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腐敗惑星のアリス第20回「頭のよい一角獣だこと。見せてあげるわ」 楽園の アリスは片手から黄金のリンゴを取り出した。 「探している禁断の実よ」

2021年03月03日 | 腐敗惑星のアリス
AF腐敗惑星のアリスー宇宙連邦の監視機構の元で、腐敗惑星内で新生命トリニティが蘇生し、世界の秩序を変える動きが始まる
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腐敗惑星のアリス第20回「頭のよい一角獣だこと。見せてあげるわ」 楽園の アリスは片手から黄金のリンゴを取り出した。 「探している禁断の実よ」
 

腐敗惑星のアリス第20回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

「わかったぞ、君は戦闘16面体がつくったコピーだな」一角獣ユニが叫んだ。

「おや、頭のよい一角獣だこと。トリニティ、ついでにあなたのさがしているものも見せてあげるわ」

 

アリスは片手から黄金のリンゴを取り出した。

「それは一体」

「これが、あなたたちが探している禁断の実よ。わからない」

 

「それが禁断の実」トリニティは気おちした。

 あんなリンゴに何の価値があるというの。

ばかばかしい。そのトリニティの表情を見て楽園のアリスが言う。

 

「おやおや、あなたこの意味を知らないようね。これは総ての人がほしがる宇宙最高の宝なのよ」

このなまいきな女。しったからぶりな、いやな奴。

「何ですって」

 

「これは古代世界のデータバンク。この最後の楽園も,

この黄金のリングのデータからとりだし再生したものよ。

これは1種の機械能なのよ。おまけに、もう一ついいことをおしえてあげる」

アリスはトリニティの反応をさぐる。

 

「いい、よくおきき、このリンゴは、、あなたの父親なんだよ」

「何それ。どういう意味、理解できないわ。禁断の実ってチャクラの一部でしょう」

「おやおや、チャクラは何も教えていないようね。これをあなたが…」

 

「もう、いい、やめておけ」急に声がした。

 

「あっ、父さん」トリニティはアリスの視線方向を見た。

戦闘16面体が出現していた。

 

「よく、辿りいたな。トリニティ。だが、ここは我々の領地だ。

それゆえ、君をおもうぞんぶん料理できる」

トリニティはおぞけをふるう。力は先刻、蛇に何かを食べさせられてから、どんどん抜けていく。

 

 ユニが走り出して、戦闘16面体にぶつかっていく。

「やめろ、戦闘16面体め」

 

「いつから、我々にそんな口がきけるようになった、

一角獣。お前が、この機械城を自由に動いていたのは、お前が我々に害をおよばさなかったからだ。

いわば、お情けで生かしておいたのだ。侵入してきた生き物を、

 

お前が殺していたからな。それなりの利用価値を認めていたのだ」

「お前に、僕の生きていく意味なんか決められてたまるか」

 

「さあ、トリニティ、私のいう事をおきき」アリスはトリニティをつかんだ。

力が抜けているトリニティは易々と捕まえられる。

 

「あなたを滅ぼせば、あなたの代りに私が世界子せかいしになれる」

次から次から新しい言葉をいう女だわ、この子って。

 

「世界子って一体」

「この世界を支配する王の子供よ。それになるためにはあなたの存在がじゃまなの」

 ちょっと、そんなに強くつかまないでよ。

 

 2人の目の前に、中央のドームへのガラスの階段が出現していた。

まるで、青空につながっているように見える。

「あたしと一緒にこの階段をあがってもらうわ」

虹の階段だ。

 恐ろしい程の力でアリスはトリニティをつかんでいた。

 

「この上にあたしの部屋がある。そこであなたをバラバラにするつもり」

 アリスはニヤッと笑う。

きゃっ、気持ちが悪い奴。

 

 二人でそのガラスの階段をのぼり始める。

 何をするのよ、この子は、一体なんで、トリニティはその時、階段のガラスを見た。

二人の体が写っているが、この世界は違ってみえた。

 

 アリスは機械のかたまりだ。

それにあたしの体は、恐ろしい事に3人の体がだぶって見える。

 

何、これ、このガラスの階段は。恐怖でトリニティに急に力が沸いて来る。

「キャッ何」思わず叫んだ。力一杯アリスの体を突いていた。

 

「何をするの」アリスの体は真っさかさまに地上に落下していく。

 楽園のアリスの体がバラバラにくだけちった。

 

彼女の体は本当に機械から成り立っていたのだ。

アリスが死んだ時間、最後の楽園の色彩が一変した。

赤や緑や青の色が急にモノクロの世界に変わる。

 

また楽園も急変する。木々がバラバラと分離し始める。

木々や生物に見えたものはすべて機械部品の集まりだったのだ。

 

戦闘16面体はチャクラの元で、トリニティの情報をつかんで、自ら脱出した。

その時に決意していた。我々が、世界子であるトリニティを作ろうと。

「アリス」はトリニティのコピーなのだ。

 

 トリニティは急いで階段の下まで走り降りる。

が、かけ降りる端から、ガラスの階段が崩れ落ちていく。

 

 トリニティは、アリスの機械人体のそばに、散ばっている残骸から

“黄金のリンゴ”をみつけ出し、つかみとった。

これがそうなの。

 

 その時、一角獣と争っていた戦闘16面体が、その様子に気づく。

「何という事を、我が子よ」戦闘16面体がトリニティの所へ飛来してくる。

「よくも我が子を殺したな。トリニティ。

それに黄金のリンゴをかえしてもらおう。それをお前に渡すわけにはいかん」

 

 戦闘16面体からトリニティを守ろうとしてユニが突き込んできた。

「ええい、じゃまな奴め」

戦闘16面体の突起がユニの内腹をつき破っていた。

 

「ユニー」トリニティは声を限りにはりさけんでいた。

「早く、早く、その禁断の実を飲み込め」

苦しい息の下でユニがつぶやく。こんなの、本当に食べれるの。

「ええい。消えろ、このうすぎたない一角獣め」

 

 つきささったままの突起が白熱した。轟音と共にユニの体がふき飛ぶ。

 やめて、やめてよ。こんなの見たくない。

戦闘16面体って、情け容赦もない奴。

 

(続く)20090501改定

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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