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fleurs et lapins(フルーレラパン)yukitake日記

お花とうさぎと、お出かけの記録など

「な」からはじまる絵本2巡目

2022-09-04 | 読書

「な」の絵本2巡目は3冊とも日本の作品です。

 

ナキウサギの山 本田哲也 偕成社

氷河期の頃に北海道に渡ってきて、その後も大雪山に生息し、「氷河期の生き残り」と言われるナキウサギのことをどれだけの人が知っているのだろう。

ただ、大雪山系に登ってその姿を見、虜になってしまった人は少なくない。

この絵本も、そんな作者さんが自らのナキウサギとの出会い、そして再会や観察の様子を描いています。

耳が短く、そして鳴くということから、ナキウサギはうさぎの仲間としてはかなり個性的だけれど、たくさんの天敵たちにも負けず懸命に生きるたくましさ、その可愛らしさが本田さんの絵にとても良く表現されています。

 

なんにもできなかったとり 刀根里衣 NHK出版

ページ数は多いけれど、ミッフィーの絵本のように左が文字ページ、右が絵で、その文字もほんの1行から数行なのでどんどん読めます。

鳥なのに飛べず、歌えず、木の実も取れない、タイトル通りなんにもできなかったとりが、最後には。。。 

強い意志と優しい心の大切さが伝わってきます。刀根さんのファンタジックな可愛らしい絵にも癒されます。

 

ならの木のみた夢 やえがしなおこ 文 平澤朋子 絵 アリス館

サイズは小さな本ですが、文字が多くて読みごたえがあり、内容的にも大人向けの絵本かなと感じました。

絵本の世界では、木と人間の寿命の長さの違いからくるせつないストーリーが少なくないですが、この作品もその一つ。

小さな男の子がしてくれた約束を待ち続けるならの木。待ち続ける間に男の子は大人になり、老人になり。。。

四十雀の「急いで急いで。おまつりは、すぐすんでしまうよ」「急いで急いで。おまつりはもう半分すぎた」「もう時間がない。おまつりは終わってしまう」という言葉になんだかドキッとする。

ドキッとするのも、子供の読者ではなく私自身が大人だからですね。

それにしても木は、夢を見るのだろうか。

雨の日も風の日も、晴れた日もその場に立ち続け、春夏秋冬、そこにいる。そんな木が、夢を見ないなどと誰が言えるでしょう。

 

次は「に」からはじまる絵本の2巡目です。












「と」からはじまる絵本2巡目

2022-08-04 | 読書

「と」からはじまる絵本の2巡目は、興味を惹かれるのが多かったので3冊でなく4冊借りてきました。

私は自分の都合さえつけば、平日の図書館が好きなんですが、7月26日(火)に図書館に行ったら子供たちもいて。。。

そうか、夏休みだねえ(笑)

 

どろぼうねこのおやぶんさん ぶん 小松申尚 え かのうかりん 文芸社

ストーリーが面白い。

文を担当した小松さんは、この作品で第18回えほん大賞ストーリー部門で大賞を受賞したそう。

絵本作家さんというのは内田麟太郎さんのようにストーリー専門の方もいれば、ストーリーも絵も自分で担当する方もいますね。

この小松さんのストーリーに絵をつけたかのうさんの絵のタッチはザラザラした面(キャンバス?画紙?)によって温かさを感じます。

主人公のどろぼうねこと、魚屋のおじさんとの交流も微笑ましいし、どろぼうねこの呼びかけでわらわらとたくさんの猫が集まるシーンは猫好きな方にはたまらないでしょう。

 

どろにんげん 長新太さく 福音館書店

ぶれない長新太ワールド。

この長新太ワールドは、何も考えずに楽しめば良いと思うし、それが子供にも大人にも長新太さんの人気の理由だとは思うのですが、ちょっと小難しいことを考えてみると、この「どろにんげん」というのはずばり人間の無意識のイメージそのものに思えます。

世界各地の「神話」では、天と地が混沌となったカオスの状態からいかにして秩序ある世界が生まれたか、という「創世神話」がいろいろありますが、このどろにんげんのストーリーの最初で、どろの中からにゅーっと出てきたどろにんげん、これはまさしくそんな「どろどろしたもの」から何かが生まれてきたというシンボルを思わせます。

