ。

 まず、空軍レッド・フラッグ合同演習などの主要訓練への参加を招請すべきだ。米台は、先進レーダーデータの共有、損傷滑走路の修繕、人道支援などの分野で軍事協力を進めているが、高度な協力には依然慎重である。

 米国の対中関係は複雑かつ多面的である。しかし、過去の経験を見れば、こちら側が弱い立場を見せた時、中国が決して前向きに反応しないことは明白である。台湾につまらない屈辱を強いたり、必要な訓練への参加を認めないことにより、事実上中国に拒否権を与えている。米国は友邦を守りアジア太平洋の国際秩序を堅持することを中国に見せるべきだ、と論じています。

出典:J. Randy Forbes,‘Taiwan Needs a Strong Ally’(Wall Street Journal, July 16, 2015)
http://www.wsj.com/articles/taiwan-needs-a-strong-ally-1437066509

* * *

 この論説から、軍人の交流や総統の訪米などについて、米台関係が種々の規制を受けていることがよく分かります。フォーブスが中国配慮に基づくつまらない屈辱的な規制は撤廃すべきだと主張するのは、下院軍事委海軍力等小委員長としては当然でしょう。フォーブスはこれらの規制は「米国の指導者達」の一貫した政策の結果だとして批判していますが、具体的にどの政権ということは明言していません。米国の台湾政策は、共和、民主党政権を問わず、基本的には72年の米中共同声明とその後の両国のやり取りを通じて、積み重ねられたものだからでしょう。しかし、その中でも1998年のクリントン大統領の3つのノー政策(台湾の独立不支持、二つの中国及び一中一台の不支持、台湾の国連等国際機関への加盟不支持)の発表は、米国内で批判されました。

 フォーブスは、中国に弱さを見せると中国は益々大胆な行動を取ってくると対中警戒論を述べています。少なくとも今までの中国の行動を見れば、正しい指摘です。我が国も、この点を十分認識しておくことが重要です。世界で経済力をつけ、責任も持つようになった中国と協調することは結構ですが、中国に「弱さ」と誤解されないようにしなければなりません。

 他方、中国は、一つの中国の原則に基づき、国内法や政府の発言を通じて、台湾が独立宣言をすれば、武力行使を辞さないと宣言しています(2005年の反国家分裂法により明文化)。中国が、過去3回、台湾海峡で武力行使を含む危機を起こしたことを考えると、あながちブラフと片付ける訳にはいきません。米国は、台湾海峡で紛争が起きることは避けるべきだと考えています。中国に対する過度に強硬な姿勢によって武力紛争が起きるようなことは避けつつ、中国に「弱さ」とみられないよう、ぎりぎりのラインを追及していく他ないでしょう。台湾問題は、「現状維持」以外に現実的な解はありません。米国は、中国については関係発展と行動の牽制、台湾については防衛支持と行動の抑制という2つのゲームを同時にやっているのです。

 なお、台湾問題は基本的に国家間の関係の問題として議論されますが、この問題の議論に当たっては、もっと台湾住民の考えを重視することが必要だと思います。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5273

                 目覚めよ日本!


支那共産党に操られる日本の反政府勢力

2015-09-17 10:14:25 | 資料

中国が本気で狙う沖縄・九州侵略と漢族の移民政策
法案阻止の名目で「自衛官のリスク」を言い募る政党の姑息

2015.9.16(水) 森 清勇 JB PRESS

 「木を見て森を見ず」という諺がある。安保法案は「日本のリスク」を抑止する法案であるが、反対派は「自衛官のリスク」を高める戦争法案だと矮小化して宣伝する。また、徴兵制の復活を主張するに至っては、現状を知らなさすぎ、笑止千万である。

 政府・与党は国民に法案を理解してもらう必要から、衆参両院の平和安全法制特別委員会で野党に与党の6~9倍も多い質問時間を与え、実のある論戦を期待した。

 しかし、廃案を目指す野党は法案の必要性という本質に迫る質問をせず、違憲の主張と法律専門家しか理解できない法的整合性ばかりを問い、また重箱の隅をつつくような議論で政府を混乱させ、「国民の理解が得られない」と難詰するばかりであった。

自衛隊を殺すのは野党だ!

 この小見出しは、月刊誌『WiLL』(2015年8月号)掲載の堤堯・久保紘之両氏の「蒟蒻問答」につけられた表題である。安保法案の論戦を聞いていて、まさしくこの通りだと思い、上手い表現に感心して借用した。

 最大野党の民主党は安保法案に対する対案さえ出せない体たらくに加え、自衛官に寄り添うかのような欺瞞で真剣な論戦を回避する振る舞いに終始した。

 廃案にしたい野党だから一時しのぎの自衛隊寄りも仕方ないが、本質を外らし、単なる自説の開陳か、あるいは自党の宣伝をして国民を混乱させるばかりでは責任を果たしているとは言えない。

 イラク派遣に関する陸上自衛隊と航空自衛隊の報告書は、PKO(平和維持活動)や人道復興支援などの「美しい」言葉とは裏腹に、場合によっては「死」を伴う危険なもので、派遣前に国会で議論された特措法が、「机上の空論」で練り上げられたものでしかなかったという問題の提示であった。

 現実に派遣される自衛隊の活動がいかに困難であったかという教訓を生かして安保法案に取り入れるべきであったが、野党はもっぱら「『非戦闘地域』とは言い難かったじゃないか」という批判の材料として政府を責めばかりで、少しも議論に前進が見られなかった。

 首相ばかりでなく、テレビで審議状況を観覧している国民にとっても、「早く質問しろよ」と言いたくなる場面が多く、法案の必要性を国民に理解してもらいたい政府としては、一分一秒がもったいなかったに違いない。

 参院特別委では「どうでもいいだろう」発言も首相から飛び出した。

 防衛大臣の言い間違いを首相が正した。しかし、野党は「主務大臣さえ理解困難な法案」と国民に印象づけるべく、「ここを先途」と追求するので、首相が「先へ進もうよ」という意味で発したのだ。

 ともあれ、野党には端から国際情勢との関係で安保法案を進めようとする意思は見られない。そうしたなかで、野党が「自衛隊のリスク」を強調したことは注目に値する。

 従来、自衛隊のことをあまり考えなかった野党である。イラクやその他、今も続くPKO活動などにおいて、派遣部隊が柔軟対処できず、リスクを高める現法制は、野党への妥協がもたらしたものである。

 また、日常的に繰り返される領空侵犯や自衛艦への射撃用レーダー照射などに対し、自衛隊が国際法や慣習法に則った対処ができない状況も同様である。

 そうした諸々の制約から、部隊や自身の防護さえ思うに任せない雁字搦めの自衛隊にされてきたのが、小見出しの「自衛隊を殺すのは野党だ!」に込められた意味である。

自衛官には名誉と処遇改善を

 大多数の憲法学者たちが言うように、安保法制が憲法違反であると言う指摘に従って、立憲主義の日本が安保法案を取り下げ、また、一部の憲法学者は自衛隊さえ違憲と見ているので、自衛隊をも解散すれば、日米同盟は必然的に解消されるであろう。

 その結果、何が起こるか。間違いなく中国は尖閣諸島どころか、沖縄そして九州全域までにも侵攻し、「日本自治区」を宣言するだろう。現にネット上での中国外務省の地図ではそうなっている。

 そして、共産党の支配構造からは、自治区に解放軍と多数の漢人を送り込み、言論の自由ばかりか、集会やデモの自由も、その他現在の日本人が享受しているありとあらゆる権利を剥奪するに違いない。

 同時に、合憲論を展開してきた憲法学者、並びに右翼や国家主義者と称されている人物は言うまでもないが、違憲論の憲法学者を含めた知識人も拘束するに違いない。

 中国製戦車に立ち向かう素手の日本人という、日本版「天安門事件」が沖縄で、そして九州で、さらには日本国土で展開されることになろう。

 これほどの悪夢はなく、日本国民にとっては地獄絵図だ。こんなつもりではなかったと言っても後の祭りである。

 安保法案は、この惨劇を抑止する最小限の準備である。

 中国は既に、東シナ海上空には防空識別圏を設定し、領空化を図ろうとさえした。南シナ海では軍事基地化を進める行動をとっているように、東シナ海でも日本が注意を逸らしている間に、いつ軍事基地化が行われないとも限らない。

 尖閣諸島は古来中国の領土であったと主張しているし、ガス田の採掘にかこつけて施設の拡充を図っている。現在は点としての施設であるが、いずれは線となり面となるであろう。

 自衛隊はこうした事態に対処する組織である。「死」を意識するかしないかはともかく、自衛官だけが「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」と宣誓して任務に服している。

 自衛官のリスクを軽減することは大切である。そのリスクを承知で、「国家のリスク」を抑止するために避けられない宿命を背負う隊員には、名誉としかるべき処遇を与えることこそが、最大の報いとなる。

 憲法違反などと称されることは最大の不名誉であり、警察官や消防などと比べて叙勲(自衛官は警察の半分程度)や賞恤金(しょうじゅつきん:自衛官6000万円に対し他は9000万円)を見ただけでも処遇の低さは一目瞭然である。

徴兵制では機能しない自衛隊

 平成27年版「防衛白書」に、「技能集団としての防衛省・自衛隊」という紹介コラムがある。

 ここでは、自衛隊が防衛・警備・各種災害などのあらゆる状況下において確実に任務を遂行できるために、自衛官の本務である戦闘・戦技能力に加え、民間のインフラや技術に依存しないで活動できる能力(自己完結性という)を保持していることが必要であるとしている。

 このために、自衛隊には民間に存在するほとんどの技能、例えば小型船舶操縦士、自動車整備士、気象予報士、無線通信士などの資格を有する隊員のほかにも、スキー、潜水士、救難員などの特技を有する隊員がいる。

 また、隊員が日々勤務する駐屯地や基地などには建築士、電気工事士、ボイラー技士、危険物取扱者、栄養士などの資格や特技を有する隊員もいる。

 その他、医師、看護師、薬剤師、救急救命士などの資格を有する隊員が、自衛隊病院や駐屯地医務室などで医療行為を行っており、まさしく技能集団である。

 こうした資格や特技は一般隊員が取得するもので、平成25(2013)年度の自衛官の応募・採用状況を同白書で見ると、採用9188人に対し応募者は3万3534人で、3.6(女子6.0)倍となっている。受験すればだれでも合格できる自衛隊ではないし、女子にあってはさらに高い倍率である。

 さらに幹部自衛官や高度技術を要する職域についてみると、一般大学などからの幹部候補生は34.8(女子45.9)倍、防衛大学校は42.5(同121.2)倍、防衛医科大学校は105.4(同110.2)倍、航空学生は33.9(同61.2)倍などとなっており、すべてが30倍以上である。女子は一般隊員同様に、さらに高倍率である。

 以上から分かるように、現在の自衛隊は知能・技能集団である。単純比較で、戦前の徴兵制師団は1.5~2万人であったが、現在の志願制師団では7000人ほどである。2分の1から3分の1の兵員で師団が編制されていることになる。デジタル師団と呼称されるほど、知能化した組織である。

 徴兵制となれば、試験等で採用されなかった人たちも招集されるわけで、選抜されたものに対して行われてきた教育や訓練のように、スムーズにはいかない。

 また、現在のような知識集団でも技能集団でもない自衛隊が出現することになり、日常の隊務運営ばかりか、戦闘集団としての訓練などにおいても格段に劣化し、十分に機能しないことになろう。

 徴兵制で現在の志願制と同等の能力を発揮することはしょせん不可能である。そのうえ、多数の隊員と長い訓練期間が必要となり、まず人件費がかさむ。

 さらに教育訓練や装備品も多数が必要となり、従来のGDP(国内総生産)比1%どころではなくなる。最悪の場合、任務達成にも支障が出るかもしれない。

 徴兵制にはこうした多くの問題があるが、こうしたことを認識したうえで、野党は発言してきたのであろうか。

米国で高まる日本への不満

 米国では来年の大統領選へ向け、各候補者が名乗りを上げ、支持を勝ち取るために売り込みを図っている。

 そうしたなかで、有事において米国が日本を助ける責務はあるが、日本が米国を助ける責務はない、といった批判が民主党の有力議員や共和党のトランプ候補などから出ているそうである(参照:古森義久氏「一方通行の日米安保に米国で高まる不満 安保法制論議で語られない日本の米軍依存の現実」)。

 不動産王のドナルド・トランプ氏が共和党候補者として現在のところ支持を高めている。氏の発言は直截的かつ刺激的である。日米関係で注目を浴びる発言に、安保条約は片務的で日本の防衛で米国の若者が死ぬことになると不満をぶち上げている。

 発言には正確でない点もあるが、日本の安保法案で論点になっている集団的自衛権の行使に関連することであり、特別委での議論でも看過するわけにはいかないだろう。

 従来、日本の防衛は日米同盟によって支えられてきた。吉田茂総理の時は、敗戦で塗炭の苦しみを味わっていた時期でもあり、防衛は米国に完全依存し、日本は戦後復興に集中する片務的状況を進んで甘受したといってよい。

 経済が復興し、日本のプライドが許さないとして、日本人自身で双務的状況に改めようとしたのが岸信介総理の日米安全保障条約の改定であった。

 条約改定で、米国が日本防衛の義務を負うと同様に、日本もしかるべき義務を負うことになったが、実際は憲法の制約から「必要最小限」の範囲を超える集団的自衛権は封印され「行使できない」状態で、米国が批判するように片務的であった。

 米国の力が超絶していた時代は、自ら「世界の警察官」を宣揚するほど自信満々で、日本が集団的自衛権の行使を封印していても、ほとんど問題にならなかった。

 しかし、「世界の警察官でない」いま、米国は日本に応分の負担を期待するようになってきた。また日本の防衛のために日米同盟を機能させるためにも、集団的自衛権の一部行使は十分条件ではないが、「必要条件」となってきたのである。

おわりに

 安保法案の審議も最終局面を迎えている。成立すれば、自衛隊の積極的な行動で、抑止力の向上が期待される。他方で、自衛隊の活動機会や範囲は増大し、リスクも高くなるとみられる。

 この自衛隊のリスク問題については、『WiLL』前掲誌に石原慎太郎氏が「不毛な議論は百害あって一利なし」で、今のままでは自衛隊・自衛官を救う手だては非常に限られているとして、正しく自衛隊や自衛官という生き身の組織や個人をいかに守り、救うかということについて、議員として経験したことを踏まえて論じ、安保法案の審議において本気で考えよと檄を飛ばしている。

 野党は安保法案阻止のためとはいえ、「自衛隊のリスク」に大きな懸念を表明してきた。これほど自衛隊のことを思ってくれたからには、法案反対のための方便ではなかったと国民に示すためにも、自衛隊問題に真剣に取り組む責任を帯びたと言えよう。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44786?utm_source=ldr&utm_medium=feed&utm_campaign=link&utm_content=link

◆中国国営テレビ局がなぜNHK内部にあるのか

中国中央電視台 日本支局
オフィス
神南2-2-1 (NHK放送センタービル内), 渋谷区,

中国国営テレビCCTV(中国名称は中国中央電視台)といえば、反日の評論や報道、そして日本人を殺人鬼のように描く反日ドラマの放映で知られています。

その中国国営テレビの日本支局というのが、なんとわが日本国の公営放送のNHKの内部に存在しているのです。

中国国営テレビは中国共産党の対外宣伝武器です。
そのテレビは中国当局の対日プロパガンダ発信の担い手です。
そんな中国の国営テレビが日本の公営放送のNHKの施設を使っている。
なぜなのでしょうか。

NHKはいうまでもなく単なるテレビ局、放送局ではありません。
日本の政府や国民に守られ、法的にも特権を得ているオールジャパンのメディアです。日本の公共資産ともいえます。

そんな日本の公共資産のNHKが日本を敵視する中国の国営テレビに特別に施設を供与する。なぜなのでしょうか。

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/3224046/

 ◆【SEALDs】学習院大学教授「私たちはこの歩行者天国をハイジャックした。この力で安倍から日本を取り戻そう」
 
2015年09月11日  保守速報

「SEALDs」と「安全保障関連法案に反対する学者の会」が共同で、同法案に反対する抗議集会を、
2015年の9月6日(日)に、買い物客でにぎわう東京・新宿で行なった。

参加人数は主催者発表で1万2千人。(中略)

「安全保障関連法案に反対する学者の会」の呼びかけ人である学習院大学教授の佐藤学氏によれば、
学生と学者の会が、7月31日に第一弾の共同行動を砂防会館(東京・千代田区)で開催した際は、
参加者4000人だったとのこと。それから一ヶ月余りで、同法案に反対の声をあげる人々が、格段に
増えていることに手応えを示した。その上で、

「私たちはこの歩行者天国をハイジャックしました。この力で安倍から日本を取り戻しましょう」
とステージから呼びかけ、一週間後に再度抗議集会を開催すると述べた。

 

暴力という手段で平和を訴える矛盾~ピース暴徒

福島瑞穂が1998年から2009年まで学習院女子大学の客員教授だった事実と、担当した科目が必須科目で4単位とは非常に大きな影響力を持っていたことになる。

皇族方が多く学ぶ学園が、私たちの知らない間に反日の巣窟と化していたことは、由々しき問題である。今回のSEALDsに参加した佐藤学や反日教授 諏訪哲郎が「文学部教育学科」を新設し、授業の一環としての、訪中、訪韓旅行では、皇族のお一人である佳子様に、旅行先の現地で、頭を下げさせようと考えていたようである。 

第二外国語で中国語もしくは朝鮮語の履修を義務づけるとし、佳子様が中国語を希望されたが希望は通らず、韓国語になった 。
韓国で土下座させられて、「天皇の孫が土下座」と大々的に宣伝される前に逃げて正解だろう。 

このような学内の状況を知った宮家としては、事を荒立てることを避け転校を決断されたようだ。

◆【日本を守る】「9条」だけで平和は守れない 中国は「戦争の準備を進めよ」と公言している

2015.09.15 zakzak

 私は、安全保障関連法案の審議が続く国会のまわりを訪れるごとに、反対派の人々の、のぼりやプラカードを見て、「アホ」と思った。

 「日本は戦争をしないと誓った国」「戦争反対」「戦争はゴメンだ!」といった、のぼりやプラカードだが、行くべき場所を勘違いしている。国会ではなく、東京・元麻布の中国大使館の前で気勢をあげるべきなのだ。

 中国の習近平国家主席は「5000年の偉大な中華文明の復興」を「中国の夢(チュングオモン)」として煽って、しばしば公的な場において、「戦争の準備を進めよ」と命じている。

