WOWOWカンヌ国際映画祭ブログ

現地に飛んだスタッフが映画祭の様子を毎日レポート!

カンヌで行われた超豪華セレブパーティーに潜入!

2007年05月24日 | 現地レポート

ハリウッドセレブが滞在することで有名なホテル・デュ・キャップのレストラン「エデン・ロック」にて、22日行われた超豪華「ドゥ グリソゴノ パーティー」の模様をお伝えしましょう。

レストラン「エデン・ロック」

(「ドゥ グリソゴノ(de GRISOGONO)」は、スイス・ジュネーブの時計とジュエリーのブランド。日本ではまだ知られていない「ドゥ グリソゴノ」もヨーロッパではセレブ御用達のジュエリーブランドとしてカンヌ国際映画祭を始め、レッドカーペットのフィルムスターたちの愛用ブランドです。2007年秋にはザ・ペニンシュラ東京に日本で初めてのブティックが開業されます。)

ホテル・デュ・キャップはなんと現金しか取り扱わないことで有名で、メジャーの配給会社などはブラピやアンジェリーナの宿泊代として大量のお札を用意していると思われ、カンヌで一番のホテルといえばやっぱりここですね。
(ちなみにメジャー映画のインタビューもよくここで行われます)

パーティーが始まると、きらびやかに着飾ったセレブが大勢来場しました。


ファワズ・グルオジ社長とナオミ・キャンベル


ファワズ・グルオジ社長とエヴァ・メンデス

★この日は、ファッションショー、デスティニーズ・チャイルドのケリー・ローランドやキッド・ロックのショーなどもあり、会場は大いに盛り上がりました!
その様子は番組にてお楽しみくださいね。
[番組情報]
WOWOW
「VIVA カンヌ映画祭2007」
放送は、
6月3日(日) 午後 7:00~
再放送、
6月5日(火) 午後 6:00~
お楽しみに!

来場した主なセレブは
◎ファワズ・グルオジ(ドゥ グリソゴノのプレジデント)
◎ナオミ・キャンベル
◎バイ・リン
◎エヴァ・メンデス
◎キッド・ロック
◎ジャイモン・ハンスウ(「ブラッド・ダイヤモンド」)


バイ・リン


キッド・ロックとファワズ・グルオジ社長


ちなみに、この超豪華パーティが行われている最中、
裏では取材クルーにもサンドウィッチが振舞われました。

こんな感じでサンドウィッチが。皆、もりもり食べてましたよ。


スコセッシ監督「World Cinema Foundation」を設立!記者会見に潜入!

2007年05月24日 | 現地レポート

22日 15時30分
マーティン・スコセッシ監督(Martin Scorsese)が映画の修復やアフリカや南アメリカ、アジア、中央ヨーロッパなどの映画を世界中で上映する為の資金などをサポートする非営利団体「World Cinema Foundation」を創設。その記者会見がカンヌで行われました。

この活動に参加する映画監督が10名程記者会見場に集まりジャーナリストの質問に答えました。
参加者:マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)、スレイマン・シセ(Souleymane Cisse)、アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuaron)、ファティ・アキン(Fatih Akin)、ジャン・ルーカ・ファリネッリ(Gianluca Farinelli)、エルマンノ・オルミ(Ermanno Olmi)、ウォルター・サレス(Walter Salles)、ウォン・カーウァイ(Wong Kar Wai)、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(Alejandro Gonzalez Inarritu)、アドラハマヌ・シッサコ(Abderrahmane Sissako)、スティーブン・フリアーズ(Stephen Frears)


マーティン・スコセッシ監督:事の発端は、スピルバーグやルーカス、ポラック、コッポラ、イーストウッド達と共に、アメリカでフィルムファウンデーションを始めた事にある。我々のようなシネアストが団結して働きかける事によって、スタジオやあらゆる団体にプレッシャーを与える事ができると思ったからだ。沢山の映画がなおざりにされ、著作権も無くし、孤児のようになっている。1990年にアメリカのシネマトグラフィー遺産を守る為に作られ、17年間経って、修復に関しては改善してきている。そこで、国際的にも同じような働きができないかと考えたのです。特に、修復資金を調達できない国の映画を救う為に。世界各国の著名な映画監督が集まれば、資金調達活動に有利なのではと思ったのです。今こそ世界の映画人達が団結して、危機感を感じなくてはならない。

