WOWOWカンヌ国際映画祭ブログ

現地に飛んだスタッフが映画祭の様子を毎日レポート!

カンヌ市長主催の素敵なランチ会

2007年05月26日 | 現地レポート

25日
カンヌのシュヴァリエ山にある博物館、カストル博物館にて、カンヌの市長が審査委員とジャーナリストを招き、ランチ会を開催しました。

旧市街の高台にある素敵な広場にて、プロバンス料理が振る舞われました。

高台からカンヌを望む景色

入口で食前酒を頂き、それを手に民族衣装に身を包んだ女性と音楽を奏でる男性の輪をくぐると、かわいらしいテーブルセットが待っていました。

年配のおじさんが奏でる素敵な演奏


南仏らしい陽気の中、芸術的な雰囲気で素晴らしい環境でした

テーブルにはひまわりがあしらわれ、フランスパンや野菜ディップ、白ワインと赤い色したリキュールなど所狭しと並べられていました。(メインやデザート、食後のコーヒーなどはバイキング方式)

食事開始は13時の予定だったのですが、誰かが合図を出す訳でもなく、到着した人が食べたいときに食べ始めるというかなりゆる~いランチ会でした。市長が挨拶をされる場面もありましたが、全くお固い感じではありません。

審査委員たちは予定より1時間遅い14時頃に登場し、カメラマンに写真を撮られながらも、彼らは和やかに食事を楽しんでいました。その後、何か始まると思いきや…アレレ?みなさん早々に帰られてしまいました。ランチ会と言っても、本当にただ食事しただけだったのです。

食事を楽しむ審査員たち


ランチ会場のカストル博物館は、映画祭のメイン会場があるところからさほど離れていないのですが、ここはかなり南仏の香りを色濃く感じることができました。

パレ(メイン会場)からホテル・マルチネスに続くメインストリートはホテルや高級ブティックが建ち並ぶまるで銀座のような街並です。それでいて、地中海に面しているという世界でも最も贅沢な土地かもしれません。いつも多くの観光客で賑わっています。

それとは打って変わり、旧市街は市民の生活の場として賑わっています。

狭い道幅に所狭しとお店が並び、レストランは店の外にもテーブルを出していたりとヨーロッパらしさを強く感じる素敵な所でした。


女性とっては好みの街並かも知れません。
機会がありましたら、ぜひ足を運んでみてください。


カトリーヌ・ブレイヤ監督「Une Vieille Maitresse 古い愛人(原題)」の記者会見

2007年05月26日 | 現地レポート

25日
カトリーヌ・ブレイヤ監督のコンペ作品「Une Vieille Maitresse 古い愛人(原題)」の記者会見が行われました。

カトリーヌ・ブレイヤ監督は今回コンペティション部門にノミネートされた数少ない女性監督の1人。
(今回は合計22本のコンペ作品のうち、河瀬直美監督と、アニメ作品「Persepolis」の共同監督の1人であるイラン系フランス人のマルジャン・サトラピ監督と、カトリーヌ・ブレイヤ監督の3名のみ!)

カトリーヌ・ブレイヤ監督はフェリーニやピアラの元でシナリオライターとしての経歴があり、監督業に移行してからは、芸術と文学とポルノグラフィーの境界線での作品を生み出すことでも有名です。
2004年の「Anatomie de l'enfer 地獄の解剖学」ではポルノの帝王ロッコ・シフレディを主演男優として起用して話題を呼びました。
が、この製作後、ブレイヤ監督は脳卒中にあい、5ヶ月間入院。そしてリハビリ期間を得て、半身麻痺の身体でこの「Une Vieille Maitresse 古い愛人(原題)」に取りかかったそう

「映画が私の全て。映画を撮る事こそが私のリハビリ」とブレイヤ監督は言います。

記者会見には、プロデューサーのJean-Fransis Lepetit氏がブレイヤ監督の手を引いて静かにゆっくりと登場。

カトリーヌ・ブレイヤ監督

今回の作品のヒロインはアーシア・アルジェント、そして主演男優はイブ・サンローランのポスターなどで知られている、「ヴェニスに死す」のタッジオを連想させる、ギリシャ彫刻風美少年フアッド・アイト・アトォー

