ヲノサトル責任編集・渋東ジャーナル 改

音楽家 ヲノサトル のブログ

[配信] オールド・ファッション

2011年03月22日 | 音楽
先週はヲノサトル・ムードコア・エクスペリエンスに御来場ありがとうございました。



それにしても、10年ぶりに座長公演を開こうと計画したら見事にこんなタイミングにぶち当たってしまった。運が悪いと言うべきでしょうか?

なにせコンサートどころかあらゆる集客イベントが連日中止となり、当日も都内全域に停電予告が出るわ、帰宅難民化を恐れた人々で駅はパニック状態になるわといった状況。まわりのビルディングも繁華街の店舗も節電のため灯りを消し、コンビニやスーパーからは食料品がなくなり、ガソリンスタンドには車の行列… とトーキョー・シティは完全に「戦時下」の状態。

そんな夜にもかかわらず地下のお店に集まり、共に熱く音楽を楽しんでくれた皆さんに、感謝です。会場には、たとえば禁酒法のアメリカでスピークイージー(もぐり酒場)に集まった者たちも共有していたであろう、ある種の共犯意識が溢れていましたね。しょっぱなから「今夜のお客さん…なんだか他人とは思えません!」とMCして爆笑、いや失笑されました(笑)。事情で会場に来られずustreamで中継を観ていてくれた方々も含めて、皆で何かと戦っているような気分でした。実際、音楽を徹底的に楽しむことは、人生から自由や楽しみを奪おうとする全ての事象-"運命"だの"死"だのも含めて-に対する最大の戦いだ、と思うのです。書物の題名を借りれば「優雅な生活が最高の復讐である(Living well is the best revenge)」といったところでしょうか。

一度は挫けそうになった当方を励まし、イベントを開催してくれたお店のスタッフ一同(店長さんがあのレジェンダリーDJ・長谷川賢司さんだったのには驚きました!)。十年来ここぞという場面ではお願いしているPA広津"ヒロツコ"千晶に写真撮影の三橋純くん。普段CM撮りで使っている業務用機材を持ち込んで映像撮影してくれたmarimo recordsの江夏由洋さんとナベさん。ミキシングコンソールからの音声とエアマイクの音をその場でミキシングしながら録音してくれた同じくmarimo recordsの江夏正晃さん(1本40万円の超レアマイクを持ち込んでました・明らかにオーバースペック笑)。そして、その音と映像を完全ノーカット生中継でustしてくれた松本昭彦くん。親元に帰省したり自宅退避の学生も多い中、電車のりついで六本木までヘルプに来てくれたボランティアのゼミ学生諸君。そしてもちろん、白熱の演奏を展開してくれた豪腕ミュージシャンたち。全員が全員、持ち場で熱く全力を尽くしてくれて、実に、最高の夜になりました。

いやあ、10年待った甲斐があったというものです。
あらためて、ライヴも音楽作りも、がんがんやっていきたい気分になりました。
感謝です!

というわけで、そんな熱い夜の記録映像をどうぞ。
(収録が終わるやいなやスタジオに飛んで帰って編集を始め、なんと翌日の夕方には届けてくれた江夏ブラザーズの納品スピードに絶句しました!!!(笑)おかげでライヴ翌日からYOU TUBEで公開する事ができました)

曲は『オールド・ファッションド』。カクテルの名前から何の気なしにつけたタイトルなのですが、「ライヴや生のコミュニケーションのようなアナログで古いやり方が、ustやtwitterのようなデジタル・ツールのおかげで逆に今、再び力を取り戻しつつのではないか?」という意味がこめられているような気もしてきました。後からですけど(笑)

OLD FASHIONED / Satoru Wono Moodcore Experience


Live Act from "SATORU WONO MOODCORE EXPERIENCE" (Mar17.2011)
composed and arranged by Satoru Wono
keyboards:Satoru Wono
cello:Seigen Tokuzawa
guitar: Taro Sukegawa
percussion: Shinji Asakura
live P.A. mixing: Chiaki Hirotsu
live recording, mixing and sound edition: Masaaki Enatsu (marimo records)
director of photography and movie edition: Yoshihiro Enatsu (marimo records)
Copyright © 2011 Satoru Wono All Rights Reserved.




なお当夜の出演料と物販売上は全額、東日本震災の義捐金として日本赤十字社に寄付させていただきました。チャリティコンサートの主旨ではありませんでしたが、非常時にもかかわらず御来場いただいた観客の皆様の「心意気」を有効に使わせていただきたいと思った次第です。ご報告まで。




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