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デュエット(二重走)第7回 北極海を抜けてマラッカ海峡で、氷船ザイード号はテロリストから攻撃を受け、航行不能に陥った。

2020年12月08日 | デュエット(二重走)
デュエット(二重走)■東西冷戦の時代。工員白神四郎の人生が悪夢の中へなだれ落ち落めたのは、 一年前からだ。
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デュエット(二重走)第7回 北極海を抜けてマラッカ海峡で、氷船ザイード号はテロリストから攻撃を受け、航行不能に陥った。
 

デュエット(二重走)第7回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yama-kikaku.com/

 

●1978年作品ー東西冷戦ーソビエト連邦とアメリカ

合衆国が冷たい戦いを行っていたころの話です。

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北極海を 氷の船ザイード号は動き始める。

氷山が自らの意志を持って動き始めたのだ。

 

先陣には潜水艦「聖なる剣の先」号と「アラーの目」号が付

き添っている。

 

 「現在の所、敵の姿は見当りません」

 「剣の先」号艦長からザイード号のブリッジとなった基地へ連絡が

はいった。

 「ようし、気にベーリング海峡をぬける」

 ザイード号からアラスカのマッキンリー一山が遠く見えていた。

 「ソ連側の領海に入らないように気をつけろ」

 

 ザイード号は右手にカムチャッカ半島、左手にアリーシャン列島

をみながら、南下を続ける。

 

 四日後、日本列島の側を雨下。何もおこらない。七日目、台湾と

フイリッピンの間を雨下する。その間、各国の報道陣がヘリを飛ば

して、ザイード号の写真を撮り、取材に来る。

 

 ザイード号への着陸を希望したヘリもあったが、それは丁寧に拒

否された。

 

 物資の補給は、搭載されているBOWヘリによって続けられる。

ザイード号は途中、どこの国の港へも寄港することはない。という

より不可能なのだ。赤道が近づくにつれ、ヘリによって対太陽光

線緩衝剤が、BOWヘリにより何回も氷山上表面にスプレーされた。

ザイード号の氷が溶けていくのを防ぐためである。

 

 ■敵の攻撃がなく、水船はマレー半島とスマトラ島の間、マラッカ

海峡へ入っていた。

 

 四郎と王子は、交互に服を着かえ、ある時は氷船ザイード号ブリッジ、ある時は

先行する潜水艦内にいた。

 

「恐らく、彼らはそろそろ攻撃を仕掛けてくるだろう。何しろインドネシア

ドネジアとマレーシアは島の数が多く、多民族だ」

 氷船ザイード号ブリッジ内の一部屋で王子は四郎に言った。

 

 インドレシアの新聞社「アジヤ」のヘリが近づいてきた。ザイ

ド号上のヘリコプターエアポートヘ着陸しようとする。

 

 シモノフ博士は大声でマイクに向かっていた。

 「やめろ、着陸するな。すぐ上昇しろ。さもないと、攻撃するぞ」

 氷船ザイード号の各部分には対空機関銃が装備されている。

 

 ヘリは警告を無視して着陸する。その瞬間、機関銃か発射された。

ヘリは爆発をおこした。ヘリの破片が、ザイード号のあちこちへ玖

び散った。と同時に、火が氷船ザイード号表面を走った。

 

 「どういう筝だ」

 王子は叫んでいた。

 

 「そうか王子、例の対太陽光線緩衝剤のエア・ソルの際に、敵は発

火性の強い薬に取り替えてしまい、それを我々はスプレーしてしまっ

たに違いありません」

 

 燃料庫に火が燃えうつり、爆発がおきる。さいわい戦闘機とヘリ

コプターに被害はなかった。

 

 「艦長、浮上して消火に当ってくれ」

 王子は二隻の潜水艦に浮上を命じた。潜水艦は浮上し、ジェット

噴射隋で水をザイード号にふきかけ始める。

 

 「インドネシア海軍に頼み、ザイード号に消火剤の投下を求めろ」

 インドネシア本土から、消火剤を積んだヘリや飛行機が飛来し、

消火剤を数十回、投下した。やがて火勢は弱まった。

 

 「ふう。よかった」

 

 

 「しかし、容積がかなり削られてしまいましたね」

 「残念だが、しかたがない。一層の注意を払ってくれたまえ)

 王子に化けていた四郎はシモノフ博士に言った。

 

 潜水艦は氷船ザイード号の火勢の弱まったのを観察し、再び濫行した。

ソーナーに潜水艦を感知したからだ。

 

 ザイード号のヘリと戦闘漑は燃料補給のため、近くのインドネシ

ア空軍飛行場へ向かっていた。

 

 消火剤を撒いていたヘリの一機が、氷船ザイード号ブリッジの上を通過した。

 「うわ、何だ、ここは燃えていないぞ」

 「気をつけろ」

 乗員は口々にヘリをののしった。

 

が、瞬間後、乗組員は急に眠気を催し、倒れるように眠ってしまった。

睡眠ガスがまき散らされたのだ。

 

続いて大型ヘリ・パートルが飛来してきた。乗組員全員

が眠り込んでいる氷船ザイード号に着陸する。

 

大型ヘリ・パートル中からはテロリストが飛び出して来た。

彼らはザイード号の要所、要所をおさえた。

 

 無線か入っていた。潜水艦にいる王子が四郎を呼んで言った。

 「艦長、ザイード号との連絡がとだえた。どうしたんだ。氷船ザイード号

、応答しろ」

 

 同時にソナー手が艦長に叫んでいた。

 

 「敵潜水艦が、魚雷を発射しました」

 「二本はザイード号後部を目指しています」

 残り二本は潜水艦に向かっていた。

 

「くそっ、ザイード号の推進機をねらっている。航行不能にしよう

としている」

 「転舵しろ。後部魚雷発射!」

 

 

 「聖なる剣の先」号から発射された魚雷は敵の潜水艦からの魚雷二本の内、

 一本を破壊する。

 

 

一本はザイード号に命中する。プロ。ヘラHジこノトの一本を吹き飛ばした。

 

 潜水艦「聖なる剣の先」号は二本の魚雷をきわどい所でよけ、

敵潜水艦の攻撃に移る。

 

 「前部魚雷、発射」

 

 潜水艦「聖なる剣の先」号の魚雷は、敵潜水艦を吹き飛はした。

 

 「反転しろ、氷船ザイード号に向かう」

 

 氷船ザイード号艦橋は、バートル=ヘリから降り立ったテロリストに

よって完全に占拠されていた。四郎始め、乗組員はまだ意識を失な

ったままだ。

 

 テロリストの隊長は、四郎を王子と思い込んでいた。

 

 

デュエット(二重走)第7回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yama-kikaku.com/



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