マーティン・スコセッシ監督

質問:世界中の映画を見る事で、世界の政治を変える事が出来ると思う?
マーティン・スコセッシ:私はニューヨークの下層階級の家庭に生まれ、両親は教育をうけていなく、本を読む習慣もなかった。だから、そのかわり沢山の映画をテレビで観たんだ。サタジット・レイの映画でインドについての知識ができたし、世界への目が開けたんだ。多くの世界中の監督達もこうして互いに外の文化を映画を通して知り、そして、このような文化の渡し合いを得て、新しい映画のスタイルも生まれて来ている。映画を通して他国を知る事によって、他国の文化が他人事ではなくなり、それは世界で起きている政治的なことを理解する最も最適な方法だ。


ファティ・アキン監督&ウォン・カーウァイ監督

質問:個人レベルではどのように貢献できるのですか?
ジャン・ルーカ・ファリネッリ監督:救済すべき作品を提案して欲しい。オフィシャルサイトで今後そのような情報を収集できるようにするので。

オフィシャルサイト「World Cinema Foundation」
http://www.worldcinemafoundation.org/


ウォルター・サレス監督:グラウベル・ローシャ(Glauber Rocha)と彼の撮影監督が言ったフレーズに『映画の歴史のない国、それは鏡のない家のようなもの』とある。映画維持問題は、カルチャーアイデンティティーの維持問題であり、多様性、文化の多様化を意味している。


マーティン・スコセッシ監督&ウォルター・サレス監督

情熱的で、意識の高い映画監督が勢揃いして、なんとも素晴らしいひとときでした。
なかでもウォルター・サレス監督は、記者会見終了後に彼のところに集まる記者たちの質問に一つ一つ丁寧に答え、最後の一人までちゃんと対応。こんな素晴らしい人間的な監督さんはなかなかいないですよねえ。そういえばモーターサイクル・ダイアリーズ」はここ近年の傑作だったけど、やっぱり監督の人柄が伺える暖かい映画でしたもんね。

記者たちの質問に一つ一つ丁寧に答えるウォルター・サレス監督


ジュリー・デルピーの単独インタビューに成功!

2007年05月24日 | 現地レポート

現地時間23日10時。
カンヌ映画祭期間中には、世界中から映画関係者が集まるので、映画祭出品以外にも、映画プロモーションなども盛んに行われています。

今日は、ジュリー・デルピー監督・主演作の「2 Days in Paris(原題)」(ベルリン映画祭パノラマスペシャル部門出品作品)の取材で、ジュリー・デルピーの単独インタビューを行いました

インタビューは、カンヌ映画祭会場の港側に作られた仮設ブースの並ぶ、VILLAGE INTERNATIONALにあるフランス映画をプロモートをするユニフランスのブースで行われました。

ジュリー・デルピーはとってもラフなスタイルで1人でふらっと到着。
10分ほどメークをして、インタビューに対応します。ユニフランスのバーカウンターのお兄さんに、紙袋に入ったボトル(中身は分かりませんでしたが)を渡して「ねえ、これ冷やしておいて」と、フレンドリー。

「ゴダールの探偵」、レオス・カラックスの「汚れた血」などで少女時代から観て来たジュリー・デルピーが、今ではとっても落ち着いた大人の女になっていて不思議な感じでした。でも相変わらず可愛いですよ。

この単独独占インタビューの模様は
WOWOW「VIVA カンヌ映画祭2007」で!
放送は、
6月3日(日) 午後 7:00~
再放送、
6月5日(火) 午後 6:00~
お楽しみに!

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「2 Days in Paris(原題)」
2008年 恵比寿ガーデンシネマにてロードショー
配給・宣伝:アルバトロス・フィルム


ディエゴ・ルナ単独インタビューに成功!

2007年05月24日 | 現地レポート

現地時間23日17時。
『ある視点』にノミネートされている「Mister Lonely(原題)」の主演男優のディエゴ・ルナと、監督のハーモニー・コリンのインタビューがグランドホテルの庭で行われました。


「Mister Lonely(原題)」2007年ロードショー

幼馴染みのガエル・ガルシア・ベルナルと共演した「天国の口、終りの楽園。」や、スピルバーグの「ターミナル」でのナイーブな空港従業員役が可愛かったのが印象ですが、本当に普通っぽい、シンプルな青年。


インタビュー開始前からシャンパングラスを片手に、でも、それがちょっととぼけた感じで可愛いんです。


「Mister Lonely(原題)」はマイケル・ジャクソンのそっくりさん役を主演男優を演じてます。今回の『ある視点』部門でもかなりの大好評です。


インタビューを受けるハーモニー・コリン監督

この単独独占インタビューの模様は
WOWOW「VIVA カンヌ映画祭2007」で!
放送は、
6月3日(日) 午後 7:00~
再放送は、
6月5日(火) 午後 6:00~
お楽しみに!


