WOWOWカンヌ国際映画祭ブログ

現地に飛んだスタッフが映画祭の様子を毎日レポート!

リュディヴィーヌ・サニエからカメラ目線!『LES CHANSONS D’AMOUR/愛の歌』記者会見

2007年05月19日 | 現地レポート

今年のカンヌ映画祭コンペにノミネートされた数少ないフランス映画『LES CHANSONS D’AMOUR/愛の歌』は今フランスで一番期待されている。

しかも最もカッコイイ若手監督のクリストフ・オノレ(Christophe Honore)監督作品。
もともと児童文学の小説家で、脚本家として映画界に入ったクリストフ・オノレ監督は、ヌーヴェルヴァーグの再来と評されていますが、そのあたりも記者会見でも触れていました。

左からリュディヴィーヌ・サニエ、クリストフ・オノレ

質問:
ジャック・ドゥミや、フランソワ・トリュフォーを連想させるシーンがいくつかありましたが?
クリストフ・オノレ監督:
小さい頃から、ヌーヴェルヴァーグの映画は大好きで、その中で育ってきました。だから、そのような指摘は否定しないし、光栄に思います。ルイ・ガレル(Louis Garrel)は、これまでにも僕の前作品『Ma mere』や『Dans Paris』にも出演していますが、彼は僕の作品にとって、ジャン=ピエール・レオがトリュフォーの作品で演じて来たアントワーヌ・ドワネルなんだ。

質問:
今回初めてコンペにノミネートされてのカンヌ入りですが、怖くない?
クリストフ・オノレ監督:
実はこの作品、昨年の11月に撮影が決定して、2月には撮り終えて、3月に編集して、出来上がってホヤホヤなところでノミネートされたんだ。だから、怖くなる暇もなく何もかもが淡々と過ぎて今日に至ってしまったよ!
それから、この作品は、僕が初めて皆に楽しんでもらいたいと思って作った映画なんだ。これまでの作品は、どこか、僕の部屋を覗かれてるような感覚になってしまっていたんだけどね!!

フランソワ・オゾンのミューズでもあり、10歳で映画デビューしたフランス映画界きっての若手女優リュディヴィーヌ・サニエ姫(Ludivine Sagnier)は今回クリストフ・オノレの作品でカンヌ入りして大御機嫌の様子。

ご機嫌なリュディヴィーヌ・サニエからカメラ目線


記者に悲劇のヒロインの役だったけど、との質問に、
リュディヴィーヌ・サニエ:
不幸な女を演じるのは得意よ!
と答え、場内爆笑!

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LES CHANSONS D’AMOUR/愛の歌

監督:クリストフ・オノレ
キャスト:ルイ・ガレル、リュディヴィーヌ・サニエ

この映画の試写レビューはこちら!


「ボーディング・ゲート」の記者会見

2007年05月19日 | 現地レポート

オリヴィエ・アサヤスの新作「ボーディング・ゲート」の記者会見に行ってきましたよ!

『カンヌ映画祭』にはいくつかのカテゴリーがあって、パルムドールを競うコンペティション部門の他に、『ある視点』部門、短編映画コンペティション部門、コンペ対象外『特別招待作品』部門などがあります。
ちなみに、あの、お馴染みのレッドカーペットを歩いて会場に入るきらびやかな公式上映は、コンペ作品と、特別招待作品、ビッグスターが出演している『ある視点』部門の作品のみなのです。

その他、同じ時期にカンヌでは周辺行事として、今年、松本人志監督がノミネートされた『監督週間』や、ガエル・ガルシア・ベルナルが2007年大使を務める『批評家週間』などの別枠のコンペティションも開催されていますが、こちらは本家の『カンヌ映画祭』とは違う主催者によって運営されている規模の小さな行事です。あのレッドカーペットを歩くといった華々しいものではないけれども、それぞれが理念を持って、作家性、芸術性、社会性等々のある優れた作品をノミネートしているので、若手の映画作家にとっては、世界的に認められた映画界に入る第一歩という、まさに本家『カンヌ映画祭コンペティション』への登竜門なのです。

実際に、多くのビッグネームになった映画監督や役者たちが、『監督週間』や『批評家週間』で発掘されているのですよ!

さて、今日は、本家カンヌ映画祭の特別招待作品としてカンヌ入りした、フランス人監督オリヴィエ・アサヤスの新作「ボーディング・ゲート」の記者会見風景をお伝えします!


「ボーディング・ゲート」

出席
Olivier Assayas オリヴィエ・アサヤス
Asia Argento アーシア・アルジェント
Kelly Lin ケリー・リン
Carl NG カール・ン

質問:
香港での撮影部分もありますが、なぜ香港で撮りたいとおもったのですか?
オリビエ・アサイヤス監督:
何度も通う機会があって、僕自身半分くらい香港市民のような感覚もあるので、必ずここで映画を撮りたいと思っていたんだ。ただ、よく欧米人が香港で撮影をするときに、欧米でのやり方を押し付けるように、欧米から撮影クルーをゴッソリと連れて行って撮るようなことは絶対したくなかった。
この街で撮影するのなら、この街のやり方で、この街のスタッフと撮影したいと思ってたので、香港でのパーツは本当に少人数で中国人スタッフ7~8人で、撮影してたんだ。
役者の選択については、アンダーグラウンドなストーリー柄、あまり欧米で顔が知られてる役者は嫌だった。ケリー・リンはジョニー・トーの作品で知っていたが、まだ欧米で知れ渡ってないので適役だったよ。カール・ンもそう。

