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ドリーマー・夢結社第6回 東京にある夢の島にある夢工場で、Kは自白機械にて分析される。

2021年11月22日 | ドリーマー・夢結社
ドリーマー・夢結社(1987年)●夢王たちの饗宴パート2●クネコバ・スプローギンは世界を夢世界の集合体とした。
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ドリーマー・夢結社第6回
東京にある夢の島にある夢工場で、Kは自白機械にて分析される。

ドリーマー・夢結社第6回

(1987年)星群発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

 

 

「夢工場?」

「Kは不思議そうな顔をする。

「君は、我々の質問に答える気はないらしいな」

「答えようにも、答えられない。俺は偶然ここに来たんだ。つまり俺はからっぽの人間だ」

 

「偶然だと。わかった。我々もそう悠長ではいられない。時間を省略しよう。君を分析してやろう。こ

こは夢工場。夢分析機械にはことかかないからな」

 

「夢分析だと、何をするつもりだ」

「すぐわかる。侵入者くん」

 

男がライフルでこづきながら、Kをとなりの部屋に連れていく。

 

そこにはにわけのわからない機械が数多く並んでいる。

中にカマキリを思わせる機械がある。

 

人一人が横たわれるベッドが真中にあり、その前後左右に大小のアームが無数に突き出ているのだ。

歯医者の治療機材をもっと大きく複雑にした形だ。

 

■夢の島のそばに、潜水艦が浮上する。

 

船外機付きのゴムボートが出され。仮面の男が、一人それに乗り込んだ。

「艦長、世話になったな」

 

「いえいえ、長官、あなたのお役に立てるのでしたら、いつでも、この艦を御利用下さい」

「わかった。せいぜい利用させてもらうよ」

 

男はボートの船外モーターを廻し、夢の島へ向かい始める。

仮面の男は、しばらくして、後ろをふりかえり、潜水艦が完全に沈下した事を確かめて、手元のスイッチを押す。

 

大音響と共に水柱があがる。小型のスイッチを海中へほおり投げる。

 

「グッドバイ」

 

潜水艦の部品が浮かびあがってくる海面に向かって、冷たく機械的にそうつぶやく。

そしてゴムボートで夢の島の方を目ざす。

 

 

「さあて、あとかたづけが大変だろうな」

男の表情は仮面の下でみえない。

 

■「さあ、これが自白機械だ」

彼らは、自白機械のベッドにKの体をくくりつける。

 

頭にはヘルメットをかぶせる。体を身動きできない程、金属リングでしめっける。体の各所にコードがつながれている。

 

「この自白機械は我々と違って容赦はしない。何しろ精密な機械だからな。侵入者くん」

そう言って。彼らはKを残し部屋から出ていく。

 

ヘルメットの内部からの声が響いてくる。

「いいかね、まだ時間は充分ある。君が自発的にしゃべりたいというのなら、その機械を止める事もで

きる」

Kは無言だ。

 

「その自白機械は一度、動き出せば、とどまるところを知らないからな。君の精神は。ごフバラになる。

それは確実だ」

機械による分析内容はとなりの部屋でモニターされている。Kの思考は解析され、結果はここのモニターにディスプレイされる。

 

すぐさま

自白機械の解析士が声をあげた。

「こやつはドリーマーだ」

 

「なぜ、ドリーマーがこの夢工場へ来たのだ」

工場長は、命令を下した。

 

「よし、白白機械のスイッチを入れろ」

「彼のドリームマスターは誰か調べてみよう」

解析士が言う。

ディスプレイは不明と出る。

 

「不明だと、そんな事はありえない」

ドリーマーはほかの人間の夢からしょうずる。

自分からは創造できない。あくまでほかの人間の夢からだ。

 

工場長は叫んでいた。

解析士も叫んでいた。

「この脳波は何だ。読みとれない。機械のキャパシティをこえる。オーバーランする」

『分析不可能』を機械のミニターは

繰り返し表示する。

 

ドリーマー・夢結社第6回

(1987年)星群発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 


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