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新人類戦記第一章(1980年作品)第12回第一章最終回 ジウと竜はベトナムをメコン川からサンパンで脱出しょうとする。アメリカ政府は究極兵器ビーム砲を宇宙から発射し抹殺をはかる。

2021年01月28日 | 新人類戦記第1章(1980年作品)
新人類戦記 第一章 ベトナム戦争時に開発された究極兵器の話です。その兵器が新人類を生み出す。
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新人類戦記第一章(1980年作品)第12回第一章最終回 ジウと竜はベトナムをメコン川からサンパンで脱出しょうとする。アメリカ政府は究極兵器ビーム砲を宇宙から発射し抹殺をはかる。
 

新人類戦記第一章(1980年作品)第12回第一章最終回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)

 

 

 メコン川の村人は、竜とジウ彼ら2人がサンパン(はしけ)に乗ってメコン川南の方へ下っていくのを見届けてから村の行政委員会事務所(役場に当る)

へこの事を報告に行った。

 

係官はその村人からワイロを受けとり、この事をだまっていることにした。それから彼は外に出て、小さな小屋にはいり通信機をひっぱりだした。村人がいった特徴は、連絡を受けていた通りだったので係官は喜び忿がら、通信を送りだした。

 

 

ホーチーミン市を経由して、報告はアメリカのペンタゴンへ届いていた。

 

■アメリカ、ワシントン。

 

アメリカ大統領の手元にも竜とジウ彼ら2人がサンパンにてメコン川移動の報告書は届いていた。

 

再度、アメリカ政府の緊急閣僚閣議が開かれた。

 

 「閣僚諸君、私は閣僚諸君にあやまらなければならな

い。私はあまりにあの日本人、山梨の翁を信頼しすぎて

いた。彼らはやはり日本の国益のために動いている。それはアメリカの国益に

反する」

 

 大統領はこの時、日本への報復を考えていた。経済戦争での報復である。

 

 

「さて、国防長官、われらが希望の星「荷電粒子ビーム砲」はそののちどうなっている

のかね」

 

「はっ、大統領、発射に成功したという連絡が先刻はいりました」

 

「それはめでたい。我々USAの立場を一層高める」

 

閣僚内で 歓声があがった。

 

「よし、早速、それを使おう。実験材料として彼ら、ジウと日本のアクションサービス員東郷竜に対して使うのだ。彼らの位置をベトナムにいるCIAの工作員とスパイ衛星ビッグパー

ドを使い、早急にに探りだぜ」

 

「大統領、何もそこまで大掛かりな」国務長官がつぶやいた。

「今、我々は危機に瀕しているのだ。それが君にわからんのか」怒りの言葉がかえってくる。

 

 彼は次に国防長官に向い、確認をした。

 

「今度のビーム砲は失敗しないだろうね。前回のように」

 

 前の実験では荷電粒子ビーム砲は大気と地球磁場の影響で曲げられ目標に命中しなかっ

たのだ。

 

「今度は間違いありません。今度こそ大丈夫です」国防長官は冷や汗をかきながらも胸をはった。

 

 

■サンパンの上でジウをみながら、クチニン村の始末を竜は、思い起こしていた。

 

ヘリコプターの残骸がくすぶる大地から村のほうに向かってジウが歩き出した。

「ジウ、どこへ行くんだ」

「いちど村に戻り戻るわ。あなたと私の痕跡を消さなければならない」

ジウはつぶやく。

「追跡者をできるだけ減らすため。リスクを減らすためなの」

つづけた

「きれいなあとかたづけよ」

 

若いが能面のような顔でジウは答える。

竜はジウに主導権が取られてると強く感じていた。

 

 

焼け続けていたクチニン村は村人が片付けている。

目ざとく2人を見つけ走ってきた人間がいる。

 

「竜さんもジウも生きていたか」心配していた村長は孫ジウの顔見て喜んでいた。

 

「おじいちゃん。あなたは私をアメリカ軍にいけにえとしてささげたわね」

急にジウが村長に向かって怒りで叫ぶ。

 

「何をいいだす」ジウから返事はない。

「ジウお前は何を言っている。神隠しにあった時から人格変わったようだね」

 

 

「私はわかっていたわ。自分たちの村を守るために孫の私を犠牲にした」

ジウは涙を流していた。

 

 村長は顔をしたへ、顔を起き上げてきは、村長の表情が変わっていた。

 

 

「そこまでわかっているなら。ジウ、お前を兵器として回収させてもらうぞ。

我々村人はソビエトKGBの回収部隊として雇われた精鋭だ」

 

