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聖水紀ーウオーター・ナイツー第9回■ロイド達反政府組織レインツリーの前に聖水騎士団フガンが現れ、歌姫ベラと奴隷船の漕ぎ手シマを返せという。

2021年12月21日 | 聖水紀ーウオーター・ナイツー(1976年)
SM聖水紀ーウオーター・ナイツー 宇宙から飛来した聖水は地球の歴史を変えようとした。人類は聖水をいかに受け入れるのか?
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聖水紀ーウオーター・ナイツー第9回■ロイド達反政府組織レインツリーの前に聖水騎士団フガンが現れ、歌姫ベラと奴隷船の漕ぎ手シマを返せという。
 

聖水紀ーウオーター・ナイツー第9回(1976年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

 

「どうした、何があったのだ」

 

「大変です、チーフ」

 

息を切らせてその男は叫ぶ。雨がその男の顔といわず、頭といわず激しく降り注ぐ。

 

「騎士団員です、騎士団員がここに」

 

「なぜ、ここがわかったのだ」

 

ロイドの手の中で男は崩れ溶ける。

 

「聖水がかかっていたのか」

 

ロイドの方へ、雨足のけぶる中、また誰かがちかずいてくる。

 

「誰だ。ハーマンか」

 

ロイドは仲間の名前を呼ぶ。

 

「残念ながら、ハーマンではありません」

 

やさしい声がかえってくる。

 

「誰だ、きさま」

 

ロイドはいぶかって相手をみようとした。ぬっと新手の男が登場する。

 

大音声で名乗りをあげる。

 

「ふふ。初めて、お目にかかります。私は聖水騎士団員、レオン=フガンと申します。以後、お見知りおきをいただきたい。歌姫ベラ、さらに奴隷船こぎ人シマをいただきにまいりました。

おとなしく渡していただきましょうか。もし、だめとあらば、この私の聖水剣の舞いをご覧にいれましょうか」

 

「きさま。ひとりでここへ」

 

「そうです。失礼にあたらねばよろしいのですが」

 

「いい度胸だ。が、どうしてここが、」

 

「職業上の秘密ですといいたいところです。

、まあ、サービスしましょうか。聖水がすこし彼女にかかったのですよ。その聖水がこの場所を教えてくれたのです」

 

「あの少量の聖水が」

 

「そうです。ああ、それについでに申しあげておきましょうかね。その聖水は私が先刻、研究所からいただきました。私に所有権はありますものですからね」

 

「くそ、聖水を返してもらおう」

 

「わからない人ですねえ。私たち聖水騎士団に所有権はあるといったでしょう。それより、ベラとシマを渡してくださいませんか。それに付け加えますと。

あなたがた「レインツリー」を滅ぼすのは時間の問題なのですよ」

 

フガンはあたまりまえのように言う。

 

「フガンとやら、我々が簡単にベラとシマを返すとおもったか。この基地で、きさまから聖水を奪い取ってくれる」

 

「お手並みを拝見いたしましょう」

 

フガンはニヤリと笑う。聖水剣を引き抜いていた。建物からベラが飛びだしてきた。

 

「ロイド、無謀よ。彼は聖水剣をもっているのよ」

 

「これはレディ、またお目にかかりましたね。

 

聖水騎士団レオン=フガンです。聖水の命により、あなたを貰い受けにまいりました。すぐさま、聖水のみもとに」

 

フガンは歌姫ベラの方に手をさしだしていた。

 

「笑わせてくれるわね。フガン」

 

ベラはフガンの手を打ちすえる。

 

「私のお願いを受け取っていただけない。寂しい限りですね。わかりました。それでは力ずくで、あなたをさらつてまいりましょうか」

 

「フガン、いい度胸だ、まわりを見ろ」

 

ロイドが叫んでいた。フガンのまわりを「レインツリー」のメンバーがとりかんでいた。

 

「これは、これは怖そうなおにい様方ですね」

 

「フガン、へらず口をたたくのもこれまでだ。我々の包囲陣、やぶれるか」

 

「何」フガンは聖水剣をむけた。が、聖水が彼らにとどかない。

 

「ここれは」

 

「フガン、我々が何故、このような多雨地帯にいるのか、わかるか」

 

「さては」

 

「きさまの想像どうりだ」

 

水にたいして水を使う。地球の水がレインツリーの呪術師の念力によりバリアーとなっている。

 

分がわるいとフガンは判断する。彼は臨機応変フガンは一瞬飛び上がり、ベラの真後ろに着地した。

 

聖水紀ーウオーター・ナイツー第9回

SF小説■聖水紀■(1976年作品)

 

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

 



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