お薦めの1冊「~100歳の精神科医が見つけた~こころの匙加減」
4月からの新生活も1ヶ月が経ちました。皆さんはいかがお過ごしですか。人は自分らしくいられるとストレスは感じません。しかし新しい環境では、最初から自分らしくいられる人はなかなかいません。新しい環境に馴染もうと頑張りすぎたり、周りの人のことを探ったり自分のポジションを探したりします。
そんな事が1ヶ月も続きゴールデンウィークがやってくると、プツンと気持ちが切れて無気力になったり、今までの精神的疲れがどっと出てきたり・・・。俗にいう五月病を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでお薦めしたいのが「~100歳の精神科医が見つけた~こころの匙加減」(著者 髙橋幸枝:飛鳥新社)です。
著者の髙橋幸枝さんは1916年新潟県に生まれました。高等女学校を卒業後、東京で働いたのち、中国・北京で日本人牧師の秘書として働きました。その牧師さんから「医師になったらどうだろう」と勧められた事で医学部受験を決意し帰国。33歳で医師となりました。現在100歳の髙橋さんは、病院のみならず患者さんの共同生活を援助する施設などを運営する医療法人社団秦和会理事長を務めています。
この本はそんな髙橋さんの、毎日を穏やかに“ちょうどよく”生きるための40の真理が「生き方の匙加減」「暮らしの匙加減」「健康の匙加減」「人づき合いの匙加減」「やさしさの匙加減」の5つの章に分類され、綴られています。
1つ紹介すると「暮らしの匙加減」の中に『すべてがうまくいく「朝の儀式」』という真理があります。儀式といっても大がかりなものではなく、「やるべき事をあらかじめ決めて、それらを完遂すべく意識的に過ごす。」という事のようです。ちなみに髙橋さんの朝の儀式は、「毎朝定時に起き、その日の予定や楽しいことを思い浮かべ、朝日を全身に浴び、新聞を読み、簡単でいいから朝食をとり、身なりを整え、深呼吸をする。」というもの。「朝時間の充実は、1日を実りあるものにしてくれるうえ、快眠にも影響するものです。」と髙橋さんは説いています。まさにそのとおりだと思いませんか?
頑張りすぎず、自分を甘やかせすぎず。我慢しすぎず、他人を頼りにしすぎず。このような匙加減を見極める40の真理が紹介されているこの1冊。五月病を感じている人もそうでない人も、ぜひ読んでみてください。