タランティーノ監督「グラインドハウス/デス・プルーフ(原題)」の記者会見

2007年05月24日 | 現地レポート

22日。
クエンティン・タランティーノ監督「グラインドハウス/デス・プルーフ(原題)」の記者会見がありました。

「グラインドハウス/デス・プルーフ(原題)」
初秋よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国公開

出席者は、タランティーノ監督、カート・ラッセル、ロザリオ・ドーソン、ローズ・マッゴーワン、トレイシー・トムズ、ゾエ・ベル

写真左からタランティーノ監督、カート・ラッセル、ロザリオ・ドーソン、ローズ・マッゴーワン、トレイシー・トムズ

タランティーノ監督はかなりハイテンションで記者会見場に現れ、ノリノリで質問に答えていました。それにしても、良くしゃべる。

質問:
ベリーダンスのシーンがアメリカ版ではカットされたらしいけど?
タランティーノ監督:
絶対にベリーダンスのシーンが今から見れるって思わせておいて、カットしてやったので、皆観客が、オーノーって叫ぶので、それが面白くて、これもありかなと。

質問:
女の子達の会話が、本当に強烈。男の前では絶対にこんな話し方しないのに、なんでタランティーノは知ってるんだ?
トレイシー・トムズ
タランティーノはよく人の話を聞くし、観察する人なのよ。台本を読んで、いつ彼の前でこんな風にしゃべったっけっていうくらい、私の素が出ていて焦ったわ!タランティーノはいつも女性サイドの人なの。

質問:
今後シュワルツェネッガーやブルース・ウィリスを起用して映画作りたいって聞いたけど?
タランティーノ監督:
彼等は勿論素晴らしい役者なので、いつか仕事がしたい。でも。僕が映画を撮る上で、一番の喜びは、昔は貧しくってロスから出た事もなかった身分なのに、映画人として著名になったことで、世界中に行けるようになったこと。映画のおかげで、プラネットのパスポートを取得して、世界市民になれたんだ。これこそが一番の喜びだから、これからもいろんな国へ行って映画を撮りたいと思ってる。

ロザリオ・ドーソン
私は若い頃父親に映画の世界に入りたいと言ったら、タランティーノの「レザボア・ドッグス」を観ろって言われたの。夢中になって何度も何度も観たわ。絶対に彼の作品に出たいって願ってた。

オランダの記者:
僕の周囲にはタランティーノの記者会見の席を確保できるなら、1500ドル払ってもいいって言ってたジャーナリストがいるよ。
タランティーノ監督:
え~??誰かこの会見場にいる人で1500ドル払った人いるの~??

終始ご機嫌だったタランティーノ監督

質問:
あなたはカンヌ映画祭のお気に入りの人物とされてるけど?
タランティーノ監督:
15歳くらいからカンヌ映画祭の存在は知ってた。出品したらカンヌのパルムマークをポスターにはれる事ができるって認識しかなかったけど。やっぱり、自分の一番の栄光はパルムドールを貰った事だ。あのクロージングでイーストウッドが僕の名を読んだとき、まるでサッカーのフリーガンのように叫んじゃったよ!

記者にサインするタランティーノ監督


「潜水服は蝶の夢を見る」の記者会見

2007年05月24日 | 現地レポート

22日11時より、コンペ作品ジュリアン・シュナーベル監督の「潜水服は蝶の夢を見る」の記者会見が行われました。


「潜水服は蝶の夢を見る」2008年全国ロードショー 配給:アスミック・エース

会見には、マリ=ジョゼ・クローズ、エマニュエル・セニエ、マチュー・アマルリック、アンヌ・コンシニー、ジュリアン・シュナーベル監督、オラッツ・ロペズ・ガルメンディア、マリナ・ハンズ、プロデューサーのキャスリーヌ・ケネディ、ジョン・キリクが出席。

写真左からエマニュエル・セニエ、マチュー・アマルリック、アンヌ・コンシニー

パルムドールなのでは?という声が世界各国のジャーナリストの中で囁かれている「潜水服は蝶の夢を見る」ですが、やはり記者会見場も賑わっていました!