どろにんげんは相棒となったタコと力を合わせて、巨大なサツマイモをどこかへ運んでいく。。。

途中、どろにんげんは川の中へ入らないよう気を付けるシーンがあって、曰く、「どろにんげんは みずに とけてしまうから」という妙に現実的なところがまたクスッと笑える。

とにかく、長新太さんの絵本を読むと心がほぐされるのです。

 

とびだせにひきのこぐま 手島圭三郎 絵本塾出版

冬ごもりの穴の中で生まれた子熊たち。

春になって穴から出てきたら、外の世界の見るものすべてに興味津々。

ドキュメンタリー風に語られていく中で、子熊たちがチョウや白鳥になった気がした、という子熊たちの主観が一部入っているのがまた良い。

他にも狐やうさぎや鹿の走り方を真似したり、子熊たちは好奇心旺盛で元気いっぱい。

この作品全体にわたって、春の喜びと、これからの希望にみちた人生(熊生)をあゆみはじめたばかりの子熊たちの幸せな明るいエネルギーに満ちています。

厳しい自然の中で生きていくのは決して楽しいことばかりではないだろうけれど、今はこの、文句なしに可愛い無邪気な子熊たちに春の世界の中で幸せでいて欲しいのです。

 

トスカのおくりもの マシュー・スタージス文 アン・モーティマー 絵 おびかゆうこ 訳 徳間書店

絵を担当したアン・モーティマーさんは「ち」の絵本2巡目で紹介した『チョコレート屋のねこ』の絵を描いた人。

イギリスの「王立細密画家協会会員」だそうで、本物のような雰囲気の猫や植物が魅力的。

ある春の日、誰にも邪魔されずに静かなところで寝ていたい雌猫トスカ。

居心地良い場所を探す中で出会うカエル、小鳥、ネズミなどもリアルに描かれていて可愛いです。

原題が Tosca's Surprise なのでどういうことなのかなと思っていましたが、最後になるほど~

 

次は「な」の2巡目です。












「て」からはじまる絵本2巡目

2022-07-14 | 読書

「て」の絵本2巡目はすべて外国人作家のものを借りてきました。

 

テスの木 ジェス・M・ブロウヤー 文 ピーター・H・レイノルズ 絵 なかがわ ちひろ 訳 主婦の友社

木の寿命は長い。何百年も生きている木もある。そんな木と、小さな女の子の心のつながり。

人間より寿命が長い木と言えど、長年の風雪に耐え、ついには一生を終える時が来ます。

女の子(テス)は木のためにお葬式を行う。。。大切な存在をなくしても、心の中に、思い出は永遠に。

 

てっぺんねこ C・ロジャー・メイダー作 灰島かり 訳 ほるぷ出版

原著のタイトルと、「てっぺん」という語感が似ていて良いと思う。

主役はハチワレの猫ちゃん。

漫画のような小さなコマでの構成で、いろんなシーンの動きが楽しめます。

かと思うと「てっぺん」のシーンなどは大きな見開きの絵で迫力あり。

猫好きな人には猫の習性や体の動きなどが魅力的な絵本だと思います。

 

でんごんでーす 文 マック・バーネット 絵 ジェーン・カラーチー 訳 林木林 講談社

鳥たちの伝言ゲーム。ゲームではないのだけれど、伝言なので当然、徐々にメッセージが変わっていく。

ポップスター、ポスター、トースター、ハムスター、ステキなステッキ、ステーキ、などなど。。。

原著ではどんな文なのかが気になります。

最後は、鳥たちの中でのいかにも「知恵者」な、落ち着き払ったフクロウのおかげでめでたしめでたし。

 

次は「と」の2巡目です。












「つ」からはじまる絵本2巡目

2022-06-22 | 読書

実は今回の「つ」3冊のうち、『つきのオペラ』は2月に借りたものなのでそれから4か月も経ってから他の2冊を借りてきました。

 

