小説工房/山田企画事務所www.yamada-kikaku.com/

小説●ビジネスマンガ制作 山田企画事務所yamada-kikaku.com

日本人の日 第13回ライハルトのアルプス要塞で、各国代表の日本壊滅後の日本の処理案が協議されていた。

2021年01月13日 | 日本人の日序章(1980年)
日本人の日 序章■ある財閥が世界の経済と政治状況における一国の役割を分析。その一人の男は その国が存在しないと仮定し、世界分析を行う。結果は、男の推論どおりである。その国の名は。
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1162gl/13/

 

日本人の日 第13回ライハルトのアルプス要塞で、各国代表の日本壊滅後の日本の処理案が協議されていた。
 

日本人の日序章 第13回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

二〇五四年 四月 アルプス要塞 JVO日本消滅組織 議室

 

「諸君、ごくろうだ。このド=ヴァリエ将軍は私の個人的な友人だ

が、JVOの特別顧問として来てもらった」

 

 「ド=ヴァリエです。よろしく」

 ラインハルトがつけ加えた。

 「ちなみにこのアルプス要塞はド=ヴァリエ将軍のプランによって

作られたのです。この意見を具申した時、時のフランス政府とNA

TO軍は、ド=ヴァリエを気の狂った妄想者と呼び、ド=ヴァリエ

から軍籍を剥奪したのです。しかし、彼は私の協力を得て、このす

ばらしいアルプス要塞を作りあげることができました」

 

 拍手の嵐がド=ヴァリエ将軍の耳菜に響いてきた。続いて拍手が納っ

たあと、ラインハルトが発言する。

 

 「さて、諸君、各地における対日本人作戦の状態をきこうか」

 まず上背が2m近くあるアメリカのテイラーが発表した。

 

 「御存じの通り、我がアメリカ軍はソ連軍と合同作戦を取り、東京

エアボーン作戦を強襲した事は皆さん御存じの事だと思います」

 

 会場に再び、拍手の嵐がおこる。テイラーは上気して続けた。

 「以後。アメリカ軍占領地区では組織的な日本人の抹殺プランが順

調に進んでおります。日本人の所有していたハイテク技術工場はア

メリカ軍とソ連軍の合同部隊が接取し、地球連邦の繁栄に寄与する

予定です」

 

 続いてソ連のマガロフが発言した。

 「我々は、日本人の知力と体力をかい、希望者をニイガタからホー

バークラフト船に乗せ、シベリアへ運んでいる。彼らの同朋愛的な、

自発的な労働は、我々ソビエト連邦の国家英雄的行為として高く評

価されるであろう」

 

「いまだに20世紀から進歩しとらんな奴らは」

 ド=ヴァリエはかたわらにいるラインハルトに小さな声で言った。

「しかたがあるまい。軍事動員数だけは偉大だからな」

 次々と各国占領軍の発言が続いている。

 

「イスラム圈の人間の姿が見えないが」

 ラインハルトがアメリカINSファーガソンに言った。

 

「彼らはいまだにコーランの精神にのっとりラマダンに入っており、

出席できないとのことです」フ″Iガソンが困った顔で言う。

 「困った奴らだ」

 「心情的に、彼らにとって昔、石油がビッグエネルギーであった時

期、日本人はいいお客さんでしたからね」

 「どうもキリスト教徒でない奴らの考え方はわからん」

 

 ライン(ルトは小さな声で言ったつもりだったが、耳ざといアジ

ア。アフリカの代表の驚きの声が拡がっていく。

 異様な雰囲気になってきた。

 

 「議長に質問する。JVOはキリスト教の新たな十字軍かね。さら

に白人の利益追求集団なのかね。我々、中国も、二千年にわたる関

係をふりきって、あなた方JVOに参加し、日本人抹殺計画に加わ

っていることを考慮していただきたい」

 中国代表の陳勝であった。

 韓国代表のイーユンボギが続けた。

 

 「諸君らも御存知の通り。我が大韓民国も日本とは深い因縁があり、

在日韓国人の数が多い。我々は在日韓国人の保護を目的として出兵

しているが、他国軍隊が、我が同朋、韓国人を日本人と間違いいわ

れなく暴力行為。あ&いは殺人事件すらも発生している。私はこの

JVO本部の会議の場をかりて、この件を厳重に抗議しておきたい」

 

 インド代表チャンギがイーユンボギの発言を制した。

 

 「しかし、現場のうわさによると、君達韓国人は、日本人の技術者

に秘密裡に韓国国籍を与えていると聞くが」

 

 「そんな根も葉もないうわさをどこからしいれたのかね。先刻もい

っただろう。日本には在日韓国人が多いと。そういう君達も日本に

印商が多いはずだ。インド人の友人の日本人のために亡命日本人村

を作ったと聞いたぞ。確かネパール国境近くに」

 

 インド代表が反論する。

 

 「そんな事はありえない。我々よりもインドネシアやフィリピンの

方が危ない。彼らは多数の無人島を所有しているので、一つの孤島

を日本人達に与えたと聞くぞ。「イテクアイランドを作りあげ、自

国の発展に役に立たせようとしている」

 

 インドネシア代表ヒランボが続ける。

 「そんな事を言いだせば、日系人の多い中南米諸国はどうなるのか

ね」

 

 ブラジル代表ファランヘが答える。

「ゆえなき中傷だ。確かに我が国には日系人が多い。しかし6月1

日を機して、それ以降の帰化申請は却下している」

 インドネシア代表が反論した。

「が、我々はアマゾン奥地に、日本人特別市ができていると聞いて

いる」

 

 お互いが、ののしりあいを始めた。収拾がつかない状態になる。

「我々はパートナーの選択をあやまったのかもしれんな。ド=ヴ″

リエ」

 ド=ヴァリエ将軍もラインハルトに耳うちする。

 「やはり、頼りになるのはヨーロッパ人、アメリカ人だけかもしれん」

 「ま、そんな事は百も承知だったがね。ド=ヴァリエ将軍」

 

日本人の日序章 第13回(1980年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

Http://www.yamada-kikaku.com/

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。