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腐敗惑星のアリス第24回 独立傭兵部隊・タイコンデロガ搭乗機の「ファイ アーボール」が機会城を攻撃。トリニティと禁断の実を発見する。

2020年07月21日 | 腐敗惑星のアリス
AF腐敗惑星のアリスー宇宙連邦の監視機構の元で、腐敗惑星内で新生命トリニティが蘇生し、世界の秩序を変える動きが始まる
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腐敗惑星のアリス第24回 独立傭兵部隊・タイコンデロガ搭乗機の「ファイ アーボール」が機会城を攻撃。トリニティと禁断の実を発見する。
 

腐敗惑星のアリス第24回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

「マンガ家になる塾」 山田企画事務所

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 機械城では、16面体の意識がフェイドアウトしていたが、

自己防御システムは可動している。

自己防御システムは、急速に接近して来る球体を熱感度センサ

ーで危険物と認知した。

 

球体機械内部には、生物体の存在が確認できる。

即時、この球体に対して、各部位ごとに、認知センサーがデー

タ分析を行い、総合判断する。

 

 攻撃。

 

 飛来する10個の球体は、迎撃するミサイルを感知し、迎撃す

る。

 

搭乗者のアドレナリンが球体に感応し、白熱化する。

この攻撃船が独立傭兵部隊・タイコンデロガ搭乗機の「ファイ

アーボール」である。

 

「歓迎の花火を挙げてくれるぜ」

 個々人の感覚は増幅されて、搭乗者に見える機械城は、まる

でチョコレートケーキに見える。

 

非常にくずれやすそうなケーキだった。音は光りになって感知

できた。

 

 とぎすまされたファイアーボールは、そのケーキを切り刻む

ナイフだ。

 

ナイフの刃は搭乗者の頭脳と体力だった。

「各自、攻撃」

 

「我々の目的はあくまでも、禁断の実だぞ、それを忘れるな」

「OK、ボス、各個撃破」

 

「ハリホー」

 ファイアーボールは、生体維持装置の限界までゲージが上が

っている。

 

能力限界オーバー。コンピュータの機械ボイスが叫ぶ。

 視覚装置がフェイドアウトした。

 

「ファイアーボール」機内モニターが砂の嵐となる。

機械城が機械砂を一斉に吹き上げる。

 

生命体である機械砂は、ファイアーボールの外装の、機械構造

の隙間をとうりぬける。

 

「ファイアーボール」 コックピット内に微粒子が侵入してく

る。

「いかん、全員ファイアーボールから脱出しろ」

隊長のトポール大佐が叫んでいた。

 

第1種装甲のまま、各兵士は、ファイアボールからプッシュア

ップした。

2人、脱出できなかった。機械砂に包まれたファイアーボール

は搭乗者ごと吹き飛ぶ。

 

「背面降下、キャノンボール」

 装甲服の背後から、キャノンボールと呼ばれるロケット噴射

機が作動し、

機械城の壁面に8人が着地する。

 

 

「ミラー伍長、奴らはどこにいると考える」

 

「恐らく最上階でしょう。が、トポール大佐、問題なのは、機

械城のそれぞれの空間は、常に移動しているのです」

 

「つまり、機械城という大きな海の中を航行している船が、各

空間だというのだな」

 

トポール大佐に率いられた傭兵たちは、地下羊宮チャクラの意

識層から、

トリニティが見聞きしている映像を、割り出していた。

 

 彼らのいる機械城の壁表面から、今度は、液体が吹き出す。

「いかん、機械油だ」

 装甲服に粘りつく。

 

 「こいつは」

 装甲服に火の手があがる。

機械城の表面が一瞬すべて燃えあがった。

 

熱が装甲服の中でも急激に上がってくる。

「チャクラの言っていた侵入口はどこだ」

「どうやら、ここです」

 

 ミラー伍長が3次元モニターで地図を示した。

「よし、電磁砲を使え」

が、機械城に侵入しても、通路には、防御ロボットが待ってい

た。

 

「なかなか、退屈をさせてくれんな、ミラー伍長」

「そのようですな、楽しませてくれますね、トポール大佐」

ミラーもにやりと笑う。

 

 独立装甲騎兵が機械城の最上階にたどり着き、なだれこんで

きた。しかし、動くものはない。

 

「てこずったな。おやおや、戦いは終わっているのか」トポー

ル大佐が言う。

 

「ミラー、この中で、どれが、トリニティだ。トリニティなら

、禁断の実の事がわかるだろう」

 

 寂寥王は16面体との戦いで、相打ちとなり、トリニティの姿

に戻っていた。

 

トリニティはぼうぜんとしている。

 

ミラーはこの有り様には目もむけず、トリニティを発見する。

 「彼女だ」そばにはりんごが転がっている。

今度は誰。モウ、あたし、ふらふらだわ。

「お嬢さん、その禁断の実を渡してもらおうか」

装甲服のミラーが言った。

「いやだわ、なぜあなたに渡さねばならないの。これはあたし

の命なのよ」

「御不満かもしれないが、このモニターを見れば気もかわるだ

ろううさ」

 装甲服のミラーは3次元モニターをトリニティの前に見せた

「まさか、チャクラぢいさんを」

ミラーは、ヘルメットの下でほくそんでいた。

 

「そうだ。トリニティくん。我々の仲間が、君の親ともいえる

チャクラを占領している。

君が我々の提案にしたがわない場合は、チャクラを爆破する」

あたしの一番大切で安全な場所を返して。

「いやよ、なぜなぜそんなことをするの。それになぜ禁断の実

を」

 

「我々は《禁断の実》が過去宇宙のデータバンクであると聞い

ている。それを持って帰り、分析したいのだ」

トポール大佐が言った

「分析ですって、そんな事して何になるというの」

「この世界の始まりを知り、過去がなぜ滅びたかを知りたいの

だ」

 

「これが、禁断の実か」トポール大佐は、地面に投げ出された

リンゴに目を止めた。

 

トリニティの視線をおったのだ。

「やめて、それにさわらないで。危険よ」

そばで見ていたミラー伍長の頭で、何かが危険信号を出してい

る。

 

そうだ。昔聞いた巫女の言葉だ

「危ない、大佐、それに触るのは危険だ」

「ミラー伍長、君、私に宝を触らせないつもりか」

が、突然、その禁断の実が、トポール大佐の手のうえで、液体

化する。

「これは、何だ」

うわーつ

 その液体は、宇宙服を着たトポールの首筋の情報端子から、

トポールの脳のなかにゆったりと滑り込む。

 

「グワッ」

トポール大佐は未来の姿を見た。

世界の過去未来、

世界のすべての情報がトポールの脳に一瞬に流れ込む。

脳機能がオーバーヒートする。

 

眼球が飛び出し、頭が破裂する。

宇宙服ヘルメットの内部が血で真っ赤になる。

つづいて、トポール大佐の宇宙服が内圧のすごさのあまり爆発

する。

彼の爆発した肉片から、コロコロと再び凝固したリンゴが転が

りでた。

 

「あーあ、だから言ったでしょう。危険だって」

トリニティがつぶやいた。

 

「禁断の実は生きている」

装甲兵の一人が恐怖におののきながら、叫んだ。

 

(続く)

1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー

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