カトリーヌ・ブレイヤ監督:
「フアッドは見た瞬間に啓示的なものを感じたわ。彼こそ私がずっと探していた、イタリアンルネッサンスの美少年の容貌で、フェミニンだけれど、女っぽいのではなく、神聖な美を備えた人。そして、アーシアもフェミニンだけど女っぽくなく、そして豹のようで、セクシーで力強い。映画を作る誰もが一度は宿命の女を描きたいと願うもの。この作品のアーシアは私にとっての宿命の女の姿よ。


フアッド・アイト・アトォー

アーシア・アルジェント:
カトリーヌはこの世の中で唯一私より強いと感じた人間。これまでは誰と仕事をしても、力関係を感じた事はなかったけど、カトリーヌだけは別。私が唯一恐れる人間。」

会見後、アーシアはカトリーヌにベッタリ。まるで凶暴な野生動物が、カトリーヌの腕の中では飼い犬のようになってしまう、という風景でした。
アーシア・アルジェント(写真右)と抱き合うカトリーヌ・ブレイヤ監督


チョン・ドヨン、ソン・ガンホ出演!コンペティション作品「Secret Sunshine」記者会見模様

2007年05月26日 | 現地レポート
24日、コンペティション作品「Secret Sunshine」の記者会見が行われました。
出席者:イ・チャンドン監督(Lee Chang-dong)、チョン・ドヨン(Jeon Do-yeon)、ソン・ガンホ(Song Kang-ho)

左からイ・チャンドン監督、チョン・ドヨン、ソン・ガンホ

質問:この作品における宗教の位置づけはどういったところにありますか?
イ・チャンドン監督:宗教についての映画じゃない。人間についての映画だ。信仰をもっているとかないとか関係なく。キリスト教をこの作品の中で使ったのは、まず、韓国にはキリスト教信者の数が非常に多いし、キリスト教は他の宗教よりも、許す事、和解するとい今回の作品のテーマの追求をしている宗教だと思う。


チョン・ドヨン:この役を演じるにあたって、自分が体験したことのない想像を絶する状況だから、感情面で準備する事はできなかった。この作品は私にとって10作品目の映画だけと、とてもエネルギーを要したので、まるで初心者に戻った気分でした。


ソン・ガンホ:自分自身はあまり役に投影はされてないと思う。でも、この人物は韓国でよく目にする典型的なタイプの男だったので、わりとリラックスして演じたよ。


質問:
今回コンペ作品に韓国映画が2本入ってますが、韓国ブームが続いていると思いますか?

イ・チャンドン監督:コンペにノミネートされる数と、ある特定の国への認知とは関係ないと思う。ひとつの映画が国籍を持つ前に、それはチームのものだと思う。もちろん、韓国映画が沢山コンペにあることで、韓国映画への注目へと繋がり、どんどん新しいエネルギーへと繋がればいいと思う。

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「Secret Sunshine(密陽)」

監督:イ・チャンドン
キャスト:チョン・ドヨン、ソン・ガンホ


世界で最も受けたい授業。巨匠スコセッシ監督の『シネマ・マスタークラス』に潜入!

2007年05月26日 | 現地レポート

24日
マーティン・スコセッシ監督が映画の撮り方やコツ、哲学を直伝する『シネマ・マスタークラス』がドビュッシー会場で行われました。

カンヌ映画祭恒例になった『シネマ・マスタークラス』。
巨匠の授業を受けたい多くの人たちが集まり、会場前には長い長い列が!


面白いのが、もう会場に入れないと思って半べそかきながら並んでいる人がいました
(笑)

会場には観客としてあのタランティーノ監督の姿もありましたよ!

6本の作品のワンシーンを観ながら行われたスコセッシ監督の『シネマ・マスタークラス』。とても貴重な時間となりました!

映画の勉強をしている人たちへのスコセッシ監督のアドバイスは....
映画は学校で勉強できるものじゃない。映画を撮りながら勉強するんだ。一番大事な事は、本気で映画を撮りたいと欲する気持ち。映画を撮るってことは、中途半端な意思じゃ難しい。家族との時間を大事にしたい、なんて言ってて出来るもんじゃないんだ。まあ、家族と時間を楽しく過ごしながら映画を作る人もいるだろうけど、僕はそうじゃないんでね」

みんなスコセッシ監督のお言葉に耳を立てて聞いてました。