ローラン・カンテ(Laurent Cantet)監督『Entre les murs(The Class)』のパルム・ドール受賞と共に閉幕した映画祭。どのような基準で選ばれたのか、本日は授賞式後の審査員記者会見の模様を蔵出し。
以下は授賞式後の審査員記者会見の模様。
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授賞発表式の直後に、審査委員長のショーン・ペン(Sean Penn)他、審査員一同(ジャンヌ・バリバール(Jeanne Balibar)、アレキサンドラ・マリア・ララ(Alexandra Maria Lara)、ナタリー・ポートマン(Natalie Portman)、マルジャン・サトラピ(Marjane Satrapi)、ラシッド・ブシャール(Rachid Bouchareb)、セルジオ・カステリット(Sergio Castellitto)、アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuaron)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(Apichatpong Weerasethakul))の記者会見が行なわれ、今回の審査判断の内側について明かしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/be/98bac0f69b71e547f14d21f3aa285db8.jpg)
今回も、ショーン・ペンは、座席につくなり煙草に火を付けていた。さすがに授賞式では吸えなかったから、“ああ、やっと吸えた”って感じだったのでしょうね。本当なら煙草の煙なんて大嫌いだけど、ショーンの煙だと思うと、なんだかお寺でお香の煙を頭にかけるような、なんだか有り難い気持になりました!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/ee/bcbdc5151a966d60350c0bc4cdff1db3.jpg)
しかし、審査員メンバーに、“華”として添えられたナタリー・ポートマンやアレキサンドラ・マリア・ララって、なんだか居場所なさそうで心苦しくなりますね…。
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ナタリー・ポートマン
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アレキサンドラ・マリア・ララ(左)。ショーン・ペン(右)。
やっぱり、このメンバーの中で生き抜くには、審査委員長が煙草を吸うなら、一緒になってプカーってやれるくらいの度胸が必要なのか…!
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ショーン・ペン(左)。ジャンヌ・バリバール(右)。
質問:
パルム・ドール作品について。
ショーン・ペン:
上映のタイミングによって、僕らの見方が影響されるんじゃないかって心配を皆でしていたんだ。でも、結果的には、いつこの作品を見たとしても、同じリアクションをしただろうと思う。この作品の持つ、寛大さに魅了されたんだ。
マルジャン・サトラピ:
審査員一同が一目惚れしたのよ。郊外問題、学校問題を超えたところで、デモクラシーに対して真の疑問を投げかけている。答えを出さずにね。良くありがちな、先生が最後に答えを見つけて解決するってような映画じゃないのよ。この映画は、答えを出すのではなくて、疑問定義をしているの。そして、演技のリアルさも含め、私はこの作品に惚れ込んだわ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/4c/02eb92beb436c6e87c01f5465ca03a51.jpg)
アピチャッポン・ウィーラセタクン(左)。マルジャン・サトラピ(右)。
ショーン・ペン:
僕ら審査員メンバー一致してこの作品にパルムを与えた理由として言える事は、映画芸術という視点から入っている事だ。“縫い目”のない作品なんだ。つまり、解釈、文体、挑発、寛大さ、全ての面が魔法にかけられたようだった。これらは映画に望まれる全ての要素だ。その上、この作品が提議している問題は、この飢えた社会の中で真の教育、真の道を必要としている事を伝えている。本当に、この作品は僕らを魅了したよ。
アルフォンソ・キュアロン:
若い世代の観客と共感できるだろう、とても稀な優れた作品だ。僕らの住む厳しい世界の中で、若者達が次世代の問題解決していくのだから、それはとても大事な事だと思う。
セルジオ・カステリット:
この映画を見て、父親として息子の学校の先生と対話している気分になった。それが,この作品を詩的要素をを失わずに、普遍的にしているのだと思う。
ジャンヌ・バリバール:
この作品が、矛盾している現実問題をひとつも見落とさなかったことに感動。そして、スクリーン上においても、観客に対しても、フランス社会においても、問題解決をしようとしなかった監督の姿勢に感動よ。彼等の問題を暴力の中に見取っているの。今までに見た事のない暴力を描いた作品とも言えるわ。私にとって、最上の芸術表現は、真実と、希望に対して矛盾がある状態だと思うのよ。
アピチャッポン・ウィーラセタクン:
タイの現状のことを考えた。この作品をタイの政府に送りたい。
質問:
イスラエルのアリ・フォルマン(Ari Folman)監督の アニメーション映画『Waltz with Bashir』は受賞候補と噂されてたのに,何も賞をうけてない事について?