オリヴィエ・アサヤス監督

質問:
(アーシア・アルジェントに)香港での撮影で大変だったのは?
アーシア・アルジェント:
あんな暑い場所に身を置いたのは初めてだったわ!それから、香港のスタッフは本当に凄く働く。イタリアだと、昼時間は必ずしっかり食事するし、撮影終了時間は決まった時間に必ず終わらせて、さっさと皆家族のとこへ帰っちゃうし。でも香港のスタッフたちは、撮影中は皆映画を中心に生きるのよ。皆が集中して作品を作ってる。そういうシステムは私にとってとても新しいことだったわ。

質問:
あなたの演じたヒロインは宿命の女ですが、どういう部分が好き?
アーシア・アルジェント:
とてもミステリアスな部分。観客は彼女のしていることが、なかなか理解できないし、マニプレートしているのか、マニプレートされてるのか、どちらなのかわからなくなる。でも彼女がとても、もろい女だって事はわかるわね。それでも、何かを決めていて、そしてそれを実行する芯の強さとか。

質問:
今回沢山の作品でカンヌにエントリーされてますね?
アーシア・アルジェント:
昨年撮影したほぼ全部の作品がカンヌ映画祭に招待されたのは、ものすごく嬉しいわ。でも、地に足をつけていたいと思ってるのよ。

左からアーシア・アルジェント、カール・ン

質問:
最近は全然イタリア映画に出演しないで、海外の映画で娼婦や殺し屋とかの役をこなしてるのはなぜ?
アーシア・アルジェント:
多くのイタリア女優がやってるような、ブルジョワでヒステリーな女を演じることに興味がないからよ。娼婦や中毒女のほうが私にあってるわ。

質問:
英語で演じるのは大変?
ケリー・リン:
家族とはいつも会話は英語なのだけど、やっぱりそれとこれとは違うわね。でも、オリヴィエはとっても綿密に説明してくれるし、特に、香港での映画現場では台本がないまま撮影する事がほとんどだから、台本を貰ったとき、うわー、台本だわーって感動しちゃったわ!アジアにも良く助けられたわ。彼女は私が仕事した中で一番素晴らしい女優よ!

質問に応じるケリー・リン

カール・ン:
香港の映画システムは、監督の権力が絶大で、監督さえ分かってればいい、というやり方になりがちなんだ。だから、台本なしに、現場で指示されるがままに演じないといけない事も頻繁。
演技に対して、すごく典型的なものを要求されて、自由の余地があまりない。別にどちらのやり方がいいかという事ではないけど、オリヴィエのように自由を与えてくれる監督との仕事はとても楽しいよ。
それから、僕がオリヴィエを尊敬するのは、多くの欧米の監督が東洋を描くとき、カンフーしてるとか、米ばっかカッ食らってるとか、英語が話せないとか、そういうのが多いけど、オリヴィエはそういうことをしないんだ。
僕は今まで何度も欧米の映画のキャスティングに呼ばれ、カンフーはできるか?と聞かれ挫折したか!オリヴィエの作品にはカンフーやってる中国人が描かれてなくて嬉しいよ。

オリヴィエ・アサヤス監督:
そう言われると、今度カンフーものの映画をやりたくなるなあ!

記者にサインをするオリヴィエ監督


カンヌ映画祭「Bee Movie」のイベントで衝撃サプライズが!

2007年05月19日 | 現地レポート

開催中のカンヌ映画祭で、DreamWorks Animationの新作「Bee Movie」のプロモーションが行われ、声優を務めるジェリー・サインフェルドとクリス・ロックが出席!

BEE。うーん、目立ちます。

イベントはまず、ジェリー・サインフェルド、クリス・ロック、そしてプロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグがステージ上で解説してくれながらのメイキングフッテージ上映(45分前後)がありました贅沢でしょ?

その後ホテルカールトン前のビーチに移動。

で、ホテルカールトンの屋上をふと見上げると?はっ?

ミツバチのコスプレをしたサインフェルドがワイヤーに吊るされているではありませんかああ!!うあぁー!

そしてそれは、屋上からサインフェルドがワイヤーを伝って海岸まで降りてくるというサプライズイベントを意味していたのです!!ぎゃああ、こっ、怖ーい!!

ほんとびっくりのスタントだったんだけど、保険はいくらかけたんだろうって一瞬頭をよぎりましたよ。だって本当危ないんだもの。サインフェルドの奥さんが下で不安そうにみてたのだけど…見てる私たちの方は楽しませてもらいました。

冷静に見ると笑えます!

屋上から降りてきた蜜蜂サインフェルドは再びケーブルつなぎなおして上がっていって、そしてまた降りてきたり...けっこう本人も楽しんでるのでした。

着地成功!

イベントでは蜜蜂を脱いだジェリー・サインフェルド、


そして、クリス・ロックにも直撃
できました。

他に面白かったのが、蜜蜂色のカーペット(黒と黄色の縞)があったり、プレス用のパーティの場所も蜂のディスプレイだったり、何でも蜜蜂づくしでえらく可愛かったです。

何でも蜜蜂。


はい、これも!


何処から運んで来たのか?こんなのまで。