 中国の発表によっても、毎年、国防支出を世界のどの国よりも大きく増している。一体、日本政府と中国政府のどちらが、戦争熱に憑(つか)れているのだろうか。

 162年前にペリーが黒船を率いて江戸湾にやってきたときに、もし、浦賀の海岸に「日本は戦争をしないと誓った国」というのぼりを立てて迎えたとしたら、米国によってたちまち侵略されて、後に米国がフィリピンを奪ったときのように、抵抗した数十万人か、数百万人の国民が虐殺されていただろう。

 120年前の日清戦争、110年前の日露戦争にあたって、「戦争反対」といっていたとしたら、日本が中国のチベット、ウイグルになったか、ロシアによる支配を受けていたはずだ。

 反対を叫ぶ人々は怠惰だから、日本の幕末からの苦難の歴史を、まったく学んでいないのではないか。

 日本に“平和憲法”という「呪(まじな)い札」があるからといって、世界の弱肉強食のあり方が、ちょっとでも変わるわけではない。

 平和憲法は、平和をもたらしてくれない。そんなに「第9条」が素晴らしいものなら、中国の脅威を切実に蒙っている、インドからフィリピンまでの諸国が競って改憲して、「第9条」を採用していたに違いない。

 ウクライナ憲法に「第9条」があったとしても、ロシアが2014年に白昼、ウクライナからクリミア半島を奪い取るのを、阻止できなかったはずだ。ロシアは軍服から記章をはぎ取った部隊を、民兵として偽装して、クリミアに乱入させた。

 東西冷戦が終わってから、1994年に米国と英国はロシアとともに、万一、ウクライナが侵略されたら、軍事的に守ることを保証する合意文書(ブダペスト覚書)を交わしていた。

 ところが、米国も、英国も腰が引けて、動かなかった。

 ■加瀬英明(かせ・ひであき) 外交評論家。1936年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、エール大学、コロンビア大学に留学。「ブリタニカ百科事典」初代編集長。福田赳夫内閣、中曽根康弘内閣の首相特別顧問を務める。松下政経塾相談役など歴任。著書に『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(祥伝社新書)、『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』(ベスト新書)など多数。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150915/dms1509151550003-n1.htm

◆【ニッポンの新常識】世界中が認識 PRCは平気で大嘘をつく恥知らずな国

2015.09.12 zakzak

 中華人民共和国(PRC)は3日、「抗日戦争と世界反ファシズム勝利70周年記念」と銘打った式典を開催した。史実を無視したネーミングで、PRCは平気で大嘘をつく恥知らずな国だ-と世界中が認識した。

 しかし、これは意図的に発した警告であり、踏み絵だった。

 私は童謡「森のくまさん」を思い出した。日本語の歌詞だと、熊は「お逃げなさい」と警告した後、貝殻のイヤリングを拾う。それを返すためにお嬢さんを追いかけるのだ。熊にも性善説を適用するとは、あきれるほど日本的で平和な歌に生まれ変わっている。

 ところが、米国の原曲だと、熊は人間に「銃を持たないなら逃げろ」という。熊の警告には銃の有無を確認し、逃げ回る人間の追跡を楽しみたい意図があるのだ。

 AIIB(アジアインフラ投資銀行)に色気を見せた欧州各国の首脳も今回の式典に招待されたが、熊の危険性を理解して、すたこらサッサと逃げ出した。「嘘つきの仲間に入れ」という踏み絵は踏まなかった。

 他方、韓国のお嬢さんは躊躇(ちゅうちょ)しつつも踏み絵を踏んで、2匹の熊陣営にすり寄った。結果、歴史の真実だけでなく、自由主義陣営から受けた70年間の恩義もドブに捨てた。米国はどう出るのか。

 余談だが、国連事務総長が式典に参加したのは最高だった。日本人の「国連信仰」を打破するきっかけになるはずだ。

 私は、日米両国は国連を脱退して、新しい国際組織の創設を呼び掛けるべきだと考えている。それこそが「戦後レジーム」の真の終焉(しゅうえん)である。

 習近平国家主席らの大嘘にあきれる人は多いが、PRCは「だます方より、だまされる方が悪い」と考えている。平気で大嘘をつく行為は恥ではなく、出世に必要不可欠な能力であり、特権の行使とも言える。

 日米欧諸国には倫理や道徳を重んじる建前があるので、PRCの常識は容認できない。この食い違いに、習氏はストレスを感じていたはずだ。

 そこで、習氏は大胆な作戦に出た。史実を無視して歴史を捏造し、常識外れの行動を取ってもまったく恥じないことを、自ら全世界に証明したのだ。軍の慣例に反した「左手での敬礼」はその一部だろう。

 つまり今後、誰かがPRCを信用してだまされても、だまされた方が悪いということになる。

 こうして習氏は、PRCのローカル・ルールを、世界中が認めざるを得ない国際ルールへ昇格させたのだ。肉を切らせて骨を断つ。したたかな戦略には、脱帽せざるを得ない。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。83年、テレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し、一躍人気タレントとなる。現在は講演活動や企業経営を行う。自著・共著に『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』(PHP研究所)、『素晴らしい国・日本に告ぐ』(青林堂)など。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150912/dms1509121000004-n1.htm

 「中国は核兵器を抑止力とは考えていない。実際に使うことのできる兵器だと思っている。アメリカは核兵器を、戦争を起こさないための抑止力として使っているのに対して、中国は、戦いを有利に進めるための兵器として使おうとしている」
 マイケル・フィルスベリー博士は、ニクソン大統領からオバマ大統領に至るまで歴代のアメリカ大統領のもとで核戦略についての専門家として働き、とくに1989年にソビエトが崩壊して冷戦が終わり、中国の軍事的脅威がアメリカの脅威になって以来、中国の戦略問題を分析してきた人物である。その彼が、支那の核戦略を以上のように分析している。

それに対抗する北朝鮮の核開発も、最近の動向から通常兵器として核を考えているふしがある。なんとも厄介な特亜の隣国を持ったものだ。市民団体を操る共産党や民主党など反日政党は、明らかに特亜の意を受けた工作政党・売国政党であると断言できる。

◆【国防動員法】  

2010年2月26日に全人代・常務員会で可決成立、同年7月1日施行(全14章)

中国の国防動員法要旨 

一、国家主権、統一、領土が脅威に直面するとき、全国人民代表大会常務委員会の決定の下、動員令が発令される 
一、国務院、中央軍事委員会が全国の動員工作を指導する 

一、18~60歳の男性、18歳~55歳の女性は国防勤務を担当する義務がある 

一、個人や組織が持つ物資や生産設備は必要に応じて徴用される 

一、金融、交通、マスコミ、医療施設などは必要に応じて政府や軍に管理される

一、各地方政府は国防動員の宣伝や愛国主義教育を積極的に展開すべきだ 

一、国防の義務を履行せず、また拒否する場合、罰金または、刑事責任を問うこともある 


国防動員委員会総合弁公室の主任、白自興少将が記者会見で伝えている内容

★民間企業は、戦略物資の準備と徴用に対する義務と責任がある

★外資、合弁企業も国防動員の生産を担うことができる

同国が「有事」と判断した場合の、在中の合弁下にある外資資産や工場ラインなどは総動員の管理下に置かれるとすることを合法化した新たな「法律」

 同法律が全人代で可決された当時の様子を伝える記事(AFPBB)には、「チベットなどでの騒乱にも適用」、として、こう記されている。

云く、「中国軍関係者によると、同法は戦争時のほか、近年、チベット自治区や新疆ウイグル自治区で起きた騒乱や、自然災害時などにも適用される見通しだ」と。

いわば、中国共産党政府が「有事」「災害」と判断した、あらゆるケースに適用されることになる。たとえば、軍事弾圧のために、チベットやウィグルでの“騒乱”を新華社が造り出した場合においても、である。 

 “夢見多き”「中国への進出」を果たした企業は、その国籍を問わず、同国が「有事」と判断した時は、人民解放軍の軍事行動への幇助(ほうじょ)を、同法律下のもとで義務付けられる。

「国防動員法」は明確に「軍民(軍と民間)結合」「全国民参加」「長期準備」と位置づけている

★日本の場合、在日中国籍者、および関連資産もごく当然に含まれる

★「有事」には、駐日の中国大使館や総領事館などを連絡拠点として、総動員がかかる

★「祖国」の方針により、身近な在日中国籍者が、その実、人民解放軍の日本派遣「兵員」へと転じる

多くの中国人が日本に観光などで訪れる。その観光客が「有事」には中国大使館や総領事館に集結し、人民解放軍として日本国内に展開することになる。

 軍事に直結する通信や科学技術などの分野に従事する民間の技術者、専門家らも徴用できるわけで、国営新華社通信は「法に基づいて国防の動員力を強め、国家の安全を守るために意義がある」と強調している。

当然この民間の技術者、専門家には外資・合弁企業が含まれる。

中国共産党員は8000万人。

人民解放軍は国民を守るためではなく、共産党を守るために存在する私兵である。

親中派の民主党岡田克也が外務大臣当時出した法案。

軍事基地の縮小、地域通貨の発行、ビザの免除による東アジアとの人的交流の促進、中国語などの学習、長期滞在中心「3000万人ステイ構想」などが組み込まれている。
沖縄は自国の領土だと影で主張している中国は半独立状態の沖縄を放っておくわけがない。
観光ビザで中国人が沖縄に大量に押し寄せて来るのは容易に想定できる。

2008年末に日本国籍を持つ父親の認知だけで子に日本国籍を与えられるように改悪されてしまった法案が今回のビザ緩和で効いて来るだろう。犯罪者に人身売買に利用され、偽装認知による不正な日本国籍取得が横行すると、容易に予想される。

子が日本国籍を持てば、その母親や親族は容易に日本定住の道が開ける。

2010年日本政府の統計によると在日中国人は約80万人、在日朝鮮人の60万人をこえた。

恐るべきは、教授として2440人も存在すると云う事実である。

韓国もこれと同様に、国防動員法を成立させている。

◆2012年3月24日民主と中国共産党中央対外連絡部(中連部)と、ホットライン設置で合意

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDE24001_U2A320C1PE8000/?at=DGXZZO0195570008122009000000

民主党は樽床伸二幹事長代行、中国共産党は中央対外連絡部(中連部)の劉結一副部長が窓口を担う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
民主党は中共中央対外連絡部(中連部)と、ホットラインを開設している。中国共産党の中央対外連絡部(中連部)とは、スパイ組織の総本部である。おそらくそこから指令が出ているだろう。
もし人民解放軍と尖閣諸島で衝突すれば、民主党は党ぐるみで外患罪に問われることになる。

2015年米韓相互防衛条約が終了、統制権委譲の後は米の押さえがなくなり、日本はともかく韓国は竹島問題で往生するだろう。武力衝突は必至で、同時にテロゲリラ作戦が実施される。2015年中には機動戦闘車200両を対テロゲリラ対策に配備の予定だ。そのため従来は機甲部隊配備を普通化部隊配備と軍の編成を変更している。

◆集団的自衛権無効の却下確定=閣議決定めぐり-最高裁

2015/07/31 時事通信

 集団的自衛権の行使を容認した昨年7月の閣議決定は違憲だとして、元三重県職員の珍道世直さん(76)=津市=が閣議決定の無効確認を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は29日付で、珍道さん側の上告を棄却する決定をした。訴えを却下した一、二審判決が確定した。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201507%2F2015073101067&g=soc

憲法学者や野党やプロ市民団体が違憲合憲を判定するわけではない。まして内閣法制局が判定するわけでもない。法制局は内閣に助言をするだけだ。日本は三権分立の法治国家である。最終的に、判定を下せるのは最高裁判所法廷である。

その最高裁判所が集団的自衛権の行使を違憲ではないと判定した。

民主党は安倍政権の集団的自衛権の憲法解釈見直しを批判している。行使容認の必要性は突然出てきたものではなく、安全保障政策の観点から長年、議論されてきた。そしてこの憲法解釈を変更するには、相当の議論と重みがあった。 

民主党が政権に就いていた一時期、「政治主導」の名の下に、内閣法制局長官を国会審議で答弁する「政府特別補佐人」から外し、法令解釈の答弁を官房長官らが担っていた。岡田氏はじめ民主党幹部は国民の前で安易に「徴兵制復活」を連呼しているが、憲法解釈を見直す意味や重みをどう考えているのだろうか。

フェイスブック、関芳弘氏の記事より

日本国憲法第13条で、日本国民はその生命を日本国の行政上で最大限尊重されるとしている。つまり、政府は当然ながら、日本国民の生命が危機に瀕した時、護る義務があるとしているのだ。もちろん当たり前の話。外国が攻めて来た時、政府たる自衛隊が日本国民を一切助けないなど、考えられない。その意味において、外国のパワーが強くなってきているから、安全を図るため法律を改正する。このことに意義を唱える際には、どのように国民を護ろうとしているか、その方法を具体的に示して欲しい。9条と13条。その整合性こそ、「自衛権」の根本の意味である。外国が日本に対して悪いことをしなければ、効力の発生しない今回の法律。その成立を阻止しようとすることこそ、憲法13条に如何に言い訳するのだろうか?客観的に自衛権を考える世界の人から見て、不思議に見えないのだろか?

 

現在のデモや野党の発言では冒頭の記事にあるように、「戦争法案反対」「自衛隊員が戦闘で死ぬリスクが」となり、自衛隊は違憲から、「集団的自衛権は違憲」という論調に変わった。災害時の自衛隊出動に、2~3人未だに自衛隊が違憲だから救助を受けるなという変な人は居るが、共産党にしろ民主党にしろ明らかに変化した。

今後これで野党は「自衛隊は違憲」という論理は使えない。自分で縛りをかけたのも同然だろう。多分民主党は、大きなブーメランを投げそうな予感はするが。

                 目覚めよ日本!

 

オバマのシリア強奪が生み出す難民たち

2015-09-15 01:01:35 | 資料

アメリカが爆弾を投下し、EUが難民と非難を受ける。これは正気ではない。

2015年9月9日 マスコミに載らない海外記事

Eric ZUESSE
2015年9月7日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

2011年から、アメリカ合州国は、親ロシア派の独裁者ムアマル・カダフィを打倒する為にリビアへの爆弾投下を開始した。現在、このアメリカのリビア爆撃作戦と、更には、シリア爆撃作戦によって、引き起こされている難民危機に対する、ヨーロッパ諸国の態度への罪悪感で、EU自身が引き裂かれている。

ヨーロッパは、東ウクライナにおける、アメリカが支援する爆撃作戦(2014年にアメリカが据えた反ロシア・ウクライナ政府が、2014年2月のアメリカ・クーデターを拒否しているこの親ロシア地域の人々に、‘テロリスト’とレッテルを貼り、それゆえ爆撃されても、あるいは焼夷弾爆撃までされても当然だということで‘対テロリスト作戦’略称‘ATO’と呼ぶ爆撃作戦)からの難民も受け入れている。

ところが、アメリカが引き起こした、ヨーロッパへのこの何百万人もの難民にもかかわらず、NATO自体の存在理由(東からの共産主義者の侵略に対するヨーロッパ防衛)がすっかり消滅してから何十年もたっても、ヨーロッパ諸国は、いまだにアメリカ軍が、ヨーロッパの地に駐留したままでいるのを認めている。(ソ連版のこの等価物、ワルシャワ条約は、1991年、ソ連自身が解体した際に、解散し消滅したのに、NATOは存続し続け、ソ連の脅威を喧伝したのと同様に、あたかも、共産主義が崩壊した際に、何の変化もなかったかの様に、まるで、冷戦のイデオロギー的理由が、ずっとインチキであったかのごとく、‘ロシアの脅威’を絶えずしつこく宣伝している。“新冷戦”は、どの様にしても、正当化などできようがない。) ロシアは今、この新たに変貌したNATOの対ロシア軍事演習で、益々可能性が高まっているNATOのロシア侵略に備える為、同様なロシアの防衛戦略で対応することで、アメリカが作り出したヨーロッパのこの新たなロシアに対する敵意に対応しようとしているのだ。

だから、現在の難民危機は、実際、ロシアを破壊しようという、アメリカの持続的な執念、EUが同調している執念によって引き起こされており、今やEUは、ロシアという貿易相手国を失ったためのみならず、この新冷戦によってもたらされた、ヨーロッパへの何百万人もの難民流入で、大いに苦しんでいるのだ。この危機は、益々攻撃的になるNATOに対する、ロシアの防衛措置手段によってもたらされたわけではない。それはEUが支持し続けているアメリカの武力侵略によって引き起こされたのだ。

現在の危機の、そもそもの発端に戻ろう。

2013年10月7日、偉大な調査ジャーナリストのクリストフ・レーマンは、彼のnsnbcニュース・サイト、“シリアでの化学兵器使用に、アメリカとサウジアラビア幹部が関与”という見出し記事を書いたが、書き出しはこうだった。“ホワイト・ハウスと、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長と、ジョン・ブレナンCIA長官と、サウジアラビア諜報機関のトップ、バンダル王子と、サウジアラビア内務省と、証拠は直接つながっている”。(1945年以来、アメリカは、サウジアラビア王家と同盟している。)
http://nsnbc.me/2013/10/07/top-us-and-saudi-officials-responsible-for-chemical-weapons-in-syria/
“オバマが化学兵器攻撃は彼のせいだと非難して、親ロシア派のシリア独裁者バッシャール・アル・アサドを倒す為、爆撃を計画した理由として、バラク・オバマ大統領が言及している、2013年8月21日のダマスカス・東グータ地域”での化学兵器攻撃についてレーマンは論じている。
http://www.aljazeera.com/news/americas/2013/06/2013613212110550.html
だが、もう一人の偉大な調査ジャーナリストのセイモア・ハーシュが、その後、2014年4月17日、ロンドン・レビュー・オブ・ブックスで報じたのと同様(異なる情報源を用いて)、 レーマンの更に前の調査で、アメリカが化学兵器攻撃をお膳立てしたこと、そして攻撃は、実際、アメリカ自身がトルコ経由でシリアに送り込んだ、イスラム原理主義聖戦戦士によって遂行されたことが判明している。レーマンはこう報じている。
http://www.lrb.co.uk/v36/n08/seymour-m-hersh/the-red-line-and-the-rat-line

主にカタールが支援したムスリム同胞団と、2012年6月と7月に、リビア人を入れて増強された、自由シリア軍(FSA)勢力が敗北した後、アメリカ-サウジアラビア枢軸は強化された。新たな司令部を受け入れなかった、カタールが率いる非協力的な旅団は排除せざるを得なかった。サラフィー・ワッハーブ主義戦士のシリア流入は、国際危機グループICGによる“暫定的聖戦”と題する報告書で文書化されている。