ショーン・ペン:
噂は全くして意味がなくて、審査判断に影響を与えないって事を立証できて嬉しいよ。この作品が素晴らしかった事は僕も認めるが、賞の数は決められているから、それに当てはめて行くしかないんだ。僕を含めて,多くの審査員達がこの映画の価値を評価していた。でも、決められた賞に対して、どの作品がふさわしいかという観点で進めるのでね。個人的には、僕はこの作品を支持してはいなかったことは確か。素晴らしい作品だと思うし、賞がなくても、今後評価されるに違いない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/55/302f74abc587f575a644b7121e6e2859.jpg)
質問:
第61回特別賞について。
ショーン・ペン:
映画の世界には、カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)やクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)のような僕らが映画を志した動因となった人物がいる。これだけの長いキャリアを続ける中、昔と変わらぬ創作、クリエーションに富み、ハイレベルを保つ人物がいることは、僕らの勇気を支えることになっていると思う。彼等が映画祭や僕らの仕事に与えてくれた重みを評したい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/f2/6a50b6d51627d00d480e9ef9c7404cd3.jpg)
質問:
イタリア作品2本が受賞してることについて。
セルジオ・カステリット:
この2作は、同じ母親のお腹の中にいる双子のようなもの。相補的なんだ。僕ら審査員は、ヨーロッパの西欧デモクラシーの裏に隠れているものは何かについて考えたんだ。この二人の監督は、その疑問に対して、確かな視線を送っている事に成功していると言えるよ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/ba/b1b0770f1f70815cb5d7377f819a9aea.jpg)
「VIVAカンヌ映画祭2008」
6月8日(日)午前11:00ほか
詳しくは番組紹介にて
お楽しみに!
以下は授賞式後の審査員記者会見の模様。
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授賞発表式の直後に、審査委員長のショーン・ペン(Sean Penn)他、審査員一同(ジャンヌ・バリバール(Jeanne Balibar)、アレキサンドラ・マリア・ララ(Alexandra Maria Lara)、ナタリー・ポートマン(Natalie Portman)、マルジャン・サトラピ(Marjane Satrapi)、ラシッド・ブシャール(Rachid Bouchareb)、セルジオ・カステリット(Sergio Castellitto)、アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuaron)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(Apichatpong Weerasethakul))の記者会見が行なわれ、今回の審査判断の内側について明かしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/be/98bac0f69b71e547f14d21f3aa285db8.jpg)
今回も、ショーン・ペンは、座席につくなり煙草に火を付けていた。さすがに授賞式では吸えなかったから、“ああ、やっと吸えた”って感じだったのでしょうね。本当なら煙草の煙なんて大嫌いだけど、ショーンの煙だと思うと、なんだかお寺でお香の煙を頭にかけるような、なんだか有り難い気持になりました!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/ee/bcbdc5151a966d60350c0bc4cdff1db3.jpg)
しかし、審査員メンバーに、“華”として添えられたナタリー・ポートマンやアレキサンドラ・マリア・ララって、なんだか居場所なさそうで心苦しくなりますね…。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/60/3255b389cfc458477c08aab53eafcc85.jpg)
ナタリー・ポートマン
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アレキサンドラ・マリア・ララ(左)。ショーン・ペン(右)。
やっぱり、このメンバーの中で生き抜くには、審査委員長が煙草を吸うなら、一緒になってプカーってやれるくらいの度胸が必要なのか…!
