浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

中国経済の「底」が完全に抜けた!

2015-12-02 09:16:58 | 資料

ますます加速!中国人があの手この手で資産逃避
日本で不動産を爆買い、そのお金はどこから?

2015.11.17   姫田 小夏   JB PRESS

マカオのカジノを経由して資産を海外へ持ち出す中国人は少なくない(資料写真)。(c)AFP/Philippe Lopez〔AFPBB News〕

 日本の都心部で、中国人による不動産の“爆買い”が進んでいる。

「3.11」の影響で冷え切っていた投資ブームが再び盛り返しているのだ。山手線沿線で開業する不動産仲介業者によると、中国人からの不動産売買の問い合わせは「最近、非常に増えている」という。

 だが、そこには「歓迎ムード」はない。取引の現場で広がっているのはむしろ困惑だ。

 当初は「(中国人の)お客様は神様」という風潮もあったが、“マナー問題”が顕在化したことにより中国人との取引にはむしろ消極的だ。「できることなら相手にしたくない」と本音を漏らす不動産仲介の営業マンもいる。

「4000万円の物件でも、のっけから『1000万円負けろ』と平気で言ってくる。売主さんとようやく話をまとめても、契約当日にさらに値引きを迫ってくる。引き渡しの後も何かと文句をつけてくる。まともな交渉ができない──」

 一方で、中国人の資金力をまざまざと見せつけられた営業マンもいる。豊島区の仲介会社職員は、「予約なしでフラッと来店した中国人が、店頭に貼ってある物件の図面を指さして、『これで売ってくれ』と、現金を詰めた紙袋を差し出した。あれには仰天した」と打ち明ける。

 そして仲介業者は首をかしげる。その中国人は、大量の人民元をどうやって中国から持ち出したのか? どうやって数千万円もの日本円に換金したのか? 仲介業者は「薄気味悪さすら感じた」(同)という。

鵜の目鷹の目で抜け道を探す中国人

 中国では最近、国外への資産逃避が顕著になっている。不動産でも株でもこれ以上利益を望めなくなった今、祖国を見限るようにして資産の流出が加速しているのだ。

 贈収賄にまみれた役人から、利権に浴した商売人まで、関心は「どうやって人民元を海外に持ち出すか」にある。国外に持ち出した資金をまたしても不動産に投資しようという魂胆なのだ。

 だが、中国からの資金移転は簡単ではない。海外に送金できる金額には上限があり、国家外貨管理局は「1人当たり年間5万ドルまで」と定めている。

 その結果、資金の海外送金の手口は必然的に地下に潜り込む。中国にはそれを幇助する「銭庄」という業態がある。

 銭庄とは中国のシャドーバンクの一業態。主な業務は外貨の売買と海外送金だ。当局の管理・監督の及ばない非合法な金融組織であり、当局の取り締まりの対象になる。この銭庄が今、盛況だという。

 中国政府は地下金融を経た海外送金について公式な統計を発表していないが、銭庄を経由した海外送金は年間8000億元(約1250億ドル)に達すると推定されている。今年はさらに規模を増した。

 中国都市部の銀行の入口には、バイクに乗った男たちがたむろしている。彼らは、銀行に出入りする客をつかまえて「両替するか」と声をかける。つまり、闇の両替商(通称「黄牛」)である。彼らは非合法な存在だが、銀行よりもいいレートで外貨を交換してくれるため、地元民にとっては無視できない存在となっている。

 この黄牛の背後には、網の目のように張り巡らされた地下金融ネットワークが広がっている。その正体をカムフラージュするように投資会社や移民サービス会社などの看板を掲げる銭庄もある。

 銭庄を経由する送金は意外に簡単だ。中国国内の利用者が銭庄にアクセスすると、「wechat」や「QQ」という通信アプリを使って海外のブローカーにレートを確認、その口座に金額を振り込めばその日のうちに海外の口座に送金してくれる。手数料は1%前後だという。

人海戦術で国外に持ち出し

 銭庄には、もちろんリスクもある。非合法な地下金融なので、法律による保護の対象にはならない。万が一、金を持ち逃げされても泣き寝入りするしかないのだ。

 そうしたリスクを恐れる中国人は別の手口を利用する。俗に「蚂蚁搬家」(蟻の引っ越し、の意)といわれる人海戦術の方法だ。

 例えば、ある中国人は50人の親戚や友人を動員して、資金をアメリカに移転させた。50人にそれぞれ年間海外送金の上限である5万ドルを準備させ、それを米国内の口座に送金させたのだ。