つきのオペラ ジャック・プレベール 作 ジャクリーヌ・デュエム 絵 内藤 濯 訳 至光社

自分が持っている『月の本』(林完次 写真、光琳社出版)という本に紹介されていたので読んでみたくなり、閉架をリクエストしたもの。それが2月でした。

サイズは小さい絵本ですが、ストーリーは長め。

サッと読んでしまうのでなくじっくり読むと良さがわかる感じ。大人向けかもしれない。

何と言っても訳者が、『星の王子様』の内藤濯さん。

絵も優しい雰囲気です。

パパにもママにもあったことがなく、さびしそうな顔の男の子ミシェル・モラン。

彼にとって、お月さまは大切な友達。お月さまのことを語る時は彼はにこにこと嬉しそう。

彼が語る月のオペラ、そしてお月さまのひとたち。。。単に孤独な少年ミシェルの、それは空想にすぎないなどと、誰が言えるでしょう。

ミシェル・モランのうた(原題Chanson dans la lune)として楽譜が載っている曲は、検索してみたところフランス語のものが一つヒットしました。聞いてみたらかわいらしい感じの曲です。

 

壺の中 安野雅一郎 作 安野光雅 絵 童話屋

安野雅一郎さんは安野光雅さんの息子さん。

デルフトを思わせる白地に青が美しい壺。その壺の中の水が広い海だという出だしでワクワクしてきますが、その海に島が1つあって、その1つの島に国が2つあって、その2つの国にそれぞれ3つの山があって。。。と次々と数字が増えていきます。

そう、この絵本は数学の絵本なのでした。

最後には、気も遠くなるような大きな数字になり。。。 

私は数学はとんとダメだけれど、「一光年」という宇宙の単位、たった一光年でもものすごい距離なのに、アンドロメダ銀河までの距離が250万光年だというのを考えると、もうはてしないスケールすぎて、あらためて地球や自分のちっぽけさを感じてしまいます。

 

つちたち ミロコマチコ 学研教育出版

ミロコマチコさんの絵には本当にパワーがある。エネルギーがある。

土というはっきりした形のないものでもミロコマチコさんが描くとたちまち活力あふれた生き物になります。

土は良いねえ。私は土のないところ(都会)には住めないです。

絵はもちろん魅力的ですが、この作品は、「おはよう」で始まって「おはよう」で終わるのも気持ち良い。

土、そして太陽というのはまさに「命」なのです。

次は「て」の3冊です。


「ち」からはじまる絵本2巡目

2022-06-03 | 読書

5月は忙しかったので図書館の本を借りることができませんでした。

6月になって久しぶりに「ち」から再開です。

 

ちいさなぬま 井上コトリ 講談社

森の奥にある小さな沼。

ひとりぼっちで寂しい沼は、飛んできた蝶や鳥とあいさつをし、帰ろうとする蝶や鳥を引き止める。。。

寂しさを感じている者にはつい、同情してしまうものですが、あれっ、この沼、怖い沼かも!? 

でも最後にやってきた水色の目の女の子との出会いで、沼は大きく変わります。

沼の水が空に静かに登っていくページの絵が好き。その他も、素朴な絵が可愛い。

 

チョコレート屋のねこ スー・ステイントン 文 アン・モーティマー 絵 中川千尋 訳 ほるぷ出版

読み終わったらチョコレートが食べたくなった―🍫

フルーツのチョコレートがけ、チョコレートケーキ、ナッツ系のチョコ、エディブルフラワーを飾ったチョコ、いろんな型で作ったチョコ。。。どれも美味しそう。

これらのチョコが作られるきっかけとなったネコちゃんも、胸やお腹と、手足の先以外はチョコレートを思わせるような毛色なのが良いですね。

最後にチョコレートの簡単な歴史や種類の説明もあります。

 

ちび竜 文・工藤直子 絵・あべ弘士 童心社

小さな粒から生まれた「ちび竜」。水たまりのなかでボウフラたちと踊っていた小さなちび竜。

タンポポの綿毛につかまって飛んでいくくらい小さなちび竜は、だんだん大きく成長し、少しずつ「でか竜」になっていく。

その過程で、土のことを学び、水のことを学び、神通力を身に着け。。。

最後は宇宙レベルにまで大きくなった「でか竜」は言う。「ぼくはどこにでもいる なににでもなる」と。

きっと、こんなに大きな「でか竜」になっても、生まれた直後に一緒に踊っていたボウフラたちのことを忘れてはいないでしょう。小さなものの中には大きなものが存在している、というようなことを思いました。

