気楽に山歩き

山歩きもHPも気楽に楽しむ日々を綴ります。話題は主に山歩き関連です。

『さいえんす?』 東野圭吾著 (角川文庫)

2017年03月19日 | 
実は東野圭吾さんの著書は好きでけっこう読んでました。ウチの本棚にもずらり並んでいます。文庫ばかりですが^^;

ミステリーばかりだと思っていたら、これはエッセイで、珍しいなと思いつつ図書館で借りてきて読んだのですが、これもまた面白い!ミステリーと言えば主に犯罪ネタで科学的要素がかなり関わっていますから、興味深く読み始めました。(私はミステリーの映像は駄目です^^;テレビ、映画で怖いものを見るのは苦手ですから専ら読むだけです^^;)

学校も職業も理系だった人が作家になって書かれていますから、文章に説得力ありますね。2003年から2005年ごろに書かれたものですが、かなり先をいった視点で今でも納得の内容です。

インターネットや携帯などの出現(今はスマホもですね)で、いまや正常な人間関係が築けなくなっている人が増えていることを危惧し警鐘を鳴らしています。
顔を突きあわせない、言葉を交わさない人との付き合いは、一見楽ですが、誤解や問題もおきます。コミュニケーションはやはり直接人と会って、失敗を重ね、苦痛も味わって身につけるというのは今も昔と変わらないということなんでしょうね。

地震と原発の問題も当時懸念していたことが、その後東日本大震災が起き、福島で現実に起きてしまいましたし・・・。便利さの流れに乗ってしまっている今、本気で取り組まなきゃいけないことではないかと思いますね。やはり安全第一であって欲しいです。

先日は某国のトップの兄弟が他国で殺害されましたが、本人確認にDNAが必要で、ようやく確認されたというニュースがありましたね。今や指紋やDNAは身元確認やいろいろな捜査に必要不可欠のようですが、このDNAはクローンなど生物の復活の研究なども進んでますから考えようによってはかなり心配なことかもしれません。文章の最後に「人類滅亡後に何者かによって、クローンが復活させられたりする。彼あるいは彼女は、果たして幸せだろうか。」とありました。まるでSFですが、これも飛躍した話ではなくなるのかな・・・^^;

コンピューターやロボットの話も面白かったです。
進化って何なのでしょうね?人間にとっての進化とCPUやロボットの進化はいまや切り離せないかもしれませんけれど、サイエンスはSF的な発想よりはるかに地道な研究や開発であると思わされます。

少子化対策、これは先見の明があるなぁ・・・と(^^ゞ

最後に「本は誰が作っているのか」で、本は買ってもらうことで成り立っている、「たとえば図書館の本を何百人が読もうとも、出版社や作家らには一銭も入らない。またブックオフなどの新古書店で本がどれほど売れようと、出版社や作家には何の関係もない。一冊の本が生み出す小さな利益の積み重ねだけが出版業界を支えてる。しかもその積み重ねが常にプラスになるとは限らない・・・」と続いています。
出版業界は相撲部屋と同じ。人気のある力士(売れている作家)で相撲部屋(出版業界)は成り立っている。ということですが、図書館利用の私にこの件はイタイ^^;

年金頼りになりますゆえ、たまに買うということでお許しくだされ^^; 
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