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なみだ石の伝説 僕は日待明ひまちめい。時折、思い出す記憶。これにしたがって、話を進めよう。最初は1975年の記憶だ。

2021年05月15日 | なみだ石の伝説
TDなみだ石の伝説 1975年の話。故郷神立山伝説は、僕日待明に新たなる人生の選択を迫る。彼女は何者なのか?私は地球人でなく観察者として地球の長い歴史に関与したことをしる。
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なみだ石の伝説第1回1975年僕、日待明(ひまちめい)は故郷、頭屋封へ、町中の生活で得た悲しみ洗いおとすために帰る。
前書き

僕は日待明ひまちめい。時折、思い出す記憶。それにしたがって、話を進めよう。最初は1975年の記憶だ。僕を待ち受ける故郷神立山、その地域の伝説「なみだ岩」伝説は、僕にあらたな人生の選択を迫る。そして、日待明の記憶に点在する彼女とは何者であったのか?僕は僕の記憶を探っていく。

 

なみだ石の伝説第1回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所(1980年作品-2021改稿)

Http://www.yamada-kikaku.com/

 

●僕は日待明ひまちめい。時折、思い出す記憶。記憶にしたがって、話を進めよう。最初は1975年の記憶だ。僕を待ち受ける故郷神立山、その地域の伝説「なみだ岩」伝説は、僕にあたたな人生の選択を迫る。そして、日待明の記憶に点在する彼女とは何者であったのか?僕は僕の記憶を探っていく。

 

1975年 僕達2人は、乗りごこちの悪いローカル線に乗っている。

列車は。僕の故郷に向かっていた。

 

故郷といってもあまり記憶はない。親戚もいない。

僕は都会の中で一人、孤独で何年も住んでいた。

あるきっかけで故郷へ帰ろうと思った。

 

 奈良県、和歌山県、三重県の3県の県境にあるふるさと。

ふるさとといっても本当に伺のとりえもない山間の小さな村だ。

それこそ、一日に三本あるかないかの鉄道、駅からパスに、パスの終点から山道、そま道を歩み、やっと、その土地、頭屋村とうやむらへたどりつくことができる。        

 帰ったところで、誰も僕を喜んでむかえてくれるわけではない。

 

 僕、日待明ひまちめいは頭屋封へ、何年もの町中の生活で得た悲しみ、体の中にたまりすぎた汚れを、洗いおとすために帰る。

苦しみは僕の体をむしばんでいるのだ。

 

なみだ岩に、行き着き、そこで涙を流すことで、僕は幸せになれるだろう。いや少なくとも、過去の傷を、いくぱくかいやすことができるだろう、と僕は考えていた。

 

僕の生まれた頭屋村は、「神立山」と呼ばれる深山の中にある。

奥深い、あまり人も、森林伐採でしか入れない「神立山」の森の中に「なみだ岩」と呼ばれる岩がある。

 

「なみだ岩」のまわりは、不思議と草が刈りとられたような芝の多い草原になっている。

その草原を深い森がかこんでいる。

「なみだ岩」はわかりにくい場所にあり、頭屋村出身でない者はたどりつくことができがタイ。

涙岩は高さおよそ15mくらい。頂上はとんがっていて、底に向かって広がっている。

土の中に岩の半分ほどが、うまっている感じだ。

全体は緑がかった乳白色で、表面は人が毎日みがいていると錯覚するほど光り輝いている。

遠くから見ると、涙のしずくが空からかちてきて、地球につきささったようなのだ。

 

、、、と詳しく知っているようだが、僕は父が亡くなったあと、すぐ頭屋村を出て、遠い親戚をたより、東京にでていった。

5才の頃の話だったから、なみだ岩についてくわしく覚えているわけではないのだ。

 

この「なみだ岩」にのぼり、その上で涙を流し、「なみだ岩」に、涙がしみこんでいくなら、その人は幸せになるという伝説がある。

 

この「なみだ岩」伝説を知ったのは、ふとしたきっかけだった。

 

親戚から東京に送られてき、父の形見を整理していた時、父の日記を見つける。

古ぼけたページを,めくっているうちに、こんな記述にであったのだ。

 

「涙岩は 何百年かに一度、必ず崩壊する。

そして、その跡には、指でつまめるほどの小さなかけらが残る。人はこれを原石

と呼ぶがたま、そのあとに残ることがある。

 

なみだ石のほとんどは夜空に舞いあがってい

く。そしてなみだ岩はきれいになくなっていて、あとには大き々穴があいている。まわりの草原も焼けただれている。

 

この話は、先祖代々に渡り、頭屋村に住んでいる者のみに語りつがれている。」

と、、、

 

 僕は子供の頃見たことのある「なみだ岩」を、もう一度、はっきりとこの眼にしたい。

涙を流したいと思う。あれほど美しい原岩がこわれぱ、どれほどの「なみだ石」ができるのだろう。涙岩の美しくくずれる瞬間、それをながめたい。

 

 さいわい、「なみだ岩」についてはあまり知られていない。

もし旅行維誌がとりあげれば、一たちまち大勢の人でうめられてしまうだろう。

 

 しかし、神立山は観光ルートからはなれた辺境で、訪れる人はほどんどない。

「なみだ岩」は、ごくわずかの人しか知られていない。

 

たとえ、「なみだ岩」のことを土地以外の人が知っでも、「なみだ岩」で悲しみ

をとりのぞいてもらい、本当に幸福になりたいと思う人にしか「なみだ岩」の場所を教えてはならないのだ。

 

僕の行動は、あらゆることを投げすて、その「涙岩」に行きつけたい。

と思った時から始まっていた。

 

(続く)

なみだ石の伝説第1回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所(1980年作品-2021改稿)

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