ハーシュの記事は、化学兵器攻撃の原因が、アサドの軍ではあり得ないことを発見したイギリス諜報機関による、レーマンの有力な確認を強化するものだ。ところがイギリスは、もちろん、オバマのウソを公に明らかにはしなかった。結局、トニー・ブレアが、イラクとアフガニスタンにおいて、ジョージ・W・ブッシュの“ポチ”だったのと同様、デービッド・キャメロンは、シリアとリビアにおいて、オバマのポチなのだ。

シリア作戦が今そうしているのと同様(そしてウクライナ作戦も、その方向に向かっている様に)、リビア作戦はリビアを破綻国家に変え、ヨーロッパは現在、結果として生じた難民を迎えているのだ。

偉大な調査ジャーナリストのジョン・ピルガーが、オバマ大統領と、ヒラリー・クリントン国務長官が、リビア国民に対して、しでかした、恐ろしい意図的大惨事について、最高の要約説明をしてくれている。例えば“2011年、NATOは、リビアに対し、9,700回の‘作戦出撃’を行ったが、そのうち三分の一以上が民間標的を狙ったものだった。劣化ウラン弾頭が使用された。リビアの都市、ミスラタとスルトは絨毯爆撃された。赤十字は、集団墓地を発見し、国連児童基金は‘[殺害された子供達の]大半は十歳未満’だと報じていた”。こうしたものは、決して起訴されないだろう国際戦争犯罪だ。その過程で非常に多数の人々の命が失わたことも、おかまいなしに、彼女とオバマが、カダフィ殺害でしたことを、ヒラリー・クリントンは、誇らしげに陽気に語った(“来た、見た、彼は死んだ! (笑い)”)。ヨーロッパは、アメリカが犯した悪事が元で、酷い報いを受けているのだ。

これら三つの爆撃作戦全てが、いかに、ヨーロッパ向けの石油とガスの主要供給源から、ロシアを外し、サウジアラビアや他のアラブの王国に向けようという、オバマ政権とサウジアラビア王家による取り組みの一環であるのかを随所でご説明してきた。

アラブ産油諸国の王家から資金を提供されているイスラム原理主義聖戦を辞めさせる為にも、そして、こうした難民の流れの根源に終止符を打つためにも、そして、堕落し衰えつつあるアメリカ帝国を、最終的に失墜させ、恐らくは、平和に対する世界最大の単一の脅威であり、果てしない戦争の世界最大の単一スポンサーでもある国を、終わらせるであろうユーラシア新興経済圏を立ち上げ、その一環となる為にも、一体なぜ全てのEU諸国が、NATOを放り出し、ロシアと組まないのか説明できるEU指導者が、多分誰かいるだろう。
http://www.washingtonsblog.com/2015/04/u-s-force-good-world.html

それとも、EU指導者達はアメリカに雇われているのだろうか? 例えば、2012年、アンゲラ・メルケルのドイツが、シリアの反政府聖戦戦士に、スパイ支援をしていた理由が他にあるだろうか? (メルケルのスパイは、同時期、サーラ・ワーゲンクネヒトや、メルケルの反ロシア政策に反対する他のドイツ連邦議会議員達をスパイしていた)。ドイツ指導者メルケルは、それだけで、ドイツや他のヨーロッパの国々に安全な避難場所を見いだそうとするシリア人殺到の助長に加担していることになる。(そして、この難民流入に実際は加担したのだが、加担したのではなく、まるで反対したようなふりをすることで、EUの指導者達は、極右反政府派の台頭を難民流入のせいにすることができるのだ。)この背後にある堕落だけでも途方もないものだ。だがその背後にある偽善は、確実に耐え難い。
http://www.spiegel.de/politik/deutschland/geheimdienst-verfassungsschutz-beobachtet-27-linken-abgeordnete-a-810651.html

すると、ヨーロッパの有権者達は、一体なぜ、これを受け入れているのだろう? (例えば、一体なぜ、誰かワーゲンクネヒトの様な人物がドイツを率いないのだろう?) 一体なぜメルケルの様なアメリカのポチが権力の座にいるのだろう? 一体なぜ、彼等は拒絶されないのだろう? 国民は、彼らのおかげで、大いに苦しんでいる。ヨーロッパは彼等、アメリカの代理人によって破壊されつつあるのだ。

今何が起きていて、その理由が何なのかを、ヨーロッパ人は知らないのだろうか? アメリカのくびきからの自由を実現するものは国粋主義ではない。右翼ではない。それは愛国心だ。退行ではなく、進歩だ。過去にではなく、将来に目を向けることだ。指導者が、その代表なのだと主張している、国民の為に奉仕することだ。それが本当の民主主義だ。アメリカは、もはやマーシャル・プランで援助をしてくれた国ではない。その国は、不幸にも、他のものにとって代わられてしまったのだ。新たな集団が乗っ取ったのだが、彼らが執念を抱いているのは帝国だ。あるいは、オバマ大統領自身が傲慢にも語っている様に“アメリカ合州国は、一つの必要欠くべからざる国であり、そして、そうあり続けるのだ”。彼は、それをそのまま維持すると約束した。“これは過ぎ去った世紀には真実だったし[彼は‘過去’の綴りを間違えた [[ホワイト・ハウスの重要人物は‘過去’と‘過ぎさった’の違いさえわからなかったのだ]] 、次の世紀にも真実となろう”。(少なくとも彼は、1000年王国の予言はしなかった。彼とて、それほどまでひどくはないのだ。)
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2014/05/28/remarks-president-united-states-military-academy-commencement-ceremony

アメリカ帝国は少なくともあと一世紀は続くのだと彼は語った。ヨーロッパの人々は、本当にそれを許容できるのだろうか、とりわけ、それが自分たちを、一体どのような方向に向かわせているのかが見えるようになった今? これら難民に対する本当の思いやりは、アメリカを、EUから追い出すよう要求することだろう。そしてNATOを終わらせることだ。EUでは、反難民等々の代わりに、反アメリカという大衆の大規模な意思表示が、一体なぜ行われないのだろう? ヨーロッパ人は、マーシャル・プランで援助をしてくれた国がまだ存在していると本当に思っているのだろうか? もしそうなら、彼等は間違っている。大いに間違っている。
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調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/09/07/us-drops-bombs-eu-gets-refugees-and-blame-this-is-insane.html

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/eu-6070.html

◆ガス・パイプラインに煽られた難民危機

2015年9月13日 マスコミに載らない海外記事

Mnar Muhawesh
2015年9月9日
Mint Press News

決して、だまされてはならない。シリアの宗派対立は、石油とガスの入手と、それに伴って得られる権力と金を巡る戦争の口実として、画策されているのだ。

北ギリシャの村、イドメニから、南マケドニアへの国境越えを待つ難民と移民、2015年9月7日、月曜。ギリシャは、欧州連合に向かう、大量の難民と移民の流入で矛先を向けられている。(AP Photo/Giannis Papanikos)

編集者注: 本記事は、2006年という早い時点に、シリアを不安定化し、シリア政府を打倒する計画を示すアメリカ国務省の漏洩文書の最近のウイキリークスによる暴露を反映する為に更新された。
http://www.rt.com/news/314852-assange-wikileaks-us-syria/
漏洩で、こうした計画が、イスラエル政府から、アメリカに直接与えられており、内戦と宗派抗争を引き起こすことや、本質的に、イランとヒズボラを弱体化させる為、シリア国内の権力構造を破壊する為、サウジアラビア、トルコ、カタールや、エジプトのような国々とまで協力するのを正式なものにするのを明らかになった。漏洩は、この危機を、更なる石油採掘と軍事拡大の為、ゴラン高原占領を拡大するのに利用しようというイスラエルの計画も暴露した。

ミネアポリス発 戦争で荒廃したシリアから、家族が逃れる取り組みで、地中海海岸に打ち上げられた三歳のシリア男児アイラン・クルディの写真が世界中の人々の注目を集め、戦争の本当の代償に関する激怒の火付け役となった。

危機中東全体とヨーロッパ国境で展開している痛ましい難民が、シリア、リビアやイラク等の国々人々を、自宅から追い出している現在継続している争いと不安定に関して、大いに必要とされていた会話を引き起こした。万一、これは重要な“万一”なのだが、ヨーロッパの戸口にたどりつけた際、これらの難民が受けている非人道的な扱いに、国際的注目がもたらされている。

例えば、シリアでは、外国勢力が、シリアを、内戦と外国侵略とテロという悪夢の組み合わせにおとしめた。シリア国民は、戦争地帯で暮らして、ISISの様な集団の標的にされ、シリア政府の残虐な弾圧を受けるか、あるいは最小限の救命具で、危険な海域に乗り出し、万一、対岸にたどりついても、結局ヨーロッパ政府から、食糧、水や安全の提供を拒否されるかを選ばねばならないという耐えられない立場にある。

国内の混乱を逃れる他のシリア国民は、近隣のアラブ・イスラム諸国に向かっている。ヨルダンだけでも、50万人以上のシリア難民を受け入れている。レバノンは、約150万人を受け入れている。また、イラクとエジプトは、数十万人を受け入れている。

アラブ国家でも、中東の一部でもないにもかかわらず、イランは、昨年、3,000張りのテントと、10,000枚の毛布を含む150トンの人道物資を、ヨルダン、イラクとレバノンの赤新月社にこの三国で暮らすシリア難民の間で配布するよう、陸路で送付した。

トルコは、これまでに、約200万人の難民を受け入れている。トルコのレジェップ・エルドアン首相は、国際的に大見出しの記事に登場し、トルコを移民に解放したことで、その過程で、ある種救世主の様な位置についた。

2015年9月2日水曜日早朝、トルコのリゾート地ボドラム近くで、彼と家族が乗ったボートが転覆して、溺れた三歳のアイラン・クルディの亡骸を抱く準憲兵隊員。(Photo: Nilüfer Demir/DHA)

一方、サウジアラビア、カタール、クウェートやアラブ首長国連邦等の湾岸アラブ諸国のシリア難民受け入れはゼロだ。

難民について、彼等は一体何者なのか、どこに行こうとしているのか、誰が彼等を支援しているのか、誰が支援していないのかという会話が確かに行われてはいるが、そもそも、こうした戦争が起きるのを、いかにして防ぐのかという議論が欠けている。マスコミや政治評論家連中は、責任のなすり合いで非難をする多くの機会を見いだしているものの、マスコミの一社たりとも、一体何がこの混乱を推進しているのか正確に分析してはいない。それは、ガスや石油や他資源の支配なのだ。

確かに、これは問うに値する。4年前、シリアの経済改革を要求して行われた“数百人”の抗議行動が、一体なぜ、恐ろしい宗派内戦へと悪化し、過激主義を煽り立て、現在、世界を悩ませ、世界で二番目に大きな難民危機を生み出しているのだろう?

マスコミは、シリアのバシャール・アサド大統領の樽爆弾を非難し、政治評論家達は更なる対ISIS空爆と、より厳しい対シリア経済制裁を呼びかけ、危機が始まって4年目なのに、大半の人々は、この戦争が、一体どのようにして始まったのか全く知らない。

この“内戦”は、宗教を巡るものではない

2014年1月、現地へのアクセスが不可能なことが理由で、国連はシリア内戦での死傷者数の定期更新を停止した。国連によれば、推計死亡者数は、140,200人から、330,380人の間で、600万人ものシリア国民が家を追われた。

残酷な弾圧で、シリア政府に多くの死傷者に対する責任があることに疑問の余地はないが、これは単に、シリアの問題ではない。

シリアへの外国の介入は、シリアでの反乱開始の数年前に始まった。ウイキリークスは、内戦を引き起こして、シリア政府を打倒するというアメリカの計画と、こうした命令を、テル・アビブから直接受けていることを明らかにするアメリカ国務省の2006年の漏洩電報を公表した。この漏洩は、サウジアラビア、トルコや、カタールや、エジプトの様な国々とのアメリカの協力関係同盟が、スンニ派と、シーア派の分裂を利用して、シリアを分割し、イランとヒズボラを弱体化する為、シリアを不安定化させるのに、宗派心を利用するためであることを暴露している。イスラエルも、ゴラン高原占領を拡張する石油採掘を増加する為、この危機を利用しようとしていることが明らかにされた。

BBCや、AP通信等の主要マスコミによれば、シリアで行われたとされる抗議行動は、わずか数百人の人々によるものだったが、更なるウイキリークスが公開した電報が、2011年3月という早い時期に、こうした抗議行動そのものを引き起こす為の、シリア国内でのCIAの関与を明らかにした。

資料 – 2011年12月19日月曜日、資料写真、シリア、ダマスカスでの集会で、シリアのバッシャール・アサド大統領を描いた巨大なポスターを掲げるシリア人達。活動家の一部は一年後に、バッシャール・アサド大統領の支配に対する彼等の“革命”が、暴力で泥沼化したことを残念がった。(AP Photo/Muzaffar Salman, File)

抗議行動は、わずか数カ月後に、CIAとつながる何百もの武装抗議行動参加者と化し、デモが拡大し、シリア人でない武装反政府集団がシリアに押し寄せ、シリア全土を政府の厳しい弾圧が覆う中、アメリカ合州国、イギリス、フランス、カタール、サウジアラビアやトルコが、反政府派を組織し、武器を与え、資金供給して、自由シリア軍を形成する好機に飛びついたことが明らかになった。(わずか数カ月前、ウイキリークスが、サウジアラビアの諜報情報を公開し、2012年以来、トルコ、カタールとサウジアラビアが、シリア政府を打ち倒すべく、反政府派に武器を与え、資金を提供するのに協力して動いていたことをあきらかにした。)

こうした諸外国は、2012年、実態とは遥かにほど遠い名前の“シリア国民の友人”と呼ばれる会議を開いた。彼らの狙いは、バシャール・アサド大統領の打倒を狙って、シリア全土で、大混乱を引き起こす為、分割して、統治することだった。

シリア・イドリブ県北部の町サルマダで、武器を持つ自由シリア軍兵士 2012年8月1日、水曜。(AP Photo)

評論家連中はシリアのイランとの同盟は、アメリカ合州国と、地域における同盟諸国の安全保障と権益に対する脅威だと主張して、シリアの反乱を乗っ取る本当の狙いは、すぐに明らかになった。シリア政府が、軍と、石油とガスと、兵器で、イランとレバノンの反体制政治集団ヒズボラの同盟であることは誰もが知っている。

この時期に留意することが重要だ。この連合と、シリアへの介入は、2014年から2016年の間に、イランの巨大なサウス・パース・ガス田から、イラクとシリアを経由して建設されるはずだったイラン-イラク-シリア・ガス・パイプライン議論の直後に起きた。レバノンに延長する可能性があり、最終的に標的の輸出市場、ヨーロッパへと至るはずだった。

シリアで猛威を振るっている、ガス、石油とパイプラインを巡る現在の危機に関する、恐らく最も正確な説明は、ドミトリー・ミーニンが、2013年5月、Strategic Cultural Foundation書いたものだろう。

http://www.strategic-culture.org/news/2013/05/31/the-geopolitics-of-gas-and-the-syrian-crisis.html

“ヨーロッパに向けて、パイプラインを、東から西へ、イランとイラクから、シリアの地中海沿岸で通すか、あるいは、 カタールと、サウジアラビアから、シリアとトルコ経由という、より北回り経路にするかを巡って、戦いがおこなわれている。こう着状態のナブッコ・パイプライン、実際、南ガス回廊丸ごとが、アゼルバイジャンの埋蔵量しか裏付けがないため、ヨーロッパへのロシアの供給には決して拮抗できないことを悟り、サウス・ストリーム建設を阻止する為、欧米はペルシャ湾からの資源で置き換える必要にせまられていた。シリアはこの連鎖における主要リンクであり、イランとロシア寄りの傾向がある。そこで、欧米の首都で、シリア政権は倒して変える必要があると決定されたのだ。

石油、ガスと、パイプラインが問題なのだ!