あべ弘士さんの絵は、大胆で色鮮やかな画風のイメージでしたが、この作品では黒と青がメインで、ちょっといつものイメージと違っていたけれど、「竜」にはこういうシンプルな色使いが良いのかもしれないですね。

 

「つ」に続く。。。


「た」からはじまる絵本2巡目

2022-04-07 | 読書

「た」からはじまる絵本の2巡目です。

 

だむのおじさんたち 加古里子さく・え ブッキング

1959年に福音館書店から刊行されたものの復刊。かこさんの、絵本デビュー作。

ダム工事を手伝う動物たちの可愛らしさがたまらない。

仕事の休憩中のおじさんたち。夜も昼も働き、冬の風雪にも負けず作業するおじさんたち。

名もなきおじさんたちのおかげで、日々、電気を使うことができることに感謝。

 

だれかさん 切り絵 今森光彦 文 内田麟太郎

今森光彦さんは、「里山」を紹介した作品などで知られる写真家。切り絵の腕前もプロ級。

この絵本では、猫とネズミが登場しますが、どちらも表情豊か。

内田麟太郎さんの文もリズム良く、心地良いです。

 

たたたんたたたん 文 内田麟太郎 絵 西村繁男 童心社

楽しい電車の旅。まずは海の世界へ。サンゴや海草の森を車窓から眺めるのは楽しそう。乗客たちは日本の昔話の登場人物たち。海の次は空へ、宇宙へ。。。月から「お月見」ならぬ「地球見」をした後、さて、電車はどこへ。。。 この内田麟太郎さんと西村繁男さんのコンビでは、他にも電車をテーマにした絵本が3冊ぐらいあるみたい。どれも読んでみたくなる。

 

これら3冊は4月末に返却。そして、次の「ち」からはじまる絵本は、借りてきませんでした。

5月は仕事(と畑作業)が忙しくなりそうなので、絵本以外の本も含めて、図書館から借りるのはちょっとお休みです。。。


「そ」からはじまる絵本2巡目

2022-02-28 | 読書

「そ」からはじまる絵本の2巡目です。

 

ぞう ねこ ニコラ・ベーリー さく やぎた よしこ やく ほるぷ出版

とっても小さな本。絵の雰囲気が好み。

かわいいシャムネコちゃんが「自分が猫でなくてゾウだったら。。。」といろいろ想像するこの作品は、調べてみると『5ひきのねこのゆめ』というシリーズものの1つ。

他の作品はカニになるトラ柄の猫ちゃん『かに ねこ』、クモになる三毛猫『くも ねこ』などがあるみたい。

短くて単純なストーリーだけど、鞍に見立てたものが卵のパックだったり、紙やテープでゾウの耳や鼻を作ったりするシャムネコちゃんがかわいい。他の作品も読んでみたくなりました。

 

そらごとの月 長田真作 303BOOKS

夜、ねむれないという月。

得体の知れない生き物、工場のようなシーン、これといったストーリー展開もなく、子供が読んでも今一つ興味がわかないかも。大人向けの作品かなあと思いました。

そらごと(空事)というところから、あまりこだわらずに流すように読むのが良いのかな?

英語でOnce in a blue moonというタイトルがついていますが、私は単純にInsomnia Moonというイメージを抱きました。

 

そんなとき なんていう? セシル・ジョスリン 文 モーリス・センダック 絵 たにかわしゅんたろう 訳 岩波書店

絵はモーリス・センダック、訳は谷川俊太郎さんということで選びました。

副題が「ゆかいなれいぎさほうのほん」となっている通り、「はじめまして」「どうも、ありがとう」などの言葉を引き出すいろんなシチュエーションが面白いです。

どんなときに「ありがとう」と言うべきなのか、他にもゆかいなシチュエーションを考えてみるのも楽しいかも。

 

次は「た」からはじまる絵本の2巡目です。

 


