並木たより

写真付き日記

戦争文化と平和文化(ミャンマーとアフガンに寄せて)

2021-09-09 21:01:21 | 平和
小ブッシュが9.11の同時多発テロの報復として始めたアフガン侵攻が、ベトナムに次ぐ惨めな米軍撤退として失敗裏に終焉した。
2004年から加納貞彦教授の世話で母校の早大で年度末毎に東京大空襲の語り部として担当させてもらった「平和講座」で「アフガンの空爆は私にはテロの種を蒔いているように見える」と語った講義録が英訳されて、関東学院大学元宗教主任の大島良雄教授から米国の神学校での同窓生(元空軍パイロットで東京空襲経験者)の老牧師に送られ、老牧師の読後感がオバマ大統領の目に触れイラク空爆停止の演説に用いられたと聞かされた。
戦争文化によって平和を作ることはできない。平和は平和文化によってしか作ることはできない。平和を作り出すのはピースメーカーの手に寄るしかない。
9.11の報復にアフガンを空爆してもテロ根絶はできず、むしろテロを増殖させるばかりだった。
ミャンマーのクーデターを収めることができるのは国連でもASEAN首脳会議でもなくミャンマー国軍のみである。
国軍の中にわずかに残っている「平和文化」を何とか消さずに、大切に大切に育てるしかない。
国軍に対する外圧が強くなれは、国軍の中の「戦争文化」の発言力が強くなり「平和文化」を圧迫してしまう。
クーデターの真因はおそらくタンシュエ上級大将の影響力のあるうちに、ティンセイン大将(前大統領)の影響力拡大を抑えねばというミンアウンフライン軍司令官の焦燥ではないだろうか。
国軍に対する外圧は軍司令官の強硬姿勢を強め前大統領ら穏健派を抑える口実を与えるのみだ。
小ブッシュの誤りから我々は学ばねばならない。
対岸の火事と思い「困った事だ」と第三者的な評論を加えているマスコミに倣ってはいけない。
英国植民地時代はカレン族が主体であったビルマ軍を、ビルマ人主体のミャンマー国軍に育てたのは日本人の南機関(鈴木敬司大佐)なのだ。
今日の国軍の暴虐も、日本帝国陸軍のカレン族弾圧に比べれば児戯に等しいとさえ言える。
日本人はもっと当事者意識をもって、具体的に平和を実現する方策を考えねばならない。