質問:
アメリカ人のあなたがフランスの役者を使ってフランス語で撮影した意図は?
ジュリアン・シュナーベル監督:
この話はフランス人の話。内容からして英語で出来る作品じゃない。よくアメリカ人の監督がフランスの物語を英語で撮ったりしてるが、それはナンセンスだと思う。フランスの観客がフランスの物語をフランス人の役者が英語で話す映画を観て、字幕を読むなんて可笑しい。特に、この映画は実際に病院で働く人たちに観てもらいたちと強く感じているものなので、彼等がきちんと理解できるように撮る事が大事なことだった。

迫力ある風貌のジュリアン・シュナーベル監督

質問:
マチュー・アマルリックの起用についてのエピソードは?
ジュリアン・シュナーベル監督:
当初は僕の友人でもあるジョニー・デップでと思ってたんだ。でも彼は「パイレーツ・オブ・カリビアン」の撮影中でヒゲを剃る事が出来ないって言うんでね。そこで、キャサリン・ケネディ(スピルバーグを多く手掛けるプロデューサー)が今「ミュンヘン」に出演してるフランスの役者のマチュー・アマルリックが素晴らしいって言うんだ。そして彼の映像を見せてもらって、パーフェクトだって思ったね。

マチュー・アマルリック:
「ミュンヘン」の撮影中、封筒が届いたんだ。中には“君は勝つ”と一言メッセージが書かれてて、そして脚本が入ってた。シュナーベルの事は「バスキア」で知ってたし、とても興味のある監督だった。

でも、この物語を映画化するのには疑問があった。そしてNYに呼ばれシュナーベルと会ったんだ。飛行場に迎えに来てくれて、何も段取りを知らされてなくて、乗込んだのはいいけど、どんどん郊外に進んで行く。

どこに連れてかれるのかと思ったら、そこは鬼の住処だった。感謝祭の時期で、数日間僕はシュナーベルの自宅で一緒に時間を過ごしたんだ。食事を作ってもらい、好きなサーフィンの写真を見せられたり!

彼とこうして時間を過ごし、彼がなぜこの作品を撮りたいかという思い、必要性が感じられたんだ。

人の不幸を詐欺師のように利用して映画を撮るのではないってことが理解できた。そして、この脳溢血で身体の自由を失って、左目だけの動きで生きた男を演じるには、いい役者であることが大事なのではなく、ただ人間で在ることが大事なのだと思った。

主演のマチュー・アマルリックがいっぱい集まった報道陣をパチリ

質問:
シュナーベル監督の仕事のやり方は?
アンヌ・コンシニー:
山の前に立たされて、さあ登れと言われてるような感じ。シュナーベルは役者たちの自由な動きや突発性を大事にするの。ある時、急に3時間後にはシュナーベルはスペインへ行く飛行機に乗らないといけないって聞いて、そんな短時間で撮影を終わらせるのは不可能と思ったわ。
でも、出来上がったシーンの映像を観たら、いつこんなシーンを撮ってたの?って感じで、カメラが回ってないと思ってた時の役者を撮っていて、それでシーンが完結してるのよ。

女優のアンヌ・コンシニー

マチュー・アマルリック:
この制作は実は予定より10日前に撮影が終了したんだ。プロダクションマネージャーは怒ってたね。ロケが延長することを仕切るのは慣れてるけど、10日前に終わるってのは前代未聞だからね!

質問:
役者や監督の雰囲気をみると、初めて仕事をした同士には見えない。まるでアルモドバルのファミリーのようだ。
ジュリアン・シュナーベル監督:
それは嬉しいことを言うね。ありがとう。

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WOWOWにて単独インタビュー放送予定!
「VIVA カンヌ映画祭 2007」
放送は、
6月3日(日) 午後 7:00~
再放送は、
6月5日(火) 午後 6:00~
お楽しみに!


