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新人類戦記第三章聖域第23回 南西アフリカのビサゴス共和国での新人類の挑戦に対し、各国政府は対策会議を、行うこととなる。

2021年04月15日 | 新人類戦記第3章
新人類戦記第3章聖域南西アフリカ、紛争地域ビサゴス共和国に入りを抜け、ジョバ河をさかのぼり、悪魔の山アコンカグワを目指す2人の姿があった。アコンカグワ地下古代都市で人類創世の神が復活した。
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新人類戦記第三章聖域第23回 南西アフリカのビサゴス共和国での新人類の挑戦に対し、各国政府は対策会議を、行うこととなる。
 

新人類戦記 第三章 聖域 第23回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)

 

 

■日本 東京、帝京ホテル。

 

 数日後。東京、帝京ホテル。

 

 この日、このホテルは国際科学技術会議の会場として貸り切りになっていたが、それに

しては泌戒が厳重であった。

 

 日頃、めったに山梨の自宅からは外出しない翁がこのホテルの中にいた。もちろん、こ

のホテルの影のオーナーは彼である。

 

 ホテルの地下5F。エレベーターはここまでだが、階数表示ボタンの下に小さなキーを

さし込むことができる。そのキーにより、このエレベーターはずっと沈下するのだ。階数

でいえば地下18Fにあたるだろう。

 

 上の5階分には通信回路や情報機器がセットされている。ここは一種の情報センターで

あった。

 

「我々のセンターで会議を開催させていただき、恐縮いたします」

 

日本の翁が頭を下げていた。しかし、まわりには機器のオペレーターしか人間は見当たちない

 数多くのモニタースクリーンに各国の政府を代表する首脳陣がうから画と声で会議に参加しているのだ。テレビ討論会形式になっているのである。

 

翁の心には疑惑がうづまいていた。

我々日本の扱いだ。日本の情報機関である「サムライノクニ」の司令官として、準備をするように警告はだしてある。

 

富士山樹海の「サムライノクニ」の訓練センター、世界各地の「サムライノクニ」のシークレットハウス、要員には危険信号をだしてある。「世界各国の情報機関が我々日本人を攻撃するかもしれん」と。

 

「あいさつは抜きにしょう。翁。さっそく、本題に入るべきだろう。あの熱球がいつ消失

するのかわからんからな。この会議の司会は我々のシャブロ君に任せよう。我々の政府の情報処

理担当官だ。・各国の首脳諸子には申しわけないが、ここではまげて、彼に司会をまかせる

ようにお願いする」

 

 アメリカ大統領が開ロー番に言った。

 

 シャブロの顔が真中のスクリーンに現われた。やせた勇でウェリントン=タイプのメガ

ネをかけ、ダークのB・ブラザーズの服を着ている。

 

「皆さん、私がシャブロです。’現時点でわかっている事から判断して、各国の利害はこの

際、徐外して考えていただきたい」

 

モニターから叫び声があがっていた。

 

「皆さん静かにしていただきたい。はっきり断言しておきましょう。我々の敵対している

勢力は恐らく人間以上の存在と考えて、さしつかえないでしょう」

 

「それはどういう意味かね」モニタの一つから声がわり込んできた。

「我々を普通の人類とすれば、、彼らは明らかに超人類と叩ばれてしかるべき存在なのです。

早く言えば、我々全人類の危機といってかまわないでしょう・」

 

 ジャプロはここで息をつき、騒ぎが収まるのを待った。 

 

「まず、ビサゴスについてふりかえってみましょう」

 モニターのTつ把ビデゴスの地図が映し出された。

 

「ピザゴスにはこの熱球の発生する以前に、T個の小型原爆が爆発し、第2都市ウルラ市が消滅し

ています。これは情報にしよれば、解放戦線側が、ビデゴスの正規政府であったポグラ政府

のラオメ大統領を倒せと民衆をあおるための一手段であったらしい。ラオメ大統領を倒さなけれ

ば、首都ポグラも消滅させると発表したようだ」

 

「残念ながら、その二個の原爆は、我々がクリスチャン号にのせて、ポグラ政府へ売りつ

けようとしていたものです。途中で解放戦線に奪取されたのです。もちろん、我々はいく

つかの安全処置は施していたのですが」

 

 フランス情報局(DIT)の局長が述べた。

 

「それにヒントになる一つの事実があります。ソルボンヌ大学へ留学していたピデゴス人学                            一生のニエレレという男が、その一週間前に失踪している・のです。もちろん、彼の専攻は核