 送金に成功した中国人は、たいてい海外に複数の口座を持っている。1つの口座に大量の資金が送金されると金融機関から疑われるためである。海外送金に成功した資金は、十中八九、不動産購入に充てられる。

 また、上海の貿易会社に勤務するある中国人によると、「マカオのカジノを経由するのも資金移転によく使われる手段だ」という。マカオのカジノのブローカーに人民元とカジノ用のチップを交換してもらい、そのチップを香港ドルに交換するのだ。

 さらに、クレジットカードを利用して送金する手口もある。中国人富裕層の財布の中には決まって何十枚とクレジットカードが詰まっている。その利用限度額はどれも高額に設定されたものであることが多い。中には100万ドルの高限度額を持つ者もいる。

 前出の中国人は「それを使って、時計など高額な買い物をし、第三者にそれを売却して資金を移転させるというやり方がある」と話す。クレジットカードを使って海外で不動産を購入するケースもあるという。

 マカオでは、高額な商品を銀聯カードで買い、それを地元の質屋に預け入れて別の通貨を手に入れるという「換金方法」も定着している。

チャイナマネーがもたらす取引きの不透明さ

 10月下旬、都内で行われたある研究会で、壇上に立った某大学の名物教授の話に、参加者たちが身を乗り出した。「人民元のキャピタルフライトが急速に進行している」というのだ。

 その手段の1つとなっているのが銭庄の送金だ。この地下金融は、ネット賭博や薬物売買、密輸などの経済犯罪やマフィア組織などと密接に関わり、役人の不正所得のマネーロンダリングの経路にもなっている。こうした理由から、今年4月から中国当局は大掛かりな銭庄撲滅キャンペーンを開始した。

 ちなみに国家外貨管理局は、「旅行や留学などの個人利用の資金移転は、規定の『年間5万ドル』で事足りる」と強調している。これを超える資金移転は疑ってかかる、というわけだ。

 日本では近年、マネーロンダリング防止の観点から、宅地建物取引業者などが宅地・建物の売買契約の締結や代理・媒介を行う際に、「犯罪収益移転防止法」上の義務を負うことになった。その中で資金の出所にさかのぼる「疑わしい取引き」については届け出が求められている。

 中国から流れ込む資金についてはその送金手段が非合法であること、また、ものによっては違法な起源を持つ犯罪収益である可能性は拭えない。しかしながら、「取引きの現場では本人確認を行うのがせいぜいで、資金の出所を調べるには限界がある」(東京都都市整備局)が実情だ。

 中国からの資金流出は日本の不動産業界に、ビジネスマナーやルールをめぐる摩擦のみならず、「取引の不透明さ」までもたらしている。じわじわと中国に呑み込まれる日本経済の行方が気がかりだ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45261

◆悪用多発!マネーロンダリングに使われる銀聯カード
海外への資金流出が加速、中国にとって脅威のカードに?

2015.12.1 姫田 小夏 JB PRESS

銀聯カードが利用可能であることを示す東京・秋葉原の家電量販店

 訪日外国人客の増加が止まらない。日本政府観光局(JNTO)によれば2015年10月の総数は182万人で、前年対比43.8%の増加となった。中でも中国人客は前年の22万3000人から44万5600人へと倍増を遂げた。

 旅行消費額も伸びている。2014年は総額が2兆円を突破、今年も第3四半期だけでも1兆円を超えそうな勢いだ。そのなかで圧倒的多数を占めるのが中国人による消費である。同期における訪日中国人1人当たりの旅行支出は18万円を超えている。

 中国人の海外での“爆買い”を支えているのが、「銀聯(ぎんれん)カード」というデビットカードだ。銀聯カードの発行枚数は46億枚にも達している。中国政府は中国人の外貨の持ち出しを厳しく規制している。それにもかかわらず日本で爆買い現象が見られるのは、この便利なカードが存在するためだ。2015年第1四半期の銀聯カードの日本国内での取扱高は、加盟店とATMを合わせて約4800億円に達する。

 銀聯カードには現金引き出し機能もある。日本にいても銀行のATMを利用すれば中国の銀行口座から預金を引き出せるのである。もちろん、引き出せるのは日本円だ。人民元はその日のレートで日本円に両替される。1日に引き出せる金額の上限は1万元だ(1元=19円とすれば19万円)。