ガエル・ガルシア・ベルナルの初監督作品「DEFICIT(原題)」の上映会

2007年05月23日 | 現地レポート

第46回『批評家週間』大使に選ばれた、ガエル・ガルシア・ベルナル(Gael Garcia Bernal)の初監督作品「DEFICIT(原題)」の上映会がミラマー会場で行われました。


作品の初回上映会、しかも制作スタッフ舞台挨拶付きという事で、会場前は1時間前から列ができ始めました。しかし、その30分後には道路も車が通れない程の大パニック状態に!

このまま素直に列に並んでも席が確保されないとわかったジャーナリストが、プライオリティ入口に殺到し、さらに大混乱!


私たちWOWOWスタッフも、明日の朝ガエルとのインタビューを控えているため、この上映が唯一のチャンス。作品を観ていない状況でのインタビューは避けたく、どうにかして入らなくてはいけなかったのです。TVクルーとして批評家週間の広報と事前に話をつけてあったことが功を奏し、なんとかプライオリティーの列に入り込みました。


まずは、映画関係者を先に入れるというのですが、何せ唯一の入口がパニック状態。そこをどう押し分けて行けば良いか迷っていると、私の真横から体格のいい白いTシャツのラテンないい男が! ふと顔を見上げると、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(Alejandro Gonzalez Inarritu)監督じゃないですか!

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督もパニックに巻き込まれ...

思わず、あ、アレッハンドロだ!と肩に手を差し伸べてしまいました!あ、でも触ってる場合じゃないと写真もパチリ。
続いて、アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuaron)監督が通され入って行きます。

私たちのように、明日ガエルとのインタビューを控えた海外のジャーナリストたちもいて、こんな酷い仕切りなら、もうインタビューしないわよーって怒り出すし、何より一番怒っていたのはバイヤーたち。
「俺たちはバイヤーだぞ、何を考えているんだ!!!」

従来『批評家週間』という映画祭は、無名の新人映画作家の発掘を多く手掛けているので、ここまでジャーナリストが殺到するという状況に慣れていないのか、広報のお姉様方もパニくりまくり。広報担当がパニくるともうどうしようもないですよね。
まあ、とにかくガエルの人気ぶりがよくわかるハプニングでした。

とにかく、WOWOWスタッフは無事中に通され上映に参加しました!

上映前の舞台挨拶ではガエルの馴染みメンバーが応援にかけつけました。ラテンメンバー大集合という事もあり、舞台挨拶はスペイン語とフランス語のみで繰り広げられ、英語しかダメなジャーナリストは?状態。国際映画祭なんじゃなかったっけ?という不満も...

まずは、ガエルの幼馴染みでもあり、今年カンヌ映画祭のある視点部門にノミネートされた「Mister Lonely」主演のディエゴ・ルナ(Diego Luna)君

ディエゴ・ルナ

ディエゴ・ルナ君はアルフォンソ・キュアロン監督の「天国の口、終りの楽園。」でガエルと競演してます。
「ガエルとは11歳の頃からの幼馴染みなんだ。」
ちなみに、「DEFICIT(原題)」はルナとガエルとプロデューサーのパブロ・クルスの3人で2005年に発起した会社で制作しているのです。
ルナ君は舞台挨拶中にどうも暑くなっちゃったみたいで、舞台上でセーター脱いで可愛かった。

続いて...

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督登場。
「ガエルとはCM撮影の現場で出会ったんだ。初めて会ってすぐにコイツとは一緒に映画を撮る事になるだろうと直感したよ。」

壇上で挨拶するアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

アルフォンソ・キュアロン監督
「「天国の口、終りの楽園。」の配役を探してるとき、全然いい役者が見つからなくて、特に青春期の若い役者は馬鹿な奴らが多い。そんなとき、友人のアレハンドロに、「アモーレス・ペロス」の最初の編集を見せてもらって、彼に一目惚れ。絶対にガエルで撮りたいと思ったね。」

ウォルター・サレス監督
「ここで皆さんに秘密を明かしましょう。実はこの作品はガエルの初監督作品じゃないんですよ。ガエルは「モーターサイクル・ダイアリーズ」で僕の共同監督だったんだ。彼なしにはあの作品は存在しない。ガエルは全てを映画に与えてくれる役者。ただ単に役を演じるだけでなく、一緒に映画作りをする役者なんだ。才能もあり、全てを与えてくれる、というとても重要な2点を揃えた貴重な強さを持っている。」