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ショーン・ペン(左)。ジャンヌ・バリバール(右)。
質問:
パルム・ドール作品について。
ショーン・ペン:
上映のタイミングによって、僕らの見方が影響されるんじゃないかって心配を皆でしていたんだ。でも、結果的には、いつこの作品を見たとしても、同じリアクションをしただろうと思う。この作品の持つ、寛大さに魅了されたんだ。
マルジャン・サトラピ:
審査員一同が一目惚れしたのよ。郊外問題、学校問題を超えたところで、デモクラシーに対して真の疑問を投げかけている。答えを出さずにね。良くありがちな、先生が最後に答えを見つけて解決するってような映画じゃないのよ。この映画は、答えを出すのではなくて、疑問定義をしているの。そして、演技のリアルさも含め、私はこの作品に惚れ込んだわ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/4c/02eb92beb436c6e87c01f5465ca03a51.jpg)
アピチャッポン・ウィーラセタクン(左)。マルジャン・サトラピ(右)。
ショーン・ペン:
僕ら審査員メンバー一致してこの作品にパルムを与えた理由として言える事は、映画芸術という視点から入っている事だ。“縫い目”のない作品なんだ。つまり、解釈、文体、挑発、寛大さ、全ての面が魔法にかけられたようだった。これらは映画に望まれる全ての要素だ。その上、この作品が提議している問題は、この飢えた社会の中で真の教育、真の道を必要としている事を伝えている。本当に、この作品は僕らを魅了したよ。
アルフォンソ・キュアロン:
若い世代の観客と共感できるだろう、とても稀な優れた作品だ。僕らの住む厳しい世界の中で、若者達が次世代の問題解決していくのだから、それはとても大事な事だと思う。
セルジオ・カステリット:
この映画を見て、父親として息子の学校の先生と対話している気分になった。それが,この作品を詩的要素をを失わずに、普遍的にしているのだと思う。
ジャンヌ・バリバール:
この作品が、矛盾している現実問題をひとつも見落とさなかったことに感動。そして、スクリーン上においても、観客に対しても、フランス社会においても、問題解決をしようとしなかった監督の姿勢に感動よ。彼等の問題を暴力の中に見取っているの。今までに見た事のない暴力を描いた作品とも言えるわ。私にとって、最上の芸術表現は、真実と、希望に対して矛盾がある状態だと思うのよ。
アピチャッポン・ウィーラセタクン:
タイの現状のことを考えた。この作品をタイの政府に送りたい。
質問:
イスラエルのアリ・フォルマン(Ari Folman)監督の アニメーション映画『Waltz with Bashir』は受賞候補と噂されてたのに,何も賞をうけてない事について?
ショーン・ペン:
噂は全くして意味がなくて、審査判断に影響を与えないって事を立証できて嬉しいよ。この作品が素晴らしかった事は僕も認めるが、賞の数は決められているから、それに当てはめて行くしかないんだ。僕を含めて,多くの審査員達がこの映画の価値を評価していた。でも、決められた賞に対して、どの作品がふさわしいかという観点で進めるのでね。個人的には、僕はこの作品を支持してはいなかったことは確か。素晴らしい作品だと思うし、賞がなくても、今後評価されるに違いない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/55/302f74abc587f575a644b7121e6e2859.jpg)
質問:
第61回特別賞について。
ショーン・ペン:
映画の世界には、カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)やクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)のような僕らが映画を志した動因となった人物がいる。これだけの長いキャリアを続ける中、昔と変わらぬ創作、クリエーションに富み、ハイレベルを保つ人物がいることは、僕らの勇気を支えることになっていると思う。彼等が映画祭や僕らの仕事に与えてくれた重みを評したい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/f2/6a50b6d51627d00d480e9ef9c7404cd3.jpg)
質問:
イタリア作品2本が受賞してることについて。
セルジオ・カステリット:
この2作は、同じ母親のお腹の中にいる双子のようなもの。相補的なんだ。僕ら審査員は、ヨーロッパの西欧デモクラシーの裏に隠れているものは何かについて考えたんだ。この二人の監督は、その疑問に対して、確かな視線を送っている事に成功していると言えるよ。
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「VIVAカンヌ映画祭2008」
6月8日(日)午前11:00ほか
詳しくは番組紹介にて
お楽しみに!