実際、ヨーロッパのガス市場が、ロシアの巨大ガス企業、ガスプロムの人質に取られてしまうのではという懸念の中、ロシア、アメリカと欧州連合の間の緊張が高まった。ロシアから離れ、ヨーロッパのエネルギー供給を多様化するには、提案された、イラン-イラク-シリア ガス・パイプラインは、不可欠なのだ。

トルコは、ガスプロムの二番目に大きな顧客だ。トルコのエネルギー安全保障構造丸ごと、ロシアとイランからのガスに依存しているのだ。更に、トルコは、ロシア、カスピ海-中央アジア、イラクや、イランの石油、さらにはガスの、ヨーロッパへの輸出における戦略的分岐点になるという、オスマン帝国風な野望を抱いている。

2013年8月、ガーディアンは、こう報じた。

“アサドは、ヨーロッパ市場への供給目的で、重要なことに、ロシアを回避しながら、イランのサウスパース・ガス田と隣接しているカタールのノース・フィールドから、サウジアラビア、ヨルダン、シリアを経由し、トルコへ向かう、カタールと、トルコが提案したパイプラインの協定に署名することを拒否した。アサドの論理は、‘ヨーロッパへの天然ガスの最大供給国である [彼の同盟]ロシアの権益を守るため’だった”。

http://www.theguardian.com/environment/earth-insight/2013/aug/30/syria-chemical-attack-war-intervention-oil-gas-energy-pipelines

提案されている、カタール-トルコ天然ガス・パイプラインを辿る紫色の線と、赤く塗った全ての国が、トルコが 最終的に(エルドアンの政治的動機による、対PKK戦争への、NATOの同意と引き換えに)、アメリカが、インシルリク空軍基地から、ISIS標的に対する空爆作戦を発進させることに同意した後、急遽まとめられた新たな連合の一環であるのに留意のこと。紫の線沿いの、どの国が赤く塗られていないのかに留意のこと。これは、バッシャール・アル・アサドが、パイプラインを支持せず、中東の独裁者が、アメリカと、サウジアラビアが実現したいことを支持しないことに決めると、一体なにが起きるかを我々が目にしているためだ。(地図: ZeroHedge.com)

シリアが、自国のエネルギー戦略において極めて重要な部分であるのを理解しているトルコは、このイラン・パイプライン案は改め、 究極的に、トルコや湾岸アラブ諸国のガス供給支配の追求を満足させる、カタール-トルコ・パイプライン提案に協力するよう、シリアのバッシャール・アサド大統領説得を試みた。しかし、アサドが、トルコの提案を拒否した後、トルコと同盟諸国は、シリア“内戦”の主要計画立案者となった。

https://www.youtube.com/watch?v=G1p_tFnKqMA

現在進行中の戦略の多くは、さかのぼって、アメリカ軍が資金を提供している2008年のRAND報告書“長い戦争という未来を明らかにする”の中で記述されていた。

http://www.rand.org/content/dam/rand/pubs/monographs/2008/RAND_MG738.pdf
“石油埋蔵があることがわかっている地理的領域は、大半のサラフィー主義-聖戦士ネットワークの権力基盤と一致している。これが、石油供給と、容易に止めたり、単純に特徴付けたりできない長い戦争とのつながりを生み出す。… 予見し得る将来、世界の石油生産増大と、総生産量は、ペルシャ湾の資源によって支配される。 … 地域は、それゆえ、戦略的優先事項であり続け、この優先度は長い戦争を遂行と強く相互作用する。”

この文脈で、報告書は、石油市場を巡る湾岸アラブ諸国の支配を維持しながら、湾岸石油とガス供給を守るのに、スンナ派-シーア派分裂を利用する、分割して、支配する戦略を説明している。

“「分割して統治」で、様々なサラフィー主義-聖戦士集団間の断層を利用し、彼等をお互いに戦わせる様にし、彼らのエネルギーを、内部抗争で発散させることに重点的に取り組む。この戦略は、秘密活動、情報作戦(IO)、非正規戦と、先住民の治安部隊への支援に強く依存している。 … アメリカ合州国と、現地の同盟諸国は、現地住民の目から見て、国際的聖戦戦士の評判を落とすべく、代理IO作戦をたちあげるのに、国粋主義派の聖戦戦士が利用できる。 … アメリカ指導部は、イスラム世界における‘シーア派-スンナ派紛争継続’の軌跡を十分に活用することも可能だ、シーア派権利拡張運動に対して、保守派のスンナ派政権を十分に利用することだ…. 恐らくは、一貫して敵対的なイランに対し、権威あるスンナ派政府を支持することだ。”

報告書は、もう一つの選択肢は“恐らくは、一貫して敵対的なイランに対し、権威あるスンナ派政府を支持することで、紛争で、一方の側につくこと”だろうと書いている。

この枠組みが興味深い枢軸を生み出した。トルコ、カタール、サウジアラビア、アメリカ、イギリスと、フランス対、シリア、イランとロシアだ。

分割して、支配: 政権転覆への道

アメリカ、フランス、イギリス、カタール、サウジアラビアと、トルコ - 別名、新“シリアの友人”連合が、公式に、ガス・パイプラインへの署名をアサドが拒否した後、2011年から2012年の間、シリアのバッシャール・アサド大統領打倒を、公式に呼びかけ、シリアを、人道的危機に押しやるいわゆる“穏健”反政府派に与えるべく資金と武器が、シリアに流入した。反政府集団は、あれやこれやの連中を組織したもので、その多くは外人戦士で、多くがアルカイダと同盟していた。

 中央は、イラク・バグダッドでの、アラブ連盟サミットに出席する、サウジアラビアのアラブ諸国連盟常任委員、アフマド・アル-カッタン,  2012年3月29日木曜日 (AP Photo)

反政府派が確保する地域を標的にして、シリア政府は、強権的手法で対応し、その過程で、一般市民を殺害した。

シリアは宗教的に多様なので、いわゆる“シリアの友”は、アサド打倒の為の“分割して統治”戦略の公式として宗派心を煽った。アメリカが支援する“穏健”反政府派による、アラウィー派が、スンナ派が多数派の国家を支配しているという主張が、スンナ派解放の主張となった。

この戦争は、大衆には、スンナ派-シーア派紛争として売り込まれているが、ISISや、 シリアのアルカイダ分派、アル・ヌスラ戦線等のいわゆるスンナ派集団や、“穏健派” 自由シリア軍までもが、無差別に、シリアのスンナ派、シーア派、キリスト教徒やユダヤ人を標的にしている。同時に、正に同じ諸外国が、国中をおおっている多数派のシーア派による民主主義推進抗議行動に対する暴力的弾圧で、スンナ派だと主張しているバハレーン政府を支援し、武器まで与えている。

シリア政府軍自身、80パーセント以上がスンナ派で、本当の狙いの動機は、政治的なものであって、宗教的なものではないことを示している。

これに加え、アサド一家は、大半のシーア派が、この二つは無関係であることに同意しているのに、マスコミが、シーア派とひとまとめにしているイスラム教の宗派、アラウィー派だ。更に、アサド一家は、非宗教的で、非宗教国家を支配しているとされている。アラウィー派を、シーア派として見なすのは、紛争の為に宗派的枠組みを押しつける一つの方法に過ぎない。それが、シリア-イラン同盟が実際は経済関係なのに、宗教に基づくものだという前提を許容してしまう。

この枠組みは,イランが、イラク、シリアとレバノンに広げているとされるシーア派の影響力から自らを解放する為のスンナ派革命として、入念に仕立てられたシリア紛争だ。

だが、真実は、シリアのスンナ派社会は分裂しており、多くの人々が、自由シリア軍、ISISやアルカイダ等の集団に加わる為にくらがえした。また先に述べた通り、80パーセント以上のアサド軍兵士はスンナ派だ。

2012年という早い時期に、アラビア湾岸諸国やトルコに武器を与えられ、資金提供を受ける、アルカイダやムスリム同胞団等の更なる反政府派が、シーア派に対する全面戦争を宣言した。彼等は、アサド政権を打倒した後、レバノンのヒズボラやイラク政府を攻撃するとまで威嚇した。

間もなく、大多数のムスリム同胞団反政府派は、アルカイダとつながる集団の一部となった。彼等は、シーア派にとって特に重要なものだけでなく、あらゆる寺院を共に破壊すると宣言した。

ヒズボラは、2012年に登場し 公式に、カタール、サウジアラビアとトルコによって武器を与えられ、資金を得ている、アル・ヌスラ戦線や、ISISとの戦いで、シリア政府と同盟している。そして、全ての武器は、アメリカ合州国が、積極的にこれらの国々に売ったものだ。こうした、アメリカの兵器が、アメリカ が広範な対テロ戦争で戦っていると主張する同じテロ集団の手に落ちていたのだ。

2015年1月20日、火曜日、シリアで、レバノンの戦闘集団メンバー6人と、イラン人将軍を殺害した空爆で死亡したヒズボラ・メンバー、モハンマド・イッサの柩を、レバノン南部のアラブ・サリム村での彼の葬儀で、担ぐヒズボラ戦士達。ヒズボラは、ゴラン高原のシリア側で行われた日曜の空爆に対して、イスラエルを非難した。イッサは、このグループの中では最高位で、スンナ派が率いる反乱に対する集団のシリアでのを率いる作戦幹部の一員だった。(AP Photo/Mohammed Zaatari)

報道によれば、ヒズボラは、シリア内戦のレバノンへの波及で、シリアからレバノンへの反政府派の侵入を防ぐのに積極的だったし、今も最も積極的な勢力の一つだ。それにもかかわらず、2012年、アメリカは、シリア政府とヒズボラの両方を経済制裁した。

そして、その年、ロシアとイランは、テロ集団鎮圧でシリア政府を支援すべく軍事顧問を派遣したが、この当時、イラン軍部隊は現地にはいなかった。

かつては、非宗教的で、多様で、平和な国家だったものが、益々、次のアフガニスタンとなる道を進んでいるかのように見える。聖戦戦士連中が、益々多くの領土を占領し、より多くの都市を征服する中、国民は、タリバン風支配者の下で暮らしている

外国介入の影響が自決に勝っている

もし読者がこれを理解するのが困難だとお考えであれば、そればあなただけではない。

大半の宗派内戦は、大規模な権力の集中を、同盟するのが容易ではない小さな諸派に分裂させる“分割して支配”手法が使えるようにすべく、お互いに戦わせて、意図的に作られている。これは、大英帝国が利用してきたことで有名な植民ドクトリンで、我々がシリアで起きているのを目にしているものも、違いはない。

だから、一つはっきりさせよう。これは宗教問題ではないのだ。アラブ人や、イスラム教徒はお互いに殺し合うというのは好都合で、地域や人々を野蛮に描き出す為に、こうした紛争を宗派的なものとして表現するのは容易かも知れない。だが、この東洋学者風の、中東紛争の極端に単純化した見方は、こうした戦争の犠牲者を非人間的にし、直接、間接の軍事行動を正当化する。

これらの戦争は、経済権益を狙うものであるという視点から、真実が、人々に示されれば、大半の人々は、反政府派への秘密資金援助も、武器供与も、直接介入も支持するまい。実際、大多数の大衆は、戦争に反対するだろう。しかし大衆に対して、何か善対悪の問題として提示された場合には、我々は自然“善”側に与して、“悪”とされるものを撃退する戦争を正当化しがちだ。

政治的言辞は、ウソを、いかにももっともらしく聞こえる様、殺人が立派なことであるかのようにすべく、入念に作り上げられる。究極的には、外国の介入によってもたらされた狙い、同盟や、不安定はどうであれ、2011年に噴出した、自由、民主主義と平等への要求は、当時も、現実のものであり、今も、そうなのだ。そして、自由、民主主義と、平等の欠如は、自決によるものではなく、残虐な独裁者にてこ入れし、テロ集団に武器を与える、外国の介入によってもたらされてきたことを忘れてはならない。

2015年8月21日、金曜日、北ギリシャ国境の駅イドメニ近くで、ギリシャから、マケドニアへと、国境を越えるのを、マケドニア警察に許されるのを待ちながら衝突した際、マケドニア機動隊員と難民の間で板挟みになった男の子を抱えた難民を救おうとする難民。北のヨーロッパへと向かう難民の膨大な流入に対処する為、マケドニアが国境で非常事態を宣言した翌日、ギリシャとの緩衝地帯に留まっている何千人もの難民を散らすべく、マケドニアの特殊警察部隊は、スタン擲弾を発射した。(AP Photo/Darko Vojinovic)

かつて、中東の人々は、宗教や文化的背景と無関係に、外国の介入や搾取や植民地主義に対し、共に団結し、立ち上がった。ところが、石油とガスを入手する為、宗教を基に人々をお互いに戦わせるという巧みな操作手法で、現在、中東はバラバラにされている。それに続く混乱が、石油パイプライン設置により従順で、最高入札者に、有利な経路を保障する新政権を据えつける為の、良い隠れ蓑になるのだ。

そして、このエネルギーを求める動きの中で、最も苦しむのは民衆だ。シリアでは、人々は大挙して脱出している。彼等は幼い男の子や女の子を起こして、スニーカーを履かせ、救命胴衣も着けずに、別の海岸にたどり着けることだけを願って、ボートに飛び乗る。どこかでの希望の方が、自国の現実より良いがゆえに、対岸に決してたどりつけないかも知れないのを十分に知りながら、彼等は命を懸けるのだ。

記事原文のurl:http://www.mintpressnews.com/migrant-crisis-syria-war-fueled-by-competing-gas-pipelines/209294/

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-e61d.html

 


したたかなプーチンの世界戦略

2015-09-13 05:20:18 | 資料

ロシア軍、シリアで戦闘に参加 アサド政権支援

2015年09月10日 ロイター

[モスクワ/ベイルート/ワシントン 9日 ロイター] - ロシア軍が、内戦の続くシリアでアサド政権軍を支援するため、戦闘に加わったことが分かった。事情に詳しいレバノンの関係筋3人が明らかにした。

ロシア軍のシリア内戦への関与拡大は米国が懸念する事態。ただ、レバノンの関係筋によると、戦闘に参加しているロシア軍兵士は、今のところ少人数だという。

複数の米当局者は、ロシアが最近シリアに戦車揚陸艦2隻や輸送機などを派遣し、少数の海軍歩兵部隊も派遣されたと述べた。ロシア側の意図は不明だという。

しかし、米当局者の1人は、シリアのアサド大統領の拠点である港町ラタキア近郊で航空基地を整備しているのではないかとの見方を示した。この基地が出撃拠点となる可能性があり、米当局者もその可能性を否定しなかった。

一方、ケリー米国務長官は、ロシアのラブロフ外相にロシア軍のシリアでの動きに関する報道について懸念を伝達。内戦の悪化につながると強い警戒感を示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150910-00000015-reut-n_ame

帝政ロシアからの常套手段 
これで難民はヨーロッパへ加速的に流れる 
EUはウクライナ批判やロシア包囲どころではなくなり 
ロシアはウクライナ方面の安定化の為の時間稼ぎが出来るようになる。
ロシアはいつもこうだ、第二戦線を作り上げて相手を搦め手で締め上げる

◆シリアへの軍事介入を始めたロシア 
ロシア側の見方とその狙い

2015年09月10日  小泉悠 WEDGE Infinity 

 ここ数日、ロシアがシリアに軍事介入を始めたのではないかとの観測が高まっており、米国も懸念を表明し始めた。筆者も別の媒体(http://bylines.news.yahoo.co.jp/koizumiyu/20150906-00049218/)で詳しく検証したが、様々な傍証からシリアにロシア軍がかなりの規模で展開していることはほぼ確実と思われ、一部では軍事作戦に参加している可能性も考えられる。

 だが、それが事実であるとして、ロシアの狙いは何であろうか。これについてロシアの軍事評論家で有力紙『独立新聞』の軍事問題記者であるウラジミール・ムーヒンの見解が『独立新聞』に掲載されたので以下に紹介したい。

『独立新聞』に掲載されたムーヒンの見解

 (翻訳)

 ウラジミール・ムーヒン「ダマスカスはロシア軍人を待っている:ウラジミール・プーチンは国連総会でシリアに対する具体的な支援策を提起するだろう」『独立新聞』2015年9月7日

 米国は、シリアにおいてロシアが軍事プレゼンスを増強し、ロシア連邦の軍人がバシャール・アサド側について戦闘に参加することを真剣に恐れている。先週の土曜日、ジョン・ケリー米国務長官はこの問題についてセルゲイ・ラヴロフ露外相と電話会談を行った。西側メディアでは、ロシア軍人やロシアの最新型兵器がシリアに存在し、戦闘行動に参加しているという多くの記事(写真を含む)がこの以前から出回っていた。そしてついにプーチン露大統領がこうした主張を否定するまでになったのである。

 米国務省報道官が述べたところによると、米国務長官はセルゲイ・ラヴロフに対し、「同地(『独立新聞』註:シリアを指す)におけるロシアの軍事プレゼンス増強の懸念が事実であるとすれば、個別の戦闘が紛争の更なるエスカレーションにつながる可能性がある」と伝えたという。これに対する我が外相の反応は明らかでない。しかし、ロシアの報道各社は、ラヴロフとケリーがシリアに関する協議をニューヨークで継続する見込みであると伝えている。同地では9月15-22日にかけて第70回国連総会が開催される。

 その年次会合では、ウラジミール・プーチンの演説が予定されている。ラヴロフは以前、この機会に、ロシアはシリア情勢を収拾するための独自案を提案する計画だと述べていた。特に国連安保理においては、対「イスラム国(IS)」連合の設立を検討するよう提案が行われるであろう。これは安保理に「完全な法的正統性を与え、国際社会の支持を取り付ける」ことを目的としたものとされる。ウラジミール・プーチンは、金曜日、すでに多くの政府がこの構想を支持していると述べた。同人はこの問題に関して、対IS軍事作戦にロシアが参加することを云々するのは時期尚早であるとマスコミとの会見において発言している。大統領は、記者の質問に答えて、「我々は様々な可能性を検討しているが、しかし、あなたが今おっしゃったようなこと(『独立新聞』註:軍事作戦への参加を指す)は我々の議題とはなっていない」と述べた。また、大統領は「シリアの我が友人達、そして同地域の各国との協議を進めることになろう」とした。

 一方、『ニューヨーク・タイムズ』紙は先週の金曜日、匿名の米政府関係者の話として、シリアの空軍基地にロシア軍の先遣隊と移動式航空管制システムが現れたと報じた。これに先立ち、イスラエルのメディアでは、アサド政権側に立って戦うスンニ派勢力の情報として、シリアにはロシア人パイロット、最新型のSu-34及びSu-27戦闘機、そして「プチェラ-1T」無人偵察機が到着したと報じた。ロシア外務省は先週、この情報を否定している。だが、過去2週間の間に少なくとも3隻のロシアの揚陸艦(「ニコライ・フィルチェンコフ」、「コロリョフ」、「ノヴォチェルカッスク」)と練習艦「スモーリヌィ」が「カモフラージュネットを被せた武器とともに」ボスポラス海峡を通過したというトルコのメディアには情報には何も言及がなかった。英『タイムズ』は最近、ロシアの軍人と見られる人物が最新型のBTR-82A装甲兵員輸送車に乗って政府側部隊の側で戦う映像を紹介した。これには会話を拾ったらしいトランスクリプトが付されていた。

 軍事専門家であるユーリー・ネトカチョフ少将は、ロシアの軍事顧問団の増強はまったく当然のことであると見ている。「彼らは当然、自らの同僚達とロシア語で話している。そしてシリア軍人の多く、特に将校は我が国の軍事教育施設で学んでいるのだから、ロシア語をよく知っている。したがって、無線の会話でロシア語が聴こえてきても当然なのだ」と彼は言う。また、ネトカチョフ将軍は、シリアでロシア人が戦闘行動を行っているとは考えていない。同人は、「我々はシリアに対して非常に充分な支援と物資、軍人の訓練、武器を提供している」という金曜日のプーチン発言を引用した。

 だが、将来的にロシアの軍人がISとの戦いに参加することは排除されていないようだ。第一に、アサド政権に忠実な「アル・ワタン」紙の情報によれば、ロシアは地中海沿岸のジャブラに新たな軍事基地を建設することを計画しており、ダマスカスはこれに好意的な反応を示しているという。ラタキアの南方25kmにあるジャブラは、シリア最大の港にしてこの地域の中核都市であり、バッシャール・アサドを支持するアラブ・ムスリムの居住地である。

 ロシア海軍の物資装備拠点があるタルトゥース港と異なり、同地は部隊や艦隊が安全に集結し、より多くの予備物資や武器を集積する上で好適な条件を備える。第二に、ウラジミール・プーチンはウラジオストクにおいて、ロシアの参加する連合を結成する可能性を示唆した。「我々はテロリズム及び過激主義との戦いに関する何らかの国際連合を結成することを実際に望んでいる」とした上で、同人は、「我々は国防当局のラインで連絡を取っており、最近、モスクワでこの紛争(『独立新聞』註:シリアとイラクにおける紛争を指す)と関わりのある国々の参謀本部の指導部と協議を行った」と述べた。

