第46回『批評家週間』大使に選ばれた、ガエル・ガルシア・ベルナル(Gael Garcia Bernal)の初監督作品「DEFICIT(原題)」の上映会がミラマー会場で行われました。
作品の初回上映会、しかも制作スタッフ舞台挨拶付きという事で、会場前は1時間前から列ができ始めました。しかし、その30分後には道路も車が通れない程の大パニック状態に!
このまま素直に列に並んでも席が確保されないとわかったジャーナリストが、プライオリティ入口に殺到し、さらに大混乱!
私たちWOWOWスタッフも、明日の朝ガエルとのインタビューを控えているため、この上映が唯一のチャンス。作品を観ていない状況でのインタビューは避けたく、どうにかして入らなくてはいけなかったのです。TVクルーとして批評家週間の広報と事前に話をつけてあったことが功を奏し、なんとかプライオリティーの列に入り込みました。
まずは、映画関係者を先に入れるというのですが、何せ唯一の入口がパニック状態。そこをどう押し分けて行けば良いか迷っていると、私の真横から体格のいい白いTシャツのラテンないい男が! ふと顔を見上げると、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(Alejandro Gonzalez Inarritu)監督じゃないですか!
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督もパニックに巻き込まれ...
思わず、あ、アレッハンドロだ!と肩に手を差し伸べてしまいました!あ、でも触ってる場合じゃないと写真もパチリ。
続いて、アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuaron)監督が通され入って行きます。
私たちのように、明日ガエルとのインタビューを控えた海外のジャーナリストたちもいて、こんな酷い仕切りなら、もうインタビューしないわよーって怒り出すし、何より一番怒っていたのはバイヤーたち。
「俺たちはバイヤーだぞ、何を考えているんだ!!!」
従来『批評家週間』という映画祭は、無名の新人映画作家の発掘を多く手掛けているので、ここまでジャーナリストが殺到するという状況に慣れていないのか、広報のお姉様方もパニくりまくり。広報担当がパニくるともうどうしようもないですよね。
まあ、とにかくガエルの人気ぶりがよくわかるハプニングでした。
とにかく、WOWOWスタッフは無事中に通され上映に参加しました!
上映前の舞台挨拶ではガエルの馴染みメンバーが応援にかけつけました。ラテンメンバー大集合という事もあり、舞台挨拶はスペイン語とフランス語のみで繰り広げられ、英語しかダメなジャーナリストは?状態。国際映画祭なんじゃなかったっけ?という不満も...
まずは、ガエルの幼馴染みでもあり、今年カンヌ映画祭のある視点部門にノミネートされた「Mister Lonely」主演のディエゴ・ルナ(Diego Luna)君。
ディエゴ・ルナ
ディエゴ・ルナ君はアルフォンソ・キュアロン監督の「天国の口、終りの楽園。」でガエルと競演してます。
「ガエルとは11歳の頃からの幼馴染みなんだ。」
ちなみに、「DEFICIT(原題)」はルナとガエルとプロデューサーのパブロ・クルスの3人で2005年に発起した会社で制作しているのです。
ルナ君は舞台挨拶中にどうも暑くなっちゃったみたいで、舞台上でセーター脱いで可愛かった。
続いて...
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督登場。
「ガエルとはCM撮影の現場で出会ったんだ。初めて会ってすぐにコイツとは一緒に映画を撮る事になるだろうと直感したよ。」
壇上で挨拶するアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
アルフォンソ・キュアロン監督
「「天国の口、終りの楽園。」の配役を探してるとき、全然いい役者が見つからなくて、特に青春期の若い役者は馬鹿な奴らが多い。そんなとき、友人のアレハンドロに、「アモーレス・ペロス」の最初の編集を見せてもらって、彼に一目惚れ。絶対にガエルで撮りたいと思ったね。」
ウォルター・サレス監督
「ここで皆さんに秘密を明かしましょう。実はこの作品はガエルの初監督作品じゃないんですよ。ガエルは「モーターサイクル・ダイアリーズ」で僕の共同監督だったんだ。彼なしにはあの作品は存在しない。ガエルは全てを映画に与えてくれる役者。ただ単に役を演じるだけでなく、一緒に映画作りをする役者なんだ。才能もあり、全てを与えてくれる、というとても重要な2点を揃えた貴重な強さを持っている。」
そして、ガエル登場
ガエル・ガルシア・ベルナル監督登場
「こんな風に僕の大好きな仲間達が集まってくれて光栄!そしてこんなに沢山の人が集まってくれてありがとう!7年前に「アモーレス・ペロス」が批評家週間にノミネートされてカンヌにやって来た時の事を思うと大きな違いだよ。上映会場は半分くらいしか人が埋まらなくてね。アレハンドロとナーバスに酒を飲んでたよね。
今回はじめて自ら監督として作品を作ったのだけど、これはある種実験的なもので、仲間うちでやってみようか、という感じでプロジェクトが進んだんだ。」
「Deficit」は、もともとメキシコの連続ドラマ「Ruta 32」を脚色したもので、ドラマではメキシコシティを巡回する乗合バスの運転手が主人公で、バスに乗って来るあらゆる階級、職業の人たちの日常を追って構成されたドラマだそう。メキシコの若い世代の階級意識問題は「Deficit(原題)」でも描かれています。
出演者たちに囲まれるガエル
上映が終わりエンドロールになると、会場は大拍手。ガエルも皆と抱き合っていました。ガエルの事を心から愛して見守ってる監督たちに囲まれ、ガエルも幸せそうでした。
巨匠監督からも拍手されるガエル
ガエル・ガルシア・ベルナル初監督作品「DEFICIT(原題)」
翌朝のインタビュー。
前の日のパーティで、ディエゴ・ルナやアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督やウォルター・サレス監督と盛り上がったのか、二日酔いな感じのローテンションで、さわやかな海とはうらはらな様子。
サングラスもしたままで隣の人たちのインタビューをしてたので、インタビュー前に「サングラスとってもらえませんか?」というと、「ウォン・カーワイ監督がずっとサングラスしてるから僕もまねしてるんだよ。」と言われ。「おー」と悲しそうな顔をすると、「僕の目が見たいの?」といたずらっぽく聞かれ、「もちろん!!!」というと「わかった。君のために取るよ」と・・。
さすがキザなラテン系です!そして素敵な瞳が現れましたー!
いやぁ、いつみてもカッコイイ。完全に二日酔いでしたけど・・・。
二日酔いで落ちてるガエル(笑)
この単独インタビューの模様は「VIVA カンヌ映画祭2007」で!
放送は、6月3日(日) 午後 7:00~
再放送、6月5日(火) 午後 6:00~
お楽しみに!