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デュエット(二重走)第12回 ペルシャ湾にて氷船ザイード号は、イランからの対艦ミサイル、潜水艦からの魚雷攻撃を受ける。これに対して四郎とハーリマッド王子は、念動力で対抗するが。最悪の事態が起こった

2020年12月16日 | デュエット(二重走)
デュエット(二重走)■東西冷戦の時代。工員白神四郎の人生が悪夢の中へなだれ落ち落めたのは、 一年前からだ。
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デュエット(二重走)第12回 ペルシャ湾にて氷船ザイード号は、イランからの対艦ミサイル、潜水艦からの魚雷攻撃を受ける。これに対して四郎とハーリマッド王子は、念動力で対抗するが。最悪の事態が起こった

 

デュエット(二重走)第12回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

●1978年作品ー東西冷戦ーソビエト連邦とアメリカ

合衆国が冷たい戦いを行っていたころの話です。

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 「よし、舵を、アラビア海に向けろ」ハーリマッド王子が

艦橋で命令した。

 

 氷の船、ヤスラー王国、ザイード号は、航行は可能であったが、

防備設備は、ほとんど使用できない。

 

STOL随は総て、破壊されていた。ヘリは形勢を見

てマルディブヘ逃亡している。

 

 アラマド大臣の傷は悪化の一方であった。

 

 ■一週間後、ザイード号は、オーマン湾に入っていた。

 

 シンベル少佐がハーリマッド王子に言った。

「あと、ホルムズ海峡をこえれば、もう。ヘルシア湾です。もう一歩

という所ですね」

「そうだ。ヘルシア湾に入れぱ、ヤスラー王国海軍の海上哨戒艇が

迎えに来ている」

 

 ■ホルムズ海峡に面するイランの基地キシムを一群のゲリラが襲撃を行な

う。

この基地には対艦ミサイルが装備されている。ゲリラか

ら、基地守備隊の立てこもるトーチカに毒ガス弾が射込まれた。青酸

ガスがトーチカ全体に充満した。

 

 ガスマスクをかぶったゲリラが、基地トーチカに突入する。生き残

ていた守備隊の兵士を1人づつ殺傷処分していく。

 

 ミサイル基地キシム基地のコントロール・ルームにはいったゲリラはコンソールを見

ながら、ザイード号がホルムズ海峡にはいってくるのを待構えている。

 

 さらに、ホルムズ海峡の海底深くには、ソビエト連邦のタンカーの下部から

静かに沈下し、潜行していた小型戦闘基地が作動を始めていた。

 

 ゲリラが押さえているキシム基地のレーダーにザイード号が映っ

ている。ゲリラのリーダーは命令を下した。スイッチが押された。

基地のミサイル・サイロから中距離ミサイルか発射される。

 

 同じころ、ザイード号から先行しているヤスラー王国海軍潜水艦「聖なる剣の先」号は、ソ連海中基地にと

らえられていた。

-

 ハーリマッド王子と四郎は、同時に危険を超能力で感じていた。このザイードへの飛翔体だ。

一瞬、二人は思った。

 

『かなり大きな代物だな、我々の手に負えるものか』

 

 が選択の余地は゛ない。ザイード号は丸裸同然なのだ。彼らの持つ

超能力が最後に残された武器である。

 

 飛来してきたミサイルの方向が、少しずつ上へと変化していく。

ゲリラたちは動きに気づく。

 

王子たち二人は油汗をかいている。シンベル少佐

はミサイルの方向転換を超能力で行おうとがんぱっている二人の姿を見ながらも、どうすることもできない。

                        。

 二人の顔は力をこめていて、まっ赤になり、体は今にも倒れそうだ。

ようやく、イランのミサイルは艦橋をかすめ、上空へと飛び去っていく。

 

 基地にいるゲリラの一人はレーダーを見ていた。

彼は当然、命中と思った瞬間、ザイード号が消滅していないので、愕然とした。

 

 おかしい。ゲリラのりーダーはもう一度、ミサイルを発射させよ

うと命令する。が、彼は二度と、ミサイルの飛び出すところを見る

事はできなかった。

 

ミサイル基地の異常に気づいた、イラン軍の屯軍から別のミサイルが、この基地を吹き飛はしていたのだ。

イラン軍の安全処置である。イラン軍は公式に基地の事故であると発表した。

 

 ザイード号の艦橋にいる王子たち二人は息も絶え絶えだった。

 

 が二人のうち、ハーリマッド王子は、ソ連海中基地から潜水艦「聖なる剣の先」

号から放たれた魚雷を新たに感知していた。

 

ハーリマッド王子は最後の力をふりしぼ、て、魚雷の方向を転換させた。

四郎は横でのびているので、王子一人の力だ。最後の力を振り縛る。

 

近距離から発射された魚雷を潜水艦「聖なる剣の先」

号はよける余裕がなかったのだ。

 

ソビエトの魚雷は潜水艦「聖なる剣の先」の鼻先をかすめ、進んでいった。

ソ運海中基地はすぐさま「聖なる剣の先」号の爆雷によって、反撃され、海のもくずと消えた。

 

 ザイード号にいるハーリマッド王子のただならぬ様子に気づいたのはシンベル少佐だった。

 

「ハーリマッド王子殿下、ハーリマッド王子殿下、どうなされたのです。しっかりして下さい」

 

 四郎は、イランミサイルヘ方向転換の念動力を働かされたので体を動かせない。

声もほとんどでない。息もたえだえだ。

 

 「お、四郎ど、どう……」

 ハーリマッド王子は、わずかに口を開こうとしたが、その体力も残っていない。

 

イランのミサイルと、ヤスラー海軍の潜水艦に向けてのソビエトの魚雷の方向転換は、

彼の念動力の出力限界を越えていた。

 

彼は体にわずかに残っていた力をふりしぽ、てシンベル少佐にテレ

ハシーで伝える。

 『よいか、、今日この日から、この四郎がハーリマッド王子

だぞ。私の死体はハジム記者として処理しろ。これからは四郎の

命令を……』

 それが、彼の最後の言葉だった。

 

一瞬、静寂がおこった。

 

四郎は苦しい思いの下から叫ぶ。

「ハーリマッド王子! それは無理というものだ」

 四郎は、ハーリマッド王子の死の前に泣き期れる。

 

 

 

デュエット(二重走)第12回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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●1978年作品ー東西冷戦ーソビエト連邦とアメリカ

合衆国が冷たい戦いを行っていたころの話です。

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