 第三に、アサド政権を支援するロシア、イラン、中国が対IS連合の主要参加国となるとの観測がマスコミで流れている。最近モスクワを訪問したイランのモハメド・ジャワド・ザリフ外相は、テロリズム及び過激主義との戦いにおける経済的な協力関係以外の優先分野として、イランとロシアの連携を挙げた。そして中露は今年5月、シリア沿岸から遠くない海域で合同軍事訓練を行っている。

 このようにしてみれば、中東地域におけるロシアの軍事的な活発さに対する米国の懸念は理解できるものだ。ペンタゴンはすでにアサド政府軍に対する爆撃を考慮し始めているが、シリア軍の戦闘序列にロシア軍人が含まれる可能性があれば、このようなシナリオは排除される。アサド政権がISよりも危険性が少ないと信じるイスラエルは、この点では米国に同調していない。旧ソ連やロシア出身の国民も勤務しているイスラエル国防軍では、米国とは異なり、イスラム過激主義との戦いのためにロシアが軍事連合を形成することはより実際的であると見なされている。

 (翻訳終わり)

ロシアがシリアに軍事介入を始める狙いとは

 ムーヒンは、シリアへのロシア軍展開に関する欧米及び中東の報道を手際よくまとめた上で、これが単なる軍事顧問団の増強に過ぎないとするネトカチョフ少将の主張(プーチン大統領の主張に沿ったもの)を引用している。シリアの軍人の多くがロシア語を喋れるのだというネトカチョフの主張の正当性はさて措くとして(バッシャール・アサド大統領の父であるハーフィズ・アサド大統領をはじめとして、シリア軍人にソ連・ロシア留学組が多いことは事実であるが)、BTR-82A装甲兵員輸送車やSu-34戦闘爆撃機のようにロシア軍しか保有していない装備がシリアで目撃されている以上、ただの「軍事顧問」であるとする主張はかなり根拠薄弱であろう。ムーヒンは敢えてこの点に踏み込まずにお茶を濁しているが、軍事評論家である同人にもこの点はよく分かっている筈だ。

 これはこれでシリア介入に関するロシア側の立場を知る上では興味深いが、さらに注目したいのは、その狙いに関する部分である。ロシアがシリアに軍事プレゼンスを展開し、しかもそれがシリア軍と一体となってしまえば、米国は容易にアサド政権への攻撃を行う訳にはいかないとムーヒンは見ている。

 記事中でも触れられているように、米国はロシアの軍事プレゼンスが紛争の「エスカレーション」につながりかねないとの懸念を示しているが、むしろこのような懸念を惹起することこそがロシアの狙いであるのかもしれない。いうなればシリアに展開するロシア軍は単にアサド政権を支えるだけでなく一種の「トリップ・ワイヤ」(朝鮮半島で最前線に配備されている米軍と同様、同盟国への攻撃があれば域外大国の介入につながりかねないことを相手国に認識させるためのもの)としての役割を期待されているのであり、その存在によって米軍の対アサド政権攻撃を回避することがロシアの狙いなのだと考えられよう。米軍は2013年からシリア領内への空爆を開始し、今年8月にはトルコのインシルリク基地を拠点として無人機及び有人機でISの拠点を攻撃しているが、今のところアサド政権側の部隊には攻撃は及んでいない。

 また、記事中でも触れられているように、ロシアは今後、シリア紛争をISに対する「対テロ戦争」と再定義することを狙っている。つまり、「アサド政権vs反体制派」であった当初のシリア内戦にISが参入してきたことを契機に、「IS vs 反IS連合(アサド政権+反体制派+その他諸国)」へと紛争の構図を書き換えてしまおうということだ。

 8月11日に行われたロシアとサウジアラビアの外相会談において、ラヴロフ外相はロシア、中東諸国、アサド政権による「対IS連合」の創設を提起したものの、この際は反アサド政権を掲げるサウジアラビアの同意を得られることなく終わった。だが、ロシアが依然としてこの構想を諦めていないことは、記事中でも引用されているプーチン大統領やラヴロフ外相の発言からも明らかである。

 ところでロシアがシリアで軍事プレゼンスの増強を始めたのは今年8月半ば以降と見られるが、これはムーヒンが触れている9月の国連総会を見据えたものであろう。シリアにおける軍事プレゼンスによって米国の対アサド政権攻撃を封じた上で改めて対IS連合構想を提起し、これを認めさせる思惑があるものと思われる。

 その背景には、IS対策のためにアサド政権を容認してもよいのではないかとの空気が一部の西側諸国に見られるようになってきたことであろう。今年3月、ケリー米国務長官が「最終的にはアサド政権と交渉する必要がある」と述べたことや、記事中で触れられているイスラエルの態度に見られるように、ロシアは「大連合」構想でアサド政権の生き残りを図るチャンスが出てきたと読んでいるのではないか。

 ただし、サウジアラビアとの交渉決裂からも想起されるように、「大連合」構想の成立は簡単な話ではない。この場合、まさにプーチン大統領が「将来の可能性」として示唆しているように、ロシアが公にシリアで対IS軍事作戦に踏み切ることも考えられよう。いずれにせよ、目前に迫った国連総会でプーチン大統領が何を語り、各国がどのような反応を示すかが注目される。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5352

これで、欧米はISISを叩くふりをしてシリア攻撃をすることが出来ない。万が一米軍や欧州の戦闘機がロシア軍を空爆すれば、必ずプーチンは報復するだろう。それこそプーチンの罠に嵌ることになる。まかり間違えば、第三次世界大戦の口火をきることになる。今の米国にもEUにもそんな余裕は無い。

◆イラン核合意から得られる中露の戦略的利益

2015年09月08日  岡崎研究所 WEDGE Infinity

 8月4日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、ハドソン研究所のハーマン上席研究員が、イラン核合意により中東に大パワーシフトが起きる、中露はイランとの政治経済関係を全面的に拡大し米国の影響力を削ぎながら同地域での重要なプレイヤーになるだろう、と警鐘を鳴らしています。

 すなわち、今般のイラン核合意から最大の利益を得る国はロシアと中国である。両国は既にイランを通じて影響力を確実に拡大している。モスクワ・北京・テヘラン枢軸は今や確実のものであり、これはスエズ動乱以後中東の最大のパワーシフトである。

 中露は、当初からイランの核開発を支援してきた。それにもかかわらず両国は国連などで非難されるどころか、反対にオバマ政権は、安保理制裁をかけるために両国との協力に腐心してきた。中国は石油の輸入規制からの例外まで認められた。

 中露は、情報技術から石油ガスに至るまで制裁解除を全面的に利用するだろう。中国はイランのエネルギー部門に既に210億ドル以上の投資をしており、制裁解除後はそれが倍になる可能性もある。中国のイラン原油輸入は現在60万BDであるが、100万BD以上になる可能性もある。

 通常兵器の輸入規制も解除される。イランは凍結資産の解除により1000億ドルの資金を手にするが、中露から大量の兵器を買い付けるだろう。ロシアはSu-30戦闘機やS-400などの対ミサイルシステムなどを売ろうとするだろう。中国は、JF-17戦闘機やJ-20ステルス戦闘機、039型ソン級潜水艦や巡航ミサイルをイランに供与することができる。潜水艦や巡航ミサイルはホルムズ海峡の支配を確立するのに役立つ。

 さらに重要なことは、今後イランは、ロシア、中国の戦略的利益の増進を図るだろうということだ。ロシアの東地中海での海軍力の増進を助けるシリアのアサド大統領への一層のテコ入れもするだろう。中国は、イランを戦略パートナーに格上げし合同軍事演習を拡大するだろう。上海機構へも加盟させるだろう。また、イランは中国のシルクロード経済圏構想の前進基地になるだろう。

 今回の合意がイラン核兵器開発にどういう影響を与えようとも、合意の地政学上の影響は極めて大きい。三国の枢軸ができ、中露が中東の重要プレイヤーになることは、米国の影響力を確実に侵食するものであり、その意味合いは計り知れない、と述べています。

出 典:Arthur Herman ‘The Moscow-Beijing-Tehran Axis’(Wall Street Journal, August 4, 2015)
http://www.wsj.com/articles/the-moscow-beijing-tehran-axis-1438704822

* * *

 極めて興味深い、直截な分析であり、賛同できます。今回のイラン核合意には、核兵器開発を実際に阻止できるかどうかということと中東の地政学への影響という2つの側面があることは、これまで指摘されてきていることですが、この記事は、後者の側面に注目し、中露両国がイランを通じて影響力を拡大し米国の影響力は確実に低下すると主張しています。相当の説得力があります。とくにイランが中国のシルクロード構想推進の前進基地になるとの見方には現実味があります。

 イラン核合意は、これから米議会で審議されます。ケリー国務長官、オバマ大統領が議会への説得を本格化させています。他方で、イスラエルは議会に対する働きかけを強めています。米議会の今までの関心は、どちらかというと核兵器開発阻止の側面にあったので、今回のハーマンのような観点からの問題提起が、議会審議に微妙な影響を与えるかもしれません。オバマ大統領は、たとえ議会が合意を拒否する決議を送付して来ても、拒否権を行使するとしており、今のところ議会で大統領拒否を覆すために必要な3分の2は確保できないと見られています。しかし、議会が拒否の意思表示を突き付けることになれば、今後の手続きを一層複雑化することは間違いありません。

 ハーマンが言う「スエズ動乱以後最大の中東のパワーシフト」にどう対処していくべきかについては、今後更に議論があるでしょうが、現時点でとりあえず重要と思われる点は次のようなことではないでしょうか。

 (1)イランを中露両国に任せないで、米日欧等の諸国が、経済、政治の分野での協力を、思慮深く強化していくこと。こちら側も一定程度エンゲージしていかないと、イランを益々中露側に追いやることになってしまいます。

 (2)イランとの間で、政策協議を強化すること。米・イラン間には現在外交関係はありませんが、何らかの高級レベルの定期協議の制度化が必要ではないでしょうか。日本も両国協議体制の強化を検討すべきでしょう。イランについて、ここまで決断した以上、合意の履行を見つつ、インドの国際社会での立場を正常化したように、イランとの関係も正常化する道を進む方が有利かもしれません。

 (3)米国が中心になってサウジなどアラブ諸国との結束を強めること。5月のキャンプ・デイビッド会談や8月3日のケリー長官のGCC会議出席等の努力を続けることが重要でしょう。

 (4)湾岸戦争の後、米国はベーカー国務長官が主導して速いペースで米露共同主催の中東和平マドリッド会議を構想し、実施しましたが、同様に、早い時期に中東全域を巻き込む何らかの会議を構想し、イランとアラブの信頼を醸成できないものでしょうか。

 (5)中露の影響力拡大をバランスするため、米国は中東でのプレゼンスを維持、強化していくこと。他方、これによりアジアのリバランス政策が悪影響を受けないようにすべきことは言うまでもありません。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5320

◆マスコミ:サウジアラビアはロシアとの同盟を必要としている

2015年06月26日 Sputnik 日本

サウジアラビアの国防相を務めるムハンマド・ビン・サルマン王子のロシア訪問は、サウジアラビアが支援を獲得し、新たな同盟国を見つけようとしていることを物語っている。チェコのサイトParlamentnilisty.czは、このように伝えた。

サルマン王子は、ロシアのサンクトペテルブルグで開かれた国際経済フォーラムの場で、ロシアのプーチン大統領と会談した。プーチン大統領は会談の席で、サウジアラビアに招待されたことに言及し、ぜひ訪問したいとの考えを表した。またサルマン王子は、サウジアラビア国王が、ロシア訪問の招待を受け入れたことを確認した。

サウジアラビア代表団は、ロシアと、原子力や軍事分野に関する計6つの協定に調印した。Parlamentnilisty.czの記事では、「石油に関する協力協定は、近い将来、世界の原油価格を再び上昇させるだろう。これは非常に重要、かつ驚くべきことである」と指摘されている。なぜならサウジアラビアは今まで、米国とこのようなことを行ってきたからだ。

記事の執筆者は、サウジアラビアは、2年連続で原油価格を最低限にまで落として、ロシアに打撃を与えているため、サウジアラビアとロシアの「石油同盟」という響きは、サウジアラビアの政策を考慮した場合、自分にとって不思議なものだ、と指摘している。サウジアラビアの王家「サウード家」は、新たな指導部を持った。その指導部は、サウジアラビアにとって困難な時期であることに関連して、「友人」を増やそうという点で、これまでの指導部とは異なる可能性があるという。記事の中では、「サウジアラビアは、信頼できる国であるものの、最近は、中東における米国のさらに不屈な従属国となり、多くの問題で袋小路に迷い込み、出口を模索している」と指摘されている。

またサウジアラビアは、リビア、シリア、イラク、そして、度合いは少ないものの、エジプトの情勢不安定化に手をかけたが、これら全ての地政学的、そして現実的な戦いの場は、サウジアラビアの管理下から抜け出てしまった、という。

また原油の低価格によって財政赤字が増え、非常に裕福な国であるサウジアラビアの国民の大多数が貧困に耐えながら暮らしており、不満が高まっている。

記事の中では、「ロシア大統領府は、必ずしもサウジアラビアと、何らかの真剣な同盟を結ぶ必要はないように思われる。なぜなら今、この同盟を一番必要としているのはロシアではなく、サウジアラビアだから」と指摘されている。

http://jp.sputniknews.com/middle_east/20150626/498858.html#ixzz3e7dEOkf3

◆ギリシャ「対ロ制裁に反対」 ロシアと首脳会談

2015/4/9  日本経済新聞

 【モスクワ=古川英治】ロシアのプーチン大統領は8日、債務問題で欧州連合(EU)と対立するギリシャのチプラス首相とモスクワで会談した。EUの対ロ制裁への対抗策としてロシアが発動した欧州の農産物の禁輸措置の中で、ギリシャ産の規制を緩和することなどを協議。チプラス首相はEUの対ロ制裁に反対を表明した。ロシアはギリシャなどの取り込みを進め、EUの切り崩しを狙う。

 チプラス首相は会談後の共同会見で「EUの対ロ制裁には賛成していない」「制裁による悪循環を断ち切るべきだ」などと主張した。プーチン大統領は「ギリシャから金融支援の要請はなかった」としたうえで、農業やエネルギー、インフラ分野での協力を提案した。

 ウリュカエフ経済発展相によると、ロシアはギリシャ産の果物などの輸入規制を緩和する方向で、ロシアのメドベージェフ首相が9日、チプラス首相に具体策を提案する。プーチン大統領はトルコとの間で計画する天然ガスの供給計画への参加もギリシャに呼びかけた。

 チプラス首相は当初、モスクワで5月9日に開く対独戦勝70周年記念式典に合わせて訪ロする予定だったが、金融支援の延長交渉でEUと対立を深める中で訪問を前倒しした。

 ギリシャの財政改革を前提とするEUと国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の金融支援の継続を巡る交渉は難航しており、ギリシャの資金繰りは逼迫している。チプラス首相はロシアに接近する姿勢を見せることで、EUに揺さぶりを掛ける思惑があるとみられる。

 ギリシャは経済的な実利の確保も目指している。同国政府によると、イチゴや桃などの果物は対ロ輸出の2割程度を占め、農産物の禁輸措置により2014年後半だけで8000万ユーロ規模の損害が出ている。天然ガスの6割強もロシアからの輸入に依存している。

 EUはロシアのウクライナへの軍事介入を受けて導入したロシアの金融機関や銀行を対象にした制裁を延長するかどうかを6月に判断する。延長には加盟28カ国すべての賛成が必要となる。ロシア政府筋はギリシャが1国で延長に拒否権を発動するとは期待していないとしながら、「EU内の制裁反対勢力を増やせば、フランスやスペインなど大国も動かせる」と発言した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO85461250Z00C15A4FF2000/

ロシアは帝政初期に旧東ローマ帝国の皇女を嫁に迎えているから、コンスタンチノープルがオスマントルコに陥落させられたときいらい、東ローマ帝国の正当な後継者にして正教会の守護者を任じている。
だから現在のロシア連邦の国章は東ローマ帝国と同じ双頭の鷲だ。

そしてギリシァは冷戦時代に西欧陣営にあったが、文明的にいえば東ローマ帝国に属し、ロシアと同じ正教会である。

ロシアにとってギリシァを自陣営に取り込むことは、大きな地政学的メリットがある。ロシア黒海艦隊はNATO加盟国である東ローマ帝国を滅亡させた宿敵トルコのコントーロルするボスポラス海峡を通過しなければ地中海に出ることができない。ギリシァに基地を設けることができれば、その必要はなくなる。

旧西ローマ帝国=カトリックとその後継のプロテスタント=ラテン語文明圏の末裔同士の文明の衝突ということになる。

EUにとってこれ以上底なし沼の援助は難しいと成れば、新たな冷戦を生む可能性がある。最早腰抜けオバマにはどうすることも出来まい。イスラエルもサウジアラビアもエジプトも全部反米にしてしまった。

◆北方領土事業に日本参加を=望まなければ韓国を検討-ロシア知事代行

2015/07/25 時事通信

 【モスクワ時事】タス通信によると、ロシア極東のサハリン州のコジェミャコ知事代行は25日、記者会見で「クリール諸島(北方領土と千島列島)発展の共同プロジェクトに日本も参加するよう今後活発に提案していく」と述べた。一方で「日本にその希望がなければ、韓国などの合弁企業参加を検討する」との考えを示した。

 ロシア政府は23日、現行の「クリール諸島社会・経済発展計画」(2007~15年)の次期計画(16~25年)を閣議決定。予算は700億ルーブル(約1500億円)で、インフラを整備して事実上の支配を固定化する狙いがある。 

 発展状況を視察するため、メドベージェフ首相は3回目の北方領土訪問を8月にも予定。プーチン大統領の年内訪日を控え、日ロ関係への影響が懸念されている。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201507/2015072500287

◆北朝鮮にロシアが異常接近

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)6月3日(水曜日)
   通算第4562号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 中国の北朝鮮冷遇の隙間につけいったロシアの巧緻
   最高人民会議議長、国防相、外相らが相次いでモスクワ詣で
*************************

 中国の北朝鮮への冷たい態度はまるで氷のように凍てついて、駐平壌大使は軽量級。虫の居所が極端に悪い習近平が言ったことは「中国はこの地域の安定を望んでいるが、政権の安定を望んでいる訳ではない」だ。

