小説工房/山田企画事務所www.yamada-kikaku.com/

小説●ビジネスマンガ制作 山田企画事務所yamada-kikaku.com

遙かなる絆-ランナー第11回

2013年06月18日 | 遙かなる絆-ランナー
遙かなる絆-ランナー第11回
地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」

 ヘルムはしばらく考えていた。
 「サムナー、俺からの提案だ。軌道外でお前と戦おう。もし俺が敗れても、この子だけは助けてくれ」

 「そのガキのことは考えておこうっ。いずれにしても、俺とお前は対決する宿命にある。いいか、お前は有酸素型サイボーグ、俺は外宇宙でも動ける併用型エネルギーサイボーグだ。勝敗は明らかだ。今ここで投降するなら考えんでもないぞ」

 「サムナー、おまえにはEDOの対テロリストサイボーグとしての誇りがあるだろう。同じように俺にも誇りがある。ロードランナーとしての誇りがな。
俺はムーンウェイの中をここまで走ってきた。のべ、十五万キロだぞ。
今までどんなロードランナーも走ったことのない距離だ」

 「よし、わかった。お前はここムーンウェイでそのロードランナーの誇りと共に死ね。ムーンウェイでの墓碑銘は俺が書いててやる。そのガキは、俺が持ってきた携帯用救出カプセルにいれておくんだ」

 ムーン=ウェイ軌道の脱出用ハッチから、ヘルムは外宇宙へ出た。

月と地球を結んでいるのがよく見える。
二人はムーン=ウェイ軌道「クサカベ」の外壁上に立っている。

有酸素サイボ-グであるヘルムは宇宙服を着ていた。
動きが緩慢になるというハンデがある。

 「ヘルムよ。フェアプレイだ。俺の武器は全部ここにおいておく」
 サムナーは自分の休に隠されているあらゆる種類のウェポンを出し、ヘルムに対峙した。

サムナーは彼の癖で、連絡通信を受ける「受光基キャプスター」を全開にしている。

 肉弾戦であった。

 ヘルムは、体ごとサムナーにぷつかっていく。ゆうゆうとサムナーはよける。
 「どうしたロードランナー。なんだその動きは」

 サムナーはヘルムの足を狙っている。
足をねじりとってしまえば、ヘルムは動きをとれない。
サムナーはヘルムの足をとろうとするが、ヘルムの恐るべきロードランナーのキックカ無妨備なサムナーのわき腹を直撃していた。

 サムナーはふきとび、ムーン=ウェイ外から飛ばされそうになる。
ムーン=ウェイ軌道外壁突起物の端につかまる。

ヘルムの宇宙服を着た足が再び襲ってきた。
その足をサムナーはつかまえる。
キックされる。ムーン=ウェイ軌道外壁の上に蹴り上げられた。

そのままサムナーは空間に浮かんでいて、背中のブースターを使い、ヘルムの背後へ回る。

指のー突きて、ヘルムの宇宙服とヘルメットの間を破る。
サムナーの指が首の近くにあるエネルギーチューブをつかもうと、人工外皮をめくりあげようとした。

その瞬間だった。太陽が異常なフローラ光線を放った。

サムナーの頭部と背部のキャプスターは、もろにその影響を受ける。

恐るべき超電荷が、「受光基キャプスター」に、
サムナーの体のエネルギー源に流れる。

(続く)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。