しかし、一瞬、再び深紅空間が生じ、変化を起こした。

 

■ジウの体が揺らいでいる。殺戮空間をジウが作り出していた。

 

孫の心配していた振りの村長は、他の村人(回収部隊員)に銃で打たれ

その人間も草刈鎌で殺されていた。

 

殺し合いを始めた人々を見て。

 

「じいちゃん。さようなら。私ジウ

は旧人類から新人類に代わります。そのための世界への見せしめよ」

 

「これでクチニン村の人間は完全に全滅したわ」

ジウは竜を向き言い放った。

 

竜は、急激な抹殺空間に色を失い倒れていた。

 

「生き残った村人は入れ代わり、さらに全滅した。クチニン村は地球上から

消滅した。我々は追跡する組織に手がかりはあたえないわ」

 

東郷竜は、ジウのことを案じていた

それから、ジウに完全に指導権を見られたことを感じていた

 

新人類の先輩としてジウに、竜の日本政府サービスエージェントの自分の自信が崩れ去っていく

これから先はジウに逆らうことができないであろう

全てジウに従わざるを得ない

 

■メコン川を南下していたジウと竜のサンパンは川ぞいをパトロールしていたベトナム人民軍河川砲艦に発見されていた。

 

「止まれ、止まれ、そこのサンパン。臨検を行う」

 

 ペト十ム政府も、最近増加しているベトナム十

ム脱出者に手を焼いていた。

 

 砲艦が近ずいてきた。艦載二十五ミリ砲がこちらを向いている。

 

ベトナム人民軍水兵の顔が視界に入り顔がもう見分けられた。

 

 急にジウが竜の方を向いた。

「竜、あのハイニンが持っていたヘルメットがなくてもも耐えられる

はずよ、今のあなたなら」

 

■ジウが、サンパンの先頭にたち目をつぶり空を見上げる。

 

急に メコン川が血に染まったように見えた。

 

空も紅い色に変化した。ぺトナム人民軍水兵の目にはそううつったはずだった。そして砲艦

の中で虐殺がはじまった。

 

お互いに殺し合いを始めた。恐るべきジウの精神エネルギーの

発露であった。

 

 竜は一瞬、体をすくめたが、以前のようジウの精神エネルギーの影響はまったく受け

なかった。すでに竜の精神波とジウの精神波が「新人類」として同調していたからである。

 

 やがて砲艦はエンジントラブルを訟こし、停止した。船には死体しか残っていない。

 

竜とジウのサンパンは横をすりぬけ、南下を続けようとする。

十分後、後で火柱があがった。

後から轟音がひびいてきた。

 

砲艦が爆発したのだ。火は砲艦を攻めつくし、やがて船は沈んだ。

 

 

■この衝突事件が、ジウと竜のサンパンの位置を

CIAのベトナム人エージェントに知らせる

こととなった。

 

さらにアメリカの誇る偵察衛星ビッグバードによって位置が確認された。

 

 人工衛星につまれた荷電粒子ピーム砲は地

上のあらゆるものを焼ききってしまうのだ。

 

 原子の粒子をひと束にして、これを光の速

さで撃つと、光線は目標に向かって直進する

この光線のあたったあらゆるものは一瞬にと

かしてしまう。

 

  スパイ衛星によって完璧にサンパンの位置

は確かめられ、照準作業が続けられた。

 

 

 ビーム砲のコントロールセンター内とアメリカ政府

閣僚会議は、モニターでつながっていた。

重要閣僚が、大統領を中心に集まっている。

 

「発射しろ」 

アメリカ宇宙軍の射撃士官が、命令し、射手がコントロール・パーのスイッチを押す。

 

 

  宇宙空間から、一条の光線が、地球上の1点、ベトナムのメコン

にうかぷI隻のサンパンに集中した。

 

 

  一瞬にうちに舟は熱せられ、炭化し、消滅した。川の水が沸騰し蒸発した。蒸散の空気が

熱くその空間に漂う。

 

しかし、しばらくすると何もなかったようにメコン川は流れていた。

 

 

 ビーム砲は成功したのだ。

 

 

コントロールセンターと閣僚会議室にに歓声があがっだ。

 

 

 しかし誰ひとりとして、これが新人類の人類に対する宣戦布告だったとは気づかなかった。

 

 

夕陽がメコン川を血の色に変えていた。

 

(第2章に続く)

 

 

新人類戦記第一章(1980年作品)第12回第一章最終回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)



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