 この中朝冷却の政治状況に巧みに乗じて北朝鮮に影響力を増大させているのがロシアである。ソ連時代、北の最大の保護者でもあった。
 
2014年2月以来、両国の要人の往来は激しくなり、金永南(最高人民会議委員長)がソチ五輪に出席したのを皮切りに、同年十月にはリ・スヨン外相、十一月にはヒョン・ヨンチョル国防相がモスクワを訪問した。
答礼にモスクワからはガルシェカ極東開発大臣が3回、ユーリ・ツルゼフ(副大臣)らが平壌を訪問している。

2015年になって四月にヒョン・ヨンチョル国防相が改めてモスクワを訪問し、同年五月に金永南が赤の広場の軍事パレードに参列した。頻度激しい相互訪問に比べると、北京の反応は冷たい。

 ロシアは2015年を「北朝鮮友好年」として政治イベント計画中といわれる。
 五月9日の軍事パレードに参加しなかった金正恩は、国際デビューの機会を見逃したことになるが、ロシアは北朝鮮に対して暖かい姿勢を続ける。

金正恩が大事な外遊と認識しながらも、平壌を留守に出来ないのは、不在中の軍事クーデターを警戒するからであろう。

 ロシア極東部に出稼ぎにでている北朝鮮労働者は、すでに五十万人といわれ、この労賃収入によって、北朝鮮は食料危機を回避しているとも観測されている。

 実際にウラジオストクやナホトカをあるくと建設現場には北朝鮮からと見られる労働者が3K現場で働いており、カザフスタンやウズベキスタンの出稼ぎ労働者と一緒に建設作業をしていた。

 「2013年二月の三回目の北の核実験以後、中国は対北政策を極端に冷却化させてきた。6者協議も、おそらく16年秋の米国大統領選挙以後に持ち越されるだろう」(ジェイムズタウン財団『チャイナ・ブリーフ』、5月29日号)。

 ▼中国の苛立ちは本物だが、時間的余裕が狭まった

 北朝鮮に対する中国の不快感は宗主国として、家来が言うことを聞かないという単純な理由からの反発、冷遇だが、中国軍の配置を一覧すると、遼寧省の北朝鮮国境に瀋陽軍区の主力部隊およそ10万から20万人ていどを貼り付けており、いざという場合に軍事介入できる態勢にある。

 たとえば親中派の軍人等がクーデターを起こし、非常事態宣言布告後、治安維持のために中国軍を「平和維持部隊」として派遣要請するシナリオが考えられるだろう。
 瀋陽軍区は装備に優れ、機動力もある。鴨緑江を挟んだ国境の町=丹東(日本時代の安東)までの鉄道を利用して多くの装甲車、戦車が運び込まれている。それもこれも北朝鮮の核爆弾は、日本向けというより、いつでも中国に向けられる懼れがあるからだ。

 中国はロシアの北への急接近を過剰には評価しておらず、その経済的破綻情況を根本から立て直すほどの意気込みも資金もロシアにはないと踏んでいる。むしろ、この平壌のモスクワ異常接近は、金正恩の危険な綱渡りだと認識している。「ロシアはルーブル下落やインフラ建設能力の問題があり、北朝鮮へおおきなプロジェクトを運べない」というアキレス腱があるからだ。

 そして北京は北朝鮮の外相の訪問を受け入れても、数時間もまたせたうえ、いままで経験したこともない冷遇で対応した。このことに象徴されるように習近平の絶対的要求は北朝鮮の核開発凍結である。

 とはいうものの北京も九月三日に予定している「抗日戦争勝利軍事パレード」には、プーチン大統領の出席に加えて、金正恩の出席を望んでおり、最近、中国外交部は駐平壌大使を外交官僚の重鎮と交替させた。そのうえで食料援助をカードに再接近を試みているフシがある。

http://melma.com/backnumber_45206_6216341/

◆アルゼンチンがSu-24を配備!?英政府フォークランド諸島防衛を見直し

2015/01/02 FlyTeam

アルゼンチンが、ロシアからスホーイSu-24フェンサー戦闘爆撃機12機のリースを受ける模様で、イギリス国防省はフォークランド諸島の防衛について見直しを迫られています。イギリスのDaily Expressが、2014年12月28日に報じています。

ロシアは、クリミア問題でEUから牛肉や小麦粉などの食料の禁輸措置を受けています。プーチン大統領は2014年7月にアルゼンチンを訪問した際に、禁輸により不足する食料と、ロシア製兵器の交換を話し合いました。食料と交換される兵器の中にSu-24 12機のリースが含まれています。

Su-24は2,000マイル(約3,220キロ)の航続力があり、レーザー誘導ミサイルを搭載できる長距離戦闘爆撃機であることから、アルゼンチン本土からフォークランド諸島への攻撃が容易になります。イギリスは国防予算削減のため、フォークランド諸島の防衛に、タイフーン戦闘機4機とレイピア地対空ミサイル、1,200名の兵員しか派遣していません。

イギリス国防省では、2020年に空母HMSクイーン・エリザベスが実戦化するまでに、Su-24が配備されたらピンチと考え、対策を検討しているとのことです。

http://flyteam.jp/news/article/44716

ロシアは英国の一番痛いところを狙って来たな。
戦闘は無いにしても、外交戦争では一歩先を越された英国に、果たして対抗策が出せるのか?


神戸山口組はまだ広域指定暴力団に指定されていない

2015-09-11 06:15:31 | 資料

  

 

堅気の私たちには全く迷惑な話だが、生活圏における抗争や暴力行為はまったく無縁とはいえない話でもある。危険回避には、最低限の知識を持っておく必要があるだろう。

テロ資金凍結法の施行が国会で決定した。施行日は今年の10月5日である。これを期した様に国際的にも国内でも凍結対象であった広域暴力団の山口組が分裂した。

この新興「神戸山口組」はまだ広域暴力団の指定も無い。米国や国連などの国際的テロ・マフィアの指定にもなってはいない。このままだと新たに指定されるまでには1年から1年半はかかるものと思われる。

昨年の司忍6代目山口組の年間収入は、アメリカのビジネス誌『FORTUNE』によると8.6兆円と発表された。

第一位 日本山口組 年収約8.6兆円 
山口組は世界最大の反社会組織で、構成員は2.8万人に上るとされ、主な収入源は自家製の麻薬関連品、賭博、恐喝行為や囲い込みであるとされる。組織内の分類は精緻を極め構成員は一度組織に参加すると、組織に対する忠誠を誓う必要があり、求心力も高い。日本政府は近年になって取り締まりを強化しているものの、勢力は依然として強大であるとされる。 

第二位 ロシアSolntsevskaya Bratva 年収約9119億円
第三位 イタリアCamorra 年収約5257億円
第四位 イタリア’Ndrangheta年收約4827億円
第五位 メキシコSinaloa Cartel年收約3219億円

http://fortune.com/2014/09/14/biggest-organized-crime-groups-in-the-world/

旧6代目山口組の資産凍結が執行されることになれば、そちらはそれで大きなテロや犯行活動も予想される。まして住民票無登録の不法滞在ともなれば、強制送還逃れにも人質を取っての集団テロも予想がつく。

今回神戸山口組に分離した山健組と宅見組のものと分かっている証券や株式などだけでも、その資産は約2兆円あると推察されている。そちらは今回のテロ資金凍結法からは全くの対象外と言う理不尽な事実となる。 http://www.nikaidou.com/archives/70822

◆「神戸山口組」これが人事一覧と掟だ

2015.8.8  暴力団ニュース~ヤクザ事件簿

 世間を震撼させている日本最大の指定暴力団、山口組の分裂劇は今後、どんな展開を見せるのか。この分裂劇の裏側に何があって、真相は何か。

■月会費は大幅減額、組長への贈り物禁止

 今月5日、神戸市花隈の山健組本部に、山口組を離れた「神戸山口組」のメンバーたちが集まり、発足に向けて人事や月会費を決めた。

 出席したメンバーによれば、人事は次の通りである。煩雑になるが、よそではまだ報じられていないようなので、記すことにする。

神戸山口組の組長は事前予想通り



井上邦雄(山健組組長)


若頭は寺岡修(侠友会、淡路市)
若頭補佐・剣柾和(黒誠会会長、大阪市)
同・織田絆誠(今回、山健組から抜擢)

 入江禎(宅見組組長)

副組長・入江禎(宅見組組長、大阪)

 正木年男(正木組組長)
総本部長・正木年男(正木組組長、福井県敦賀市)
本部長・毛利善長(毛利組組長、吹田市)
舎弟頭・池田孝志(池田組組長、岡山市)
舎弟・岡本久男(松下組組長、神戸市)
同・宮下和美(西脇組組長、神戸市)

顧問・奥浦清司(奥浦組組長、東大阪市)
若中・池田幸治(真鍋組組長、尼崎市)
同・高橋久雄(雄成会会長、京都市)
同・清崎達也(大志会会長、熊本県八代市)
(順不同)

 注目すべきは神戸山口組が新しく決めた月会費の額である。役付き30万円、中堅20万円、若中10万円と安い。弘道会が支配する従来の山口組では若中が支払う最低額でも100万円以上だから、その10分の1以下といえる。さらに中元、歳暮を組長に贈ることは禁止、組長は誕生日祝いをせず、組長への贈り物も禁止となった。

 従来の山口組では中元の時期、直系組長たちが拠出して司忍組長に贈るカネが5000万円、歳暮として同じく直系組長たちが分担拠出するのが1億円、1月25日の誕生日祝いにも1億円を司忍組長に差し出している。両派組員の支払額はえらい違いで、神戸山口組は今の不況にかなっている。

 当然、弘道会支配の山口組が行っているミネラルウオーターや日用雑貨品の強制売り付け(月額50万円以上)も神戸山口組はやらない。

 メンバーたちの多くは「会費の安さと水などの強制売り付けなしはものすごく助かります。6代目山口組が異常なわけで、執行部は脅迫的に直参たちからカネをむしっている。こういうことをまだ続けるつもりか、常識を疑う」などと批判している。

 また6代目山口組が今回、神戸山口組の副組長に納まった宅見組・入江禎組長に対する切り崩し工作を中止するよう指令を出した。これについては、6代目山口組は、よほど入江副組長が握る司忍組長の脱税データと証言が怖いのだろう、との声が参加者からも湧いた。

 こうして両派は対決局面に入ったが、まだどこからも拳銃の音は聞こえてこない。両派の並立が長く続くのかもしれない。

http://yakuzanews.blog36.fc2.com/blog-entry-7754.html

■神戸山口組勢力図

組長 – 井上邦雄(四代目山健組組長)

■執行部
入江 禎-副組長(二代目宅見組組長)
寺岡 修-若頭(侠友会会長)
正木年男(正木組組長)
池田孝志(池田組組長)
奥浦清司(奥浦組組長)
毛利善長(毛利組組長)
岡本久男(二代目松下組組長)
剣 柾和(二代目黒誠会会長)
宮下和美(二代目西脇組組長)
高橋久雄(雄成会会長)
池田幸治(四代目真鍋組組長)
清崎達也(大志会会長)

本部:兵庫県淡路市

◆神戸、大阪地区を中心に見ると

神戸山口組参画組織  (現在の勢力)

井上邦雄(四代目山健組組長)(兵庫
入江 禎(二代目宅見組組長) (大阪)(ミナミ) 
寺岡 修(侠友会会長) (兵庫
正木年男(正木組組長) (福井) 
池田孝志(池田組組長) (岡山)
毛利善長(毛利組組長) (大阪
岡本久男(二代目松下組組長) (兵庫
剣 柾和(二代目黒誠会会長) (大阪)() 
奥浦清司(奥浦組組長) (東大阪
宮下和美(二代目西脇組組長)(神戸) 
高橋久雄(雄成会会長) (京都) 
池田幸治(四代目真鍋組組長) (尼崎) 
清崎達也(大志会会長)(熊本)

・邦尽会(大阪)(中央区) 
竜心会(大阪)(中央区) 
勝心連合(大阪)(中央区) 
秀誠会((大阪)西区) 
生島組(大阪)(浪速) 
姫野組(大阪)(西区) 
兼一会(大阪)(中央区) 
忠心会(大阪)(生野) 
神仁会(大阪)(平野) 
柏田組(大阪)(東住吉) 
牧野興業(大阪)(東大阪) 
禎心実業(大阪)(東住吉) 
竜道会(大阪)(豊中) 
砂子会(大阪)(

住吉会から合流

加藤孝次郎 (幸平一家) 東京都板橋区大山金井町
約900人 住吉会きっての武闘派だった
縄張りは広範囲に渡り池袋、上板橋、高田馬場、椎名町、江古田、沼袋、
中野、新宿落合、早稲田、雑司ヶ谷、牛込、神楽坂、中井、目白、
井草、旧二本木一家の埼玉地域。

どうもこちらが本流の山口組になりそうだ。
それと10月5日施行のテロ資金凍結法の対象になっていないことが重要。
6代目山口組は、米国でも国連でも日本国内でも凍結対象になっているが、神戸山口組は広域指定暴力団にもまだ指定されていない。

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住吉会(すみよしかい)は、東京都港区赤坂に本拠を置く博徒系指定暴力団。米政府より薬物や武器の密輸、人身売買等の犯罪に関与する国際犯罪組織と認定されている。 勢力範囲は1都1道1府16県、構成員は5,900人であり準構成員を含めると約12,800人。(2012年2月時点)

住吉一家を中心とする、歴代の住吉一家総長を重んじる組織である。会内で住吉一家の傘下でない組織は幸平一家のみだった。この幸平一家が抜けたことにより、実質の住吉会は住吉一家となる。もちろん日本国内でも住吉会はテロ資産凍結法の指定暴力に指定されている。

◆山口組分裂で一触即発臨界点越す 防弾チョッキ両陣営に送付

2015.09.09 NEWSポストセブン

“日本最大の暴力団”山口組の分裂が明らかになった。いま最も恐れられているのは分裂による抗争が起きるかどうかだ。日本でもっともヤクザに詳しいライター・鈴木智彦氏が、その可能性について各方面からの情報を基に分析する。

 * * *
 かなり早い段階で、山口組からの離脱組は自分たちの大義を新聞社経由で発表したがっていることが分かった。抗争になれば大義名分が不可欠になる。

 現実には強い者の言い分が筋で、最終的に暴力の勝負とはいえ、離脱という大罪を背負った側は、その理由を喧伝しなければならない。というのも暴力団には「親分が絶対」という建前があり、これをひっくり返すのは難儀なのだ。

 だからクーデターの大半はトップが死に、または引退し、親分・子分の疑似血縁制度の縛りが消滅した時に表面化する。その点、今回のクーデターは、極めて異例だ。

「一和会のほうがまだマシだ。今回はみなが司忍六代目と縁を持っている。なにを言ったところで、大義なき逆賊だろう」(山口組二次団体幹部)

 1981年に田岡一雄三代目が病死して以降、跡目を巡って勃発した山一抗争(※注)とは、ここが決定的に違う。ヤクザ的な物差しでは、離脱組は明らかに不利なのだ。

【※注/1984年に竹中正久が四代目を襲名したことに反発した反竹中派が「一和会」を結成。竹中組長は一和会に殺害されたが、山口組の報復が激化。1989年の終結までに双方で25人もの死者を出した】

 抗争の可能性は極めて高い。暴対法も暴排条例もヤクザのメンツの前には意味がない。確信しているのには理由がある。山口組関係者からかかってくる電話は、明らかに変化している。

http://www.news-postseven.com/archives/20150909_348965.html

◆山口組分裂問題 半グレ同士の対立をもたらす危険性指摘される

2015.09.04   NEWSポストセブン

 日本中の注目の的となっている山口組の分裂問題。8月27日、「山健組」を中心に13団体が六代目山口組を離脱することが決定的になった。離脱グループの構成員数は組全体の3分の1近くに上り、今後、新組織を結成すると見られている。

 六代目山口組はそれらの団体に対し、「絶縁」や「破門」の処分を出した。特に重い処分が、山健組など5団体が受けた「絶縁」だ。暴力団の事情に詳しいジャーナリストの伊藤博敏氏が解説する。

「絶縁とは、六代目山口組から“今後一切、ヤクザを名乗って活動してはいけない”と宣告されることです。ところが、山口組の主流をなしていた山健組は“兄弟盃”を交わすなどして山口組以外の暴力団とも友好的につきあってきた。たとえば、東京・板橋に拠点を置く有力団体は、山口組に次ぐ規模を持つ『住吉会』の傘下組織だが、山健組と近い。福岡・大牟田に拠点を置く有力団体もそう。そうした全国の団体が、これまで通りに山健組とつきあいを続けることは六代目山口組にとっては許されない。彼らも六代目山口組と敵対することになります」

 日本最大の山口組の分裂は、他団体をも二分する動きに繋がりかねないという。影響はそれだけではない。

「東京の西麻布や六本木などの繁華街では、“半グレ”と呼ばれる不良グループが過去に何度もグループ同士で凄惨な暴力事件を起こしています。彼らは暴力団の影響下にあるので、ヤクザが抗争を始めれば、半グレ連中同士も対立を始める可能性があります」(伊藤氏)

 日本全国に広がる抗争の火種――それが山口組分裂がここまで注目される理由だ。

 過去、抗争事件には多くの一般人が巻き込まれている。1984年から1989年に山口組の一部が分裂して起こった「山一抗争」の時には、尼崎市のスナックでバンド演奏のアルバイトをしていた19才女性が流れ弾に当たって亡くなる事件も起きた。

 当時に比べると警察の取り締まりは厳しくなっているが、予断は許さない。特に繁華街では事件の危険性が高まっている。

 過去の事件をみると、事件が頻発しているのは暴力団事務所や幹部自宅やその周辺の路上。クラブやスナックなどのネオン街も危ない。さらに、意外に危険な場所も浮かび上がってきた。

「事件が起きやすいのは、暴力団幹部が頻繁に訪れている“行きつけ”の場所です。たとえば、繁華街に近いシティーホテルやビジネスホテル。ヤクザの組や幹部にはお気に入りのホテルがあり、宿泊や会合は同じホテルで行うことが多い。過去には、山口組の最高幹部が神戸市内のシティーホテルのティーラウンジで銃撃され、一般人が巻き添えになって亡くなった事件も起きました」(伊藤氏)

 繁華街の中の老舗喫茶店も危ない。たばこを吸えたり、ソファがあるなど組員の集合場所になりがちだ。繁華街にあるファミレスが行きつけの打ち合わせ場所になっていることもある。

「かつて山口組の竹中正久四代目組長は愛人宅のマンションに入るところを暗殺されました。その他、持病の治療のために通っている病院の駐車場や出入り口なども待ち伏せされやすく、過去に事件が起きています」(伊藤氏)

※女性セブン2015年9月17日号

http://www.news-postseven.com/archives/20150904_348049.html

東京で危ないのは、六本木と池袋北口西口方面らしい。
事務所近辺とか、暴力団幹部の行きつけの飲み屋とかには近づかない方が得策。

山口組の分裂騒動が大手マスコミの格好の報道テーマになっているが、なぜ日本の暴力団がこれほどまでに勢力を伸ばしてきたかの検証報道は一切されていない。

元公安調査官・菅沼光弘は、2006年10月19日に行われた東京・外国特派員協会における講演で、山口組のナンバー2である高山清司から聞いた 話として、暴力団の出自の内訳は()60%、在日韓国・朝鮮人30%、一般の日本人など10%であるという見解を示した。
なお、菅沼の現職時代の担当は共産圏分析。また公安調査庁は暴力団自体が担当外。

山口組顧問弁護士を務めた山之内幸夫は『文藝春秋』昭和59年11月号に寄せた「山口組顧問弁護士の手記」において「ヤクザには在日朝鮮人や地区出身者が多いのも事実である」「約65万人といわれる在日朝鮮人のうち約50%が兵庫・大阪・京都に集中していることと山口組の発展は決して無関係ではなく、山口組は差別や在日朝鮮人差別の問題をなしにしては語れない」と述べた。

被差別の詩人植松安太郎は「ご承知のとおり山口組のなかの70%は民だといわれているけれど、関東だって切った張ったのやくざの手下や用心棒のなかには民がいっぱいいるわけですよ」と語っている。

「杉並からの情報発信です」
http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/0f36d3bdf48b327b0f29d37979a0f14f

◆ 山口組分裂、それでも大抗争が起きない理由  「やくざの時代」の終焉か?