 しかしこの秋、この現金引き出しをめぐり、日本でちょっとした混乱が生じた。銀聯カードを利用した現地通貨での引き出しに思いもよらない制限がかけられたのだ。

規制の裏にはマネーロンダリング

「人民元預金が突然引き出せなくなった」――。

 11月初旬、東京都内に住むある中国人女性は「まさかハッキングにやられたのでは」と肝を冷やした。

 調べてみると、銀聯カードを使って海外で引き出せる額が制限されていることが分かった。10月1日から年末までの3カ月間、カード1枚につき最大5万元(約94万円)しか下ろせなくなっていたのだ。その中国人女性は引出枠をすでに使い切っていた。しかも、2016年からは1年の引出額の上限が10万元になるという。「通知されたのが9月29日で、施行は10月1日から。これでは対策のとりようがない」と女性は不満をのぞかせる。

 銀聯カードは中国人観光客の“爆買い”を支えてきたカードだけに、都心部では「旅行消費が冷え込むのでは」と心配する声も聞かれた。なぜ、多くの中国人観光客が日本を訪れるこの時期に、突然規制強化が行われたのか。

 背景にあるのは「マネーロンダリング」(資金洗浄、以下「マネロン」)である。最近、銀聯カードを使った海外での多額の引出が急増している。これを中国国家外貨管理局が危険視し、不正所得を海外へ移転させないように動き出したのだ。

 中国からの資金移転の“裏技”については、前回、当コラム(「ますます加速!中国人があの手この手で資産逃避」)でもお伝えしたが、銀聯カードもマネロンの一手段として利用されてきた。

 別の中国人男性は、銀聯カードの“活用法”を次のように明かす。

「銀聯カード1枚につき1日1万元まで引き出せる。銀聯の機能は銀行カードについているから、銀行ごとにカードを発行すれば、手元に10枚や20枚の銀聯カードを持つことができる。365日、毎日引き出せば、カード1枚で年間365万元(約6860万円)。つまり、10枚のカードを持っていれば年間7億円弱、20枚なら13億円以上を引き出せることになる」

 この資金移転の方法は地下金融の「銭庄」(前回コラムを参照)を使うよりも安全で手数料も安い。1回の引出の手数料は15元(約280円)ほどだが、「華夏銀行」などのように海外での引出手数料を無料としている銀行もある。

 最近、中国人による日本の不動産の爆買いが話題になっている。中には、多額の現金を詰め込んだ紙袋を持って不動産屋に現れ、即金で不動産を購入する中国人もいるという。その背景には、銀聯カードを使った資金移転があることも否定できない。

取り組みが遅れている日本

 テロが頻発する昨今、資金源を封じ込めるためにもマネロンの防止は世界的に極めて重要な課題だ。同時に国際社会が目を向けているのが中国人によるマネロンである。

 マネロンとは一般に「犯罪による収益の出所や帰属を隠そうとする行為」を指す。日本では「マネロン」は暴力団がらみの犯罪というイメージが強く、中国からの資金移転はあまり警戒されていない。だが、中国からの移民とともに莫大な資金が流れ込むカナダやオーストラリアは、中国人によるマネロンを大きな問題として認識し、警戒を強めている。

 例えば、最近カナダで波紋を呼んでいるのが中国からの電信送金だ。カナダ国内の一部の銀行が、中国からの年間の持ち出し金額の上限である5万ドルを超える金額を取り扱ったことが問題になっている。

 マネロン対策には、各国が協力体制を作ることが必要だ。マネロン対策の国際協力を推進する政府間会合に「FATF」(Financial Action Task Force:金融活動作業部会)がある。米国、英国、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダのほか36の国・地域・機関が加盟している。

 日本も加盟国になっているが、日本は「FATF勧告遵守の取り組みが最も遅れた国の1つ」であり、「マネロンの抜け穴になる可能性」(警察庁)が高いと指摘されてきた。その後、各国と足並みを揃えるべく、2007年に「犯罪収益移転防止法」を成立させ、法改正を重ねてきたという経緯がある。

 犯罪収益移転防止法では、銀行や保険会社、宅地建物取引業者などが、顧客が「犯罪収益を隠匿しようとしている」との疑いを持った場合、速やかに行政庁に届け出ることを義務づけている。

 例えば、不動産を扱う宅地建物取引業者は、「多額の現金により、宅地又は建物を購入する場合」「短期間のうちに行われる複数の宅地又は建物の売買契約に対する代金を現金で支払い、その支払い総額が多額である場合」に届け出なければならない。

 だが、こうしたマネロン対策は各事業者に浸透していないのが現状だ。宅地建物取引業者からの届け出についていえば、「疑わしい取引の届出受理件数」は2013年にたった1件、2014年もやはり1件しかない。

