小説工房/山田企画事務所www.yamada-kikaku.com/

小説●ビジネスマンガ制作 山田企画事務所yamada-kikaku.com

消滅の光景 第10回 地球は絶滅の危機に。最後のヒマラヤ要塞に5人の勇者が生き残っていたが、彼らの前に、ルーラーと名のる敵が現れ、地球の罪のために地球帝国が滅ぶと告げる。

2020年10月05日 | 消滅の光景
SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n8420gh/10/

 

消滅の光景 第10回 地球は絶滅の危機に。最後のヒマラヤ要塞に5人の勇者が生き残っていたが、彼らの前に、ルーラーと名のる敵が現れ、地球の罪のために地球帝国が滅ぶと告げる。
 

消滅の光景 第10回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

 

 

■地球の記憶■

 

 

 

「地球の罪か」

 

地球帝国戦士のウォーカーは独り言ちた。

 

地球の罪のため、この地球帝国は滅び

 

ようとしでいるのだ。

 

そしてここが地球最後や要塞だった。

 

 

 

「ウォーカー! ウォーカー!」

 

 

 

 遠くから声が響いていた。1人の男が足をよろめかしてウォ

 

カーの方へ近づいてぎた。

 

 

 

 ボイドだった。

 

 

 

あとに3人の男が続いていた。

 

サグ、クリノ、グレだった。

 

 

 

無傷な者はー人もいない。

 

 「生き残ったのはどうやら我々だけらしい」

 

 

 

 爆発音がして、床がざらに傾いた。光が消えた。

 

 「最期か」

 

 ボイドが叫んだ。

 

 「どうやら、そのよのようだな」

 

 クリノがつぶやいた。

 

 

 

 「地球の罪のため、地球帝国滅びるが」

 

 

 

 ただよってきた煙が鼻につきだした。炎が部屋を犯し始めたのが

 

ウォーカーの目の隅にはいった。

 

 

 

 彼らの敵は、宇宙船の姿さえ見せず、光線銃やミサイルも使わず、

 

地球を完膚なまで叩いたのだ。眼に見えぬ力が、彼ら星間帝国の都

 

市や戦闘艦を消滅させていた。戦い様がなかった。防禦あるのみだ

 

った。人々は自ら命を絶っていった。

 

 

 

 ウォーカーやボイドらわずかな勇士たちがここヒマラヤ山脈に要

 

塞を構築し、立娠っていた。

 

 

 

最後の長後まで、目の見えぬ敵と戦おうとしていた。

 

人類の滅亡は目の前だった。最後の鉄槌が振り落さ

 

れようとしている。

 

 

 

 ボイドが、レイ=ガンを取り出し、ゆっくり頭に当てようとした。

 

横からウォーカーが銃をひったくった。

 

 

 

 「ヤめろ、ボイド、我々は最後の最後まで、地球人の誇りを失なっ

 

 てはなちん」

 

 「あそこを見ろ」

 

 

 

  サグが指さした。

 

 

 

5人のいる部屋の中央に物体が形をとり始めた。

 

 

 

 やがて彼らの目の前に1人の男が現われた。目を血ばしらせた5人

 

 の男は叫んだ。                   

 

 

 

 「何者だ」

 

 

 

「私はヤ辻フー。宇宙の創造者にして、秩序を宇宙にあまねくいき

 

 わたらせる者の一人だ。つまりは私はお前たち地球人が敵と呼ぶ者だ」

 

 

 

 「敵だと」

 

  彼らは色めきたった。

 

 

 

 「そうだ。しかし敵という概念は我々自身では理解できない。我々

 

 は地球の罪により、地球を排除し、大宇宙の均衡を保とうとする者

 

 の集合体なのだ。地球の勇士達よ。お前達に一つの役目を与えてやろう。

 

 年月が流れ、この地球の罪が許されるまで……」

 

 

 

 

 

■ 数世紀ののち

 

 

 

「この星は何だ」

 

地球をめざしていた、セクター連邦のカド博士が青ざめた顔をして言った。

 

 

 

 船のスクリーンには別に異常は現われてはいない。目の前に地球

 

が拡がっていく。

 

 

 

 「博士、いったいこの地球がどうしたというのですか」

 

 「空虚なのだ、チヒロ中尉、空虚なのだ。通例、私は、星々にある霊に

 

類するものを感じることができるのだ。私の心の中にその星でおこ

 

った過去の歴史や運命を感じることができるのだ。しかし、この星には

 

何もない」

 

カド博士は、同行するセクター連邦軍情報省チヒロ中尉に言い放った。

 

 

 

消滅の光景 第10回

 

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

 

http://www.yamada-kikaku.com/



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。