物理学でした」

 

「しかし、我々の安全処置は絶対安全だったのです」日本の翁はくり返した。

 

 ソ連KGB議長が発言した。

「この世の中に絶対安全という言葉はない。我々には超能力戦士隊がいた。つまり読心術

他の超能力を持っていたのだよ、翁。わかるかね、この意味が」

 

 

 イギリス情報局(SIS)の局長が発言した。                   

「超能力戦士に関して、ポートモレスビー港における爆発炎上事件についてアメリカ、ソ

連両国から正確な説明をしていただきたい。ソ連商船ノプゴロドプ号があの事件のあと、

我々の静止もきかずに出航し、ジョバ川からピデゴス共和国ヘ向かったはずだが」

 

 ポートモレスビーはイギリス領である。それゆえ彼はポートモレスビー港炎上事件の説

明を求めたのであった。

 

 CIA長官がしぶしぷ口を開いた。

「残念だが、我々CIAの完全な敗北だったのだ。我々はノプゴロドフ号がピデゴスに送

られる超能力戦士隊が乗っていると察知していたのだ。夜間、エアゾール爆弾による攻乖

が失敗に終り、この惨事となったのだ」

 

ソビエトKGB議長があとをとった。

 

「あの時点では我々ソ連の勝利を確信していた。あの原爆によりソビエト勢力圏とする効算は大だったのだ」

 

「ところで君の国の超能力戦士部主任、ジュチェフキン大尉はどうなったのだね」

 それまで。口を閉ざしていたアメリカのカイザー陸将が尋ねた。カイザー陸将はアメリカの超能力戦士部隊の創設者であった。

 

「超能力戦士と共に行途不明だ。それよりカイザー少将、あなたの国アメリカ第一師団はどうなった

のかね。アコンカグワ山ヘ向かっていたはずだったが」

 ソ連KGB議長が問い返した。

 

「我々の部隊も不明なのだ」

 

 シャブロは口をはさんだ。お互いの非難がでないうちに、先へ話を進めたかったのだ。

「君、あれを映してくれたまえ」

 

 スクリーンのオペレーターにシャブロは言った。

 

 熱球になる前のピザゴスの地形図が中央のモニターに映しだされたままだったが、次に

熱球に包まれる寸前のピサゴスの赤外線写真が映しだされた。

 

「これは一体」

「シャブロ君、これはどういう事だね」

 各所で声があがっていた。

 

 写真で見るとビサゴス共和国北東部山地周辺が別の色を示していた。

「スヘクトル分折の結果、この部分、すなわちアコン=カグワ山が生物体であるとしか考え

られません」

 

「何だと生物体だと」

 

「我々の想像を越えた何かがこの山を構成していたとしか考えようがないのです」

 

「そういえば、確か、我々の第一コマンドの輸送機が墜された時も、アコン=カグワが発

光した」

 

 カイザー陸将が口を添えた。

 

「デューク島井が率いる第一コマンドは、ベトナム戦当時。初期の超能力戦士コマンドで

あった東郷竜とベトナム人ジウを抹殺するためにその国へ向かったのだ」。

 

 カイザー陸将は説明を加えた。アンドレポフKGB議長も発言した。

 

「竜とジウに我々の超能力戦士であったベトナム人のルンも合流したようだ。我々の超能力戦士の一人が透視していたのだ」

 

シャブロは結論を出した。

 

「極めて少ない情報から独断すれば、あの山アコン=カグワがこの白球状態をおこし、ピ

サゴス共和国を被っているとしか考えられません」

 

「どうでしょう、一度、アメリカ政府の最新兵器、荷電粒子砲をあの白球内に射ち込んでみては」

 

 イギリスSISの局長が述べた。

 

「また、アメリカは前の失敗をくりかえすことになるのではないかね」

 

 アメリカの方を見て、ソ連側が笑いでうまった。

 

彼らソビエト側はアメリカが最新兵器、荷電粒子砲でメコン川で竜とジウの乗つていたサンパン(はしけ)をねらい、失敗した事実を知っているのだ。

 

 その時、デ-夕通信のキーが急に鳴り始めた。

重大なニュースらしい。

1人の通信オーぺレーターが情報をデメスプレイした。

 

シャブロがややあわてた感じでしゃべった。

 

「皆さん、事態は進展し始めたようです。ピサゴスの白熱球が、10分前に消滅した事が確

認されました」

 

新人類戦記 第三章 聖域 第23回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)

 



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