銀聯カードを世界に広めてきたが・・・

 警視庁・刑事局組織犯罪対策部の犯罪収益移転防止対策室は「犯罪による収益の移転の危険性の程度に関する評価書」(2014年12月)という報告書の中で、「訪日外国人の利便性向上の観点から、海外で発行されたカードを使って日本円を現金で引き出せる現金自動預払機の設置を促進する動き」があることを指摘している。

 同報告書は名前こそ伏せているものの、「銀聯カード」が世界規模での資金移動を可能にすることを示唆している。報告書はさらにこう指摘する。「このような環境はマネーロンダリング等を企図する国内外の者に対して、マネーロンダリング等に係る様々な手段・方法を提供することとなる」

 銀聯カードは中国人旅行者と受け入れ国に大きなメリットや経済効果をもたらす一方で、不正利用されかねない弱点も存在する。

 人民元の国際化を狙って銀聯カードの利用を世界に広めてきた中国にとっても、今や“脅威”になっていると言ってよい。150カ国の120万台のATM機で利用可能な銀聯カードが、中国政府が最も危惧する海外への資金流出を促進しているのだ。

 10月から施行された銀聯カードの現金引き出し制限は、訪日中国人の観光にはほとんど影響はないと言われている。だが、日本を含めた海外での不動産購入にはブレーキがかかるだろう。中国を発生源とするマネロンを防止するための有効な施策となることを期待したい。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45373

ルイ・ヴィトンが広州市のショッピングモール・麗柏広場の店舗を閉店(LIU JIN/AFP)

◆中国高級品市場 海外高級ブランド閉店相次ぐ

2015/11/22 大紀元日本

 世界的有名ブランドのルイ・ヴィトンの広州市第一号店が閉店となった。昨年7月の初閉店に続いて4店目となる。業界の関係筋では、反腐敗運動や国内消費の低迷といった影響を受け、さらに多くの高級ブランド店が閉店に追い込まれるという予測がでている。

 今回閉店となったのは、数々の高級ブランド店が出店する広州市のショッピングモール・麗柏広場の店舗。香港紙・経済日報13日の報道によると、この店舗は12年前のオープン以来、毎年黒字経営だった。最新データでは、ルイ・ヴィトンのファッションと皮革製品の今年第3四半期の売り上げはかろうじて前期と同水準を維持、前年比は3%増である。

 ルイ・ヴィトンを傘下に収めるLVMHグループの最高財務責任者は、中国の地方中核都市では都市ごとに1店舗しか出店しないという経営戦略を明らかにし、今後、事業の中心を中国から日本や欧州などにシフトさせる予定だと述べた。

 中国ニュースサイト・参考消息ネットの16日の報道によると、業界筋は、反腐敗運動をうけて汚職幹部が公金での贅沢品購入を控えていること、国内外の高級品価格差により消費者が国外購入に移していることなどから、今後1~2年で、中国にブランドショップの閉店ラッシュが到来することを予測している。

 また同サイトによると、ルイ・ヴィトンは中国で約50店舗を持つが、一年も前から店舗調整計画を進め、今回閉店した店以外にも5~6店舗を閉鎖させる予定だと述べている。

 他の有名ブランドの業績も不振とみられる。昨年はヒューゴ・ボスが7店舗、バーバリーが4店舗を閉店、今年に入ってからプラダの店舗数も前年より3割減となり、アルマーニは49店舗から44店舗に減少した。シャネルに至っては、最盛期の半分となる11店舗に規模縮小した。

 米大手コンサルティング会社、ベイン・アンド・カンパニーが今年はじめに発表した「2014年中国高級品市場レポート」によると、2014年は中国の高級品市場に初めて衰退の兆しが表れ、前年より売上が1%減少した。また同社が今年5月、イタリアの高級ブランド統括団体であるアルタガンマ財団と共同で発表した「世界の高級品市場レポート2015年春季版」では、中国の高級品売り上げは2~4%減少するとみていた。

 台湾の国営通信社・中央社は、広州の地元誌「時代周報」の記事内容を引用し、LVMHグループが、中国での業績不振を受けて多角経営へ転換したと報じた。同グループは2014年に約1億ドルでシンガポールの中華料理チェーングループ・翡翠餐飲集団の株式の90%以上を取得し、外食産業に進出した。