そして、ガエル登場

ガエル・ガルシア・ベルナル監督登場

「こんな風に僕の大好きな仲間達が集まってくれて光栄!そしてこんなに沢山の人が集まってくれてありがとう!7年前に「アモーレス・ペロス」が批評家週間にノミネートされてカンヌにやって来た時の事を思うと大きな違いだよ。上映会場は半分くらいしか人が埋まらなくてね。アレハンドロとナーバスに酒を飲んでたよね。
今回はじめて自ら監督として作品を作ったのだけど、これはある種実験的なもので、仲間うちでやってみようか、という感じでプロジェクトが進んだんだ。」

「Deficit」は、もともとメキシコの連続ドラマ「Ruta 32」を脚色したもので、ドラマではメキシコシティを巡回する乗合バスの運転手が主人公で、バスに乗って来るあらゆる階級、職業の人たちの日常を追って構成されたドラマだそう。メキシコの若い世代の階級意識問題は「Deficit(原題)」でも描かれています。

出演者たちに囲まれるガエル

上映が終わりエンドロールになると、会場は大拍手。ガエルも皆と抱き合っていました。ガエルの事を心から愛して見守ってる監督たちに囲まれ、ガエルも幸せそうでした。

巨匠監督からも拍手されるガエル


ガエル・ガルシア・ベルナル初監督作品「DEFICIT(原題)」

翌朝のインタビュー。

前の日のパーティで、ディエゴ・ルナやアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督やウォルター・サレス監督と盛り上がったのか、二日酔いな感じのローテンションで、さわやかな海とはうらはらな様子。

サングラスもしたままで隣の人たちのインタビューをしてたので、インタビュー前に「サングラスとってもらえませんか?」というと、「ウォン・カーワイ監督がずっとサングラスしてるから僕もまねしてるんだよ。」と言われ。「おー」と悲しそうな顔をすると、「僕の目が見たいの?」といたずらっぽく聞かれ、「もちろん!!!」というと「わかった。君のために取るよ」と・・。

さすがキザなラテン系です!そして素敵な瞳が現れましたー!

いやぁ、いつみてもカッコイイ。完全に二日酔いでしたけど・・・。

二日酔いで落ちてるガエル(笑)

この単独インタビューの模様は「VIVA カンヌ映画祭2007」で!
放送は、
6月3日(日) 午後 7:00~
再放送、6月5日(火) 午後 6:00~
お楽しみに!


松本人志監督の「大日本人」の公式記者会見

2007年05月23日 | 現地レポート

ちょっと前になるんですが、お伝えし切れなかった松本人志監督の「大日本人」の公式記者会見の模様をご紹介しましょう。

会見は20日16時にノガヒルトン横の仮設会見場で行われました。

まず、松本監督はこの作品の発端について
「映画を壊してからやりたかった、誰もやってない事をやりたかった、この2点が発端」

質問:
この作品の政治的な意味は?
松本監督:
面白い事を追求すると、そういうところに辿り着いたって感じだよねえ。

『監督週間』の主催者の質問:
私たちがこの作品を選んだ理由として、メランコリーや哀愁の美が素晴らしかった、という点が大きいんです。
松本監督:
僕の作る『笑い』は、哀愁が入ってて、胸がキュンとなるようなとこなんだ。それが人間の面白いとこだと思うので、今後もこの要素は外せないものだと思う。

質問:
日本のメディアが沢山来てて、今後あなたに期待しているようですが、北野武監督の貢献者と意識されてる?
松本監督:
たけしさんに対して、意識していないと言うと嘘になる。尊敬してるからこそ、なおさら「勝ちたい」と思うね。

質問:
カンヌに来てみて、何か変わったことは?
松本監督:
少し欲が出て来たね。


アンジー、ブラピ登場!「ア・マイティ・ハート(原題)」の記者会見

2007年05月22日 | 現地レポート

21日の13時。
映画祭記者会見場が大変なことに!

コンペ対象外の招待作品、マイケル・ウィンターボトム(Michael Winterbottom)監督、アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)主演、そしてブラッド・ピット(Brad Pitt)がプロデュースした「ア・マイティ・ハート(原題)」の記者会見が行われたのです!

