シニア留学風土記

リタイア後、日本を脱出して世界を散策したいと旅立つ。英語生活の勉強も兼ねている。その様子を書き綴る。

リスニングも悲惨

2008-10-28 05:26:12 | Weblog
 意味が分からない語彙が半分以上になるとリーディングもパニックになる。昨日その経験をした。午後の授業がまたIELTSテストのリーディング対策だった。2000WORDS~2750WORDSの文章を読んで理解し、質問に答えるのである。時間は20分。この「時間を限られる」というのが一つのパニックの原因でもある。訳読式で力がつかないのもそういう時間感覚を育てられないからである。無限に時間があるのなら何時間でも辞書を引いて理解すればよい。しかし、現実の生活はそれを許容しないことが多い。趣味で読書をするぐらいなら時間の感覚を育てる必要はないかもしれない。しかし現実に特に仕事などで役立つように力をつけるなら時間間隔は必要である。

 今回は「日本の英語教育は英語を話せるようには力をつけなかったけれど読めるようにはした」という巷の常識を根底から覆す経験をさせられた。テストのことだから極論だと思われるかもしれない。しかし、では新聞を、普通の趣味本を、業務上の手紙をサッと辞書を引かずに読めるようにしたかというとできていないのではないか。それが問題である。

 昨日の文章は「鯨種の5感覚について」であった。科学的な文章である。半分以上語彙の意味が分からなかった。そうすると何がなんだか分からないので、パニックになる。そうするとますます理解するということから遠ざかる。特に、私は実際に試しのテストをしているのだということが最初分かっていなかったので、ますます慌ててしまった。途中で質問に答えるのだと分かって答えようとする頃には20分という時間が終わろうとしていた。まことにもって悲惨だった。

 語彙を増やすことも必要である。読み物も普段から読んでおくことも必要である。4技能(読み、書き、聞き、話す)をバランスよく、という従来のお題目を主張する人にそれ見ろといわれるかもしれない。しかし、これも「聞き話す」力をつけてからだという自分の意見を変えることにはならない。やはり「読み書き」は後から教育すべきである。「4技能バランスよく」の主張は、どの力もまともにつけてこなかったというのが今日の主旨だからである。