「す」と「せ」からはじまる絵本2巡目

2022-02-22 | 読書

「せ」の絵本が数が少ないので、「せ」だけで3冊借りるのはやめて、「す」を2冊、「せ」を1冊借りてきました。

 

スノーウィとウッディ ロジャー・デュボアザン さく 石津ちひろ やく 好学社

カモメのキティを仲介役とし、北極地方に住む体の白いスノーウィと緑の森に住む体の茶色いウッディが友達になる。

気候変動の影響を受けている動物の中でも象徴的なホッキョクグマだけれど、森に住むクマたちだって人間のせいでいろいろ迷惑しているのは間違いない。

この絵本のように本当に2頭のクマが出会ったら、どんな会話をするのかなぁ。

 

すだつきたのかわせみ 手島圭三郎 絵本塾出版

少し前に録画しておいたNHKの日曜美術館で手島さんのお仕事ぶりを拝見しましたが、感動しました。

調べてみると、カワセミは北海道では夏鳥とのことで、冬は暖かいところへ移動して過ごすらしい。

春になってまた北海道のとある湖に戻ってきたカワセミ。

カップルが成立し、子育てをして。。。冬を前にまた南へ移動するまでの物語。

カワセミにとって恐ろしい敵であるタカが現れるシーンがありますが、ふと宮沢賢治の『やまなし』を思い出しました。

『やまなし』では、川の中に住む魚たちにとって、突然水の中に飛び込んできて魚を捕まえるカワセミこそが恐ろしい敵。

食う食われるの生態系。。。その命の輝きが、手島さんの木版画ではいつも生き生きと感じられます。

 

センシュちゃんとウォットちゃんのバナナじま 工藤ノリコ 小学館

ノラネコぐんだんシリーズはいつもドッカーンとやらかすノラネコたちによる、笑える系のお話ですが、ペンギンきょうだいシリーズやセンシュちゃんとウォットちゃんシリーズは、本当に優しい世界。

ただ、センシュちゃんは本作品でもみんなのバナナを自分一人で食べてしまったりしてちょっと悪ガキキャラ(笑)

そんなセンシュちゃんがバナナじまにたどり着いて最初は大満足で、もう一生ここで暮らそうと思ったはずなのにやっぱりホームシックになって「そろそろ帰りたい」と思うようになるのはノラネコぐんだんの「そらをとぶ」に似てますね。

それにしてもこの作品ではひとりぼっちで泣いていたセンシュちゃんに優しくしてくれるオランウータンたちが最高に愛らしい。

言葉が通じなくてもセンシュちゃんと友達になってくれて、そしてウォットちゃんたちがセンシュちゃんを迎えに来た後、島を離れる時のオランウータンたちとの別れのシーンも感動的。

あとがきに、ボルネオ島のオランウータンが住む熱帯雨林がどんどんプランテーションに変えられてしまっている状況について書かれていますが、そのことを踏まえてもう一度、この作品の中のオランウータンたちの姿を見ると涙が出てきて仕方なかったです。

 

最近、家で読んでいる本は全部自分で買った本で、しかも再読のものも多いです。

絵本以外の読書記録はブログに全く載せてないけど、今読んでいる新規は「赤毛のアン」シリーズがようやく最後の8巻目。

再読しているのはモームの THE MOON AND SIXPENCE、宮沢賢治全集(2015年以来7年ぶりの再読中)、レイチェル・カーソンの THE SENSE OF WONDER など。

図書館で借りているのは絵本3冊だけ。

次は「そ」の絵本を3冊借りる予定ですが、そろそろ、絵本以外の本も図書館で借りて来ないと、「新規」の読書記録が伸びない~

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「し」からはじまる絵本2巡目

2022-01-26 | 読書

今年最初に図書館に行ったのは1月4日。

図書館に行ったら、この絵本レビューのために3冊絵本を借りるだけではなく、たいていなにかの児童書1冊と、花関連の本などを借りてくるのですが。。。花や植物関連の本は棚にあるものは結構どれも読んでしまいました(閉架で、掘り出し物があるかもだけど)

