25日
カトリーヌ・ブレイヤ監督のコンペ作品「Une Vieille Maitresse 古い愛人(原題)」の記者会見が行われました。
カトリーヌ・ブレイヤ監督は今回コンペティション部門にノミネートされた数少ない女性監督の1人。
(今回は合計22本のコンペ作品のうち、河瀬直美監督と、アニメ作品「Persepolis」の共同監督の1人であるイラン系フランス人のマルジャン・サトラピ監督と、カトリーヌ・ブレイヤ監督の3名のみ!)
カトリーヌ・ブレイヤ監督はフェリーニやピアラの元でシナリオライターとしての経歴があり、監督業に移行してからは、芸術と文学とポルノグラフィーの境界線での作品を生み出すことでも有名です。
2004年の「Anatomie de l'enfer 地獄の解剖学」ではポルノの帝王ロッコ・シフレディを主演男優として起用して話題を呼びました。
が、この製作後、ブレイヤ監督は脳卒中にあい、5ヶ月間入院。そしてリハビリ期間を得て、半身麻痺の身体でこの「Une Vieille Maitresse 古い愛人(原題)」に取りかかったそう。
「映画が私の全て。映画を撮る事こそが私のリハビリ」とブレイヤ監督は言います。
記者会見には、プロデューサーのJean-Fransis Lepetit氏がブレイヤ監督の手を引いて静かにゆっくりと登場。
カトリーヌ・ブレイヤ監督
今回の作品のヒロインはアーシア・アルジェント、そして主演男優はイブ・サンローランのポスターなどで知られている、「ヴェニスに死す」のタッジオを連想させる、ギリシャ彫刻風美少年フアッド・アイト・アトォー。
カトリーヌ・ブレイヤ監督:
「フアッドは見た瞬間に啓示的なものを感じたわ。彼こそ私がずっと探していた、イタリアンルネッサンスの美少年の容貌で、フェミニンだけれど、女っぽいのではなく、神聖な美を備えた人。そして、アーシアもフェミニンだけど女っぽくなく、そして豹のようで、セクシーで力強い。映画を作る誰もが一度は宿命の女を描きたいと願うもの。この作品のアーシアは私にとっての宿命の女の姿よ。」
フアッド・アイト・アトォー
アーシア・アルジェント:
「カトリーヌはこの世の中で唯一私より強いと感じた人間。これまでは誰と仕事をしても、力関係を感じた事はなかったけど、カトリーヌだけは別。私が唯一恐れる人間。」
会見後、アーシアはカトリーヌにベッタリ。まるで凶暴な野生動物が、カトリーヌの腕の中では飼い犬のようになってしまう、という風景でした。
アーシア・アルジェント(写真右)と抱き合うカトリーヌ・ブレイヤ監督