(翻訳・桜井信一、編集・叶子)

http://www.epochtimes.jp/2015/11/24791.html

◆悪貨が世界を脅かす

2015.12.1    産経ニュース

 「悪貨が良貨を駆逐する」とは、金本位制の時代に限らない。いつの世も似たような法則が働く。現代版悪貨とは人民元である。

 元は中国共産党の支配下にある中国人民銀行が基準相場を設定し、変動を基準値の上下2%以内に限って許容している。元の金融・資本市場は制限だらけで、取引不自由だ。公正に開かれた金融市場を基盤とし、為替レートが自由に変動する先進国通貨とは対極にある。ところが、国際通貨基金(IMF)は円を押しのけて元にドル、ユーロに次ぐ特別引き出し権(SDR)シェア第3位のお墨付きを与えた。

 IMFを背後から突き動かしたのは国際金融界である。2008年9月のリーマンショックでバブル崩壊、収益モデルが破綻した国際金融資本が目をつけたのはグローバル金融市場の巨大フロンティア中国である。その現預金総額をドル換算すると9月末で21兆ドル超、日米合計約20兆ドルを上回る。

 中国の習近平党総書記・国家主席は元の国際通貨化工作に大号令をかけてきた。対外膨張戦略のためには国際通貨元が欠かせないからだ。ラガルドIMF専務理事は3月下旬に訪中して「元のSDR入りは時間の問題よ」と李克強首相らにささやいた。元決済機能誘致を北京に陳情してきた英国を始め、欧州主要国はこぞって支持に回った。

 米オバマ政権の中枢はニューヨーク・ウォール街出身者が占める。同政権は当初こそ態度を留保したが、北京がこの夏、金融の部分自由化を約束した途端、「IMFの条件に合えばSDR入りを支持する」(ルー財務長官)と豹(ひょう)変(へん)した。ウォール街ではシティ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスら大手が中国の大手国有商業銀行と組んで元決済センター開設準備がたけなわだ。

 今後、世界では何が起きるか。元は世界最大の通貨発行量を誇る。国際通貨になれば、元は国際市場でドルとの交換が保証される。経済面ばかりでなく、政治、軍事の分野で元の威力はさらに増すだろう。

 北京は最近、元の国際通貨化をうたい文句に、国際的な元決済システム「CIPS」を構築した。ドル決済システムの代替で、米情報当局による監視から逃れたい「ならず者国家」は元を使えばよい。党支配下の企業はカネにモノを言わせて、日本を排除しては東南アジアのインフラを手中に収めている。日米欧のハイテク企業などを対象に「爆買い」攻勢をかけている。

 悪貨の膨張を防ぐ手段はただ一つ。元の為替制度と金融市場を他のSDR通貨と同程度に完全自由化させることだ。党による支配は自由市場から嫌われ、資本の逃避や元の暴落を招く。

 ところが肝心のIMFは「市場改革が進むかどうか今後も監視していく」(ラガルド氏)と弱々しい。約束違反しても罰則はない。IMFへの資金の貢ぎぶりでは世界一の日本は、もういい加減、口くらい出したらどうか。(編集委員 田村秀男)

http://www.sankei.com/economy/news/151201/ecn1512010043-n1.html

◆「元は国際基軸通貨になり得ない」 野村証券投資情報部チーフ・マーケット・エコノミスト 美和卓氏

2015.12.1 産経ニュース

 --人民元がSDRに採用された。日本経済への影響は

 「直接的にはアジア地域での企業間貿易決済で元の比率が高くなるだろう。円決済の地位は相対的に低下する。ただ、アジアに進出する日系メーカーの現地法人と日本の本社間の決済は円建てが多く、SDR採用は影響しない」

 --アジアで元が米ドルに取って代わる可能性は

 「中国は為替をコントロールし続けなければ国内の経済を安定化できず、中国本土と海外との間での資本移動も制限している。中国の経済減速によって元は相対的に弱くなっており、仮に為替取引を完全自由化してしまうと元が暴落する危険性があるからだ。このため、元は国際基軸通貨とはなり得ず、ドルの地位は揺るがない」

 --中国が現地企業に元決済を求めた場合、現地企業と日系企業との決済が円から元に置き換わるリスクは

 「中国は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を通じて地元企業に元建て資金を融通し、現地企業はその元を中国企業に支払って資材を購入するインフラ整備の図式を描いている。中国政府の息のかかった取引先から元決済を持ちかけてくるリスクはある」