児童書は読みたいものがまだあるけれど、今は自分で買った本を読んでいるので、この日は何と珍しく!!絵本3冊だけを図書館で借りてきたのでした。

そんな「し」の絵本3冊です。

 

しずかなまひる 片山健 福音館書店

裏表紙の雲が入道雲のようだし、トマトやスイカ、そしてひまわりも出てくるので夏なのだろうと思いますが、人間も動物も植物も、そして時計やブランコ、太陽までもが、とにかく寝ています。

夜ではなく、「まひる」にこれだけ見事に何もかもが眠っていると、それを見る側にとっては癒しのような効果がある気がします。

良いよね、昼間だからってあくせく活動しなくてはいけない理由などないのだから。。。

 

シオドアとものいうきのこ えらくなりすぎた ねずみのはなし レオ=レオニ 訳 谷川俊太郎 好学社

どういう展開になるのかストーリーが気になる作品。結末はちょっとあっけない感じですが。

みんなをだまして「えらくなりすぎた」とはいえ、そもそも仲間たちに馬鹿にされたことから始まったねずみの身の上には同情してしまいます。

あざやかな青色のキノコが発する「クィルプ」という音が面白い。切り貼りのような絵も味があります。

レオ=レオニさんは有名な絵本作家ですが、絵本を作り始めたのは49歳のときだったというのには驚きました。

 

シグナルとシグナレス 宮澤賢治 画 小林敏也 好学社

表紙と裏表紙見返しのイーハトヴ(岩手)の地図が素敵。またいつか訪れたいなあ。

この作品は、擬人化された男女の鉄道信号機の恋ということで、じっと同じ場所で立ち続けている信号機なのだから絵の構図もどうしても同じになってしまうし、そういう意味では難しい作品をよく絵本に選んだなあと思います。

シグナレス(女の信号機)のほうが、生首みたいなのがあんまり好きじゃないかも。。。

最後の見開きは、赤と青の眼鏡をかけてみると星が飛び出して見える仕掛けらしいですが、その眼鏡が付属でないのが残念。

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「さ」からはじまる絵本2巡目

2022-01-04 | 読書

「さ」は割と迷わずに選べたかな? さくら(桜)関連が多いですね。

 

里の春、山の春 新美南吉[作] 鈴木靖将[絵] 新樹社

新美南吉の、幼年童話と呼ばれる作品の一つ。

春をまだ経験したことのない子鹿が、まだ春の来ない山から、既に春の来ている里へ出てきて春に出会う。。。

人間と動物との優しく繊細な交流は「ごん狐」「手ぶくろを買いに」などを思い出させます。

 

さくらがさくと とうごうなりさ さく 福音館書店

公園や川沿いでなく、普通の住宅街のいわば「街路樹」のように植えられている桜の木々。

毎朝、忙しそうにその桜の木々の下を歩いていく人たち。。。でも桜が咲くと、いつもの朝とちょっと違う朝になる。

屋台が出て、宴会をして。。。という日本のお花見の風景は俗っぽくもあるけれど、でも、たくさんの人たちが桜のおかげで幸せな時間を過ごせるのは、やっぱり素敵なことだと思うのです。

満開になった後、嵐が来て、その後の桜の絵がリアルで良いなと思いました。濃いピンク色の軸だけを残して散ってしまった花あり、風雨に耐えてまだ残っている花あり。

そしてみずみずしい若葉が出てくる順番を描いた絵も良いですね。

青々とした葉っぱだけの桜の木は、もうほとんどの人が見上げることはないけれど、最後の絵はそんな桜の木を見上げてごらん、と言っているかのよう。

まぶしい木漏れ日がチラチラと輝き、緑の葉っぱが優しい風に揺れるのを見上げるのは私のもっとも好きな自然の風景の一つです。

 

ざっそう 原作/ロアルド・ホフマン 絵/吉澤みか 構成・訳/きむらゆういち 今人舎

雑草はたくましい。

時に厄介ではあるけれど、除草剤をまいても、そのたくましい生命力で再びはえてくる。

原爆が落とされた地にさえも。。。

ホフマンさんは1981年にノーベル化学賞を受賞した化学者。きむらゆういちさんは『あらしのよるに』という作品が有名だそうですが、読んだことがないです。

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