2015年09月10日  伊藤 博敏 現代ビジネス

司組長が離脱者に送った「通達文書」

本来なら、血で血を洗う抗争が始まっていてもおかしくないが、いまだ静けさを保っているのが、山口組分裂騒動である。

8月末に山口組を割って出た一派は、9月5日に定例会を開き、組長は井上邦雄・山健組組長、副組長は入江禎・宅見組組長、若頭は寺岡修・侠友会会長といった人事を明らかにするとともに、組名は「神戸山口組」で代紋は「山菱」を使うと宣言した。

「親」である司忍6代目を裏切って外に出た「子」の井上組長らが、山口組という名称も代紋も継続使用するというのだから「やくざの論理」では許されない。

だが、山口組のみならず全国の暴力団で、最も資金力のある戦闘部隊を持つと言われる名古屋の弘道会を支配下に置く司組長は、「軽挙妄動を慎め」と、文書で通達。また、山口組に戻りたい離脱者には、「寛容な気持ち」で接するように伝えている。

神戸山口組も同じだ。構成員約3000人で、全国的には約1万人の山口組の3割に過ぎないが、神戸では圧倒、大阪でも五分の勢力を誇る。しかし、抗争を起こすことがないように厳命。それでも「夜の盛り場」でトラブルが起きかねないと、自警団を組んでパトロールしている。

両山口組の関係者はもちろん、警察幹部も他の暴力団幹部も、「山一戦争のようなことはない」と、口を揃えた。30年前にも山口組は、4代目襲名をめぐって分裂、山口組VS一和会の抗争となり、竹中正久4代目を始め25人もの死者を出したが、その“再来”はないというのだ。

第一に挙げられるのは、時代の変化である。

1984年の山一戦争勃発は、バブル経済の前夜だった。その後、旧住友銀行に山口組の企業舎弟が入り込んで3000億円を闇に流したといわれるイトマン事件、竹下登政権誕生に功績のあった稲川会会長への謝礼が、4000億円の債務保証となって東急電鉄仕手戦などに繋がった東京佐川急便事件に象徴されるように、バブル期、「裏の世界」の住人であるはずのやくざが、「表の社会」を侵食し始めた。

これを放置できなくなった国家権力は、92年施行の暴対法を皮切りに、改正を重ねて組長の使用者責任を厳格にし、11年には暴排条例を全国施行して、やくざの糧道を絶った。違法行為はもちろん、合法的な事業も禁じられ、配下の組員が犯した罪でも組長が被って賠償責任を取らされる。

がんじがらめのなか、暴力団社会は衰退を余儀なくされ、暴力団の構成員と準構成員を含めた数は、毎年1割減が続いて、14年末には約5万3000人となった。

「儲かっているのは弘道会だけ」という不満

この危機を、内部にあっては厳しい管理、外部とは平和外交路線で乗り切ろうとしたのが山口組である。正確には、司6代目の出身母体でナンバー2の高山清司若頭が会長を務めていた「弘道会方式」と言われる。

執行部への批判は許さず、ウィークデーは神戸の「山口組本部」への“顔出し”を義務付け、上納金は月に80万円以上にアップさせ、ペットボトル入りの水や石鹸、歯ブラシといった日用雑貨品の購入を強制した。

直参と呼ばれる直系組長に、使用者責任が6代目に及ぶような手荒なしのぎをさせず、完全管理下に置き、中央集権的に資金を執行部に集めるシステムの確立である。

一方で、他の団体との盃外交は積極的に進めて友好団体を増やした。指定暴力団の半数は山口組の友好・親戚団体である。そのために、襲名、葬式などの義理事はもちろん、墓参や誕生祝いもかかさず、その平和外交路線の費用もまた傘下への割り当てだった。

結局、儲かっているのは弘道会だけじゃないか――。その鬱積した不満が爆発したのが、渡辺芳則5代目の出身母体である山健組を中核とした今回の分裂騒動だった。

不満は山口組の内部だけではない。

平和外交路線は実を結び、対山口組の「箱根から先に菱の代紋を掲げさせない組織」だった関東二十日会は、山口組の一員となった国粋会をメンバーに加え、関東親睦会として再スタートした。確かに、抗争の芽は摘まれた。だが、山口組は他にも、落合金町連合を直参にしており、都合2団体が東京に進出したことになる。

半グレの代表格である関東連合OBのケツ持ちの主流は弘道会で、芸能界に勢力を築いたのも、暴力団が群雄割拠する歌舞伎町に拠点を持ったのも弘道会。関東の組織からすれば、「平和外交」と言いつつ、静かに侵食を果たしていい目を見ているのは山口組=弘道会じゃないか、という思いがある。

今回、5日の定例会に、住吉会のなかの一大勢力である「幸平一家」の加藤英幸総長が顔を見せて話題となった。住吉会を割って出るかどうかは定かではないが、他にも福岡の浪川睦会など井上組長と信頼関係を結んでいる組は少なくないし、他の組織のなかにも、山口組との関係が危うくなっても神戸山口組と親戚関係を結ぶところがありそうだ。

「やくざの時代」の終焉

司組長と高山若頭が主導した「弘道会方式」とは、言葉を換えれば、弘道会をトップに暴力団のピラミッドを構築、攻勢を強める国家権力に対抗しようというものだった。だがそれは、10年前、司6代目のクーデターによって当代の座を奪取された山健組の怨念の前に潰えたことになる。

かつての暴力団社会なら、山口組は分派の神戸山口組をたたきつぶさねばならないが、それは即ち、双方の共倒れを意味する。

そういう意味で、安藤隆春・元警察庁長官が、「弘道会の弱体化なくして山口組の弱体化はなく、山口組の弱体化なくして暴力団の弱体化はない」と、弘道会壊滅作戦を指示したのは正しい。

抗争なき山口組VS神戸山口組の姿は、「やくざの時代」の終焉を物語っている

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45198

◆ 【山口組】 「世界最大の犯罪組織」の分裂危機に海外も注目“出自のタブー”にも言及 ~根源は韓国・朝鮮系vs被差別系の争い

2015年08月31日 キムチ速報

「世界最大の犯罪組織」山口組の分裂危機に海外も注目 “出自のタブー”にも言及 
http://newsphere.jp/national/20150831-1/ 
http://newsphere.jp/wp-content/uploads/2015/08/yakuza.jpg

最大の指定暴力団・山口組で組織分裂の動きがあり、警察と政府は大規模な抗争に発展 
する恐れもあるとして警戒を強めている。映画などから“YAKUZA”の存在が広く知られる海外でも、複数のメディアでこの話題が詳しく報じられている。(省略...) 

◆関西派閥が傘下から離脱か 
山口組は神戸市に本拠を置く構成員・準構成員数2万3000人余りの巨大組織だ。 
米フォーチュン誌は昨年、世界でダントツの800億ドルの収益を上げたとし、「世界の組織犯罪グループトップ5」の1位に挙げた。これに従えば、日本メディアは山口組を「国内最大の指定暴力団」と表現することが多いが、海外視点では「世界最大の犯罪組織」ということになる。 

それだけに、政府もその動きに敏感だ。菅義偉官房長官は28日、山口組内部で混乱の兆候 
があると、異例の声明を発表。政府と警察にとっては、組織を弱体化させる絶好の機会だと力を込めた(ウォール・ストリート・ジャーナル紙『Japan Realtime』)。 

警察庁によれば、最近、組織運営に不満を唱えた傘下13団体の組長が「絶縁」や「破門」の 
処分を受けた。これらの反対勢力が来月初めの幹部会に向け、山口組を離脱し、新たな組織 
を立ち上げようとする分裂の動きがあるのだという。 

背景には、傘下の名古屋を拠点にする『弘道会』と、『山健組』を中心とした関西グループとの 
派閥争いがあると見られている。NHKなどの国内報道によれば、分裂の動きに合わせ、総本部を神戸から名古屋に移そうとする動きもあるという。 

六代目の司忍(つかさ・しのぶ、本名・篠田建市)現組長は、『弘道会』出身だ。同組長が 
就任した2005年以降、『弘道会』出身者を優遇した人事が行われていることや、組織に収める上納金が高額になったことが、『山健組』を中心とした関西派閥の不満につながっているようだ。 

警察当局によれば、司組長派は約7000人、トップが更迭された関西13団体の構成員は合計3300人程度だが、実際に分裂に向かう場合、この通りの勢力図になるかどうかは今のところ 
不透明だ。 

◆背景に東日本と国際犯罪へのシフトも(省略...) 

◆「根源は韓国・朝鮮系vs被差別系の争い」と米メディア 
フォーチュン誌のランキングでは、山口組は、2位のロシアン・マフィア『ブラトヴァ』(収益85億ドル)を大きく引き離してトップに立っている。同誌は、「中国マフィアなどの東アジアの犯罪グループは、多くは血縁関係で結ばれているが、ヤクザは“入念に作り上げられたヒエラルキー”で結ばれている。メンバーは一度加入すれば、全ての忠誠心を優先的にヤクザ社会に捧げなければならない」と記す。この「世界で最も中央集権化された組織運営」が、群を抜いた収益を上げる鍵だとしている。 

山口組の分裂は、この中央集権化されたピラミッドの一角が崩れることを意味する。警察や政府が抗争の一般市民への影響を懸念すると同時に、組織弱体化の千載一遇のチャンスと見るのはそのためだ。組側もそれを十分に認識していると見える。山口組は1980年代にも分裂の危機を迎え、30人以上の死者を出す抗争に発展した。その際には組員を呼び戻すために高額の“退職金”を用意するなどの“年金プラン”を導入し、組員の離反を防いだという(『Daily Beast』)。今回も何らかの懐柔策が取られるかもしれない。 

ただし、対立の根はもっと根深い所にあるようだ。『Daily Beast』は、国内メディアがあまり触れない、ヤクザの出自に関する“タブー”に触れている。 

同メディアは、日本のヤクザの多くは、帰化した韓国・朝鮮系(または在日韓国・朝鮮人)と、 
かつての被差別出身者だと指摘する。 

そして、「山口組(山健組・関西派)には被差別出身のメンバーが多く、『弘道会』は韓国 
(・朝鮮)系の割合が高い。これが2つの派閥の緊張を作り出している」と記している。 
(内村浩介)

引用元:http://awabi.2ch.sc/test/read.cgi/news4plus/1441007626

http://kimsoku.com/archives/8951553.html

◆<山口組分裂>“分裂に至る病根”になってしまった田岡三代目組長の「山口組コングロマリット化」
http://totalwar.doorblog.jp/archives/45363265.html


支那の実態を語らず無意味な協調ばかり煽るメディア

2015-09-10 00:07:16 | 資料

中国インチキ政策に世界市場“激怒” 米国で高まる中国への不信感

2015.08.27 zakzak

 上海総合指数が暴落続きでクラッシュしたことを受けて、中国当局は緊急利下げを含む追加金融緩和を決めた。だが、中国経済や習近平政権に対する市場の不信感は根強く、利下げ効果は限定的との見方がある。米国からは9月に予定される習主席の国賓としての訪問を拒否する声が挙がり、国内では政権の基盤が揺らぐ可能性が高まるなど、八方塞がりに追い込まれた。 

 26日、上海総合指数は朝方は追加金融緩和を受けてプラスで始まったが、その後は3%超の下落に転じるなど乱高下。5営業日続落し、前日比1・27%安の2927・29で取引を終えた。前日に続いて年初来安値を更新した。

 25日の市場で上海総合指数が約8カ月ぶりに3000を下回り、中国人民銀行は同日夜、0・25%の緊急の追加利下げに踏み切ると発表。預金準備率も引き下げる異例の追加金融緩和を決めていた。

 大和総研の斎藤尚登シニアエコノミストは、「総合指数が3000の大台を割るまで株価が下がってからやったので、切羽詰まって金融政策を実施した印象を受ける。追加利下げをしたからといって中国経済の先行きがバラ色になるわけではないが、不動産開発投資には若干明るさが出てくるだろう」と指摘する。

 李克強首相は25日午後、「中国には、今年の経済発展の主要目標を達成する能力と条件がある」と強調したが、中国経済は製造業や不動産など幅広い分野で不振が続いている。市場の疑念は中国株にとどまらず、経済そのものや習政権の不透明な政策運営に及んでいるためだ。人民銀は「中国経済には低下圧力があり、グローバル金融市場には大きな変動が現れている」と説明した。

 人民元の切り下げや、利下げなど金融緩和を進めれば、資金の海外流出や不動産バブルを再燃させる懸念もあるが、一方で景気の低迷を放置すれば習指導部に対する不満も高まるとあって、習指導部は苦しい立場に追い込まれている。

 『中国経済まっさかさま』(アイバス出版)の著者で週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「中国経済がインチキだということが世界的にばれてしまった。金融緩和で一時的なカンフル剤となっても、中国経済の本質は変わらない」とみる。

 ロイター通信は、「共産党にとって株価急落の最も厄介な点は、市場を操作しようとしたという事実ではなく、取り組みが効果を上げなかったことが白日の下にさらされたことだ。共産党の経済運営能力の面での威信は国内でも国外でもいたく傷ついた」と報じた。

 習政権が対策を打ち出しても中国株が下げ止まらない状況について、豪大手メディアは、巨大な岩を山頂まで運んだ瞬間に岩は転がり落ちてまたやり直しという罰を受けたギリシャ神話の「シジフォスの岩」の逸話にたとえた。そのうえで「神話では罰を受けたのはシジフォス王1人だけだが、習主席は中国の納税者に数百兆円の損害を与えている」と批判した。

 習主席について、米国からも憤る声が出始めた。米大統領選の共和党候補の1人でウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカー氏は、「米国人が苦しんでいる市場の下落は中国の経済減速による部分があり、その中国経済は操作されている。オバマ大統領は、習主席を招くより、米国の利益を失わせようとする中国に説明責任を取らせるべきだ」と声明を出し、習主席が国賓としての訪米をキャンセルするようオバマ大統領に促した。選挙戦が背景にあるとはいえ、米国内で中国への不信感が高まっていることをうかがわせる。

 前出の勝又氏はこう警鐘を鳴らした。

 「一党独裁だった旧ソ連では経済危機が直線的に政治危機につながったが、高い成長で国民の信頼をつなぎ止めていた中国でも、経済危機で中国人民の共産党離れや政変など不測の事態が生じる可能性もある」

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150827/frn1508271140001-n1.htm

◆上海株暴落をチャンスに 無意味な「国際協調」言い出すメディアにはあきれる

2015.8.29 産経ニュース

 上海株価は北京の下支え策をぶっ飛ばして、フリーフォール(底なしの下落)だ。「中国発、世界同時株安」だと、世界がパニックに陥っている。そしてどう対応すべきか、となると、日経新聞などは決まり文句の「国際政策協調を」と叫ぶが、「火元が中国だけに、伝家の宝刀である『国際協調』を引き抜くのが難しい」(25日付ロイター通信)とみるのが正解だ。(夕刊フジ)

 本欄で以前から指摘しているように、共産党が支配する異形の市場経済が膨張しすぎて統御できなくなって破綻、自壊。株暴落はその帰結だ。無意味な「国際協調」を言い出す一部メディアの安直さ、無定見ぶりにはあきれる。

 それでもまだ中国成長幻想を持ち続ける企業もいるようだが、どんな根拠でそう考えるのか、知りたいものだ。空前絶後の産業部門の設備過剰をみればよい。鉄鋼は余剰能力が日本の年産規模1億1000万トンの4倍以上、中国自動車産業の総生産能力は国内販売の2倍以上、年間4000万台を超える。

 過剰生産は党による市場経済支配の副産物である。鉄鋼の場合、中国国内の需要の5割以上が建設、不動産およびインフラ部門で、党中央が中国人民銀行にカネを刷らせて不動産開発に回し、需要をつくり出した。自動車部門も党内の実力者たちが利権拡張動機で、影響下に置く国有企業各社の増産、シェアを競わせてきた。

 これまでの4~5%の元切り下げ幅程度で、輸出を大幅に伸ばし、過剰生産を緩和できるはずはない。人民銀行がもう一段の元安に踏み出そうとすれば資本逃避はさらに加速しよう。どう転んでも、中国経済も上海株にも回復の見込みはどこにも見当たらない。

 日本を含む世界はいかにチャイナリスクを自国経済から遮断するか、リスクをどうチャンスに変えるか腐心するべきだ。条件は目の前にぶら下がっている。

 グラフは国際商品市況と中国の鉄道貨物輸送量の推移である。同輸送量は「北京当局のファンタジー」とまで多くの専門家から評される国内総生産(GDP)に対し、信頼度がかなり高い経済指標である。一目瞭然、中国景気は昨年はじめから下降局面に入り、それに連動する形で鉄鉱石、天然ゴム相場が下がり、その後を追うように原油相場が急落した。貴金属、穀物市況のトレンドも共通する。