 --金融機関は元決済ビジネスを拡大しようとしている。リスクはないのか

 「積極的に元ビジネスにのめりこめば危険だと思うが、現段階ではそういう感じではなさそうだ」

 みわ・たかし 東大教養卒。平成2年野村総合研究所。16年野村証券に転籍。経済調査部、投資調査部、投資情報部エコノミストを経て27年9月から現職。47歳。静岡県出身。

http://www.sankei.com/economy/news/151201/ecn1512010047-n1.html

◆中国、国家存続の限界 「共産党独裁・自由主義経済」が破綻の危機

2015.11.16   Business Journal

 不動産や株式のバブル崩壊が伝えられる中国では、国際競争力が失われる中で、企業が財テクにいそしんでいたのも事実である。

 日本企業も、バブル末期には不動産や株式をはじめ、さまざまな商品に投資を重ね、財テクにうつつを抜かしていた。中国もまったく同様で、資源をはじめとしたさまざまな商品取引において、非常に大きな買いポジションを保持していた。簡単にいえば、資源などを利用して投機行為を行っていたわけだ。

 しかし、そういった中国の投機行為が減少したことが、世界的な資源バブル崩壊の大きな要因ともいわれている。中国では、深刻な実体経済の悪化に加え、不動産価格の下落や銀行の貸し渋り、貸し剥がしが短期間で一気に進む可能性が高い。

 また、根本的な問題として、中国の経済構造も大きな課題をはらんでいる。中国の経済構造は「共産党独裁・自由主義経済」ともいうべき、非常にゆがんだものであり、自由経済と計画経済の“いいとこ取り”をしている状態だ。

 しかし、バブル崩壊を受けて、いよいよ「計画経済か、自由経済か」という選択を迫られることになるだろう。例えば、自由経済化を進めた場合、中国政府はバブル崩壊を食い止めるすべを持っていない。計画経済に進んだ場合、国際ルールを無視した一方的な運用が可能になるため、企業の大量倒産を免れるなど、バブル崩壊のショックは緩やかなものになる。

 「自由経済化=バブル崩壊の助長」「計画経済化=バブル崩壊の抑制」という基本構造になっているわけだ。しかし、中国経済が自由化されるということは、あり得るのだろうか。自由化というのは、金融面だけの問題ではない。経済の自由化とは「ヒト・モノ・カネ」の3つの要素が自由に移動できることであり、それらは市場原理に委ねるというのが原則である。

 「ヒト・モノ・カネ」が自由に動けば、それに伴って情報など有形無形のさまざまな要素も動く。必然的に、政治も自由化せざるを得なくなるだろう。8月に、中国・天津市で発生した大規模爆発事故のニュースが世界を駆け巡った。あのニュースが大々的に報じられた背景には、天津が経済技術開発区であり、自由貿易試験区であったという要素がある。

天津の大爆発が大々的に報じられたワケ

 中国では、何か事故が起きると、責任回避のために証拠を隠滅したり、情報を隠蔽するのが常である。しかし、天津には日本人をはじめとした外国人が多数存在していたため、情報隠蔽ができなかった。こういったことを鑑みると、自由化は中国共産党の現行体制を脅かすものであるともいえるだろう。

 中国の大企業の多くはいまだに国有であり、そうでなくても、中国共産党の幹部が実質的なトップやナンバー2に座っているのが実態だ。本当に自由化を進めるのであれば、この中国共産党の独裁体制を崩壊させる必要がある。すべてを民営化して、市場原理に任せることになるため、当然といえば当然だ。
 しかし、その方向に進むということは中国共産党の崩壊につながるという、ジレンマを抱えている。つまり、中国において、これ以上の自由化は事実上不可能ともいえるわけだ。

 また、中国は人民元の国際化を進めているが、「国際化=自由化」ということも理解する必要がある。当たり前だが、国際化するということは、国際的なルールに従うということだ。中国の“マイルール”を国際金融市場に持ち込むことは許されない。

 確かに、世界の国々は、これまで中国の自己中心的な振る舞いを、ある程度は許容してきた。しかし、それは中国が自由化や民主化を進めるという前提の下であり、あくまで段階措置として認めてきただけである。最終的に中国のルールを国際市場のルールにすることなど、許されるわけもない。

 このような事情や背景を考慮すると、中国経済はあらゆる面で限界を迎えているといえるだろう。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