「ア・マイティ・ハート(原題)」

会見40分前に到着したのに、ブルーのプレスパスを見るなり、ガードマンのお兄さんが、「ブルーのプレスパスの人じゃ、会場に入るチャンスは0,000001%だよ。」と言い張ります!
(映画祭プレスパスは、職業や、役職によって色分けされていて、試写や会見場への入場が最優先されるのは、白、その次がピンクの黄色い丸印付き、続いてピンク、そしてブルー、そして最後が黄色なのです。ちなみに黄色にも2種類あって、プレスの黄色と、テクニカルの黄色があります。テクニカルの黄色パスは、記者会見には優先でカメラがあれば入れますが、試写用ではない。等々、すごい階級社会なんです!?)

会見場に入るのはキッパリと諦め、会見場に入る手前に通路でカメラをかまえて待機。初めは20人くらいの『待ち構え組』が、最後には70人くらいの大騒動に。

まず最初にアンジェリーナ・ジョリーが登場。絶叫するファン(会場内にいるってことは、ジャーナリストなんでしょうが)にサインをしたりと、とっても丁寧な対応。横にいたイタリアの撮影クルーは何故か?扇子を渡していた。

外国メディアのインタビューに応じるアンジー

少し後にブラッド・ピット登場。今回はプロデューサーとしての参加なので、主演女優のアンジェリーナをたてるかの様に少し控え気味な態度。でも、ちゃんとファンやカメラに答えてました。



髪型と髭がさっぱりとしたブラッド・ピット

今回の作品はアメリカ中のメディアが騒いだウォールストリートジャーナルの記者殺害事件について、その妻で当時6ヶ月の妊婦だったマリアンヌ・パール(Mariane Pearl)が著わした手記「ア・マイティ・ハート 新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死」の映画化。

記者会見には、キャスト、プロデューサーに加え、マリアンヌ・パールも参加。

質問:
あなたの役をアンジェリーナが演じると知ってどう思った?
マリアンヌ・パール:
最初にブラッドと会っていて、彼の考え方に対してとても信頼を持てたの。そしてアンジェリーナとも会って、彼女は私を理解してくれる人だと思った。

アンジェリーナ・ジョリー:
私はこのような実話で、心をうたれる女性の役を演じる責任感にとてもナーバスになったわ。とても難しかった。そして、マリアンヌに初めて作品を観てもらった後、彼女が満足したと言ってくれて初めて肩の荷がおりた思いだったわ。その彼女の言葉を撮影前からずっと待っていたのだもの。

質問:
役者からプロデューサーに転換?
ブラッド・ピット:
このような心を打たれる話だからこそ、プロデュースしたいと望んだんだ。それに、いつもカメラの前にいたから、プロデュースをすることでカメラの裏側にたてて、すごく喜びを感じたよ。

アンジェリーナ・ジョリー:
私はこの脚本を妊娠5ヶ月の時に読みました。6ヶ月の妊婦だったマリアンヌに起こった事を考えると、本当に信じられない強さを彼女に感じます。妊婦期間に夫が不在というのは本当に辛い事なのよ。

ブラッド・ピット:
子供達の父親として、この世の中が今後どのようになっていくか不安と心配を抱えてる。少しでも世の中が良くなるように願いながら日々を送ってる。

質問:
カンヌに来て24時間メディアに追っかけられて大変?
アンジェリーナ・ジョリー:
昨日来たばかりだけど、ちゃんと子供達と遊ぶ時間もとってるし、何より自分たちが
自信を持っている作品を支持するって気分のいいことだから幸せよ。

....節々に、幸せをたっぷり感じさせられるアンジーとブラピでした。
幸せな女は本当に美しい....

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WOWOWにて単独インタビュー放送予定!
「VIVA カンヌ映画祭 2007」
放送は、
6月3日(日) 午後 7:00~
再放送は、
6月5日(火) 午後 6:00~
お楽しみに!


カンヌの日常ハプニング!

2007年05月22日 | 現地レポート

カンヌ映画祭60周年記念のレッドカーペットにスター達が次々と登場してきました。ある場所で観客が騒いでいたので、封鎖した道路の入口辺りからカメラの望遠レンズを双眼鏡のように利用して覗いてみたら、往年の大スター、アラン・ドロンと奥様の姿を発見!凄い、人だかり!フランスでの人気はまだまだ衰えていませんね。

この人だかりの中に往年の大スター、アラン・ドロンの姿が!

そして、ふと気がついたら、ガエル・ガルシア・ベルナルが私達に向って歩いて来るではないですか!!!!

さわやかな表情のガエル・ガルシア・ベルナル。

こういうラッキーなハプニングもカンヌではよくあるんですよ♪