 国際商品市況の低迷は世界景気不安につながるとの見方がメディアでよく報じられるが、変な話である。確かにロシア、中東など資源輸出国にとってみればマイナスだろうが、世界景気を引っ張るのは日米欧など消費国にとってみれば好材料になる。インフレ懸念がないのだから、米国は利上げを急ぐ必要はない。

 日本の実質成長率は、消費税増税による後遺症から抜けきれず、前年度に続きこの4~6月期もマイナスが続いている。家計消費、さらに企業の設備投資もよくない。政府と日銀は内需振興に向け財政・金融の両輪をフル回転させるべきだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

http://www.sankei.com/premium/news/150829/prm1508290014-n1.html

◆「オバマが中国重視日本軽視なのを日本メディアは理解出来ないらしい…」 【中国の反応】

(日本経済新聞より)
日本から見て、どうも腑に落ちないことがある。
オバマ米大統領がしばしば、そこまでしなくてもいいのではないかと思うくらい、中国にリップサービスをすることだ。
たとえば、昨年11月、習近平中国国家主席と会談した後、そろって臨んだ記者会見がそうだ。
中国との協力関係は、アジア戦略の「核心だ」と断言した。
日韓やオーストラリアなどの同盟国より、中国を重視するような印象を与えかねない。
なぜ、そんな発言をするのだろうか。

「オバマ政権は中国による東シナ海や南シナ海での軍拡に危機感が薄い。 だから軽々しい発言が出るのでは」。
日本の当局者からはこんな不満が漏れる。

それだけが理由なら、オバマ政権が交代すれば、状況は変わる。
だが、日本が知らない米中の黙契が背後にあるとすれば、ことはさらに複雑だ。

その一端がうかがえるのかが、日本が多額の援助を注ぎ込むアフガニスタンである。
これまでアフガンへの深入りを嫌がっていた中国が突然、和平の仲介に動き出した。
複数の外交筋によると、中国は昨年11月、アフガン反政府武装勢力であるタリバン幹部を北京に招いた。
昨年10月末には、アフガン復興の国際会議を北京で主催し、アフガンのガニ大統領に3億3千万ドルの援助を約束した。
そこでちらつくのが米国の影だ。
「アフガンの資源開発を狙うだけでなく、和平にも貢献してほしい」。
内情を知る米国の援助関係者によると、米政権は中国に、重ねてこう要請しているという。
中国とアフガンの高官を引き合わせるため、昨年末、米国がひそかに3カ国会合をおぜん立てしたとの情報も流れる。

中国に不信感を抱きながらも、オバマ氏が彼らとの協力をアジア戦略の「核心」と呼ぶわけがここにある。
日本外しをいたずらに警戒する必要はないにしても、アフガンをめぐる外交戦でも米中の蚊帳(かや)の外に置かれるとしたら、やはり寂しい。

http://asiareaction.com/blog-entry-1896.html

「日本の右傾化・ファシスト」と罵るこの「支那共産党」
そもそも「ファシスト」の第一条件とは「一党独裁」である事を自覚していない。
ファシストにファシストと呼ばれれば、簡単な算数の定理で、民主主義となる。

人間の欲とは底無しと言うがこのファシスト集団「支那共産党首脳部」の強欲こそ留まる事を知らない。
この8200万人の党員が年間に掠め取る内外賄賂の総計は約80兆円。(日本の国家予算とほぼ一緒)

温家宝の一族の有する財産、約2兆7000億円とロイターは報じた。お仲間も皆 同額程度の隠し財産を持つという。

日本のメディアは温家宝はオーストラリアに亡命と報じ、習近平が必死で行方を追及し、財産を没収するとか言ってたが、70年戦勝記念の天安門広場の壇上にしっかり姿を現した。

しかも、拘束され完全失脚と報じていた江沢民も曽慶紅、賀国強までが壇上に姿を見せた。

その言い訳をちゃんと報じたメディアがあっただろうか。

◆人民元と株式下落、中国の企業倒産、そして日本企業の連鎖懸念が拡大

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)8月20日(木曜日)
  通算第4633号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 人民元の小幅な切り下げでは「焼け石に水」
   中国の個人投資家心理はパニック寸前
*************************

 人民元を小手調べのように切り下げてみたが、世界の通貨市場に動揺を与えて、中途半端なまま、輸出増大に直結したという現象はまだない。
 人民元高は原油・ガス・鉄鉱石などの原材料の輸入に有利だが、すでに生産の低迷と在庫の積み上げで、あまり意味がない。
それより人民元安はインフレをまねく可能性が高い。

 しかし、いま最も懸念されていることは外国資本のエクソダスであり、しかも加速度をつけて中国から大量の資金が逃げ去っている。

 社債のデフォルトは太陽光パネルの超日太陽能科学技術集団が嚆矢となって以来、佳兆業集団(不動産開発)などへと続いているが、社債が紙切れになるというのは企業倒産である。

 しかも後者の佳兆業集団は社債をオフショアで発行しているため、外国の機関投資家の落胆ぶりは激しく、中国経済への不信が欧米に一挙に広がった。

温州からはじまった企業倒産は中国全土に拡大しており、年末に償還をむかえる社債ならびに融資平台の償還、地方政府の固定資産税の急減により支払い不能状態になるのは目に見えており、現時点でGDP282%という債務は更に急速に増えていくだろう。

国有企業は16万社あるが、最後まで生き残れ、中国共産党がメンツをかけても守る国有企業は最悪の場合、130社でしかないという見方もある。

 ▲中国の企業倒産が日本にもたらしている悪影響はかなり深刻だ

すでに日本企業への悪影響は顕著にでてきたが、中国の取引先の倒産によって、連鎖倒産に追い込まれた日本企業が目立つようになった。

 専門家の山口義正氏が書いた「中国バブル崩壊の足音」(『新潮45』、15年9月号)に拠ると、優良会社と評価の高かった「江守グループは中国現法が不正な取引で売上高を膨らましていたとこが発覚」し、倒産した。「前期末に225億円あった自己資本は、343億円の債務超過」となっていた。優良企業として調査会社がノーマークだったのに一夜にして奈落の底に沈んだのだ。

 また「昭光通商も、顧客である中国の鉄鋼メーカーが支払い遅延を起したことで、大やけどを負った(中略)。売り掛け債権は回収困難であるとして128億円の特別損出を計上。自己資本の七割が消し飛ぶという深刻な事態に陥った」(親会社は昭和電工)。

 住宅設備投資の大手LIXILは、「ドイツの子会社が過去に買収した中国企業で」不正会計が行われており、410億円にものぼる特別損出となって経営がふらつく。同社の株価は2900円台から2300円台へ急落した。

 ことほど左様に、中国の経済破談は、日本経済に直截な破壊力をともなっており、日本株の上昇の可能性は当面、遠のいたと見るべきであろう。

http://melma.com/backnumber_45206_6250453/

◆中国から抜けられないドイツ経済 アリ地獄ぶり

2015年08月12日 世界のニュース トトメス5世 

VWは世界一を取った代償に、中国の支配を受け入れた

ドイツはこのところ日米と対立し中国に肩入れする事が多いが、過剰投資で経済リスクを負っている。

中国に進出したVWなどの企業は経営権を中国政府に握られ、撤退もできない。

中国に肩入れする欧州

中国の景気が落ち込んで、中国経済の先行きも不透明になっているが、欧州各国は中国に肩入れしているように見える。

イギリスは中国の投資銀行AIIBに真っ先に参加表明し、フランスは中国への技術輸出にとても熱心です。

中でも入れ込んでいるのがドイツで、先日はメルケル首相自ら訪日し、日本もAIIBに参加するよう働きかけた。

2012年に温家宝首相がドイツを訪問したとき、中国は150億ドルの輸入契約を発表しました。

将来はドイツ中国間の貿易を年間3000億ドルに拡大する事でも合意していました。

この後、中国経済の減速で中国の輸入は頭打ちになり、最近は減少しています。

ドイツはユーロ成立以来ずっと好景気だったのですが、これは輸出が好調だったのが原因でした。

ユーロの中で貿易黒字国はドイツだけで、他は全部貿易赤字といっても良い状況です。

するとドイツがいくら輸出しても通貨が安いまま維持され、他のユーロ国が貧しくなります。

もう少し詳しく説明すると、日本のような一国家一通貨の国は、貿易黒字を貯めるとすぐに円高に成ります。

円高になるともう輸出できないので、輸出には明確な限界があり、いくらでも増やす事はできない。

しかしドイツは、ユーロ内貿易赤字国のおかげで通貨が安いままなので、無限に輸出を増やしました。

中国に夢を見たドイツ

日本とドイツの輸出競争力は元々同じくらいで、日本のほうが強かったが、現在はドイツの方が強い。

ドイツの輸出依存度は34%で1/3を超えていますが、日本の輸出依存度は11.5%です。

これはドイツが通貨安の恩恵を受け、日本は円高の打撃を受けたためと考えられます。

そのドイツの輸出先の1位は圧倒的に同じユーロ圏で、何しろ統一通貨で為替変動が無いので、輸出し放題です。

ユーロ加盟国間では関税も無いので、ドイツ製品は制限を受けずに欧州各国に輸出されています。

ギリシャ破綻の一因はおそらく、ドイツに食い物にされた事でしょうね。

輸出先2位がアメリカで3位が中国、中国への輸出は最近まで2桁増を続けていて、期待が大きかった。

VW、ベンツ、BMWなど有名自動車メーカーは中国に巨大工場を建設し、ドイツは中国に賭けました。

中国こそアメリカに代わる超大国になると読んだのですが、賭けは外れたのです。

今や中国のバブルは崩壊し、中国に投資したドイツ資産が回収出来ないのがはっきりしました。

何しろ中国の自動車販売は年間2000万台なのに、生産能力は5000万台以上なのです。

中国の2015年7月までの自動車販売は前年比0.7%増と成長が止まりました。

中国はドイツに希望をもたらすように見えたが、実際はアリ地獄だった

独中蜜月は短期間だった

盗聴事件を契機にドイツとアメリカが対立したのは記憶に新しいですが、このところドイツのアメリカ離れが顕著です。

経済でも安全保障でも、ドイツはアメリカの言い分に反対する事が多く、アメリカは不信感を募らせている。

2014年のウクライナ騒動でも大混乱しましたし、ギリシャ支援や対中国外交でも米独は対立しました。


ドイツは「我々は大国として復活したのだ」という間違った誇りを持っていて、周辺国を食い物にしています。

イタリアや東欧やギリシャを貧困にしたお陰で、ドイツは経済好調なのであって、この状態が続く筈がありません。

中国と築いた深い関係も、日米との対立を引き起こし、過剰投資で損失が発生しようとしています。

日本メーカーはフランス人が社長をやっているアホ企業を除いて、中国に過大な投資を避けてきました。

尖閣騒動以降はもう「いつでも撤退できるように」腰を上げた状態でしか投資していません。

ドイツの3メーカーは中国で薄利多売、増産体制を続けた結果、重大なリスクを背負ってしまいました。

一つは経済リスクで、中国市場が吹っ飛べば、ベンツもVWもBMWも吹っ飛びます。

倒産はしないでしょうが、80年代に日本車の猛攻にさらされた時くらいの危機に陥るでしょう。

二つ目は政治リスクで、中国で商売をするには中国の支配を受け入れなければなりません。

VWを人質に取った中国

例えば中国トヨタとか中国VWとか色々ありますが、所有権は100%中国にあり、ネジ一本国外に持ち出せません。

外資との合弁会社は中国人(つまり中国政府の代理人)が経営権の50%以上を握る事になっています。

これを嫌ったトヨタは中国でのシェアを捨てて、他のメーカーより小規模の工場しか持っていません。

経営権は中国政府にあるので、撤退しようと思っても中国の役員が全員反対すれば、工場を閉鎖する事もできません。

進出した工場と投資した資産は人質に取られてしまい、撤退も閉鎖も売却もできない。

もし撤退に成功しても、資産の持ち出しはできないので、全てを捨てて中国から脱出する事になる。

中国政府は常に外資を叩いて国内企業を優遇しており、定期的な日本企業叩きもこの為に行っている。

日本だけを叩いているのではなく、アメリカもドイツも平等に叩いています。

そうする事で日本車やドイツ車から中国車がシェアを奪う機会を与えているのです。

この先ドイツ企業が中国で大きくシェアを伸ばす可能性は小さく、中国市場が縮小すれば衰退するでしょう。

撤退の準備をしてこなかったドイツ企業は大変な目に遭う可能性があり、既に酷い目に会っています。

生産台数世界一を達成したVWは中国に頼りすぎ、中国に干渉される立場になった。

http://thutmose.blog.jp/archives/39739515.html

◆中国バブル崩壊!中国のAIIBバスに乗れと旗を振った経済オンチ&売国奴リスト

 朝日新聞 「アジア投資銀に48カ国・地域 日米抜き、戦略欠き孤立」 
 日刊ゲンダイ 「悪い高利貸」呼ばわり 首相の放言が招く日本孤立
 週刊東洋経済 「日米の孤立を演出、中国AIIBの高笑い」

 以下、中国の代弁者になりAIIBへの参加の旗振りを行った売国奴リスト

・政治家  二階俊博、河野洋平、福田康夫、石原伸晃、岡田克也、辻元清美、藤井裕久、志位和夫、江田憲司、小沢鋭仁 

・コメンテーター  孫崎享、天木直人、田中均、古賀茂明、須田慎一郎、伊藤惇夫、青木理、姫田小夏

・記者・アナウンサー 川村晃司、岸井成格、龍崎孝、与良正男、福本容子、恵村順一郎、加藤青延 

・テレビ・新聞等  NHK、TBS、テレビ朝日、朝日新聞、東京新聞、毎日新聞、日経ビジネス、週刊東洋経済、日刊ゲンダイ

http://ameblo.jp/fuuko-protector/entry-12048082535.html

支那への企業進出を盛んに煽ったのも同じような面々だが、流れに乗り遅れるなと競い合った企業も、相手が共産党の一党独裁政権ということを軽視していただろう。旧ソ連も支那も共産党独裁政権は、今までしばしば強権発令で、企業の国際的ルールなど無視して独自の政策を強要してきた。

市場経済導入、金融市場や株式市場開設など、民主主義国にでもなったようにはしゃいで、まんまと罠に陥った。むしろ自ら飛び込んだと言うのが適当なのだろうか。案の定企業秘密や製造技術の詳細まで要求するようになった。相手は名うてのパクリ国家である。

◆「中国よ、さようなら」と李嘉誠

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)9月9日(水曜日)
         通算第4651号 
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 「中国と香港よ、さようなら」を不言実行の李嘉誠(華僑最大財閥)
   傘下企業をさらに合併させ、香港の株式市場からも訣別
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 前から噂されていたが香港最大財閥の李嘉誠は、本格的に香港から去る。
 2011年以来、李嘉誠は中国大陸に保有していためぼしい不動産をほぼ売却した。
 上海の金融街に開発していた40階建てのビルも処分し、およそ二兆円の財産を処分した(多維新聞網、2015年9月7日)。

 翌2012年以後は、拠点の香港でさえ、土地購入を止めた。
 そして傘下の二大企業だった「長江実業」と「ハッチソンワンポア(和記)」を合併し、「長江和記実業」(CKハチソン・ホールディング)として、本社登記をカリブ海のタックスヘブンへ移した。

 他方、カナダ、豪などでは資源、エネルギー、インフラ建設などの企業を次々と買収し、香港でも電力、ガス事業を統合し、また本業でもある不動産部門も海外展開を拡大してきた。

 そして以前から倫敦の高級住宅地開発などに投資をしてきたが、華僑世界より西側世界への投資比率が急増し、ウォールストリードジャーナルなどによれば、過去18ヶ月で2兆4000億円を投じて西側での事業展開に比重を移していたことが分かった。

つまり、公言はしていないが「中国よ、さようなら」「香港もいずれ、さようなら」を地でいっていることになる。 

http://melma.com/backnumber_45206_6257901/

◆中国外貨準備高が急減している

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)9月9日(水曜日)弐
         通算第4652号 
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 いつまでもあると思うな、親とカネ
  3兆3000億ドルとされる中国の外貨準備は、本当にあるのか?
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中国の外貨準備高に「からくり」があることは屡々指摘してきたが、直近の統計数字から判断する限り、それは限りなく空っぽに近いようだ。

8日発表の中国輸出入統計8月速報では、輸出が5・5%の急減、とくに天津港からの輸出は17・3%も減っていた。輸入もじつに13・8%の急減、10ヶ月連続で前月比を割り込んでいた。
上海株がかろうじて3000台を維持できているのは、依然として「売るな」という当局の指令。それでも売りが絶えないため、すでに70兆円以上の資金を投入している。

中国からの資本流失が急増している。
15年上半期だけで5000億ドルが海外へ流れた(シティグループの調査)という。
アフリカの農地買収、スリランカとパキスタンの港湾整備事業、ニュージーランドとカナダのエネルギー企業買収などが最近目立つ投資だが、加えてAIIB、BRICS銀行ならびに「シルクロード構想」への資金拠出が予定されている。

このため保有する米国債や海外資産を取り崩し、さらに当局が目の敵とし始めたのが、海外旅行ブームによる外貨流失の列に加わり、とりわけ敵対する日本への爆買いツアーがやまないことに敵意さえ抱いているかのような論調が華字紙に散見される。

 中国一の資産家とされる万達集団(CEO=王健林)は米国の私募債に6億5000万ドルを投じた。王健林ははやくから不動産ビジネスに見切りを付け、米国の映画館チェーンなどを買収してきた。

中国生保ナンバースリーの「安邦保険」はポルトガル企業買収に資金投入直前、ポルトガル当局から待ったをかけられているが、ことほど左様に「海外企業買収」に名を借りて、外国への資本逃避が起きている。

 ▲中国の対外債務は1兆5000億ドルと見積もられている

 2014年末、中国の外貨準備高は3兆9900億ドルとされた。
2015年8月末の速報値で、それは3兆300億ドルに激減した。中国当局の発表でも「外貨準備高は3557億ドルに減った」とされた。

「原因は上海株暴落、人民元切り下げに嫌気しただけの逃避ではない」とするドイチェ銀行のジョージ・サラベロスは「もっとも重要なことは中国の外貨準備の性格の変化であり、世界の金融の流動性と連動している」

また中国の対外債務はすでに1兆5000億ドルに達しており、保有する米国債よりも多く、GDPの15%である。この先、さらに2兆ドルの外貨が必要である。

したがってある日突然、中国の外貨準備はブラックホールに吸い込まれるように消失する危険性が増している。

http://melma.com/backnumber_45206_6257944/  

              目覚めよ日本!