●渡邉哲也公式サイト
http://www.watanabetetsuya.info/
●公式ブログ「渡邉哲也(旧代表戸締役)の妄言」
http://daitojimari.blog116.fc2.com/
●公式メールマガジン「渡邉哲也の今世界で何が起きているのか」
http://foomii.com/00049

http://biz-journal.jp/2015/11/post_12411.html

◆AIIB融資、人民元の利用を中国が働き掛けへ=香港紙

2015年 04月 15日 ロイター

[香港 15日 ロイター] - 中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)による融資と決裁に使う通貨に人民元を加えるよう加盟国に働き掛ける。香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが15日、シンクタンク関係者の話として伝えた。

また同紙によると、アジアのインフラ支援のために中国が設立したシルクロード基金とAIIBに対し、特別な基金を設け人民元建ての融資を行うよう促す。

http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPL4N0XC1L420150415

◆経済構造はもはや限界 臭いものに蓋をする中国共産党

2015.9.26 iRONNA 上念司

 上海総合指数は昨年の6月から今年の6月までの間に、約2.5倍の5000ポイント台まで上昇した。しかし、その時点をピークに、6月、8月と立て続けに大暴落して、現在は3000ポイント台前半にある。

 大暴落の原因について、空売り規制だとか、人民元の切り下げだとか、あるいは江沢民率いる上海閥による空売り陰謀論だとか、いろいろなことが言われている。確かにそうかもしれない。とはいえ、これらはすべて本当かもしれないが、原因の一部でしかない。

 本当の問題は支那の経済構造がもはや限界にぶち当たっていることにある。いや、もうとっくの昔に、リーマンショックあたりから限界にはぶち当たり始めていた。しかし、そのことを隠蔽し、高度成長を演出するために、支那共産党は文字通りありとあらゆる「臭いもの」に蓋をしてきた。

 例えば、温州市で不動産バブルが弾けたのは2011年である。8月までは上海に匹敵する高値をつけていた温州のマンション価格は、10月に入り急降下した。このとき、支那共産党は金利減免や緊急融資などで臭いものに蓋をした。

 例えば、2013年6月に上海の銀行間取引金利(SHIBOR)が突如として9%まで急騰した。通常銀行間の取引金利は市中金利の中でも最も安いはずだが、それが9%という異常値を示した。支那ではこういう信じられないことがたびたび起こる。あの時、銀行のATMから引き出しボタンが消えるなど、すわ金融危機発生かと思われた。しかし、この時も支那人民銀行が流動性を供給したことで当面の危機は去った。またしても臭いものに蓋をしたのだ。

 例えば、2014年1月に中誠信託が販売した30億元(約600億円)の理財商品が償還できなくなるという事態に陥った。この理財商品の投資先である非上場の石炭会社「山西振富能源集団」の経営が思わしくなくなったのがその原因だ。しかし、この時も謎の投資家が突如として現れた。謎の投資家は山西振富能源に巨額の資金を出資し、約700人の信託委託者が手にする株式を買い取ることで臭いものに蓋をした(おそらく謎の投資家の中の人は共産党の密命を帯びていたのであろうと言われている)。

 例えば、上海超日太陽能科技(太陽光電池・パネルメーカー)が、2014年3月7日に償還期限を迎える社債について、利息支払い分の4%程度しか資金調達ができていないことを発表した。この時は謎の投資家は現れず、そのまま社債のデフォルトをやらかしてしまった。そして、3カ月後の6月27日、上海超日太陽能科技は破産手続きに入ると発表した。ついにこのとき、支那共産党には臭いものに蓋をしている余裕がなくなったようだ。

 このとき、支那共産党は思っただろう。「これ以上社債のデフォルトが続くと、企業が資金調達に困難を極め、倒産が相次ぐかもしれない」。そんなことになれば、株式市場までもがメルトダウンしてしまう。

 そこで、支那共産党は考えた。無理やり株価を上げて、企業の資金繰りを楽にしなければならないと。そこから始まったのがプロパガンダによって株価を上げるという毛沢東も真っ青の「大衆運動」である。共産党が株高を公認し、官製メディアを使って「株を買うことはいいことだ」という運動を繰り広げたのである。

 プロパガンダの効果はてきめんだった。株価の高騰によって、新興企業の株価は特に急上昇した。中でも株式を新規に公開するIPO市場は活況を極めた。子会社が運よく上場すれば、親会社の資金繰りの悪化は解決する。しかも、個人投資家はIPO銘柄で一攫千金を狙う。両者の利害が一致した。

 もちろん、こんなねずみ講は長続きしない。ファンダメンタルズを大きくかい離した株価はいつか調整される。6月から続く大幅な株安はまさにそれだ。しかし、ここでも支那共産党は臭いものに蓋をしようと悪あがきをした。公安警察を使って、株を売ろうとする人を取り締まるという荒業に出たのだ。デマを流したという理由だけで一般人の投資家も多数拘束されたという。しかし、今回もそれは通用しなかった。

