春の訪れが遅いここ盛岡でも、やわらかな春の光とともに、雪解けの川のせせらぎや小鳥のさえずりが心地よく聞こえ、春の気配を感じる今日この頃ですね。ある朝の情報番組で、道行く人に「今年お花見に行きますか」というアンケートを取った結果、約40%の人が「行く」と答えたようです。
皆さんはお花見に行かれますか。盛岡市内のお花見と言えば、盛岡城址公園や高松の池、米内浄水場などが有名ですが、その他にも、盛岡市内には「石割桜」と「龍谷寺(りゅうこくじ)のモリオカシダレ」という国の天然記念物に指定されている名物桜が2つもあります。現在39件の桜が「国の天然記念物」に指定されていますが、そのうち、2件が盛岡市内にあります。1つの市内で複数の天然記念物の桜を楽しめるのは、盛岡市だけなのです。
この2つの名物桜を少し紹介しましょう。
毎年たくさんの観光客で賑わう「石割桜」は、たくましい生命力が感じられる盛岡の春の象徴で、1923年に、国の天然記念物に指定されました。盛岡地方裁判所の敷地内にある大きな花崗岩(かこうがん)を割って成長したとされる根回り約4.3m、高さ約10mのエドヒガンザクラです。樹齢360年以上と言われる老木ですが、今も毎年色鮮やかな花を咲かせます。
もう一つの「龍谷寺のモリオカシダレ」は、その名のとおり、龍谷寺の境内にあります。龍谷寺は盛岡市那須川町にある石川啄木ゆかりの寺で、啄木は少年時代に龍谷寺をよく訪れたと言われています。「龍谷寺のモリオカシダレ」は、1920年に発見されたエドヒガンオオシマザクラの雑種で、1936年に国の天然記念物に指定されました。樹齢150年以上と言われ、約6.1mの高さから降り注ぐように花を咲かせる名木です。
いかがですか? たまには雰囲気を変えて、国の天然記念物に指定されている名物桜を眺めに行くのも、いいかもしれませんね。
*参考*
地方活性on ASCII「絶対行きたい!この街あの名所 第102回」(2025.3.8アクセス)