 しかも、そんなことをやっているうちに、足元が危うくなる。人民元の為替レートを維持できなくなってしまったのだ。今年に入ってからの支那経済の弱さを確認した投資家は、今後は為替レートを維持するのは不可能と見抜いていた。だから、今年の8月上旬まで、実勢レートでは5%程度元安が進行していたのだ。

 そこで、支那人民銀行は実勢レートと公定レートの乖離を縮めるという大義名分の下、8月11日から3日連続で約5%の人民元切り下げを行った。ところが、誰もこの大義名分を信じなかった。支那経済は我々が想像している以上に悪化しているに違いないと多くの人が考えた。

 景気が悪化しているということは政府により財政、金融政策によるサポートが必要だ。ところが、為替レートを高めに維持するためには元の量を少なめに誘導しなければならない。為替レートはその通貨の希少性を示すものだからだ。しかし、元の量を減らせば経済はデフレ化する。まして、現在の支那は過剰な投資によって作られた設備が、想像を超える過剰生産によって在庫の山を築いている。モノはあふれるがお金が足らない状態、これがまさにデフレなのだ。デフレを脱却せずして景気の回復はあり得ない。だとすれば、高すぎる為替レートは早晩維持できなくなる。世界中の投資家はこう考えていたのだ。

 今回の人民元切り下げは、実勢レートと公定レートの乖離がある程度の大きさになると、公定レートが実勢レートを後追いする形で切り下げが行われるという悪い習慣を作ってしまった。投資家は高い公定レートで人民元を売り浴びせることで、実勢レートとの乖離を大きくする。結果としてそれは人民元の切り下げを促す。

 支那人民銀行がたまらず人民元を切り下げたら買い戻して大儲けできる。そして再び乖離が小さくなったら、即座に人民元を大量に売りを浴びせる。そうすると、またもや乖離が大きくなる。そして再び乖離がある程度の幅まで広がると、支那人民銀行が再び人民元の公定レートを切り下げる…。

 この悪魔のサイクルに入った国は例外なく通貨危機に陥る。イギリスのポンド危機も、アジア通貨危機もすべてこのパターンである。そう考えると、人民元の切り下げで臭いものに蓋をしたつもりが、逆効果になってしまった可能性がある。利に聡い投資家たちは、人民元の売買を大きなビジネスチャンスとして参入してきている。いわゆる投機家による売り崩しによって人民元は大暴落するかもしれない。

 ただ、ここで間違えてはいけないのは、支那における人民元大暴落は、日本における超円高の終焉と大幅な円安とは似て非なるものだということだ。日本はもともと変動相場制であり、日本銀行が望ましい為替レートを発表したり、管理したりはしない。日本銀行が明示するのは望ましいインフレ率の目標(インフレターゲット)である。現在、日本は日銀が掲げる2%というインフレ率をまったく達成できていない。ということは、2%を達成するまで円の増刷は止まらないだろうと投資家は考えている。円がたくさん刷られるなら円安が起こって当然だ。とはいえ、インフレ率が目標に達する段階になったら円の増刷は止まる。その時に円売りを仕掛ければ投資家は非常に痛い目にあうだろう。

 人民元の大暴落は経済の掟に反して為替をコントロールしたいと熱望する支那共産党に対する制裁である。日本でやっているリフレ政策とは全く次元が異なる。

 支那が本来やるべきは、投資を中心とした歪な経済構造の改革である。ところが、その構造の隅々に支那共産党の利権が染みついているのが問題なのだ。一党独裁を続けながら、その利権だけ排除することができるのか?もちろんそんなことは不可能だろう。だとすると、経済の不調は必ず政治問題に発展する。日本のような民主主義の国でないからこそ、そのリスクは重く見なければならない。この点について見通しの甘い人が多すぎる。

上念司 

経済評論家。1969年、東京都生まれ。中央大学法学部卒。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任。金融、財政、外交、防衛問題に精通し、積極的な評論、著述活動を展開。主な著書に『売国経済論の正体』(徳間書店)『日本は破産しない!』 (宝島社)『「日銀貴族」が国を滅ぼす』(光文社新書)『経済で読み解く大東亜戦争』(ベストセラーズ)『高学歴社員が組織を滅ぼす』(PHP研究所)ほか多数。

http://ironna.jp/article/2064


最新の画像もっと見る